ラブライブ SS 花陽「凛ちゃんをペットにします」

6Mo9Up3

 

――小泉家――

 

凛(夏休み三日目、今日からしばらくかよちん家にホームスティにゃ!)

 

花陽「着替えと、あと歯ブラシも持ってきた?」

 

凛「大丈夫、抜かりないよ」フンス

 

花陽「着替えは忘れても私の寝間着があるから大丈夫だけど」

 

凛「えへへ、かよちん。誘ってくれてありがとー!」ギュッ

 

花陽「ううん、私の方こそ来てくれてありがとう♪」

 

花陽「……実はね、最近凛ちゃんと二人きりの時間が減ってきてるから――」ゴニョゴニョ

 

凛「今日のμ’sの練習も楽しかったね!」

 

花陽「あっ…………う、うん、そうだね」

 

凛「あっ、そうだ!かよちん聞いてよ。絵里ちゃんたらね、凛のことまた子ども扱いしたんだよ」

 

凛「凛だってもう立派な高校生なのに――――」ペラペラ

 

花陽「…………うん、そうなんだ」

 

凛「それでね?――――」

 

花陽「…………………………」

 

花陽(凛ちゃん……ごめんね…………)

 

花陽(もう私、自分の気持ちが抑えきれないよ…………)

 

凛「でもね、あとで絵里ちゃんがなでなでしながら謝ってきたんだよ」

 

凛「凛は大人だから許してあげたにゃ」

 

花陽「凛ちゃん……せっかくだからお話ししながらお菓子でも食べる?」

 

凛「お菓子!食べる!」キラキラ

 

花陽「待っててね、今用意してくるから」スッ

 

凛「あっ、凛も――」

 

花陽「大丈夫、すぐに戻って来るから。凛ちゃんはここで待ってて」

 

凛「わかった、なら待ってるよ」

 

花陽「」ニコッ

 

ガチャッ バタン

 

凛(やっぱりかよちんは優しいにゃ♪)

 

 

――5分後――

 

花陽「お待たせ」

 

凛「かよちんお帰り、ずいぶん遅かったね?」

 

花陽「うん、溶かすの――じゃなくて、ペットボトルのふたを開けるのに手こずっちゃって」

 

凛「なんだ~そんなことなら凛を呼んでくれれば良かったのに」

 

花陽「ふふ、じゃあ食べよっか……」

 

凛「わぁ!これ噂の低カロリービスケットにゃ」

 

凛「さすがはかよちん、夜の間食にも抜かりないね」サクッ

 

凛「うーん、甘くておいしいにゃ」モグモグ

 

花陽「そろそろいいかな……」

 

花陽「凛ちゃんはい、オレンジジュース」

 

凛「ありがとうかよちん。オレンジジュースとビスケットは最高の組み合わせだよね」

 

凛「♪♪~♪」チュー

 

花陽「ふふ………………」

 

 

――2分後――

 

凛「ふぁぁ……」アクビ

 

凛「…………」ゴシゴシ

 

花陽「凛ちゃん、眠たいの?」

 

凛「うん……おかしいにゃ、凛、いつも1時までは大丈夫なのに」

 

花陽「きっと日頃の疲れが出たんだよ、そろそろおやすみしよっか」

 

凛「うぅ、かよちんごめんね。まだ10時前なのに」

 

花陽「ううん、気にしないで。ほら凛ちゃん、ベッドに横になって」

 

凛「でも、寝る前に歯磨きしないと……」ウツラウツラ

 

花陽「明日の朝すればいいよ、だから……ねっ」

 

凛「………………うん」ウトウト

 

凛「かよちん、おやすみなさい…………」ファァ

 

凛「…………すぅ…………すぅ……」Zzz

 

花陽「ふふ……凛ちゃん可愛い…………」

 

花陽「さてと――」

 

 

――AM11時――

 

凛「ふぁあ……今何時だろ?」ポケー

 

凛「あれ、かよちんは……?」

 

凛「リビングかな……とりあえず顔洗わないと――」フラフラ

 

凛「――にゃ゙っ!!」ガシャン

 

凛「いつつ……あれ、これなに……?」

 

凛「!檻……!?どうしてこんなのが……!?」

 

ガチャッ

 

花陽「あっ、凛ちゃんやっと起きたね。おはよう♪」

 

凛「か、かよちん、これ……」

 

花陽「んっ、どうしたの?」

 

