ラブライブ SS 穂乃果「理不尽ことうみ」 マジック編

honoka10

 

――部室――

 

ガチャ

 

凛「あれ、穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果「あっ、凛ちゃん!」

 

凛「今日日曜日なのにどうしたの?」

 

穂乃果「それが海未ちゃんから昨日メールで呼ばれたんだ」

 

凛「穂乃果ちゃんも?凛もだよ」

 

穂乃果「なにかすごいものを見せてくれるんだって」

 

凛「楽しみだにゃ」

 

ガチャ

 

海未「穂乃果、凛、こんにちは。休日に呼びつけて申し訳ありません」

 

穂乃果「ううん、暇だったし大丈夫だよ」

 

凛「海未ちゃん、すごいものってなにかにゃ?」

 

海未「ええ、そのことですがいまから順を追って説明します」

 

海未「実は最近、ことりが手品を極めたそうなんです」

 

穂乃果「手品?」

 

凛「手品って、よくテレビでやってるトランプとかお札貫通とかのやつ?」

 

海未「いえ、テーブルマジックではありません」

 

海未「人が瞬間移動したりする本格的なマジックです」

 

穂乃果「ええっ!」

 

凛「ことりちゃんすごいにゃ!」

 

海未「本番のμ’sクリスマス会までには完璧にしたいそうなので」

 

海未「それで今日は穂乃果と凛に手伝ってもらいたいそうです」

 

穂乃果「やるやる!穂乃果絶対やりたい!」

 

凛「はいはい!凛も!」

 

海未「ありがとうございます。それでは行きましょう」

 

海未「屋上でことりが待っています」

 

――屋上――

 

ことり「あっ、みんな!」

 

穂乃果「ことりちゃんお待たせ!」

 

凛「わぁ、すごいセットだね!」

 

海未「二人には私の方から話しておきました」

 

ことり「ハノケチャンリンチャン、協力してくれてありがとう」ニコッ

 

穂乃果「でもびっくりだよ、ことりちゃんがあんなマジックのタネを知ってるなんて」

 

凛「凛、マジックを仕掛けられる方にタネがあると思ってたよ」

 

 

ことり「……………………?」

 

ことり「タネなんて知らないよ?」

 

ほのりん「えっ…………!」

 

ことり「タネなんて知らないけど、たぶんできるよ。テレビでは簡単そうだったもん」

 

ほのりん「……………………」

 

凛「ど、どういうことかにゃ……」

 

穂乃果「タネを知らないんじゃマジックなんてできないよ……?」

 

ことり「えっ……できないの……?」ウルウル

 

海未「穂乃果、凛っ!」

 

ほのりん「っ!」ビクッ

 

海未「あなた達は最低です!」

 

海未「何事も最初から無理などと口にするのはやめなさい!」

 

海未「どんなことにでも可能性はあります!」

 

穂乃果「……………………」

 

凛「ごめんなさい…………」

 

海未「ことり、頑張りましょう」ニコッ

 

ことり「うん!それじゃあ早速いってみよう!」

 

ことり「ことりのタネなしマジックショー!」

 

ほのりん「……………………」

 

海未「」ギロッ

 

ほのりん「!」ビクッ

 

……パチパチ

 

ことうみ「」

 

 

ことり「最初のマジックは~これ!」

 

ことり「ジグザグボックスマジック!」

 

海未「端的に説明します」

 

海未「この三分割された箱の中に人を入れ、真ん中の胴体部分だけを完全にずらすことができると言うマジックです」

 

海未「胴体切断と似たようなものと考えてくださって構いません」

 

ことり「どうしてあんな風になるのか分からないけど」ニコッ

 

海未「………………っ」(笑)

 

海未「まずは凛、箱の中に入って見てください」

 

凛「……で、でも…………」

 

海未「」バンッ!

 

凛「!」ビクッ

 

海未「聞こえなかったのですか?早く入りなさい」

 

凛「……うん」

 

穂乃果「……………………」

 

スッ ガチャン

 

海未「用意完了です」

 

ことり「それではいきます」

 

ドラムロール……

 

ことり「えいっ!」グッ

 

凛「いたたたたっ!痛いにゃ~!」

 

ことり「あれ~おかしいなぁ」グイグイ

 

凛「やめて!ことりちゃん痛いよぉ!」

 

穂乃果「ちょっとことりちゃん!」

 

ガチャッ

 

穂乃果「凛ちゃん大丈夫?」

 

凛「ひっく……ぐすっ…………」ポロポロ

 

ことうみ「……………………」

 

ことり「……どうしてできないんだろう」

 

海未「こ、ことり」

 

ことり「やっぱりことりは何してもダメなんだ……」グスッ

 

海未「くっ……凛!」

 

凛「!」ビクッ

 

海未「左側までずれないとマジックとして成立しないでしょう!」

 

凛「……………………」

 

海未「ちゃんとしなさい、いいですね?」

 

凛「…………うん」グスッ

 

穂乃果「で、でも……海未ちゃん、タネもないのにそんなの――」

 

ビュッ カンッ!

