――金曜日 ラビットハウス――
ココア「えへへ~お待たせ」ガチャッ
チノ「これでお風呂はみんな終わりましたね」フキフキ
リゼ「わたしは一番あとでも良かったのに」
千夜「ほらシャロちゃん、くせ毛になるからジッとして」
シャロ「うゅぅ~髪くらい自分でとかすってば」
リゼ「さてと……まだ7時か、寝るには早すぎるな」
チノ「ボードゲームでもしますか?以前父から貰ったものがあります」
ココア「んふふ~今日はね、みんなでこれをやろう」バン!
シャロ「なにこれ、すごろく……?」
千夜「懐かしいわ、昔よくおばあちゃんと遊んだっけ」
ココア「この前のバザーで買ったんだ、特価で2000円だったから」
チノ「それって特価の値段でしょうか」
シャロ「また余計な無駄遣いして」
リゼ(というより、ボードが全体的にピンク色なのが気になるんだが……)
千夜「せっかくココアちゃんが用意してくれたんだし、みんなでやってみましょう」
ココア「よーし、負けないよ」フンス
―――――――――――――――――――――――――――
ココア「最初はチノちゃんから」
チノ「では……」コロコロ
チノ「3ですね、いち、に、さん」
チノ「ここは――空白マスです」
シャロ「次はわたしね」コロコロ
シャロ「6だわ、いち、に、さん、し、ご、ろく」
シャロ「ここは――指令マス……?」
リゼ「なんだそれ?」
ココア「えっとね~書かれていることを実際に実行するんだって」セツメイショ
千夜「まぁ、面白いわね」
チノ「なんて書いてありますか?」
シャロ「えっと……次の自分の番まで右隣の人と恋人繋ぎで手を繋ぐ――えっ!?」
リゼ&チノ&千夜「!?」
ココア「わぁ……大胆な指令だね」
リゼ(……やはり)
リゼ(嫌な予感はしていたが……これは、まさか)チラッ
千夜(ええ、間違いないわ……)コクリ
千夜リゼ(特定のお店でしか売られていない、その名も大人すごろく……!)
チノ「恋人繋ぎなんて……こんなすごろく初めて見ました//」
リゼ(ここはまだ序盤、きっと終盤ではもっと過激な指令があるに違いない……)
リゼ(いますぐ止めなければ……!)
リゼ「っ……こ、ココア、このすごろくは……//」
ココア「えへへ、これって仲良しになれるすごろくなのかな♪」
リゼ「……!」
ココア「なんだか楽しくなりそう。ねっ、リゼちゃん?」ニコッ
リゼ「うっ………あ、ああ……」
リゼ(この無邪気な笑顔……とても中止しようだなんて言えない……)
リゼ「」チラッ
千夜「」ニコッ
リゼ(……千夜のやつは乗り気みたいだし、ここは黙っておこう)
リゼ(みんなが当り障りのないマス目に止まることを祈るしかない、か)
シャロ「あぅぅ、こ、これって実行しなきゃダメなの……?//」
ココア「もちろんだよ」
シャロ「右隣だから……千夜と……」
千夜「よろしくお願いね、シャロちゃん」
シャロ「ま、まぁ……千夜ならいいわ、別に緊張もしないし」
千夜「でもシャロちゃんの手、震えてるわよ?」
シャロ「っ……!?」バッ
千夜「冗談よ♪」クスッ
シャロ「~~っ!ほ、ほら、さっさと繋ぐわよ!//」スッ
千夜「あっ……」
ギュッ
シャロ「………………//」
千夜(…シャロちゃんの手、小さい頃と同じであったかい……)
千夜「ふふ……なんだか嬉しいわ」
シャロ「っ…は、恥ずかしいから口に出さなくていいわよ……//」
千夜シャロ「………………//」
――――――――――――――――――――――――――
チノ「…………」ゴクリ
チノ「……」コロコロ
全「!」
チノ「……ここ、指令マスです//」
