――早朝 小泉家玄関前――
凛(ということで、早速今日から決行です)
凛(最初のターゲットは――かよちん!)
ピンポーン
凛「おはようございます、かよちんはまだ寝てますか?」
凛「あっ、起こさないでください。ところで今日のかよちんのお弁当は――」
――
――――
――――――
――お昼休み――
花陽「えへへ、やっとお昼だね」ニコニコ
真姫「花陽はお昼休みになるといつも嬉しそうね」
凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃ」
花陽「やっぱりお昼はご飯だよね」
真姫(わたしサンドイッチなんだけど……)
真姫(というか花陽のお弁当箱、また少し大きくなってるような……)
花陽「さてと、ちゃんと手も洗ったし、いただきまーす」パカッ
花陽「――えっ」
真姫「花陽、どうしたの――――っ!?」
真姫「花陽のお弁当のご飯がチャーハンに……」
凛(にゅふふ、かよちんへのいたずらは――ご飯入れ替え作戦にゃ!)
凛(ちなみに入っていた白いご飯はかよちんのお母さんに協力してもらって凛のお弁当箱に詰め替えました)
凛(さぁかよちん、どんな反応を見せてくれ――)
花陽「」バンッ!
凛「っ!?」ビクッ
花陽「誰……こんなことしたの、誰なの!?」
真姫「は、花陽、落ち着いて……!」
花陽「わたしの幸せを奪ったのは誰……!」
花陽「真姫ちゃん!?」ギロッ
真姫「ち、違うわ!そんなことするはずないじゃない!」ブルブル
花陽「じゃあ――」ギロッ
凛「ひっ!?」
花陽「――凛ちゃん?」ハイライトオフ
凛「」
花陽「わたしのお母さんはこんなことするはずないし……誰なの!?」ドカン!
真姫「ひいぃ………」ウルウル
凛「真姫ちゃん……」
凛「っ……か、かよちん!」
花陽「ん……?」
凛「その……ごめんなさい。チャーハンに入れ替えたの、凛なの……」
凛「で、でも、かよちんのご飯は凛のお弁当にほら!」パカッ
花陽「あっ……コシヒカリが……」ハイライトオン
真姫「どうしてそんなこと……?」
凛「ちょっとしたいたずらのつもりだったの!だから許してぇ!」
花陽「…………そっか、そうだったんだ」
花陽「……真姫ちゃん、疑ってごめんね」
真姫「ううん、いいのよ別に」
花陽「……さてと」
花陽「――凛ちゃん?」
凛「…………」ブルブル
花陽「――お尻、こっちに向けて?」ニコッ
凛「……はい」グスッ
パシンパシンパシン!
フニャー!!
――
――――
――――――
凛「お尻ぺんぺんされたにゃ……」ヒリヒリ
凛「でも、こんなことじゃあへこたれないよ!」
凛「次のターゲットは真姫ちゃん!」
――音楽室――
凛(放課後……この時間はいつも真姫ちゃんと海未ちゃんが曲の打ち合わせに来るはず)
凛(ちなみに凛は音楽室のロッカーの中にゃ)
ガラッ
凛(来た!)
真姫「今日でたぶん完成よ」
海未「さすがは真姫ですね」
真姫「問題は最後の部分なんだけど……」
海未「――おや?これは……?」
真姫「ピアノの上にガムを置くなんて……誰かの忘れ物かしら?」スッ
真姫「リンゴ味?見たことないガムね……」
パチン!
真姫「なっ!?」ビクッ
凛(ガムパッチン大成功にゃ!ここからじゃよく見えないけど)
海未「――!真姫、大丈夫ですか!?」
凛「!」
真姫「ええ、別に――」
海未「」ヒソヒソ
凛(な、なんだろう、真姫ちゃんになにかあったのかな?)
海未「真姫、しっかりしてください!」
真姫「い、痛い……指が……!」
海未「なっ!……真姫の指から血が!」
凛(えっ!?)