凛「どうしたのって……これなんなの?」

 

花陽「?見ての通りゲージだよ。特大サイズだから大きいでしょ」ニコッ

 

凛「ゲージって……どうしてこんなこと……」

 

花陽「どうしてって……ペットをゲージに入れるのは当然だよ?」

 

凛「……あっ、わ、分かった!ドッキリだね!もうかよちんてば、こんな大がかりな仕掛け作って!」アセアセ

 

花陽「ドッキリ……?何を言ってるの凛ちゃん、あっ、まだ寝ぼけてるんだね♪」

 

凛「か、かよちん…………?」

 

花陽「じゃあ洗面所までお散歩しないとね。……うーん、リードはどれがいいかなぁ」

 

凛「どうして……昨日まではあんなに優しかったのに……!ねぇかよちん、どうしちゃったの!?」

 

花陽「どうして?……ふふ、凛ちゃんのせいだよ……凛ちゃんがμ’sの皆に浮気したりするから……」

 

凛「な、なに言ってるの……かよちん……?」

 

花陽「そこで考えたの……どうしたら凛ちゃんのことを見張りながら一緒に暮らせるかなって」

 

花陽「だったら、ペットにしちゃえばいい……凛ちゃんが私のペットになってくれれば、ずっと一緒にいられるもん」

 

花陽「はい、おしまい。さぁ凛ちゃん、洗面所までお散歩しよっ♪」

 

凛「……こんなのおかしいよ…………凛はかよちんのペットじゃないにゃ!」

 

花陽「」ポチッ

 

凛「!?……く、苦しい……!」グググッ

 

凛「げほ……げほっ…………はぁ、はぁ……」ナミダメ

 

凛「こ、これ……首輪……」

 

花陽「これはしつけチョーカーって言ってね、ボタンを押すとそうやって首輪がしまるんだよ」

 

花陽「あんまり使いたくないけど……凛ちゃんがそういう態度取るなら、仕方ないよね」

 

凛「そ、そんな…………かよちんお願い、目を覚まして……」

 

花陽「」ポチッ

 

凛「うぅ……ああ…………!」グググッ

 

凛「はぁ……はぁ…………」グスッ

 

花陽「ふふ、泣いてる凛ちゃん可愛い……もう一回やったらもっと泣いてくれるかな」スッ

 

凛「!かよちん……ごめんなさい……許してください……」ブルブル

 

花陽「じゃあ、私のペットになってくれる?」

 

凛「……はい…………」

 

花陽「やっと分かってくれたね、凛ちゃんありがとう♪」ニコッ

 

凛「……………………」ジワッ

 

花陽「凛ちゃん、もうちょっと首を近づけて」

 

凛「えっ…………こう?」

 

カチャッ

 

花陽「お外に出るときはリードしないとね……逃げられないように」

 

凛「」ガクガク

 

花陽「あっ、ちなみにお母さんもお父さんもみんな留守だから安心して」

 

花陽「この1週間はずっと、凛ちゃんと私二人きりだよ」フフフ

 

凛「」グスッ

 

 

――朝食――

 

花陽「朝はツナマヨと鮭の塩焼きにしたよ。凛ちゃん、たくさん食べてね?」

 

凛「…………………………」オドオド

 

凛「か、かよちん…………」

 

花陽「んっ、どうしたの?」

 

凛「その……凛、お魚苦手で…………」

 

花陽「」ポチッ

 

凛「ああ゙!うっ…………!」グググッ

 

凛「はぁ……はぁ…………」

 

花陽「凛ちゃん、好き嫌い言っちゃだめだよ?」

 

花陽「それに……凛ちゃんは猫なんだから、ちゃんとお魚くらい食べれないとね?」

 

凛「で、でも………………」グスッ

 

花陽「あっ、じゃあ私が食べさせてあげるね。はい凛ちゃん、あーん」

 

凛「……………………」

 

花陽「」スッ

 

凛「!」ビクッ

 

凛「…………」パクッ

 

花陽「凛ちゃん偉いよ、おりこうだね♪」

 

凛「…………」ポロポロ

 

花陽「//」ゾクゾク

 

 

――夕方――

 

花陽「凛ちゃん」

 

凛「!」ビクッ

 

花陽「お風呂湧いたから、一緒に入ろっ」

 

凛「お風呂…………うん」

 

花陽「……凛ちゃん?」

 

