――園田家――
海未「………………」キュッキュッ
海未(……よし、完璧です!)
海未(準備は整いました……さぁ、後は時間が過ぎるのを待つだけです)
海未「……………………」
海未「」チラッ
海未(まだでしょうか…………もう11時だというのに)
海未(ああ、待ち遠しいです!早く来てください!)
ピンポーン
海未(来たっ!)バッ
――――――――――――――――――――――
穂乃果「海未ちゃんこんにちは♪」
海未「穂乃果、よく来ましたね。どうぞあがって下さい」
海未(穂乃果、穂乃果!わたしの天使!)
穂乃果「いやぁ、今日も暑いね、汗だらけだよ」パタパタ
海未「ぐはっ!」
穂乃果「海未ちゃん?どうしたの?」
海未「いえ、なんでもありませんよ、何でも……」
海未(なんという不意打ち、この位置であれば中をのぞき見れたかもしれないのに……くっ、不覚です!)
海未「とりあえずこれを使ってください」タオル
穂乃果「わぁ、ありがとう」フキフキ
海未「洗濯籠に入れておきますね」
海未(よし、まずは戦利品ゲット!)
穂乃果「おじゃましまーす」
海未「部屋はクーラーがきいていますから」
海未「お茶を入れてきますので先に2階へ行っててください」
穂乃果「はーい」トタトタ
海未「」シュッ! ノゾキミ
海未(ピンク!パステルカラーの!)
海未(あの柄は初めてですね、最近買ったのでしょうか)
海未(新たにデータ追加です)カキカキ
海未「ふふ、穂乃果……今日も可愛いですね」ポワーン
―――――――――――――――――――――――
海未「お待たせしました」キリッ
穂乃果「わぁ、イチゴだ」
海未「では早速本題に入りましょう」ストン
穂乃果「?」モグモグ
海未「穂乃果、宿題は順調に進んでいますか?」
穂乃果「ぅ……!」ゴホッゲホッ
穂乃果「…ええっと、その………」
海未「進んでいるんですか?」
穂乃果「ま、まぁまぁ、ボチボチ……」
海未「ボチボチ?」
穂乃果「まだ手をつけてない…なんちゃって」アハハ
海未「…………」
穂乃果「で、でも、まだ大丈夫だよ!ほら、夏休みも半分残ってるし!」
海未「そう言っておいて毎年同じ事の二の舞になっているのは誰ですか」
穂乃果「うっ……そ、それは」
海未「何度言えば分かるのですか!」
穂乃果「!」ビクッ
海未「今年は夏休みの初日に宿題は早めに終わらすようにとあれほど言いましたよね」
海未「あなたは『わかった』と言ったはずです、あの言葉は嘘だったんですか?」
穂乃果「う、嘘じゃないよ、穂乃果も最初はやる気だったの、でも――」
海未「言い訳はよしなさい!」
穂乃果「ひっ……」ビクッ
海未(怒鳴ると怯える穂乃果、最高です!)
海未「正直に言いなさい、最初からやる気なんて無かったのでしょう」
海未「お説教を聴くのが嫌だから、適当に返事をしてその場を切り抜けたのでしょう!」
穂乃果「ちが……っ」ジワッ
海未「あなたは最低です!」
穂乃果「うぅ…ぇぁ…!」ポロポロ
海未(穂乃果の泣き顔!心を鬼にした甲斐がありました!)ハァハァ
海未「……何か言うことはありますか?」
穂乃果「ぅ…ぇく……ごめんなさい……」グスッ
穂乃果「帰ったらちゃんとやるから、夏休みまでに終わらせるから……」
穂乃果「だからお願い、穂乃果のこと嫌いにならないで……」ポロポロ
海未(この表情!記憶に焼き付けておきましょう!)
海未「……………………」
穂乃果「海未ちゃん……怒ってる……?」ウルウル
海未「……いえ、もう怒ってませんよ」
穂乃果「!」
海未「間違いは誰にでもあります、それに」
海未「穂乃果が嘘つきでないことくらい、わたしは知っていますよ」ニコッ
海未「怒鳴ってすいません、穂乃果のことを思うあまりつい言いすぎてしまいました」ナデナデ
穂乃果「海未ちゃん……!」
穂乃果「えへへ、海未ちゃーん!」ギュッ
海未「ひゃっ……!」
穂乃果「穂乃果、海未ちゃんのこと大好きだよ!」ニコッ
海未「まったく、オーバーですね」ポンポン
海未(泣き顔+好感度アップ+ほのハグ、今日はついてます!)
海未「ほら、遠慮せずにイチゴたくさん食べてください」
穂乃果「うん!モグモグ……はぁ~幸せだよぉ」
海未「ミートゥー!」
穂乃果「?」
――――――――――――――――――――――
海未「あっ、そういえば穂乃果、あなたに渡したいものがあるんです」
穂乃果「穂乃果に?なになに!」
海未「これです」ジャーン
穂乃果「可愛いパーカー!もこもこだね」
海未「サイズが合うかどうか確かめたいので、とりあえず着てみてください」
穂乃果「うん、ちょっと待ってね!」
海未「」ドキドキ
穂乃果「どう海未ちゃん、穂乃果に似合ってる?」
海未「はぁん可愛い~!」
穂乃果「そ、そうかな」エヘヘ
海未「抜群です!このぬいぐるみを持ってください」
穂乃果「テディベアだ!かわいいー」
海未「はい、ぬいぐるみを持ったままポーズです」
穂乃果「ポーズ?」
海未「アイドルたるもの、どんな服でも着こなしてナンボです。はい、ポーズ」
穂乃果「ええっと、ガウ!」クマポーズ
海未「いいですよ穂乃果!ああもう最高です!」パシャパシャ
穂乃果「写真も取るの?」
海未「ええ、記念として。そのぬいぐるみとパーカーは穂乃果へのプレゼントです」
穂乃果「いいの!?ありがとう海未ちゃん、穂乃果一生大切にするね!」
穂乃果「そうだ、今度の日曜日これを着て――」
海未「最低ですっ!」パシン!