海未「この指ではとてもピアノなんて弾けません……!」
真姫「そんな……あと少しで完成するのに!」
真姫「このままじゃあ次のライブまで間に合わないわ!」
海未「くっ……どうしてこんなことに……」
凛(ど、どうしよう!凛のいたずらのせいで、真姫ちゃんが……)ガクガク
海未「だれがこんなところにガムパッチンなんて……!」
真姫「せっかくここまで来たのに……うぅ」
バタン!
凛「真姫ちゃんごめんなさい!」
まきうみ「!」
凛「ち、ちがうの!凛、そんなつもりでいたずらしたんじゃ――――あれ?」
凛「真姫ちゃんの指……血、出てない……?」
海未「くすっ、やっぱり凛でしたか」
真姫「お昼も花陽にいたずらしてたし、そうだと思ったわ」
凛「えっ……え?」
海未「ふふっ、冗談ですよ、逆ドッキリというやつです」
真姫「そもそもガムパッチンなんかで指をケガするはずないじゃない」
凛「…………」ポカーン
真姫「あっ、咄嗟に思いついたのは海未のほうよ」
海未「すいません、出来心でつい」
凛「……!」プクー
凛「もう!真姫ちゃんと海未ちゃんのバカ!凛、本気で心配したのに!」グスッ
真姫「こんないたずら仕掛ける凛のほうが悪いんでしょ」クスッ
海未「ほら、真姫は大丈夫ですから泣き止んでください」ハンカチ
凛「知らない!二人のバカ!凛パンチにゃ!」ポカポカ
真姫「ごめんなさい、少しやりすぎたわね」ナデナデ
海未「これに懲りて、いたずらなんてしちゃダメですよ」ナデナデ
凛「……真姫ちゃん、無事でよかった」グスグス
――
――――
――――――
凛「見事にしてやられたにゃ」
凛「でも、こんなことじゃあへこたれないよ!」
凛「次のターゲットは穂乃果ちゃん!」
――翌日 部室――
凛(今日は生徒会の用事で穂乃果ちゃんたちが早く来る日)
凛(当然、部室に来るのも一番乗りのはず!)
凛(……よし、完璧にゃ!)
――――――――――――――――――――
穂乃果(はぁ~疲れたぁ。でも、練習は頑張らないと!)
穂乃果「ファイトだよ!」フンス
穂乃果「失礼しまーす」ガチャッ
凛「どぉりゃあー!」
バーン!!!
穂乃果「うひゃあ!!?」
穂乃果「な、なに!?何が起こったの!?」
穂乃果「って、あれ……これ、紙吹雪?」
凛「えへへ~大成功にゃ!」
穂乃果「凛ちゃん!いったいなんなのこれは?」
凛「クラッカーバズーカだよ、穂乃果ちゃんへのいたずらに用意したの」
穂乃果「本格的すぎだよ!しかもそれって本来お祝い用のやつだよね!?」
凛「まぁまぁ、細かいことはいいのにゃ。せっかくだから穂乃果ちゃんも協力してよ」
穂乃果「えっ、穂乃果も?」
凛「ちょうど2本余ってるし、次のターゲットはことりちゃんだよ」
穂乃果「面白そうだけど……ことりちゃん、腰抜かさないかな」
凛「大丈夫、たぶん!」フンス
ことり「すきすき、ぷわぷわ♪」
ことり「すきすき、ぷわぷわしちゃおう♪」
ことり(今夜は徹夜して衣装完成させなきゃ)
ことり「」トントン
凛「穂乃果ちゃん、きたよ」ヒソヒソ
穂乃果「せーので発射しよっ」ヒソヒソ
ことり「失礼しま――」
ほのりん「せーの!」
ことり「あっ」バタン
ほのりん「えっ!?」
バーン!!!! フギャーー!
