ラブライブ SS 絵里「学校の七不思議を考えるわ」

4h46

 

――部室――

 

にこ「はぁ~あったかいわね……」ポワン

 

希「冬はやっぱり暖房に限るね……」ポワン

 

にこ「希、みかんでも食べる?」

 

希「にこっち気が利くやん、ひとつもらうよ」

 

にこ「ライブも終わったし、しばらくはのんびりできそうね」

 

希「残すは冬休み前のテストやね」

 

ドア トントン

 

のぞにこ「?」

 

トントン トントン

 

にこ「入っていいわよ」

 

ガチャッガチャッ ドンドン

 

希「……?」

 

ドンドン! ガチャン!

 

にこ「……誰よ?」

 

絵里「希、にこ、開けて~!」ドンドン

 

のぞにこ「」

 

絵里「このドア壊れてるわ!外からじゃ開かないの!」ガチャガチャッ

 

にこ「……………………」

 

希「えりち……引いてごらん?」

 

絵里「えっ?――あ」スッ

 

絵里「開いたわ!ハラショー!」パァァ

 

希(可愛い……)

 

にこ「またPKEじゃない……」

 

絵里「希、にこ、おはよう」フンス

 

希「もう放課後やん」

 

にこ「今日は部活休みなんだけど……どうしたのよ?」

 

絵里「聞いて!実はわたし、すごくいいアイデアが浮かんだの」

 

希「?」

 

にこ「落ち着いて、まずは何のアイデアかいいなさい」

 

絵里「もちろん、廃校を阻止するためのアイデアよ」エッヘン

 

にこ「………………」

 

希(嫌な予感しかしないやん……)

 

にこ「……とりあえず話してみなさい」

 

絵里「あのね、生徒を集めるにはこの学校の魅力を余すことなく伝えることだと思うの」

 

希「確かにそうやね」

 

にこ「だからμ’sが頑張ってるんじゃない」

 

絵里「μ’sの活動は確かに効果的だけど、好奇心をそそるという意味ではいまひとつインパクトに欠けるわ」

 

希「…………」

 

にこ「つまり、どういうことよ」

 

絵里「もっと人が興味を持つことを、この音ノ木坂学園自体に植え付ける必要があると思うの」

 

にこ「………………」

 

希「つまり?」

 

絵里「その名も――――音ノ木坂七不思議PR作戦よ!」ドヤァ

 

にこ「さてと、そろそろ帰りましょ」

 

希「にこっち、帰りにスーパー寄ってもいいかな?」

 

絵里「待って!どうしてスルーするの!?」

 

にこ「なによ、どうせそれを一緒に探そうとか言い出すんでしょ」

 

絵里「違うわ、もう考えてきたからうけるかどうか聞いて欲しいのよ」

 

希「えっ、まさかの作り話?」

 

絵里「当然じゃない、お化けなんているはずないもの」

 

にこ「……この屋上はね、夜中になると――」

 

絵里「いやぁあ!聞こえない、聞こえないわ!」ブンブン

 

希「怖いの苦手なら七不思議なんてやめればいいのに……」

 

絵里「希もにこもわかってないわね」フフフ

 

のぞにこ「?」

 

絵里「学校の七不思議というのは何も怖い話だけじゃないのよ」ドヤァ

 

にこ「そんなこと知ってるわよ!いちいちドヤ顔うざいわね!」

 

希「えりち、とりあえず聞くだけ聞くから教えてくれる?」

 

絵里「ふふん、いいわよ」パラパラ

 

のぞにこ「……………………」

 

絵里「七不思議その1、音ノ木坂学園にはアルパカがいる!」

 

にこ「………………」

 

希「……2は?」

 

絵里「七不思議その2、μ’sがいる!」

 

にこ「………………」

 

希「……3は?」

 

絵里「七不思議その3、生徒が少ない理由がわからない!」

 

希「………………」

 

にこ「ちょっといったんストップで」

 

絵里「んっ、どうしたの?」

 

にこ「……………………」

 

絵里「どう、わたしの考えた七不思議、なかなかでしょ?」ドヤァ

 

にこ「……」スゥ

 

にこ「そんなの七不思議じゃないわよ!μ’sがいるのは不思議でもなんでもないでしょうが!1なんてただの学校紹介じゃない!3にいたってはUTXが原因で、そのために生徒集めてるんでしょう!なんでそんなに自信ありげなのよ!」

 

絵里「……?」ポカーン

 

希「にこっち落ち着いて、うん、気持ちは分かるよ。でも相手がえりちやから」

 

にこ「はぁ……はぁ…………やっぱり帰っておけばよかった…」ガクッ

 

