ラブライブ SS 海未「ほのりんぱなが可愛すぎて辛い」

 

――生徒会室――

 

海未「ふむ……これはどうしたことでしょうか」

 

ことり「なにかあったの海未ちゃん?」

 

海未「いえ、この書類を見てください」

 

ことり「……見事に真っ白だね」

 

海未「これがあと5冊ほど残っています」

 

ことり「うん」

 

海未「最近は穂乃果がサボり気味とはいえ、毎日ことりとわたしで放課後ギリギリまで残って書類を纏めているはずなのに一向に減りません」

 

ことり「そうだね」

 

海未「生徒会の仕事が増えたわけでもないのになぜ……以前まではあんなに早く終わっていたというのに」

 

ことり「………………」

 

海未「んっ?ことり、なにか心当たりがあるのですか?」

 

ことり「チュン!?」ビクッ

 

海未「ことり?」

 

ことり「あ、あはは…………うん……実は、ちょっとだけ」

 

海未「教えてください、いったい何が?」

 

ことり「…………えっと」

 

海未「……?はっきりしませんね、直球で構いませんから」

 

ことり「……あのね、その――――」

 

コタエナクテイインダ ワーカルカラー♪♪~♪

 

海未「あっ、待ってください。凛から電話です」

 

ことり「」

 

海未「はいもしもし、どうしました?」

 

海未「わたしですか?生徒会室にいますよ」

 

海未「ふむ、昼食を一緒にですか、ええ構いませんよ」ニコッ

 

海未「穂乃果や真姫、花陽も一緒ですか、ちょうどいいですね」

 

海未「ことりと生徒会室にいますから、みんなで来てください」

 

海未「ふぅ」ピッ

 

海未「ということで凛たちが来ますのでそろそろ昼食としましょう」

 

ことり「……う、海未ちゃん!あのね、言いづらいんだけど――」

 

凛「うーみちゃん!」ガラッ

 

海未「凛!」

 

凛「えへへ、一番乗りにゃ」ダキッ

 

海未「ふふっ、いきなり飛びついてきたら危ないじゃないですか」ニヘラ

 

凛「海未ちゃんと早く会うために走ってきたんだよ、褒めて褒めて?」

 

海未「廊下は走ったらダメですよ~」デレデレ

 

凛「それとね、海未ちゃんの隣、いただきにゃ♪」ニコッ

 

海未「ああもう!可愛いですね凛は!嫌いなものがあれば何でも言ってくださいね!好きなおかずと取りかえてあげますから!昼休みが終わるまでゆっくりしていってください!凛、りんー!」ギュッ

 

ことり「」

 

 

――

――――

――――――

 

海未「ふぅ、今日も楽しかったですね」テカテカ

 

ことり「………………」

 

海未「ところでことり、話を戻しますがなぜ生徒会の仕事が終わらないのか心当たりは――」

 

ことり「いまのだよ!?」

 

海未「……はい?」

 

ことり「ほぼ毎日のように1年生みんなと生徒会室でご飯食べてるからだよ!昼休みの時間いっぱいいっぱいまで喋っていれば仕事も進まないよー!」

 

海未「」

 

ことり「たしかに楽しいけど、ことりたちは生徒会の仕事を終わらせるために生徒会室にいるのであってみんなで集まるためじゃあ――」

 

海未「……ことり、あなたはわたしに1年生たちとの昼食タイムを我慢しろというのですか?」

 

ことり「へっ?」

 

海未「可愛い可愛い凛のお願いを無下に断れというのですか!?わたしにこの手を汚せというのですか!?」

 

ことり「そんな大規模な話じゃないよねこれ!?」

 

海未「ああ凛!わたしはいま鬼、悪魔、ことりから強烈なパワハラを受けています!」

 

ことり「ことり、生まれて初めて人に殺意を覚えたかも……」

 

海未「くっ……しかし、ことりの言っていることは確かに一理あります」

 

ことり「一理じゃなくて真実だよ」

 

海未「仕方ないですね……今度から生徒会室にいるときだけは心を鬼にしましょう」

 

海未「忍耐は精神力を鍛える基本です!生徒会の仕事が終われば思う存分凛とイチャコラ……うへへ」

 

