――待ち合わせ場所――
穂乃果「ごめーん、遅くなっちゃって」タッタッタ
海未「今日は5分遅刻ですよ、まったく」
ことり「それじゃあいこっか♪」
トコトコ トコトコ
穂乃果「あっ、そういえばさ、昨日テレビでやってた――」
海未「久しぶりに見ましたよ、ズンドコベロンチョ」
ことり「へぇ~ことりも見に行こうかな」
穂乃果「…………?」
穂乃果(ズンドコベロンチョ……?)
海未「穂乃果、どうかしましたか?」
穂乃果「あっ、えっと、さっきの……」
海未「ああ、ズンドコベロンチョのことですか?」
ことり「懐かしいよね、小さい頃はよくみんなで遊んだもんね」
穂乃果(ズンドコベロンチョで遊んだ……?)
海未「今日の帰りに寄って見てはどうですか?すぐ近所の公園ですし」
ことり「うーん、衣装制作が滞ってるから今日はダメかも」
穂乃果「………………」
穂乃果「ねぇ、二人とも?」
ことうみ「?」クルッ
穂乃果「ズンドコベロンチョって、なに?」
ことうみ「」
ことうみ「……………………」
穂乃果「あ、あれ…………?」
海未「穂乃果、あなたそれ……本気で言ってるのですか?」
穂乃果「えっ…………?」
ことり「穂乃果ちゃん……嘘だよね?」
穂乃果「えっ、えっ?」
海未「」ドカン!
穂乃果「ひっ!?」ビクッ
海未「本気で言っているのかと聞いてるんですっ!」
ことり「そんな……覚えてないなんて……」
穂乃果(ど、どうしよう…………)
穂乃果「……な、なんちゃって」
ことうみ「………………」ニコッ
海未「はぁ~まったく、びっくりさせないでください」
ことり「穂乃果ちゃんのせいで冷や汗かいちゃったよ」
穂乃果「あはは…………」
海未「そうですよね、穂乃果がズンドコベロンチョを忘れるはずがありません」
ことり「私たちの思い出だもんね、ズンドコベロンチョは」
穂乃果(思い出……ズンドコベロンチョが?)
海未「まぁ、冗談で良かったものの、もし本当に忘れていたら……」
海未「」ドカン! バキッ
穂乃果「!」ビクッ
海未「こんなものでは済まなくなるところでした」
ことり「そうだね、お仕置きとしてそれの3倍くらいかな~」
穂乃果「」ブルブル
海未「思わぬ時間をくってしまいました、早く行きましょう」
ことり「そうだね、穂乃果ちゃんいこっ♪」
穂乃果「う、うん」
穂乃果「……………………」
――お昼休み――
穂乃果(ズンドコベロンチョってなんだろう……全然思い出せないよ)
穂乃果(携帯で検索しても出てこないし……)
海未「――穂乃果」
穂乃果「ひっ」ビクッ
海未「……?どうしたんですか?」
穂乃果「ううん、なんでもないよ!」
ことり「みんなでお弁当食べよ」
穂乃果「うん……!」
穂乃果「」モグモグ
ことり「さっきね、アルパカ見にいったらズンドコベロンチョな猫を見かけたんだ」
穂乃果「!」
穂乃果「げほっ、こほっ」
海未「そうですか、それは運が良かったですね」
海未「ズンドコベロンチョな景色などはよく眼にしますが、猫は珍しいですからね」
穂乃果(ズンドコベロンチョな猫……景色……?)
