――園田家――
穂乃果「ごちそうさま!」
凛「おいしかったにゃ」
海未「お粗末さまでした」
穂乃果「いやぁ、海未ちゃん家のお蕎麦は相変わらずおいしいね」
海未「ありがとうございます」
凛「でも海未ちゃん、どうしてあんなにお蕎麦があるの?」
穂乃果「まだ3箱も積んであるよ……すごい量だね」
海未「そのことなのですが…………」
海未「実は今日、ことりがあることに挑戦するそうなんです」
ほのりん「あること?」
海未「ええ、わんこそば100杯です」
穂乃果「100杯!?」
凛「そんなに食べられるわけないよ!」
海未「普通に考えればそうですね、しかしことりは勝算はあると言っていました」
海未「なんでも、摩擦力の問題は見えているとか」
『それなりの計算はできていることり』
凛「ま、摩擦力?」
穂乃果「でも肝心のことりちゃんは?」
海未「既に道場の方で待機しています、そこで穂乃果と凛に頼みたいことがあるのですが……」
海未「お願いします、共にことりの挑戦を見届けてはいただけないでしょうか?」
穂乃果「海未ちゃん……うん、もちろんだよ!」
凛「一緒にことりちゃんの勇姿を最後まで見届けるにゃ!」
海未「ありがとうございます!あなた達ならそう言ってくださると信じていました」
海未「それでは道場の方へ行きましょう、ことりが待っています」
――道場――
海未「失礼します」
凛「ことりちゃん、応援に来たよー!」
穂乃果「ことりちゃーん!」ブンブン
ことり「凛ちゃん、穂乃果ちゃん、来てくれたんだ♪」
凛「海未ちゃんから聞いたよ、本当に大丈夫なの?」
穂乃果「ことりちゃんってどっちかと言うと小食だよね?」
ことり「大丈夫、朝はチーズケーキしか食べてこなかったから」ニコッ
『朝食はチーズケーキだけに抑えてきたことり』
凛「ち、チーズケーキ食べたんだ」
穂乃果「ま、まぁ何も食べないのは体に悪いもんね!」
海未「こほん、ではそろそろ始めましょう」
海未「最初にこれをご覧ください」シャ
凛「わぁ、すごい量のお椀にゃ」
海未「ちょうど100杯です」
海未「給仕の方がいないので、今回は盛出し式わんこそばにさせてもらいました」
海未「温かいそばつゆはこちらのポットに用意してあります」
海未「制限時間は無制限、ことりが白旗をあげた時点で終了です」
凛「ことりちゃん頑張るにゃ!」
穂乃果「ファイトだよ!」
ことり「うん、任せて」
海未「それではいきます……よーい、スタート!」
ことり「いただきまーす」
ズルズル
ことり「おいしい~でもちょっとダシが薄いかな」
ことり「鰹節入れてみようっと……あれ?」
海未「あっ……すいませんことり、薬味の用意を忘れていました!」
ことり「ええっ!うーん、ネギでも入れないとさすがに飽きちゃうかも……」
海未「今すぐ用意してきます、それまで我慢しててください」
海未「穂乃果、凛、手伝ってください」
穂乃果「わかったよ」フンス
凛「ワサビ擂るのは凛に任せるにゃ」
ことり「みんなごめんね~」
――5分後――
海未「ことり、お待たせしました」
凛「ワサビに海苔にネギ、完璧にゃ!」
穂乃果「ことりちゃん、できたよ――――えっ……?」
穂乃果「…………こ、これ……」
凛「お椀が全部空っぽにゃ……」
ことり「ごめんねみんな、ずっと待ってたんだけど」
ことり「――もう食べ終えちゃった♪」
ほのりん「」
『5分間で既に完食してしまったことり』
海未「本当ですか!」
ことり「ごめんねみんな、せっかく用意してくれたのに」
海未「いいんですよそんなこと。それよりことり、やりましたね!」
ことり「みんなのおかげだよ♪」
ほのりん「………………………………」
穂乃果「ど、どういうこと……」
凛「100杯完食って……まだ5分だよ……?」
海未「1杯およそ3秒ですね、さすがはことりです」
ことり「3回噛んで飲みこむ作戦が功を奏したみたい」
『作戦を立てて挑戦に挑んだ結果』
ほのりん「……………………」
穂乃果「で、でも…………」
凛「凛たち、ことりちゃんが食べてるところを見てないから……その…………」
海未「はっ?」
ほのりん「!」ビクッ
海未「凛、あなた……何が言いたいのですか?」
海未「まさかことりが嘘をついてると言うのではないでしょうね?」
凛「……うぅ…………」
穂乃果「っ……でも、5分で100杯なんて――――」
海未「」ドカン!
穂乃果「ひっ!?」ビクッ
海未「穂乃果、あなたまで……ことりを見なさい!」
ことり「そんな、嘘だなんて……こんなに頑張ったのに……」
『凛と穂乃果の心無い言葉にショックで落ち込むことり』
海未「可哀そうに……これではことりが浮かばれません……」
ほのりん「……………………」ウツムキ
海未「見なさい、お椀は空っぽでしょう」
穂乃果「う、うん…………」
凛「!……う、海未ちゃん、あれって――」
海未「ああ、あれですか。あれは予備に用意しておいたわんこそばです」
ことり「たくさんあるね」
『あらかじめ大量のわんこそばを用意していた海未』
ほのりん「…………………………」
穂乃果「あれ…………」
凛「ことりちゃんが食べてないやつじゃあ――――」
海未「いい加減にしなさい!」ドカン!
凛「ひゃうっ!」ビクッ
海未「あなたはいつからそんなに疑い深い人間になったのですか!」
海未「人を信じられないようなら、μ’sなんてやめなさい!」
凛「うぅ……ひっく…………」ポロポロ
穂乃果「り、凛ちゃん」アセアセ
海未「……はぁ、凛だけは純粋なままでいてくれると思っていたのに……残念です」
ことり「凛ちゃんなら信じてくれるよね?μ’sの先輩二人がこんなに言ってるんだもん」ニコニコ
凛「…………………………」グスッ
凛「…………はい」
『二人の言い分に納得した凛』
海未「さすがは凛です」ニコッ
ことり「いつまでも素直な凛ちゃんでいてね」ニコッ
凛「…………」ジワッ
海未「穂乃果はどうなのですか?」
穂乃果「うぅ…………ほ、穂乃果は……」
ことり「はぁ~」
穂乃果「!」ビクッ
ことり「穂乃果ちゃんは幼馴染二人の言うことも信じてくれないんだ……そっかぁ」
穂乃果「………………」グスッ
海未「第1期であれほどμ’sのみんなに迷惑をかけておいて……」ハァ
穂乃果「うぅ……ごめんなさい…………」ポロポロ
海未「では、信じますね?」ニコッ
穂乃果「……はい………………」
『同様に納得する穂乃果』
海未「さすがは穂乃果です」ニコッ
ことり「ハノケチャン、信じてたよ」ニコッ
ほのりん「……………………」グスッ
海未「ことり、お疲れ様でした。それでは片付けましょう」
ことり「ことりたちは先に洗い物してくるね」
海未「穂乃果、凛、その間に床掃除をお願いします。では」
バタン
ほのりん「……………………」
穂乃果「…………凛ちゃん、今度は二人でラーメン食べよう……」
凛「うん……ラーメンなら、2杯はいけるにゃ…………」
完
感想
このシリ-ズ好きです
ありがとうございます
ことりの挑戦シリーズをこれからもよろしくお願いします