 

穂乃果「」ビクッ!

 

ことり「ごめんね、手品用の剣が飛んでいっちゃって」

 

ことり「ハノケチャン、大丈夫?」ニコッ

 

穂乃果「う、うん…………」ビクビク

 

ことり「うーん、それじゃあ他のにするね」

 

ことり「次は――これ!」

 

ことり「消えるシルクハット!」

 

海未「人にかぶせることでシルクハットの中に入れたものが消えてしまうというマジックです」

 

ことり「どうやって消えるのか楽しみだなぁ」

 

海未「穂乃果、早速やってみましょう。この椅子に座ってください」

 

穂乃果「………………」トボトボ ストン

 

凛「………………」

 

ことり「まずはこのシルクハット、タネも仕掛けもありません」

 

ことり「この中に生クリームを入れまーす」スッ

 

ことり「練乳も入れちゃいまーす」スッ

 

ことり「チョコクリームも入れちゃいまーす」スッ

 

穂乃果「そ、そんなの……!」

 

ドラムロール

 

ことり「……えいっ!」スポッ

 

穂乃果「ひゃあっ!」ベチョ

 

穂乃果「うぅ…………」

 

凛「穂乃果ちゃん、大丈夫!?」

 

穂乃果「クリームまみれだよぉ……」グスッ

 

ことうみ「………………」

 

ことり「……やっぱり、ことりにはできないんだ……」

 

海未「こ、ことり、そんなことありません」

 

ことり「ごめんねみんな、今日はありがとう……」スタスタ

 

海未「ことり!」

 

バタン

 

凛「ことりちゃん…………」

 

穂乃果「……………………」

 

海未「」ギロッ

 

ほのりん「」ビクッ

 

海未「穂乃果、凛……あなたたちはふざけてるんですか?」

 

穂乃果「そんなことない!……けど」

 

凛「タネがないから…………」

 

海未「タネが無いなら無いなりにできることがあるでしょうが!」バンッ!

 

海未「例えばテスト前の悪あがきでも、やらないよりやる方がマシでしょう!それと同じです!」

 

ほのりん「……………………」

 

海未「もう一度ことりを呼び戻してきます。今度はお願いしますよ」

 

ほのりん「…………うん」

 

 

ことり「ごめんねみんな、これで最後だから」

 

ことり「最後のマジックは~これ!」

 

ことり「ソードインボックスマジック!」

 

海未「箱の中に人を入れ、どこから剣を刺しても貫通するというマジックです」

 

ことり「せっかくだし、今回は難しいと言われてる人数二人に挑戦してみようかな」

 

ほのりん「えっ…………」

 

海未「いいですね、その方がモチベーションも上がるというものです」

 

海未「それでは穂乃果、凛、箱の中に入ってください」

 

ほのりん「……………………」スッ

 

ガチャン

 

ことり「それでは始めます」

 

ドラムロール

 

ことり「1本目、投入」グサッ

 

ビクッ

 

ことり「2本目、投入」グサッ

 

凛『ひっ!』

 

ことり「3本目、投入」グサッ

 

穂乃果『ひゃあ!』

 

ことり「4本目、投入」グサッ

 

穂乃果『いたっ!』

 

ことり「あれー入らないなぁ」グイグイ

 

穂乃果『痛い痛い!ことりちゃん痛いよぉ!』

 

海未「ではこちらからも投入してみましょう」グサッ

 

凛『にゃっ!』

 

海未「こちらもなぜか入りませんね」グイグイ

 

凛『痛いー!海未ちゃん剣が当たってるにゃあ!』

 

ことり「うーん、とりあえず開けてみよっか」

 

ガチャ バタッ

 

ほのりん「………………」グスッ

 

海未「なぜかテレビのように上手くはいきませんね」

 

ことり「やっぱりタネがないとダメなのかなぁ」

 

海未「…………くっ」(笑)

 

ことり「もうすこし練習してからにするね。穂乃果ちゃん、凛ちゃん、今日はありがとう。クリスマス会まで楽しみにしててね」

 

海未「それでは私とことりは後片付けがありますからこれで」

 

スタスタ ガチャン

 

ほのりん「…………………………」

 

穂乃果「凛ちゃん……クリスマス会、欠席しよ……」

 

凛「うん……二人でラーメンでも食べに行くにゃ……」

 

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