リゼ(よりにもよってチノが止まるとは……)
シャロ「な、なんて書いてあるの?」
チノ「えっと、次の自分の番まで左隣の人の膝に上に座る……――――!?」
千夜「チノちゃんからみて左隣だから……」
ココア「やったぁ!わたしだね」
ココア「さぁチノちゃん、お姉ちゃんのところにおいで!」
チノ「うっ………仕方ないですね、ゲームのルールですし//」
チノ「では……お、お邪魔します……//」
――スッ ストン
ココア「……!」
チノ「…………っ//」
ココア「チノちゃんがわたしのお膝に……これだけでも2000円出した甲斐があったよ……!」
ココア「えへへ、チノちゃんもふもふ♪」スリスリ
チノ「く、くすぐったいです……//」
リゼ(まんざらでもなさそうだ……)
千夜(ほほえまー♪)
――――――――――――――――――――――――
千夜「――えいっ♪」コロコロ
千夜「あら……指令マスだわ」
ココア「とうとう千夜ちゃんが……」ゴクリ
チノ「なんて書いてますか?」
千夜「えっとね、ここに止まった人が他のプレイヤー二人を指名し、ハグさせる」
リゼ(命令指令か、よりにもよって千夜に……)
千夜「ふふ、どうしようかしら」ニコニコ
ココア「あはは……なるべくお手柔らかに」
千夜「うーん……それじゃあ、ココアちゃんとシャロちゃんにハグしてもらいましょう♪」
シャロ「ええっ!なんでわたし!?それにどうして相手がココアなの!?」
千夜「もしかして、リゼちゃんのほうがよかった?」
リゼ「えっ、わたしか?」
シャロ「ば、バカ!何言ってるのよ!せ、先輩とハグなんて、そんなのできるわけ……!//」
千夜「それじゃあやっぱりココアちゃんと♪」
シャロ「だから、わたしっていう選択肢がそもそも――!」
ココア「シャロちゃん、そんなにわたしとが嫌なの……?」シュン
シャロ「うっ……べ、別に嫌とかそういうわけじゃなくて……」
シャロ「~~っ!ああもう、わかったわよ!ほら……//」
ココア「わーい、シャロちゃんもふもふ♪」ギュッ
シャロ「うぅ、なんでわたしばっかりこんな……恥ずかしい……//」
千夜(このすごろく、最高だわ……)ジュルリ
リゼ(いかん、早く終わらせないと千夜が……)ブルブル
チノ(ココアさんとハグ…………)シュン
――――――――――――――――――――――
ココア「よーし、このまま空白マスのみでクリアしちゃうよ」
ココア「えいっ」コロコロ
ココア「――あ、指令マスだ」
チノ「とうとうココアさんまで……」
千夜「今度はなあに?」
ココア「えっと…………――あ//」
ココア「こ、これは……ちょっと…………//」アセアセ
リゼ「んっ、どうしたんだ?」
シャロ「なんなのよ?」
チノ「……?」
ココア「……左隣の人のほっぺに、キスするって……//」
全「!」
シャロ「ココアからみて左だから……リゼ先輩……!?//」
リゼ「なっ…!//」
ココア「こ、これはダメだよね!さすがに……//」
千夜「うーん、でも指令は絶対だから」ニコッ
シャロ「で、でも、キスなんて、しかもリゼ先輩に……!//」
千夜「頬にだし、きっとノーカンだわ。シャロちゃんはちゃんと遂行したわけだし、ココアちゃんもしないとね」ニコニコ
チノ(千夜さんからSっ気オーラが出てます……)
ココア「うん、そうだよね…………わかった」
ココア「それじゃあ…………り、リゼちゃん……?//」スッ
リゼ「……!」
ココア「キスするから、動かないでね……?//」モジモジ
リゼ「っ!//」
ココア「あっ、どうしてもリゼちゃんが嫌ならやめるよ!それか手の甲とかに……!//」
