――高坂家――
海未「日曜日にいきなり呼び出されたかと思いきや、こんなことですか……」ハァ
穂乃果「えへへ、昨日押入れの中を掃除してたら見つかったんだ」
ことり「まぁまぁ海未ちゃん。小さい頃はよくみんなでやってたし、せっかくだから楽しもうよ」
凛「凛は初めてにゃ、かよちんは?」
花陽「わたしも初めてだよ」
穂乃果「大丈夫、簡単だよ。じゃあ早速始めよう!」
穂乃果「第一回、音ノ木坂紙相撲大会~!」パフパフ
凛「すごい!これ全員μ’sのメンバーにゃ!」
海未「みんなのアイコン、制服まで印刷して……この情熱を勉学に向けられれば言うことないのですが」
ことり「でも凛ちゃんと穂乃果ちゃん、ことりと海未ちゃんの人形だけくっついてるよ?」
穂乃果「せっかくだし、2対2の対抗戦にしたいと思って」
穂乃果「花陽ちゃんには行司をお願いするね」
花陽「うん、まかせて!」
凛「よーし、目指すはμ’sナンバー1にゃ!」
穂乃果「いっくよ~!」
ことうみ「」
花陽「西~ほのりん~ほのりん~。東~ことうみ~ことうみ~」
花陽「はっけよーい、のこった!」
トントントントントン
穂乃果「いけ~!」バシバシ
トントントントントン
凛「もうちょいもうちょいにゃ!」
トントントントントン
海未「すごい勝負です!」バシバシ
トントントントントン
ことり「白熱だね!」
トントントントントン バタッ
ほのりん「やったぁ~!!」
花陽「ほのりんの勝ちです」
ことうみ「」
ことうみ「………………」
海未「いや、私の角度からだとちょっと違うような気がしましたが」
ことり「うん、さっきほのりんが土俵から出てたような気がする」
花陽「えっ?」
ことうみの言い分『ほのりんは開始早々に土俵から出ていた』
ことり「ちょうど穂乃果ちゃんの左足が一瞬外に出てたよ」
花陽「えっ……出てないと思うよ?」
海未「いいえ、開始早々に出ていました」
穂乃果「穂乃果の左足が?」
凛「ううん、絶対に出てないよ。だって凛こっちから見てたもん」
海未「始まった直後に出ていましたから、恐らく凛も気付かなかったのでしょう」
穂乃果「始めは土俵の真ん中だよ?そんなの出るわけないよ」
ことり「」ギロッ
穂乃果「っ!」ビクッ
海未「花陽の審判も曖昧でしたし、もう一度やり直しましょう」
凛「無茶苦茶だよ!そんなの海未ちゃんとことりちゃんの言いがかりにゃ!」
海未「はっ?」
凛「っ!?」ビクッ
海未「凛あなた、私とことりが嘘をついてるとでも言うんですか?」
凛「ご、ごめんなさい……」
ことり「かよちゃん、やり直そう。ねっ?」
花陽「凛ちゃん、穂乃果ちゃん、いいかな……?」
ほのりん「うん……」
花陽「では、最初から仕切り直しです」
ほのりん「……………………」
花陽「それでははっけよ~い、のこった!」
トントントントントン
トントントントントン ドタッ
海未「やりましたっ!」
ことり「ことうみの勝ちだね」
海未「そこで明らかに倒れましたからね!」
海未「凛にいたっては土俵から頭が出てます!」
ことり「………………くくっ」(笑)
花陽「ことうみの勝ちです……」
穂乃果「……仕方ない、他のみんなを応援しよう!」
凛「そうだね、まだかよちんも残ってるにゃ!」
ことうみ「」
花陽「西~小泉花陽~小泉花陽~。東~ことうみ~ことうみ~」
花陽「はっけよ~い、のこった!」
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン バタッ
花陽「勝者、小泉花陽~」
穂乃果「花陽ちゃんの勝ちだぁ!」
凛「かよちんすごいにゃ~!」
花陽「えへへ」
ことうみ「……………………」
海未「違いますよ」
ことり「ちょっと胡散臭かったよね」
海未「なんだかクーラーがきつくないですか?」
ことり「そうだよね~これじゃあことうみがこけるのも無理ないよ」
ことうみの言い分『クーラーの風がきつかった』
穂乃果「ええっ、でも設定は中だよ?」
凛「それにさっきからずっとこの風にゃ」
海未「もういいです、ややこしい話しはやめましょう」
海未「花陽、あなたは何年生ですか?」
花陽「えっ……1年生だよ」
海未「まぁそう言うことです」
ことうみの言い分『花陽は後輩である』
穂乃果「ど、どういうこと?」
凛「だって、μ’sって先輩後輩無しなんじゃあ……」
ことり「ことりはどっちの意見も分かるよ」
ことり「穂乃果ちゃんたちの、自分たちが勝っているんじゃないかって意見もすっごく分かるよ」
凛「えっ……でも事実だから……」
ことり「」ギロッ
凛「っ…………」ビクビク
ことり「ことりは、かよちゃんが勝ちでもいいと思うよ?」ニコッ
花陽「う、ううん!私は負けでいいよ!」
花陽「穂乃果ちゃん凛ちゃん、ごめんね!花陽の勘違いだったみたい!」