ことり「穂乃果ちゃんはどんなズンドコベロンチョを見たことある?」
穂乃果「えっ!?ええっと……その……!」
海未「あまり記憶にないですか?」
穂乃果「う、うん、穂乃果物覚え悪いから!あはは……!」
海未「そうですね、でも穂乃果はこう見えて案外ズンドコベロンチョなところがありますから」
穂乃果「えっ……?」
ことり「そうだね、μ’sを立ち上げたのも穂乃果ちゃんがズンドコベロンチョだったおかげだもんね」
穂乃果「っ…………」
穂乃果(穂乃果がズンドコベロンチョ……分からないよぉ……)
穂乃果(……やっぱり、聞いてみよう)
穂乃果「……あ、あのね、海未ちゃん、ことりちゃん」
穂乃果「ごめん……穂乃果、ズンドコベロンチョって――」
ことり「」カン!
穂乃果「ひぃ!?」ビクッ
ことり「ごめんね、押しピンが飛んでいっちゃった」
ことり「穂乃果ちゃん、何か言った?」ニコッ
穂乃果「…………」ビクビク
穂乃果「……あのね、ズンドコ――」
海未「」グサッ!
穂乃果「!」
海未「すいません、このハンバーグなかなか固くて」
ことり「フォークで刺すの一番手っ取り早いもんね♪」
ことり「ところで穂乃果ちゃん、何か言った?」
穂乃果「……ううん」
ことり「そっか」ニコッ
穂乃果「…………」グスッ
穂乃果(……そうだ……真姫ちゃんたちに聞きに行ってみよう)
――1年生廊下――
真姫「ズンドコベロンチョ?なにそれ、イミワカンナイ」
凛「凛も知らないにゃ」
花陽「私も初めて聞いたよ」
穂乃果「そっか…………」シュン
真姫「海未やことりに直接聞けばいいじゃない」
穂乃果「うん……そうなんだけど…………」
真姫「……?」
穂乃果「みんなありがとう。あっ、あとこの事は二人には内緒にしてて」
穂乃果「またね~」ブンブン
花陽「穂乃果ちゃん、なんだか様子がおかしかったね」
凛「でもズンドコベロンチョってなんだかおもしろいにゃ」
真姫「……………………」
――3年生廊下――
にこ「はぁ、ズンドコベロンチョ?なにそれ?」
希「うーん、ウチも初めて聞く言葉やね」
絵里「ハラショー……ロシア語にもそんな言葉ないわ」
穂乃果「そっか…………ありがとう」
にこ「……大丈夫?顔色悪いわよ?」
穂乃果「うん、大丈夫だよ!また部活でね!」ブンブン
にこ「……………………」
――高坂家――
穂乃果(部活終わりに公園にも寄ってみたけど、結局ズンドコベロンチョが何なのか分からず仕舞い……)
ガチャ
雪穂「お姉ちゃん、漫画貸して~」
穂乃果「うん……」
穂乃果(……あっ、そうだ、雪穂なら――)
穂乃果「ねぇ雪穂?ズンドコベロンチョって知らない?」
雪穂「ズンドコベロンチョ?聞いたことないけど?」
穂乃果「……そっか」シュン
雪穂「……?」
雪穂「お姉ちゃん、学校でなにかあったの?」
穂乃果「えっ!い、いや、何もないよ!」メソラシ
雪穂「海未さんやことりさんと喧嘩した?」
穂乃果「そう言う訳じゃないんだけど……」
雪穂「はぁ、私で良かったら話し聞くよ?」
穂乃果「……雪穂」
穂乃果「うん、ありがとう……あのね、実は――」
雪穂「そんなことがあったんだ……」
穂乃果「穂乃果、もうどうすればいいかわからないよ……」グスッ
雪穂(可愛い…………//)
雪穂「こほん。まぁ、もう解決策は見えたけど」
穂乃果「えっ!」
雪穂「明日、海未さんとことりさんに直接聞いてみるといいよ」
穂乃果「!で、でも……」ビクビク
雪穂「ズンドコベロンチョのことを忘れたって正直に打ち明けて、謝ってみなよ」
雪穂「そんなに怖がらなくても大丈夫だから、ねっ?」
穂乃果「……うん、わかった。穂乃果やってみるよ」キリッ
雪穂「よし……それじゃあ私は部屋に戻るね?」
穂乃果「あっ、待って雪穂」
雪穂「?」
穂乃果「その……ありがとう」
雪穂「うん」ニコッ
――待ち合わせ場所――
海未「ことりに聞きましたよ。昨日ズンドコベロンチョを見に行ったそうですね」
ことり「穂乃果ちゃん、どうだった?」
穂乃果「……うん、その…………」
穂乃果「………………」チラッ
ことうみ「」ニコッ
穂乃果「」ブルブル
穂乃果「……ご、ごめんなさい……穂乃果、実は――」
ことうみ「」ダン!