絵里「あとまだ4と5があるけど……」

 

希「あれ、6と7は?」

 

絵里「思いつかなかったから5までにしたわ」

 

にこ「それじゃあそもそも七不思議ですらないでしょう!」

 

絵里「はっ!そう言われればそうね、なら五不思議にしましょう」

 

希「語呂が悪いね……」

 

にこ「……で、4と5は?」

 

絵里「えっとね……」パラパラ

 

絵里「七不思議…あっ、じゃなくて、五不思議その4、3年生も関わらず幼児体系のちょっと寒くてイタい先輩がいる!」

 

にこ「……」ピキピキ

 

絵里「その5、かつてアイドル部に一人で残ってたかわいそうな一匹狼がいた」

 

絵里「どう?」ドヤァ

 

にこ「……あんた、それはわたしに対しての挑戦ってことでいいわよね?」メラメラ

 

希「にこっち押さえて、PKEやから!」

 

にこ「ふぎゃああ!」ビリビリ

 

絵里「あっ!わたしの七不思議ノートが……!」

 

にこ「こんなの中止よ!せめて怖い話と怪談にしなさい!」

 

希「というよりそもそもどうして七不思議になったん……?」

 

絵里「一生懸命考えたのに……破られた……」ウルウル

 

にこ「うっ…………」

 

希(なんやろこの罪悪感……)

 

絵里「もういい、エリチカおうちかえる……」グスッ

 

絵里「…………」トボトボ

 

希「……にこっち」

 

にこ「……ああもう!わかったわよ!一緒に考えてあげるわ!」

 

絵里「…ほんと?」クルリ

 

にこ「ほら、チョコあげるから機嫌直しなさい」

 

絵里「はらしょー!」ピョンピョン

 

希「まるでお母さんやね……」

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

にこ「はい、5つ目終了」

 

絵里「すごいわにこ!ちょっとだけ見直したわ!」

 

希(『ちょっと』なんや……)

 

希「あと二つやけど、どうする?」

 

にこ「うーん、やっぱり無難に怪談とか?」

 

絵里「!怪談……」ブルブル

 

にこ「例えばほら、2階の宿直室前のトイレで――」

 

絵里「ダメよ!怪談は無し!」

 

希「でもえりち、好奇心をそそるイメージつくりのためやろ?やっぱり怖い話とかは必要やと思うけど」

 

絵里「うっ…………」

 

にこ「決まりね、2階の宿直室前のトイレから時折り長い髪の女が現れる……と」

 

絵里「にこ、それほんとなの?」

 

にこ「まぁ、あくまで噂程度だけどね。詳しく話す?」

 

絵里「いいわ、けっこうよ」ブンブン

 

希「あとひとつか………」

 

――

――――

――――――

 

――廊下――

 

絵里「結局最後のひとつが決まらなかったわね」

 

にこ「ねぇ希、あんなので良かったの?」ヒソヒソ

 

希「なんでもいいよ、えりちが満足すれば」ヒソヒソ

 

にこ「あんな怪談どこにでも転がってると思うけど」ヒソヒソ

 

希「うん、確かに定番過ぎたね。でもえりちが怖がってたから」ヒソヒソ

 

絵里「あとひとつ……あとひとつ……」

 

絵里「うーん、何か話題になるようなことないかしら」

 

希「音ノ木坂は平和なんが魅力やからね」

 

絵里「やっぱりにこのぼっち過去が有力候補ね」

 

にこ「よし、動くんじゃないわよ」

 

希「にこっち、目潰しはあかんて!」

 

絵里「しょうがないわ、明日みんなに聞いてみましょう」

 

絵里「――……!」ピタッ

 

希「んっ、えりちどないしたん?」

 

絵里「ここ、宿直室前……べ、別の道を通りましょう」

 

にこ「遠回りになるじゃない、まだ明るいし大丈夫よ」

 

希「うちとにこっちもおるから」

 

絵里「希はともかく、にこなんて当てにならないわ!」

 

にこ「なら怖くないように気絶させてあげるわ」ボキボキ

 

希「まぁまぁにこっち、押さえて押さえて」

 

絵里「……!いま、トイレで音が……」ガクガク

 

にこ「はぁ?何も聞こえないわよ」グイッ

 

希「ほらえりち、早く行こっ」グイッ

 

絵里「いやぁ!エリチカちがう道とおる!」ジタバタ

 

トイレ ガチャッ スッ

 

のぞにこえり「!!?」

 

フラッ……

 

??「――おや?」

 

絵里「きゃあああっ!!」

 

希「えりち落ち着いて!」

 

絵里「髪の長いお化けぇ!!」

 

にこ「よく見なさい、海未よ」

 

海未「え、絵里、どうしたんですか?」

 

絵里「来ないでぇ!いやぁあああ亜里沙ぁ!」ダダッ!

