ラブライブSS ことり「花陽ちゃんの悩みを解決しよう」

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――部室――

 

ことり「お待たせ」ガチャッ

 

海未「遅くなって申し訳ありません」

 

穂乃果「今日も練習頑張ろうね」

 

絵里「ええ、とはいっても今日は基礎練習だけだけど」

 

希「この雨じゃあさすがに屋上は無理やね」

 

にこ「まぁ、振り付けも決まってないし時期的にはちょうどいいんじゃない?」

 

キャッキャッ ワイワイ

 

ことり「ふふ、今日も平和だね」ニコッ

 

ことり「……ん?」

 

ガチャッ

 

凛「みんなお待たせ」

 

花陽「ホームルームが長引いちゃって……ごめんね」

 

真姫「すぐに準備するわ」

 

絵里「慌てなくてもいいわ、今日は部室で基礎練習だし」

 

凛「よーし、今日は腕立て伏せ70回越えを目指すにゃ!」

 

花陽「あはは…………」

 

花陽「………………」シュン

 

ことり「……………………」

 

ことり(なんだか今日のかよちゃん、いつもより元気がない気がする……)

 

ことり(……ここは先輩として、ことりがなんとかしなきゃ)

 

ことり(待っててねかよちゃん……ことりが、すぐに元気にしてあげる♪)

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

――放課後 帰り道――

 

花陽「真姫ちゃん、凛ちゃん、また明日ね」

 

凛「うん!かよちん、バイバイ」

 

真姫「さようなら」

 

花陽「…………………………」

 

花陽「…………はぁ」ウツムキ

 

花陽「…………」トボトボ

 

??「そこいくお嬢さん、ちょっと」

 

花陽「?」クルリ

 

??「ほっほっほ……」

 

花陽(この看板……占い屋さん?どうしてこんなところに……)

 

??「その顔……なにか重大な悩み事を抱えているね?」

 

花陽「あ、あの、わたし……」アセアセ

 

??「大丈夫、ボランティアだから心配しなくてよろしい――……っ!?ごほっごほっ!」

 

花陽「だ、大丈夫ですか?」

 

??「ごめんね――あ、じゃなかった、すまないね」

 

??(この声意外と辛いよ……)ゲホッ

 

??「こほん!決して怪しいものじゃないから、ほら、そこに座って」

 

花陽(サングラスとマスク姿で全身黒服の時点で充分怪しいような気が……)

 

??「人に話せば楽になるかもしれないよ……さぁ、キミの悩みを聞かせて」

 

花陽「………………」

 

花陽「……実は」

 

??「うん…………」

 

花陽「……また、増えちゃったんです」

 

??「……ん?」

 

花陽「その……た、体重が……//」カアァ

 

??「」・8・

 

花陽「この前先輩のメニューでダイエットに成功したんですけど、ライブが無事に終わって気を抜いたとたん、また元に……//」モジモジ

 

??「………………」

 

花陽「あっ、ライブというのは、実はわたしスクールアイドル活動をしていまして」

 

花陽「……もう少しで、次のライブ衣装の採寸があるんです」

 

花陽「ちゃんと痩せておかないと、衣装を作ってくれている先輩にも迷惑かけちゃうし……」シュン

 

花陽「でも、お米がおいしくてつい…………意志が弱い自分が情けなくて、自己嫌悪していたんです」

 

花陽「はうぅ、お腹ぺこぺこは辛いよ……」グスッ

 

??(かよちゃん……)

 

??(そっか……かよちゃんは、自分が嫌で落ち込んでたんだね)

 

??(…………)

 

??「……なるほど」

 

??「ダイエットは、女の子にとって永遠のライバルですからね」

 

花陽「占い師さん……できることでしたら、こんなわたしに渇を入れて――」

 

??「心配無用!」カッ!

 

花陽「ぴゃああ!?」ビクッ

 

??「あなたの悩みは、すぐに解決するでしょう」

 

花陽「え……?」

 

??「ご飯を好きなだけ食べ、体重も減らせる。そんな出来事があなたの身に明日必ずふりかかります」

 

花陽「ほんとうですか?…でも、そんな魔法みたいなことが……」

 

??「わたしを信じてください。あなたの悩みは、数日もせぬ内にきっと解決します」

 

花陽「…………!」

 

花陽「……占い師さん、ありがとうございました」ペコリ

 

花陽「なんだか、ちょっとだけ元気がでました」

 

花陽「今日の晩は、おかわり一杯だけで我慢してみますね」ニコッ

 

??(いつも何杯食べてるの!?)