ことり「動機がこれ以上ないくらい寒気がするけど、サボる宣言よりは遥かにいいかな」

 

海未「えっ、サボって凛とイチャイチャしても――」

 

ことり「ダメだよ!」

 

海未「OH……」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

――放課後 生徒会室――

 

海未「さて、真面目に頑張りましょう」キリッ

 

ことり「お昼の分を取り戻さないとね」

 

海未「ちなみに穂乃果は?」

 

ことり「次のμ’sのライブ企画書をお母さんに提出するって」

 

海未「サボって逃げたわけではないのですね」

 

ことり「ことりたちも早く終わらせて帰ろう、せっかく練習もオフなんだし」

 

海未「はい。ではことりはこれを、わたしはこれを終わらせますので」

 

ことり(久しぶりに平常運転の海未ちゃんを見た気がするよ)

 

 

――

――――

――――――

 

海未「ふむ……」カキカキ

 

ことり(この調子でいけば今日の分は無事終わりそうだね)

 

トントン

 

ことり「はい」

 

海未「どうぞ」

 

花陽「失礼します……」ガラッ

 

海未「花陽!」ガタッ

 

ことり「チュン!?」

 

花陽「海未ちゃんことりちゃん、お疲れ様。これ、オレンジジュースだけど良かったら」ニコッ

 

ことり「わぁ、かよちゃんありがとう」

 

海未「ちゃんとねぎらいの言葉をかけられるなんて、花陽は偉いですね」ニヘラ

 

ことり「海未ちゃん、心を鬼に……」コソッ

 

海未「はっ!……そ、そうでしたね」

 

海未「こほん!……花陽、どうかしましたか?」

 

花陽「う、うん、あのね、海未ちゃんにお願いがあるんだけど……」

 

海未「ほう……」ピクッ

 

ことり「海未ちゃん、平常心だよ」コソッ

 

海未「なんでしょう?」

 

花陽「実は……昨日体重をはかったらまた少し増えちゃってて」

 

花陽「でもμ’sの練習はしばらくの間オフだし、だからダイエットしようと思って」

 

花陽「海未ちゃんにダイエットメニューを一緒に考えてもらいたいの」

 

ことり(かよちゃんの切実なお願い、聞いてあげたいけど……ここは鬼にならないと)

 

ことり「そうなんだ……でも……」

 

海未「ええ、生徒会の仕事で今は手が離せなくて……」

 

花陽「!……そ、そうだよね、ごめんね、急にわがまま言って」

 

ことり「ごめんねかよちゃん、あと二日で終わると思うから」

 

花陽「ううん、いいの。海未ちゃんが忙しいのは知ってるから」アセアセ

 

花陽「ことりちゃんもごめんね。海未ちゃん、今日のことは忘れてくれていいからね」

 

花陽「それじゃあ、また明日……」シュン

 

海未「」ガタッ!!

 

ことり「!」ビクッ

 

ことり「……海未ちゃん?」

 

海未「……もう、限界です」

 

ことり「へっ?」

 

海未「花陽ぉー!!」ダキッ

 

花陽「ぴゃあ!」

 

海未「ごめんなさい花陽!冷たくしてしまったことを許してください!でもわざとではないんですよ!あそこのチーズ鍋に心を鬼にしろと脅されていたんです!でも黙ってみていれば白米天使をいじめ始めるじゃないですか!そんなのわたしが見過ごせるわけないじゃないですか!なによりわたしはダイエットを成功させたときの花陽のあの笑顔が見たい!ダイエットメニュー、一緒に考えましょう!」スリスリ

 

ことり「」

 

花陽「えっ、で、でも、生徒会のお仕事が――」

 

海未「こんなの後です、花陽のお願いより優先すべきことなんてこの世にありません!さぁ、痩せましょう!早朝であればわたしも付き合いますよ!」

 

花陽「ふぁ……海未ちゃん、ほんと?ほんとにいいの?」

 

海未「もちろんですよ!わたしは花陽と一緒にいられるならそれでいいんです!楽しくダイエットしましょう!」

 

花陽「えへへ、海未ちゃんありがとう♪」ニコッ

 