 

希「えりち!?」

 

カベ――ガンッ!

 

絵里「あうっ!」

 

にこ「絵里!?」

 

海未「大丈夫ですか!?思い切り打ちつけましたけど……!」

 

絵里「はらぁ~しょ~……」クルクル

 

絵里「……うっ」バタン

 

のぞにこうみ「絵里(ち)!」

 

絵里「生徒会長……ここに散るチカ……」ガクッ

 

海未「絵里、しっかりしてください!絵里!」

 

のぞにこ「……………………」

 

希「……にこっち」

 

にこ「ええ、分かってるわ」

 

にこ「」ノート サラサラ

 

『音ノ木坂七不思議その7、μ’sに加入してからなぜかポンコツになった自称カシコイカワイイ元生徒会長』

 

――おしまい♪

感想

  1. はなまるびぃ より:

    PKEとにこの組み合わせが毎回笑えますwはらぁ〜しょぉ〜

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      このSSが好評でしたら、思い切ってシリーズ化も考えております♪

  2. 匿名 より:

    こんにちは。リクエストをお願いしたいのですが。

    題材が 催眠術にかかったエリチカで
     あらすじとしては ・希が本で読んだ催眠術をエリチカに試す
              ・希「あなたはいうことを何でも聞く・・」とエリチカに催眠
              ・エリチカ催眠にかかりクルクル目(はらぁ~しょ~)
              ・希やほかのキャラたちがおもしろがっていろいろ命令する
              ・そのうちにことりがエリチカを心配しだす
              ・最後はエリチカが倒れて頭打った衝撃で催眠解けてめでたし

    なんか設定多くてすいませんがおねがいします。あと催眠かかってる間のエリチカのセリフはかぎかっこの後にクルクル目を付けてください・・
              

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      以前にごちうさSSのリクエストを下さった閲覧者さんでしょうか?

      リクエスト内容を拝見させていただきましたが、これではアイデアというよりもはやプロットになってしまいますね。
      大まかな構成としましても、起承転結の『転』である「倒れて頭を打った衝撃」という流れには伏線を一切張れない前提の上、「命令して遊ぶ」という要素との共存が非常に困難かと思われます。
      結末も、脈拍の無いオチになってしまうでしょう。

      最後に記載されている要望は、恐らく擬態語のことをおっしゃっているのだと思いますが。
      これはあくまで読者側にその場の状況を明白にお伝えするための役目ですので、長い会話の場面などで常に同じ擬態語をふるのは読みにくくなったりとどうしてもくどいものになってしまいます。

      プロット指定及び、連投でのリクエストは誠に申し訳ありませんが、どうかご留意ください。

  3. 匿名 より:

    そうでしたか・・・ いえその閲覧者様とは違う人です。

    こちらこそいろいろ注文してしまい申し訳ございません。

  4. いあーご より:

    面白かったです!!  

    ほかの人も言及してますがエリチカ「はらぁ~しょ~」クルクル 笑えます!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      感想はとても嬉しいです、ありがとうございます。

      しかし、本当に不躾で申し訳ないのですが……。
      ご感想や応援メッセージを下さるのは、例え何度でもわたしはありがたくお受け取りします。
      特にいつもいあーごさんの下さるお言葉はとても礼儀正しく、励みになります。
      文章によってその人特有の癖や人柄が出るように、私自身それを読み取り、いあーごさんがおやさしい方だというのは重々承知しております。
      ですので、あえて言わせて下さい。
      以前のラブライブ SS 穂乃果「ことり塾再び!地獄の高速回転グルグル練習」の際にもリクエストの際にもスルーさせていただきましたが……できることでしたら、表記名を変えてご感想を残すのはお控えいただけないでしょうか。
      お名前が同じ方ですと、私自身ご愛読くださる読者様の一人なんだと純粋に喜ぶことができます。
      しかしながらこういったことをされますと、嫌が応でも文章の癖などから『同一人物の方などでは』と疑心暗記になってしまい、素直に喜ぶことができません。
      閲覧者様には誠心誠意の返事をできる限りお返ししたいので、どうか気持ちをもてあそぶような行為はお控えください……。
      誠に申し訳ありません、ですがお願いいたします、どうかご理解ください。

      • いあーご より:

        大変失礼いたしました! うっかりしていました…

        では今後は私?が今後感想を残すときは「いあーご」で統一させていただきます。

        • 砂水クジラ砂水クジラ より:

          ご理解いただきありがとうございます。
          今後もどうか本サイトをよろしくお願いいたします。

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