穂乃果「!?」
海未「いいですか、そういうのは家の中で着るものです。絶対に外で着てはいけませんよ?」
穂乃果「う、うん、ごめん」
海未「ただし、わたしの家の中ならいくらでも着ていいですよ。また見せてくださいね」
穂乃果「海未ちゃん……!うん、今度も絶対持ってくるね!」
海未「きたぁー!」
穂乃果「?」
――――――――――――――――――――――――
海未「そろそろことりが来るはずですが」チラッ
穂乃果「さっきラインしたら、ちょっと遅くなるって言ってたよ」
海未「ふむ、では1時頃でしょうか」
穂乃果「疲れた~ちょっと休憩」
海未「まだ何も進んでませんよ」
穂乃果「作詞ってこんなに難しいんだね、穂乃果じゃ絶対無理だよ」
海未「真姫いわく今回は明るい曲をイメージして作曲したらしいので、できれば明るい歌詞を作りたいのですが」
穂乃果「うーん……あっ、こんなのどうかな?」
穂乃果「好き好き!ぷわぷわ!好き好き!ぷわぷわしちゃおう!」
海未「なんですかそれ……そんな恥ずかしい歌詞はかけません」
穂乃果「ええっ~せっかく考えたのに」
海未「考えるならもう少し真面目に考えてください」
穂乃果「ぶ~もういいよ、役立たずの穂乃果は一休みするから」
穂乃果「おじゃましまーす」スッ
海未「!?」
穂乃果「えへへ~海未ちゃんの膝枕は寝心地最高だね」
海未「ほ、穂乃果……頭を降ろしなさい」
穂乃果「いやだ~海未ちゃんのお膝で寝るもん」
穂乃果「おやすみなさーい」
海未「穂乃果……うぅ……」
海未(どうしましょう、役得ですが作詞に集中できません……!)
海未(しかし、この幸せを手放すのはあまりにおしいです)
海未(……仕方ありません、歌詞に使えそうな単語を考えておきましょう)
――10分後――
海未(何も思い浮かびませんね……んっ?)
穂乃果「すぅ…………すぅ…………」Zzz
海未(先ほどから妙に静かだと思ったら、寝ていましたか)
海未「……………………」ジー
穂乃果「……ん…………」
海未「」フッ!
穂乃果「ぁ……うぅん…………」
海未「~~~っ!!」
海未(なんですか!いまの艶かしい声は)
海未「…………」ゴクリ
海未「」フッ!
穂乃果「ぁん…………ん……」
海未「っ!!」
海未(……いまなら、何をしても気付かれないのでは)ゴクリ
海未「…………」
海未「」ミミタブ ハムッ
穂乃果「ぁ…………」
海未(穂乃果の耳たぶ!ぷにぷにです!)
海未「………………」
海未「」スカート ピラッ
海未「ぶはっ!」
海未(穂乃果のパステルピンクを心置きなく堪能できるなんて!)
海未「デジカメ、どこにいったんでしょう!?いや、この際スマホのカメラでも!」
海未「ああ穂乃果、最高ですよ穂乃果~!」パシャパシャ
海未「このまま時が止まってしまえばいいのに――――はっ!」
ことり「」・8・
海未「……………………」
海未「」
ことり「う、海未ちゃん……」
海未「……ことり、あなたまさか」
ことり「だ、大丈夫!今来たとこだよ!ことり何も見てないから!」
海未「……見ましたね」
ことり「ちゅん!?…………はぃ」
海未「やはりそうですか。ふふ……見られた以上、ことり……あなたをただで帰すわけにはいきませんね」
ことり「海未ちゃん目がこわいよぉ……」
海未「さぁ、覚悟して下さい」ゴゴゴ
ことり「ふぇえ~んごめんなさい、誰にも言わないからぁ!」
海未「……ほんとうですか」
ことり「うん!だから暴力はやめてぇ!」
海未「……仕方ありませんね、見逃しましょう」
ことり「ほっ……」
海未「……!こ、これは……!?」
ことり「こ、今度はなに?」
海未「……歌詞が、完成してます!」
ことり「?」
海未(まさか、さっき穂乃果にいたずらしているとき無意識に……!)
海未「決まりました!ことり、あなたにはこれを歌ってもらいます」
ことり「これを……でも、これって……」
海未「不服ですか?なら、先ほどの取引きは無かったことに――」
ことり「ごめんなさい!歌う、歌うからぁ!」
ことり「でも、さすがにことり一人じゃ恥ずかしいよ……」
海未「それもそうですね……はっ!」
海未(……なら、穂乃果にも歌ってもらえば…!)
海未「決まりです!」バン!
ことり「ひぃ!」ビクッ
海未「この曲は……プランタンに歌ってもらいます!」
ことり「………………」
ことり「」・8・
――おしまい♪
感想
海未ちゃんの膝枕、とても気持ち良さそう、想像しただけで鼻血が