ラブライブ SS (まきぱな百合)花陽「真姫ちゃんの体、暖かいね……//」

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――お昼 大雨――

 

ザーザー

 

花陽「真姫ちゃん、あそこにバス停があるよ」タッタッタ

 

真姫「ちょうどいいわ、雨宿りしていきましょう」タッタッタ

 

ガチャッ バタン

 

花陽「ふぅ…………」

 

真姫「助かったわ……」

 

花陽「でもお互いびしょ濡れだね」

 

真姫「こんなに降るなんて……天気予報では晴れだって言ってたのに、もう」

 

花陽「通り雨じゃないかな?それにしてもすごいけど」

 

真姫「風も吹いてるし……早くバス来ないかしら」ソワソワ

 

花陽「あと30分はかかるかも、ここのバス停1時間で2本だけみたいだよ」

 

真姫「ヴェェ、そんなに!?…………はぁ」ズーン

 

花陽「音ノ木坂からずいぶんから離れちゃったもんね。この辺あんまり人もいないみたいだし」

 

真姫「まさか裏目に出るなんて……ごめんなさい」

 

花陽「ううん、気にしないで。すごく楽しかったよ♪」

 

花陽「真姫ちゃんからまた自転車の練習したいって相談された時はびっくりしたけど」

 

真姫「いつまでも不安定なままじゃ恰好つかないじゃない……怪我するのも嫌だし」カミノケクルクル

 

真姫「練習するにしても、やっぱり乗れる人に教えてもらった方が上達も早いと思うし」

 

花陽「でも自転車なら私なんかよりも凛ちゃんの方がずっと上手だよ?」

 

真姫「……花陽、どうして私が遠くに行こうなんて言い出したのか分かってないでしょ?」

 

花陽「?」

 

真姫「近所だったらその……μ’sの誰かやクラスメイトに見られるかもしれないじゃない」

 

真姫「私にだってプライドがあるし……それに――」

 

真姫「凛なんかにこんなこと相談したら――」

 

花陽「あはは……だから凛ちゃん誘わなかったんだね」

 

真姫「他に頼める相手って言ったら花陽しか思いつかなかったの……勝手な理由で巻き込んで悪かったわね」

 

花陽「そんなことない、頼ってくれて嬉しいな」

 

花陽「最初に出会った頃よりも、真姫ちゃんと打ち解けられた気がするもん」

 

真姫「な、なによ今更……というか、わたしはもう花陽にはとっくに打ち解けてるし……//」

 

花陽「ふふっ、ありがとう真姫ちゃん♪」

 

真姫「…………//」プイッ

 

 

花陽「なんだかギシギシいってるね……」

 

真姫「ところどころ錆びついてるし……崩れてきたりしないかしら」

 

花陽「特に古くもなさそうだし、大丈夫じゃないかな」

 

真姫「でもこのバス停、近いうちにとり壊されるみたいね……こんな場所だし無理ないけど」

 

花陽「……風、強くなってきたね」

 

真姫「もはや台風ね……はっ!まさか運行が中止になったりしてないわよね……?」

 

花陽「そうだとしたら、ここで夜を越すことになっちゃうかも」

 

真姫「そんな……!夏休みとはいえ、そんな肝試しサバイバル嫌よ!」

 

花陽「でも今ここから出るのはもっと危険じゃないかな?戻るには坂を降りないといけないし」

 

真姫「うぅ…………どうしてこんなことに」

 

花陽「真姫ちゃんしっかりして、待っていればきっと止むよ」ニコッ

 

真姫「……なんだか花陽、楽しそうね」

 

花陽「そうかな?実はね、なんだか小さい頃に戻ったみたいでちょっとわくわくするの」

 

真姫「小さい頃って……わたしはこんなの一度も経験したことないわ」

 

花陽「私は結構凛ちゃんと一緒にどこでも行ってたからかな、こういうの慣れっこになっちゃって」

 

真姫「昔から仲良かったのね」

 

花陽「うん、幼稚園くらいの頃からずっとずっと親友だよ」

 

真姫「……………………」

 

花陽「それでね、小さい頃の凛ちゃんは今よりももっとやんちゃで――」ペラペラ

 

真姫「……………………むぅ」

 

花陽「あれ…………真姫ちゃん?」

 

真姫「…………なによ?」

 

花陽「どうしたの、急に黙り込んで……」

 

真姫「……別に…………」

 

花陽「……もしかして、ヤキモチ焼いてくれてるの?」

 

真姫「なっ!?なな、なんで私が凛にヤキモチなんて!//」

 

花陽「わたしじゃなくて凛ちゃんに焼いてくれてたんだ……えへへ、嬉しいな♪」

 

真姫「なっ……っ……!も、もう知らないっ!//」プイッ

 

花陽「真姫ちゃんごめんね、機嫌直して~」

 

 

――5分後――

 

真姫(……ダメね、やっぱり運行も一時停止中みたい)ケイタイ ピッピッ

 

真姫「花陽、ここで一夜越すのもあながち冗談じゃなさそうよ――」

 

真姫「っ!?花陽!?」

 

花陽「ま、真姫ちゃん…………」ブルブル

 

真姫「どうしたの!?しっかりして!」

 

花陽「なんだか急に体が冷えてきて……でも大丈夫だよ」ガクガク

 

ピトッ

 

花陽「ひゃっ!」

 

真姫(体温が下がってるわね……このままじゃまずいわ)

 

真姫「……花陽」

 

スルスル

 