穂乃果「ひっ!」ビクッ
海未「実は……なんですか?」
穂乃果「……ごめん、海未ちゃんことりちゃん」
穂乃果「穂乃果ね……ズンドコベロンチョのこと、覚えてないんだ……」
穂乃果「たぶん海未ちゃんとことりちゃんとの大切ななにかだと思う……」
穂乃果「でも穂乃果……なにも覚えてなくて……」ジワッ
穂乃果「ずっと思い出そうとして……それでも思い出せなくて……」
穂乃果「だからごめん……ごめんね……」
穂乃果「海未ちゃんことりちゃんごめんなさい……忘れちゃってごめんなさい……」ポロポロ
ことり「」ポロ
海未(わ、私たちはとんでもないことを……!)
ことり「穂乃果ちゃんごめんね!」ギュッ
海未「穂乃果がそこまで思い詰めていたなんて……私たちは最低です……!」
海未「穂乃果、すいません……ごめんなさい!」ギュッ
穂乃果「どうして二人が謝るの……悪いのは穂乃果なのに……」グスッ
海未「いいえ、悪いのは私たちです」
ことり「あのね、ズンドコベロンチョは――」
―――――――――――――
真姫「……はぁ、こんなことだと思ったわ」
にこ「ズンドコベロンチョなんて言葉無かったのね」
真姫「どうしてこんなことしたわけ?」
ことり「それは……その」モジモジ
海未「最初は冗談のつもりだったのですが……あまりに反応が可愛いかったのでつい……」モジモジ
にこ「はぁ!?」ドカン!
ことうみ「ひっ!」
にこ「つい、で人のこといじめるんじゃないわよ!」
にこ「穂乃果は思い詰めて私たちの所にまで聞きに来たのよ!」
にこ「冗談でも度がすぎるわよ!穂乃果にあやまりなさい!」
ことうみ「……穂乃果(ちゃん)、ごめんなさい」
穂乃果「にこちゃん、もういいの」
穂乃果「ことりちゃんと海未ちゃんだって悪気はなかったんだもん……それよりも」
ギュッ
ことうみ「!」
穂乃果「二人との思い出を忘れてなくて良かったよ」ニコッ
ことり「穂乃果ちゃん……」ポロポロ
海未「穂乃果ぁ……」グスッ
花陽「なにはともあれ、無事解決だね」
凛「めでたしめでたしにゃ」
絵里「……………………」
―――――――――――――
――昨日――
ドタドタ ガチャ
絵里「亜里沙!」
亜里沙「!お、お姉ちゃんどうしたの?」
絵里「あのね……ズンドコ――」
亜里沙「ズンドコ?」
絵里「ズンドコベロンチョって知ってる!?」
亜里沙「ズンドコベロンチョ……?」
絵里「日本で流行ってるのかもしれないわ、このままだと私たち流行に取り残されるかも!」
亜里沙「ハラショー……!」
――――――――――――――――
絵里「」
――――――――――――――
亜里沙「ねぇ雪穂!」
雪穂「わぁ!あ、亜里沙、どうしたの?」
亜里沙「ズンドコ……ズンドコベロンチョって知ってる!?」
雪穂「……………………」ポカーン
雪穂「…………はぁ」
完
感想
面白いw
ありがとうございます♪
書いた頃が懐かしいSSです。
最低ですね
はい、どうもです