 

??「笑顔が戻ってよかった、ではわたしはこれで――」

 

花陽「あの、本当にいいんでしょうか?ここまで親身に相談に乗っていただいたのに……」

 

??「はい、お金が目的では無いので――ごほっげほっ!」

 

??(うぅ、もう限界かも……)

 

??「それではさようなら……」タタッ

 

花陽「あっ……いっちゃった」

 

花陽(不思議な人だった……でもあの人の声、どこかで聞いたことあるような……)

 

花陽「………気のせいかな」

 

花陽「よし、今夜からダイエットがんばろう……♪」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

――部室――

 

穂乃果「今日も基礎練習?早くダンスとかステップ練習とかしようよ~」

 

海未「基礎練習はダンスの基本です、そんなこと言っていると穂乃果のメニューだけ専用のものにしますよ」

 

穂乃果「さぁ!今日も楽しい基礎練習だ!」ブンブン

 

海未「よろしい」

 

ザワザワ ワイワイ

 

花陽(今日の晩御飯も2杯までにしないと……)

 

花陽(我慢我慢……)グッ

 

ことり「――かーよちゃん」ポンッ

 

花陽「っ!ことりちゃん……」

 

ことり「実はね、今日はかよちゃんのためにことりが新しい練習メニューを組んできたんだ」

 

花陽「わたしのために……?ことりちゃんが?」

 

ことり「どうせ数日間は基礎練習だけだし、どうかな?二人でやってみない?」

 

花陽「う、うん、それはもちろん。でも、どうしてことりちゃんが――」

 

ことり「決まりだね、まずは運動場に出よっか」ニコッ

 

 

――

――――

――――――

 

ことり「ふぅ、いい天気だね」ポワン

 

花陽「あの、ことりちゃん?練習メニューって……?」

 

ことり「待ってて、すぐに用意するから」ガソゴソ

 

花陽(昨日の占い師さんが言ってたことって、まさかこのことかな?)

 

ことり「お待たせ♪」

 

花陽「もう準備できたの――ぴゃああっ!?」

 

ことり「」アオオニノオメン

 

花陽「こ、ことりちゃん、それ……!」ブルブル

 

ことり「ずいぶん前のアニメ雑誌の付録に付いてたんだ、結構リアルだよね」

 

花陽「あの有名ゲームのお化けだよね、それ!?」

 

ことり「さてと、かよちゃん、そろそろはじめよっか」

 

花陽「……!?ことりちゃん、どうしてバットなんて持ってるの……?」

 

ことり「んっ?これでかよちゃんを叩くためだよ」

 

花陽「」

 

ことり「ビニール製だけど、叩かれるとそれなりに痛いから気をつけてね」

 

花陽「あの、練習メニューって……」

 

ことり「あっ、そういえばまだ説明してなかったっけ」

 

ことり「ルールは簡単、今から1時間の間、かよちゃんにはことり鬼から逃げてもらいます」

 

ことり「もしも追いつかれてこのバットで3回以上叩かれるとまた最初からリセットされるから気をつけてね」

 

ことり「フィールドは運動場だけ、校舎に逃げたりしてもまたリセットだよ」

 

花陽「なにそのルール!?追いつかれたらまたやりなおしなのぉ!?」

 

ことり「ことりは10秒数えたら追いかけるから、早く逃げたほうがいいと思うな」

 

ことり「いくよ~。いち、に、さん、し……」

 

花陽「えっ、えっ!もう始まってるの!?」

 

ことり「しち、はち、きゅう、じゅう……さて、いっくよ~♪」ブンブン!

 

花陽「ひぃ!ことりちゃん待って!」

 

ことり「問答無用、待て待て~」ブンブン!

 

花陽「ダレカタスケテ~!!」

 

 

絵里「なんだか花陽の悲鳴が聞こえた気が……」

 

にこ「気のせいじゃない?海未の練習メニューじゃあるまいし」

 

希「あのことりちゃんやもんね」

 

 

ことり「悪い子はいねぇ~が~!」ブンブン!

 

花陽「それなまはげだよ~!」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

ことり「はぁ……はぁ…………!」

 

花陽「ぜぇ……ぜぇ…………!」

 

ことり「……1時間36分、かよちゃんお疲れ様」

 

ことり「今日の晩御飯はきっとおいしいよ」ニコッ

 

花陽「ご飯より……お水……」ガクッ

 

ことり「はい、どうぞ」ヤカン

 

花陽「んっ……」ゴクゴク

 

ことり「この調子で明日も明後日も二人で頑張ろうね」

 

花陽「」

 

花陽「きゅううぅ~……」バタン

 

ことり「ファイトだよ、かよちゃん」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

花陽「はぁ……疲れた…………」トボトボ

 

??「――お嬢さん」

 

花陽「あっ……昨日の占い師さん」

 