花陽「ぴゃあっ!?ま、真姫ちゃんどうしたの、急に服なんて脱いで……//」

 

真姫「花陽も脱ぎなさい」

 

花陽「えっ!?//」

 

真姫「服を脱ぎなさい」

 

花陽「えっと……ま、真姫ちゃん、私たちそういうのはまだ早いんじゃ……//」オドオド

 

真姫「聞こえないの?脱ぎなさい」

 

花陽「は、はい…………!」

 

花陽「……………………//」ゴクリ

 

スルスル

 

花陽「…………ま、真姫ちゃん……?//」

 

真姫「……どうしたの?」

 

花陽「真姫ちゃんって……こういうのが好みなの?//」

 

真姫「こういうのってなによ……別に好きで脱いでるわけじゃないわ」

 

花陽「へっ?」

 

真姫「濡れた服を着ていると体温が下がるの、まだ脱いでる方がマシなのよ」

 

真姫「わかったら、花陽も早く服を脱いで」

 

花陽「あっ…………な、なるほど、そうだよね!」

 

花陽「ごめんね真姫ちゃん!わたしったら変なことを……//」プシュ~

 

真姫「?」

 

 

花陽「……やっぱり来ないね」

 

真姫「とりあえず家族に連絡しておいたわ、風が弱まったらパパが車で迎えに来てくれるって」

 

花陽「よかったぁ……さすがに晩ごはん抜きは辛いもんね」

 

真姫(そっちなの!?)

 

 

花陽「……………………」

 

真姫「……………………」

 

花陽「服脱いでも、やっぱり寒いね」

 

真姫「肌着だけだものね……」

 

花陽「……………………」

 

真姫「……………………」

 

花陽「…………ねぇ、真姫ちゃん」

 

花陽「……二人でくっついたら…………その……少しは暖かくなるかな?//」

 

真姫「!?そ、それは…………//」

 

花陽「……………………//」

 

真姫「……そりゃ、やらないよりやる方がマシだと思うけど……実際身を寄せ合って寒さを凌ぐ方法とかは効果的だし//」カミノケクルクル

 

花陽「そっか……//」

 

真姫「……………………//」

 

花陽「真姫ちゃんさえよければ……くっついてもいいかな?//」

 

真姫「……しょうがないわね//」

 

花陽「ありがとう……それじゃあ――えいっ//」ピトッ

 

真姫「~~~っ!//」

 

花陽「えへへ……真姫ちゃんの体、暖かいね……♪//」

 

真姫「に、人間は定温動物なんだから当たり前でしょ……//」

 

花陽「……………………♪」

 

花陽「……こうして二人きりなのって、最初に出会った頃以来かな」

 

真姫「そうね……確か生徒手帳を花陽が届けてくれたんだっけ」

 

花陽「あの時真姫ちゃんが落し物してなかったら、こうして触れ合えなかったのかな……」

 

真姫「そうかもね……あの時花陽が拾ってくれたからこそ、μ’sも……楽しい今もあるのかも」

 

花陽「なんだかすごい偶然だね」

 

真姫「ええ…………♪」

 

花陽「わたしと真姫ちゃん……運命なのかな」

 

真姫「!?へ、変な言い方しないでよ!//」

 

花陽「……そのままの意味だよ……だって――」

 

 

花陽「わたし、真姫ちゃんのことが好きだもん」

 

 

真姫「――!」

 

真姫「えっ……あ…………!」

 

真姫「~~~~~っ!?//」

 

真姫「そ、それって、その、友達的な意味のことよね!ラヴじゃなくてライク的な――」

 

花陽「ううん……恋愛的な意味だよ?だって……こうして真姫ちゃんに触れてると――」

 

ギュッ

 

真姫「!//」

 

花陽「胸の奥が、すごくドキドキするもん……」

 

真姫「…………っ!//」

 

ギュッ

 

花陽「…………!」

 

真姫「……わたしも……花陽のこと好きよ……」

 

真姫「友達とかじゃなく、一人の女の子として……花陽のことが好き」

 

花陽「……真姫ちゃん…………」

 

真姫「!」

 

花陽「」ポロポロ

 

真姫「花陽……?」

 

花陽「あれ、おかしいな…………嬉しいのに、涙が……♪」グスッ

 

花陽「あのね……わたし、ずっと怖くて……自分の気持ちを伝えたら、真姫ちゃんに嫌われちゃうかもしれないって、ずっと不安で……」ポロポロ

 

花陽「なのに、真姫ちゃんは……こんなわたしのこと、好きって…………」ポロポロ

 

真姫「……バカね」

 

真姫「私が花陽のことを嫌いになるわけないじゃない」

 

真姫「わたしはどんな花陽でも受け入れるわ……だって」

 

真姫「わたしが好きなのは、あなただけだもの」ギュッ

 

花陽「ひっく……真姫ちゃん……!」

 

真姫「花陽…………好きよ//」

 

花陽「んっ…………//」

 

チュッ

 

花陽「えへへ…………♪//」

 

真姫「ふふっ、可愛いわね//」

 

花陽「うぅ……やっぱり真姫ちゃんって、そっちなの?//」

 

真姫「さぁね……それはこれから分かるわ//」

 

花陽「あっ…………//」

 

――おしまい♪

感想

  1. 最高の真姫推し より:

    うん。可愛い

  2. おちょ より:

    やはりまきぱなは素晴らしいですね

  3. 匿名 より:

    お疲れ。ありがとう!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      お楽しみいただけたようでなによりです。

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