ラブライブ SS 穂乃果「ことりイリュージョン・自転車を消す!?」

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――部室――

 

穂乃果「あれ、凛ちゃん?」ガチャ

 

凛「穂乃果ちゃん!」

 

穂乃果「今日は練習休みなのにどうしたの?」

 

凛「よく分からないけど海未ちゃんに用事があるって突然ラインで呼び出されたにゃ、穂乃果ちゃんは?」

 

穂乃果「凛ちゃんも?穂乃果もだよ」

 

ガチャッ

 

海未「失礼します」

 

穂乃果「あっ、海未ちゃん!」

 

海未「穂乃果、凛、休日だと言うのに呼びつけて申し訳ありません」

 

海未「実は今日、ことりが二人に特別見せたいものがあるそうなんです」

 

穂乃果「ことりちゃんが?」

 

凛「凛たちに見せたいもの?」

 

海未「その名もことりイリュージョンです」

 

ほのりん「ことりイリュージョン?」

 

海未「ええ、確か自転車を一瞬のうちに消すと言っていました」

 

ほのりん「ええっ!」

 

海未「先に準備して公園で待っているので穂乃果と凛を連れてきて欲しいとのことです」

 

海未「どうです、来てくださいますか?」

 

穂乃果「もちろんだよ!絶対見たい!」

 

凛「ことりちゃんすごいにゃ!海未ちゃん早く行こっ!」

 

海未「公園までここから歩いて10分程度ですがことりを待たせるのは気の毒です、なるべく急ぎましょう」

 

ほのりん「うん!」

 

 

――――――――

 

穂乃果「自転車が目の前で消えるの?」

 

海未「はい、以前目の当たりにして驚きました」

 

凛「海未ちゃんは見たことあるんだ」

 

海未「あの時一瞬で消えましたね~UTX」

 

穂乃果「えっ!UTX!?」

 

海未「こんなものは要らないと言ってことりが消してしまいました」

 

凛「でも秋葉原にあるよ?A-RISEが通ってるにゃ」

 

海未「ええ。しかしその後に生徒たちに泣き付かれたのでことりが元に戻したんです」

 

穂乃果「元にも戻せるんだ!」

 

凛「魔法使いみたいだね」

 

海未「そうですね――……うっ」ガクッ

 

穂乃果「海未ちゃん、どうしたの!」

 

海未「急にめまいが……」

 

凛「大変にゃ!救急車呼ぶ?」

 

海未「心配ありません、一時的なものですので時間が経てば大丈夫です」

 

海未「申し訳ありませんが少しベンチで休ませてもらえないでしょうか?」

 

穂乃果「いいよ、治るまで休んでいこう」

 

凛「凛、お茶買って来るね」

 

海未「すいません……いたたた…………」

 

―――10分後―――

 

凛「海未ちゃん、もう大丈夫?」

 

海未「ええ、おかげさまで」

 

穂乃果「だいぶ遅くなっちゃったね、ことりちゃんにラインした方がいいかな」

 

海未「いえ、あと3分もかからないので」

 

凛「次の交差点を右に行けば公園だもんね」

 

海未「あっ、ちょっと待ってください」

 

ほのりん「?」

 

海未「そういえば忘れていました」

 

海未「穂乃果、凛、そこのコンビニに寄ってください」

 

ほのりん「えっ?」

 

海未「ことりは昼食がまだだったはずです、パンか何か買っていってあげましょう」

 

穂乃果「でももうことりちゃんが待ってるんじゃ……」

 

凛「あとで来ればいいにゃ、とりあえず急ごうよ」

 

海未「しかしお腹が減って力が出せないかもしれません」

 

海未「すぐに買えばさほど時間もかからないでしょう」

 

海未「穂乃果はリンゴジュース、凛はチーズケーキを探してください、はいお金です」

 

ほのりん「……………………」

 

―――5分後 公園―――

 

穂乃果「ことりちゃんどこだろう」

 

凛「あっ、いたにゃ!」

 

海未「ことり、お待たせしました」

 