??「ずいぶんお疲れのようですね」

 

花陽「はい、占い師さんのいったとおり――」

 

 

??「――なるほど、先輩の練習メニューで」

 

花陽「はい、もうへとへとです」

 

??「………………」

 

??(やっぱり初日から飛ばし過ぎたかな……かよちゃんに嫌われちゃったかも……)

 

??(でも仕方ないよね……これも後輩のため、かよちゃんのダイエットのためだもん、これくらい……)

 

花陽「でもその先輩、ほんとはすごく優しい人なんです」

 

??「……!」

 

花陽「わたしのこととか、部員のみんなにもすごく親身になってくれて」

 

花陽「きっと明日も大変ですけど、でも、その先輩が一緒なので頑張れる気がします」

 

花陽「お水を飲みすぎたせいか、今日はお腹もあまりすいてないし……このままいけば痩せられそうです」

 

花陽「占い師さんの占いって、よく当たりますね」ニコッ

 

??(…………かよちゃん)

 

花陽「?」

 

??「……そうですか、それは良かったです」ホロリ

 

??「では、わたしはこれで――」

 

花陽「あっ、占い師さん…………いっちゃった」

 

花陽「………やっぱり、あの声…」

 

花陽「……………………」

 

――

――――

――――――

 

――数日後――

 

花陽「………………」スタスタ

 

??「――お嬢さん」

 

花陽「あっ……占い師さん♪」

 

花陽「会えてよかった、直接お礼を言いたかったんです」

 

??「お礼?ということは、ダイエットは……」

 

花陽「はい、大成功です。以前より3キロも痩せられました」

 

花陽「これで衣装の採寸をしても大丈夫です」

 

??「そうですか、それは良かった」ニコッ

 

??(これで花陽ちゃんの悩みは解決だね♪)

 

花陽「占い師さん、ありがとうございました」ペコリ

 

??「いえ、わたしは何もしていません。褒めてあげるのであればそれはあなた自身です」

 

??「あなたはどんなことでもやればできる子なんです、もっと自分に自信を持って」テ ギュッ

 

花陽「ふぁ…………はい♪」

 

花陽「………………」

 

花陽「……実は、もうひとりだけ、ちゃんとお礼を言えてない人がいるんです」

 

??「?」

 

花陽「練習メニューのお礼は言えたんですけど、もっと大切なお礼が……」

 

花陽「……占い師さん」テ ギュッ

 

??「!」

 

花陽「ううん……」

 

花陽「――ことりちゃん、わたしの悩みを解決してくれてありがとう」ニコッ

 

ことり「!」ビクッ

 

ことり「どうして!?えっ!?……あ」スルリ

 

花陽「やっぱりことりちゃんだったんだ」

 

ことり「っ!ええと、これは、その……//」

 

花陽「ふふ、ありがとうことりちゃん♪」

 

ことり「うぅ……はずかしいよぉ……//」カアァ

 

ことり「……かよちゃん、もしかして気付いてたの?」

 

花陽「ううん、最初は全然。でも、2回目会ったときにちょっと」

 

花陽「ことりちゃんの声、特徴あるから」

 

ことり「そっかぁ、けっこう上手く変えられたと思ってたのに」

 

ことはな「…………♪」クスッ

 

ことり「なにはともあれ、かよちゃんおめでとう」

 

花陽「うん、ことりちゃん、ほんとにありがとう」

 

花陽「わたし、ことりちゃんみたいな優しい先輩がいて幸せだよ」

 

ことり「ふふ、わたしもかよちゃんみたいな可愛い後輩がいて幸せ♪」

 

花陽「でも、もうあの練習メニューは勘弁して欲しいかも……」

 

ことり「ごめんね、あのお面一度使ってみたくて」

 

花陽「でもあんな練習方法どうやって思いついたの?」

 

ことり「!……そ、それは」

 

ことり(言えない……怒った海未ちゃんが逃げる穂乃果ちゃんを追いかける光景を見て思いついたなんて……)

 

ことり「……秘密♪」

 

花陽「?」

 

――おしまい。

『ことはな』がやってみたかっただけなんですが……やっぱりことりちゃん難しい、何度書いても上手く魅力を引き出せないです。

感想

  1. はなまるびぃ より:

    ことぱな堪能できましたぁ(^^)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      結末までとことんグダグダになってしまったので、そう言っていただけると幾分救われます。

  2. しょな より:

    ぷわぷわ天使なことりちゃんとプニプニキュートな花陽のカップリングは奇跡としか言いようがないですね。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ゆるふわなカップリングですので、ことりちゃんの可愛さをもっと表現できればよかったのですが……。
      これにめげず、また『ことぱな』に挑戦したいと思います。

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