海未「花陽ぉおおお!!可愛いですねもう!!」ギュー

 

ことり「……………………」

 

ことり「」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

海未「先ほどの件は誠に申し訳ございませんでした、心より深くお詫び申し上げます」

 

ことり「もう完全下校時刻だよ……」

 

海未「最後まで花陽とイチャコラできてわたしは満足です」パァア

 

ことり「海未ちゃん、お仕事のほうは?」

 

海未「見てのとおりです」マッシロー

 

ことり「どうしよっか」

 

海未「また明日から頑張りましょう」

 

ことり「うん、一番当てにならない言葉だねそれ」

 

海未「ではことりにすべて一任するというのはいかがです?」

 

ことり「おいこら園田」

 

海未「冗談ですよ冗談、イッツラブアロージョークです」

 

ことり「訳が分からないよもう……」

 

穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、お待たせ」ガラッ

 

海未「穂乃果、お疲れ様です。どうでしたか、ライブの件は?」

 

穂乃果「えへへっ!」ピース

 

ことり「やったね穂乃果ちゃん!」

 

海未「さすがはわたしの穂乃果です」ウンウン

 

ことり「うんうん……んっ?」

 

海未「では二人とも、もう遅いので帰りましょう」

 

穂乃果「はーい」

 

ことり「海未ちゃん、その前にはいこれ」

 

海未「おや、これはなんでしょう?」

 

ことり「今日の分の書類だよ、明日までに纏めておいてね」

 

海未「うーむ、これはことりに譲りましょう」

 

ことり「おい」

 

海未「冗談です、ごめんなさい」

 

ことり「ふふっ」ニコッ

 

 

―――――――――――――――――――

 

――帰り道――

 

穂乃果「今日も疲れたね~生徒会長になってから色々と大変だよ」

 

海未「ほとんどわたしとことりに任せっきりですがね」

 

ことり(海未ちゃんが言うかなそれ)

 

穂乃果「むーっ、穂乃果だって頑張ってるもん!今日だってことりちゃんのお母さんに直談判しに行ったし」

 

海未「行動することも大切ですがデスクワークもしっかりしてください」

 

ことり(海未ちゃんが言うかなそれ)

 

穂乃果「それは……ほら、人に得手不得手があるし」

 

海未「まったく、しょうがないですね」

 

穂乃果「あれ?ことりちゃん、顔色悪いけど大丈夫?」

 

ことり「大丈夫だよ、うん、穂乃果ちゃんのせいじゃないから」

 

ことり「希ちゃんやにこちゃんの苦労が、最近身に染みてわかるんだ……」

 

穂乃果「へぇー、ことりちゃん大人になったんだね」

 

海未「さすがはことりです、いつもμ’sのみんなのことを気にかけてくれていますから」

 

ことり(ほとんど海未ちゃんのせいなんだけど)

 

穂乃果「あっ、そうだ!今日凛ちゃんにおいしいラーメン屋さんを教えてもらったんだ、今からみんなで行かない?」

 

海未「ふむ、寄り道するのも久しぶりですし……あっ、しかし――」

 

ことり「ごめんね穂乃果ちゃん、わたしたち帰ってからまだやることがあるんだ」

 

穂乃果「えっ……そうなんだ……」シュン

 

ことり(うぅ、そんな顔しないで穂乃果ちゃん、心が痛いよ)

 

穂乃果「……………………」

 

海未「もうしわけありません穂乃果、また来週にでも――」

 

穂乃果「……海未ちゃん、ことりちゃん!」ギュッ

 

ことうみ「!」

 

穂乃果「二人とも、穂乃果のそばからいなくなったりしないよね……?」

 

海未「……穂乃果?」

 

穂乃果「最近なんだか3人でいられる時間が少なくなったような気がして、ちょっと寂しかったんだ……だから……その……」

 

ことり「穂乃果ちゃん……」

 

ことり(そっか……サボったりしてたのは、ほんとは構ってほしかったんだね)

 

穂乃果「二人が忙しいのは、穂乃果が生徒会の仕事をサボってるせいだよね……ごめん、明日からちゃんと手伝うから」

 