穂乃果「花陽ちゃん…………」
凛「かよちん…………」
花陽「次の取り組み行きますね……海未ちゃんもことりちゃんもごめんね?」
ことり「ううん、気にしなくていいよ」
海未「勘違いは誰にでもあることです」
ほのりん「……………………」
花陽「西~西木野真姫~西木野真姫~。東~ことうみ~ことうみ~」
花陽「はっけよーい、のこった!」
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン バタッ
穂乃果「今度こそ真姫ちゃんだね!」
凛「さすがは真姫ちゃん、最後はことうみをこかしたにゃ!」
ことうみ「……………………」
海未「わかりませんね」
ことり「そうだね、今の決まり手はなんだったんだろう」
ことうみの言い分『決まり手がわからない』
花陽「決まり手は、たぶん押し倒しだよ」
ことり「でも真姫ちゃんに押されたわけじゃないしね」
ことり「ここで勝手に倒れたんだもん」
海未「それに一番問題なのは花陽の呼び出しです」
海未「あんな小さな声ではとてもやる気なんて出ませんよ」
ことうみの言い分『行司に覇気が無かった』
海未「もっと大きな声で言いませんと、恐らくそのせいでしょう」
ことり「かよちゃん声小さいもんね~」
花陽「……ごめんなさい」グスッ
花陽「それでは、ことうみの勝ちです……穂乃果ちゃん凛ちゃん、ごめんなさい」
穂乃果「ううん……」
凛「かよちん、ごめんね……」
花陽「西~矢澤にこ~矢澤にこ~!東~ことうみ~ことうみ~!」
花陽「はっけよーい、のこった!」
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン バタッ バタッ
花陽「勝者、矢澤にこ~」
穂乃果「おお!ギリギリにこちゃんの勝ちだね!」
凛「さすがはにこちゃん、ただでは倒れないにゃ」
海未「早くどかしなさい!」
ほのりんぱな「っ!?」ビクッ
ことり「ちゅん!」・8・ポイッ
穂乃果「ああっ、にこちゃんが!」
ことり「上に乗ったら危ないよ、にこちゃんの反則負けだね」
海未「倒れている者の上にのしかかって来るなんて、考えられませんね」
ことうみの言い分『危険すぎて認められない』
穂乃果「でもこういうのって本物の相撲でもよくあることだよ?」
凛「だからこそ、みんなトレーニングを積むんだよ?」
海未「あなたたちは私とことりが怪我をしてもいいと言うんですかっ!?」
ほのりん「っ!」ビクッ
海未「わたしだけならまだしも、ことりにそういうことを言うのはやめなさい!」
ほのりん「………………」グスッ
海未「花陽は事故肯定派ですか?」
花陽「ううん……違います……」
ことり「それじゃあ?」
花陽「ことうみの勝ちです……」
ことり「せっかくの楽しい紙相撲なんだからもっと明るくやろうよ」
海未「そうですね。穂乃果、凛、申し訳ありません。なにぶん筋が通らないことが大嫌いなもので」
ことり「…………くくっ」(笑)
ほのりん「……………………」グスッ
花陽「西~東條希~東條希~。東~ことうみ~ことうみ~」
花陽「はっけよーい、のこった!」
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン
トントントントントン バタッ
穂乃果「希ちゃんのか――」
ことり「ちゅん!」・8・
ドカッ! グシャッ
凛「ああっ!」
花陽「希ちゃんの紙相撲が……」
穂乃果「ちょっとことりちゃん!どうして枕なんて投げたの?」
ことり「ごめんね、ついヒートアップしちゃって」
凛「せっかく希ちゃんの勝ちだったのに……」
海未「これでは続けられませんね、ことうみの不戦勝ということにしましょうか」
ことうみの言い分『不戦勝にするしかない』
ことり「ごめんねみんな、気を取り直して最後の取り組み行こうよ」
ほのりんぱな「……………………」
花陽「西~絢瀬絵里~絢瀬絵里~。東~ことうみ~ことうみ~」
花陽「はっけよーい、のこった!」
トントントントントン
トントントントントン
ドンドンドンドンドン! バタッ
海未「やりましたっ!」
ことり「ことうみの勝ちー!」
穂乃果「ちょっとことりちゃん」
凛「今グーで叩いてなかったかにゃ?」
ことり「ううん、ことりはパーで叩いてたよ?」
海未「ことりがそんなことするはずないでしょう。変な言いがかりはやめなさい」
花陽「ダレカタスケテェ…………」グスッ
海未「それでは私たちが優勝ですね。そろそろ時間ですし、これでおいとましましょうか」
ことり「お疲れ様~みんなまた明日」ニコッ
ガチャッ バタン!
ほのりんぱな「……………………」グスッ
凛「穂乃果ちゃん……もう紙相撲はやめよう」
穂乃果「うん……押入れの奥にしまって置くね」
花陽「……みんなで、ご飯でも食べに行こう」
完