ことり「靴ひもがほどけちゃってる、ちゃんと結んでおかないと」キュッキュッ
ことり「よし、失礼しまーす♪」ガチャッ
ほのりん「………………」パラパラ
ことり「穂乃果ちゃん凛ちゃん!どうしたの!?」
ことり「どうしてそんな紙吹雪だらけに……」
ほのりん「ことりちゃんのせいだよ!!」
ことり「えっ、ことり?」
―――――――――――――――――――――――
ことり「そっかぁ、凛ちゃんごめんね。上手くかかってあげられなくて」
凛「うぅ、その慰め方は余計に傷つくにゃ」
穂乃果「ことりちゃんって変なところで危機回避能力高すぎだよぉ」
ことり「お詫びに――はい、マカロンとクッキー」
ほのりん「わーい!」
ことり(かわいい……)
ことり「ふふっ、食べ終わったら海未ちゃんが来る前に部屋を掃除しないとね」
ほのりん「あっ……」
――
――――
――――――
凛「ちゃんといたずらが成功したのは今のところ穂乃果ちゃんだけ……」
凛「でも、こんなことじゃあへこたれないよ!」
凛「次のターゲットは絵里ちゃん!」
――翌日 部室――
ガチャッ
絵里「おはよう――あら、誰もいないの?」
絵里「にこくらいは来てると思ったけど……」
凛(代わりに凛が来てます)ロッカーノナカ
絵里「ふぅ…………あら、これ――」
絵里「――本当にあった怖い話?」マンガ
凛(かかったにゃ!)
凛(暇であれば、大抵の人間ならそばに置いてある漫画に手を伸ばす)
凛(それがホラー系であれば、余計に気になってしまうのが人間の性!)
凛(一番の問題は、絵里ちゃんがこれを読み進めるかどうか……)ゴクリ
絵里「怖い話…ねぇ……うーん」パラパラ
凛(きたー!!)
凛(いまはまだ耐えるにゃ……タイミングを見計らって後ろから突然バーンと現れる!)
凛(にしし、完璧にゃ!)
―――――――――――――――――――――
絵里(うぅ……もうやめましょう、心臓に悪いわ)ブルブル
カタッ
絵里「!」ビクッ
絵里「……ただの風よね?」
絵里(やっぱり読むんじゃなかった、怖い……)
絵里「早く誰か来ないかしら……」ソワソワ
凛(絵里ちゃんがソワソワしだした……そろそろかな)
凛(――いまだ!)
希「失礼するよー」ガチャッ
絵里「ひゃあ!!って、希っ!」ガタッ
凛(えっ!希ちゃん!?)
希「えりち、どうしたんそんなに青ざめて」
絵里「希、来てくれてよかったわ!」スリスリ
希「もうえりち、外ではあかんって言ってるやん……」ギュッ
絵里「ふふっ、おかしいわね。安心したはずなのに、なんだかいつもよりドキドキする……//」
希「えりち……んっ//」
凛(えっ、え!?絵里ちゃんと希ちゃんってそういう関係だったの!?)
絵里「希……もっと//」
希「もう、今日のえりちは甘えん坊やね……//」
凛(まずいにゃ!怖い話を読ませたせいで絵里ちゃんのドキドキが違う方向に向いちゃってる!)
希「えりち、これ以上は……みんなが来るかもしれんし//」
絵里「まだ……あと、あとちょっとだけ……んっ//」
凛(わわっ、すごい、あんなことまで……//)ドキドキ
凛(……でも、どうしよう//)
のぞえり「//」イチャイチャ
凛(飛び出そうにも出ていける雰囲気じゃないにゃ……//)
――
――――
――――――
凛「あれが大人の関係……すごかったにゃ//」
凛「でも、こんなことじゃあへこたれないよ!」
凛「最後のターゲットはにこちゃん!」
――矢澤家玄関前――
凛(この時間なら、こころちゃんとここあちゃんは家に帰ってるはず)
凛(あとは帰宅してきたにこちゃんに、血のりをたっぷり付けたこの服を着て助けを求める)
凛(にこちゃんの焦った顔が目に浮かぶにゃ……)ニシシ
凛「……にこちゃん、まだかな」
凛「にこちゃん遅いな……」
凛「もう5時だよ……ふぁぁ……」プワプワ
凛「…………」ウツラウツラ
凛「………………」Zzz
にこ(ふぅ……割引セールまで待った甲斐があったわ)
にこ(今日はこれを使ってオムライスかしら……――んっ?)