穂乃果「ちゃんと一生懸命頑張って、ことりちゃんと海未ちゃんに見てもらえるように頑張るから!」

 

ことり「うん……♪」

 

穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、いつも穂乃果のことを支えてくれてありがとう」ニコッ

 

ことり「穂乃果ちゃん……ううん、ことりのほうこそ――」

 

海未「穂乃果ぁ!!」ダキッ

 

ことり「!?」キーン

 

穂乃果「んっ……海未ちゃん?」

 

海未「ああもう!穂乃果は可愛いですね!わざとサボって気を引こうなんて可愛すぎます!そのせいで迷惑をかけていたことに気づいて反省する穂乃果は天使です!穂乃果がいなくてずっと寂しかったんですよ!仕事なんてしなくていいですからわたしたちのそばでいつもの人懐っこい明るい笑顔を見せてください!穂乃果の笑顔を見るだけで、わたしはどんなことでもできるんです!さぁ穂乃果!」

 

穂乃果「ぁ……えへへ、うん♪」

 

穂乃果「//」ニコッ

 

海未「穂乃果ぁああ!!かわいいですよ~!!さぁ、ラーメンでもなんでも食べにいきましょう!なぁに、用事なんて後回しです!穂乃果の笑顔が最優先です!」

 

ことり「」

 

穂乃果「えっ、でも――」

 

海未「大丈夫です、心配いりませんよ!さぁことり、行きましょう!」

 

ことり「……はぁ」ガクッ

 

海未「……?ことり?」

 

ことり「……まぁ、いっか。3人で力を合わせれば、なんとかなるよね」

 

海未「!……では」

 

ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃん、いこっ♪」ニコッ

 

海未「……!!」

 

海未「ことりぃぃいい!!」ギュッ

 

ことり「!」

 

海未「なんだかんだ言いながらみんなに優しいことりが大好きですよ!甘いことりもきびしいことりも最高です!可愛いですねもう!」スリスリ

 

ことり「ひゃぁ……ふふっ、もう……」クスッ

 

海未「μ’sはみんな最高です!」

 

 

ことり『結論:海未ちゃんはポンコツでもやっぱり優しい』

 

――おしまい♪

感想

  1. はなまるびぃ より:

    このサイトで二年生はとてつもないネタキャラですね…

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      当サイト全体のご感想でしょうか。
      単発SSはアイデア次第ですので、そのような意図は含めてはいないつもりなのですが;
      シリーズSSを海未ちゃんとことりちゃんの両人が有しているせいかもしれませんね。

  2. しょな より:

    ハイテンション海未ちゃんはウルトラキュートですね!
    どうしてハッチャケてる海未はどうしてこんなにも可愛いんだろう?
    海未に本気で呆れてることりも良いですね。
    普段のことうみはすごく仲は良いけど、お互い行儀がよくて世話焼いたり喧嘩したりという感じではなく、少し距離感のようなものを感じていたので、
    こういう密着感のあることうみを見られると嬉しいです。
    (もちろん普通のことうみも好きです)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      確かに距離感を感じさせない『ことうみ』は、SSでもあまり見かけませんね。
      当サイトでも、片手で数えられる程度ではないでしょうか。

      理不尽ことうみなどのシュールなSSとはまた別に、時にはほのぼのした『ことうみ』を書いても良いですね。
      ハイテンション海未ちゃんはキャラが逸脱しない程度を保ちつつ、また他のSSで登場させてみたいものです。
      いつもご愛読、ありがとうございます♪

  3. よしまる♪ より:

    このサイトの海未ちゃんはどんなタイプでも可愛い♪

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      古参の方にのみ頂ける、とてもありがたいお言葉です。
      ご愛読ありがとうございます♪

  4. しらたま より:

    リクエストしたいのですが凛がまきぱなにドッキリ仕掛けようとして全部失敗するリンチャンカワイイss的なのがみたいです

  5. いあーご より:

    テンション高い海未は面白いですね! セリフが笑えます☆

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      当SSは以前から一度書いてみたかったアイデアですが、結果としましては満足いくものに仕上がりました。

    • げるむ より:

      和みましたwおもしろかったです

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