花陽「言わなくても分かってると思うけど、逃げようとしたりしたらどうなるか分かってるよね?」

 

凛「……はい………………」ガクガク

 

花陽「賢いペット、わたし好きだよ♪」

 

凛「……………………」ウツムキ

 

 

――お風呂――

 

チャポ

 

凛「ふぅ…………」

 

凛(あっ、首輪の跡が残ってるにゃ……」

 

凛(……かよちん……どうして…………)

 

花陽「凛ちゃんお待たせ」

 

凛「!」ビクッ

 

チャポ

 

花陽「ふぅ……極楽だね」

 

凛「う、うん…………」ビクビク

 

凛「…………………………」

 

凛「か、かよちん……あのね……!」

 

花陽「……凛ちゃん?」

 

花陽「勝手に喋っていいって誰が言ったかな?」

 

凛「ぅ…………で、でも、凛はかよちんに言いたいことが――」

 

花陽「凛ちゃんはペットのくせに飼い主の言うことが聞けないの?」カミノケ ガシッ

 

凛「あぅっ!い、痛いよ…………!」ジワッ

 

花陽「そんな凛ちゃんにはきついお仕置きが必要だね……!」グイッ ヂャボン

 

凛「ごぼっ!」

 

ブクブクブクブク ザボン!

 

花陽「反省したかな?」

 

凛「かよちんお願い……元のかよちんに戻って……」ポロポロ

 

花陽「泣いてる凛ちゃん可愛い……もっといじめたくなっちゃう」グイッ ヂャボン

 

ブクブクブクブク

 

凛(苦しい……息ができない……!)

 

ザボン!

 

花陽「もう一回行くよ、凛ちゃん深呼吸して?」

 

凛「げほっげほ……はぁ……はぁ…………がぼっ!?」ヂャボン

 

花陽「凛ちゃんが悪いんだよ……凛ちゃんがいけない子だから」

 

凛(もうダメ……かよちん…………)クラッ

 

 

―――――――――――――――――

 

花陽「――ちゃん!凛ちゃん、大丈夫!?」

 

凛「はっ!…………あ、あれ、ここは?」

 

花陽「私の家だよ?凛ちゃん、今日泊まりに来たでしょ?」

 

凛「うん……泊まりに来て、それで朝起きたらかよちんに……」

 

花陽「朝って……まだ夜の10時半だよ?」

 

凛「!」チラッ

 

PM10:20

 

凛「………………」ポカーン

 

花陽「あっ、凛ちゃんもしかして寝ぼけてる?」クスッ

 

花陽「わたしがお菓子を取りに行ってる間に凛ちゃんが寝ちゃってたんだよ。起こすのも可哀そうだからそっとしておこうと思ったんだけど、凛ちゃんがうなされてたからつい……ごめんね?」

 

凛「…………かよちん……かよちん、だよね?」

 

花陽「えっ、うん……わたしだよ?」

 

凛「ぐすっ……えぐっ…………!」ポロポロ

 

花陽「り、凛ちゃん!?」

 

凛「かよちーんっ!」ダキッ

 

花陽「ぴゃあ!?」

 

凛「かよちんかよちん!本物のかよちんにゃ!凛の大好きな優しいかよちんにゃ!」

 

花陽「凛ちゃん落ち着いて……い、いたいよぉ……!」

 

凛「もう離さないにゃ!かよちーん!」ギュッ

 

花陽「ダ、ダレカタスケテェ!」

 

凛(夢でよかった……♪)グスッ

 

――凛END おしまい

 

花陽「そっか……それは怖かったね」

 

凛「うん……かよちん、変な夢見てごめんね?」

 

花陽「ううん、気にしないで。そっか……正夢にならないようにしなきゃ……」グッ

 

凛「えっ?」

 

花陽「ううん、なんでもない。さぁ食べよっ」

 

凛「うん、いただきまーす」サクッ

 

凛「うーん、せんべいとオレンジジュースは最高にゃ!」

 

花陽「そうだね」

 

花陽(……わたしの嫉妬してた気持ちが、凛ちゃんの夢にまで伝わっちゃったのかな……)クスッ

 

花陽(今日凛ちゃんに、勇気を持って告白するつもりだったのに……)

 

花陽(……でもやっぱり……あと少し、あともうちょっとだけ……)

 

花陽(――μ’sを続けている間は、この関係でいよう……♪)

 

――花陽END おしまい

タイトルとURLをコピーしました