凛「すぅ…………すぅ…………」Zzz
にこ「凛……どうしてこんなところに?」
凛「むにゃ………えへへ…………」Zzz
にこ(これ血のりよね………丁寧に顔にまで)
にこ(……なるほど、そういうこと)クスッ
凛「にこちゃん…………早く……」Zzz
にこ(明日は金曜日……なら大丈夫か)
にこ「こら凛、起きなさい」ペシペシ
凛「ふぉぇ……にこちゃん?」
にこ「こんなところで寝てたら風邪ひくわよ、ほら」
凛「うにゅぅ……眠たいよぉ」ゴシゴシ
にこ「寝るなら家の中で寝なさい、晩御飯はオムライスでいい?」
凛「うん……にこちゃんのオムライス……」プワプワ
にこ「ほら、あと少しだから自分で歩く」
凛「はぁい……」
凛「……あれ?」
凛「凛……なにしようとしてたんだっけ?」
にこ「さぁね……お泊りとかじゃない?」
凛「そっかぁ……にこちゃんの家に……えへへ」
にこ(あとで着替え、家まで取ってきてあげないと)
にこ「」ピッピッ
Prrrrrrrrr――
にこ「あっ、花陽、凛のことなんだけど……」
にこ「ええ、家に帰ったら玄関前で寝てたわ」
にこ「血のりでいたずらでもしようとしたんじゃないかしら」
にこ「たぶん今夜はウチに泊めることになりそうだから、凛の家の住所を教えてくれない?」
にこ「花陽が持ってきてくれるの?――そう、ならついでにあんたの分の着替えも持ってきなさい」
にこ「いいわよこの際、隣にいる真姫ちゃんにも声をかけておいて」
にこ「気にしなくていいわ、今日一緒に買い物行ってくれたお礼よ」
にこ「ええ、それじゃあ」ピッ
にこ「……さて」
凛「…………」Zzz
にこ「いつのまにか背中で寝てる荷物を降ろしたら――」
にこ「今日は夕食7人分、か」
にこ「……ふふっ、しょうがないわね♪」クスッ
――おしまい♪
感想
最近から、ラブライブssを拝読させていただいている者です。
あなた様がお書きになるssに、とても楽しませて頂いております。
応援しています。
また、新作も楽しみに待ってます‼
ご支援ありがとうございます♪
更新が滞ることも多々ありますが、今後も末永くお付き合いいただけますと幸いです。
凛のいたずら面白いですね☆ まさかの海未ちゃんもとっさに逆ドッキリしかけるとは・・・なかなかです!
そういえばまたぐるぐる目シリーズで面白いアイデアが浮かんだのですが、リクエストしてもよろしいでしょうか??
リクエストの件ですが、大変申し訳ございません。
全ての閲覧者様への等しい対応がこのサイトのテーマですので、現在これ以上「いあーごさん」のリクエストを承諾することはできかねます。
また、シリーズ化を希望するお声を頂いていないグルグル目がテーマのSSは、これ以上増やしてしまいますと当サイトの価値を下げてしまう危険性がございます。
心苦しいことこの上ありませんが、どうかご理解いただけますようよろしくお願いいたします。
了解しました。 今後も愛読していきますのでよろしくお願いいたします。
ホノボノ読める回でした^_^あと、のぞえり ごちそうさまでした。
いつもご愛読、誠にありがとうございます♪