ことり「ずいぶん遅かったね~何かあったのか心配しちゃったよ」

 

海未「申し訳ないです、色々とありまして」

 

ことり「穂乃果ちゃん凛ちゃん、今日は来てくれてありがとう」

 

穂乃果「海未ちゃんから聞いたよ、ことりちゃんすごいんだね!」

 

ことり「えへへ」

 

凛「凛早く見たいよ、さっそく見せて欲しいにゃ!」

 

海未「ことり、お願いします」

 

穂乃果「おっ、いよいよだね!」

 

 

ことり「それが――もう消しちゃったんだ♪」

 

 

ほのりん「」

 

『待ちくたびれて既に自転車を消してしまったことり』

 

海未「もう消してしまったのですか?」

 

ことり「うん」

 

海未「そうですか、それは残念です」

 

ほのりん「…………………………」

 

穂乃果「も、もう消した?」

 

凛「どういうことかにゃ?」

 

ことり「みんないなかったけどあまりに遅かったからつい」

 

海未「なるほど、1時間も待てませんからね」

 

ほのりん「…………………………」

 

穂乃果「で、でも、穂乃果たちは見てないから……」

 

凛「ちゃんと見ないと、その……」

 

海未「」ダンッ!

 

ほのりん「ひっ!」ビクッ

 

海未「どういう意味ですかそれは?」

 

海未「あなた達はことりが嘘をついているとでも言いたいんですか?」

 

ほのりん「………………」ビクビク

 

穂乃果「……でも……ことりちゃんが待ってるって……」

 

ことり「うん、ずっと待ってたんだけど穂乃果ちゃんたち遅かったでしょ」

 

ことり「おトイレに行きたくなっちゃって、だから消していったんだ♪」

 

凛「わざわざ消していかなくても……」

 

海未「ことりにそういう言い方はやめなさい」

 

海未「人にはそれぞれ順番があるのです」

 

海未「朝起きてすぐに歯を磨く人もいればトイレに行く人もいます」

 

ほのりん「…………………………」

 

ことり「あっ、そうだ。代わりにはいこれ」

 

ガチャ ガチャ

 

海未「これはスプーンですか」

 

凛「全部ねじれてるにゃ……」

 

ことり「みんなが来ないから暇つぶしにスプーン曲げしてたんだ」

 

ほのりん「……………………」

 

凛「あ、あのね…………」

 

穂乃果「これも、曲げてる瞬間を見ないと…………」

 

凛「結果だけ見ても、その…………」

 

海未「物事はなんでも結果でしょうが!」

 

ほのりん「」ビクッ

 

海未「廃校を阻止さえできればいいと一度匙を投げたのは穂乃果、まぎれもないあなたでしょう!」

 

海未「自分のことを棚にあげてことりを疑うのはやめなさい!」

 

穂乃果「……ごめんなさい」グスッ

 

凛「で、でも、遅くなったのは海未ちゃんが――」

 

ことり「」ドカン!

 

凛「!」ビクッ

 

ことり「ごめんね、スプーンが飛んでいっちゃった」

 

ことり「凛ちゃん、何か言った?」

 

凛「……なんでもないです…………」グスッ

 

ほのりん「…………………………」

 

海未「あなた達ならもうわかるでしょう」

 

海未「凛、信じますね?」

 

ことり「先輩二人がこんなに言ってるんだもん、凛ちゃんならわかってくれるよね?」ニコッ

 

凛「…………うん……」

 

海未「よし、いい子ですね」

 

ことり「穂乃果ちゃんもわかってくれるよね?」ニコッ

 

穂乃果「…………うん……」

 

海未「さすがは穂乃果です」

 

海未「さて、用件も済んだことですし、みんなでどこか行きましょうか」

 

ことり「そうだね。穂乃果ちゃん凛ちゃん、いこっ♪」

 

ほのりん「…………………………」

 

穂乃果「凛ちゃん……夜に二人で何か食べよう……」

 

凛「うん……いいラーメン屋さんがあるにゃ……」

 

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