リゼ「……いや、大丈夫だ//」
リゼ「ほら……早くしろよ//」プイッ
ココア「リゼちゃん…………うん//」
ココア「それじゃあ、失礼します……//」
ココア「――んっ//」
――チュッ
リゼ「っ……!//」
ココア「……こ、これでいいのかな?//」
リゼ「あ、ああ……//」
ココア「…………//」テレテレ
リゼ「っ……ほ、ほら、早く再開するぞ!//」
ココア「う、うん、そうだね!//」
ココリゼ「………………//」
千夜(照れてるココアちゃん、貴重だったわ)ニコニコ
チノ&シャロ(うらやましい……)
――――――――――――――――――――――――――
リゼ(まずい、だんだん過激になってきた……ここからは止まるとやばいぞ……)
リゼ「っ……!」コロコロ
リゼ「――!やった……ゴールだ!」
チノ「やっと終わりましたね……」ホッ
千夜(残念だわ、ゴール手前は指令マスだらけだったのに……)
ココア「今回の優勝は、リゼちゃんだね!」
シャロ「はぁ……疲れた」グッタリ
千夜「……!リゼちゃん、そのゴールって……」
リゼ「えっ……?――――!」
リゼ「……指令が書いてある」
全「!?」
千夜「どんな、どんな指令かしら?」ワクワク
シャロ「なんであんたはそんなに楽しそうなのよ!」
リゼ「右隣の人の胸をさわる……――!?//」
シャロ「リゼ先輩の右隣……」
チノ「……ココアさん」
ココア「……!//」
リゼ「こ、これはダメだ!さすがにできない!//」ブンブン
千夜「ダメよ、指令なんだからちゃんと実行しないと♪」ニコッ
チノ(千夜さんの笑顔、怖いです……)ゾクッ
千夜「ここでルール違反するとリゼちゃんの反則負けになるわよ、ほら早く♪」グイグイ
リゼ「千夜、お前いい加減に……!百歩譲って私はいいにしても、ココアが……!//」
ココア「っ……は、恥ずかしいけど……でもわたし、リゼちゃんになら触られても……//」モジモジ
リゼ「……っ!?//」
ココア「…リゼちゃんが嫌じゃないなら……いいよ……?//」ウワメ
リゼ「……ココア//」
全「……//」ゴクリ
リゼ「…………//」スッ
ココア「……っ!//」ビクッ
リゼ「っ………やっぱりだめだっ!白ココアを汚すことなんてわたしにはできない!」
リゼ「もう負けでいい!わたしの反則負けでいいから!だからもう許してくれぇ……」グスッ
千夜「リゼちゃんごめんなさい、さすがに悪乗りしすぎたわ」アセアセ
シャロ「もう9時前だし、おひらきよ!早く寝ましょう!//」
チノ「そうですね、片づけましょう//」セッセッ
ココア「………リゼちゃん」
リゼ「ココア、すまない……場の雰囲気に流されそうになってあんなこと……わたしがどうかしていた//」
リゼ「……許してくれ」シュン
ココア「ううん、怒ってないよ、気にしないでリゼちゃん。……ただ」
ココア「――ちょっとだけ、残念……」ポツリ
リゼ「えっ……」
ココア「ふふ、またみんなで遊ぼうね//」ニコッ
リゼ「?……ああ」
リゼ(残念て、どういうことなんだ……まさか……//)
リゼ「……!//」カアァ
リゼ(……どうしよう、また今夜も眠れない、眠れないぞ!//)
――おしまい♪
感想
面白かった!ありがとうございます!
砂水さんのココリゼは、見ていて心が暖まります❤️
ありがとうございます。
ココリゼは不定期ですが今後も執筆すると思いますので、その時はどうかご支援ください♪
みんなでドキドキに見せかけたココリゼですかね?
みんなの反応がかわいくていいですね。
ありがとうございます♪
カップリングてんこ盛り→ココリゼという流れが本SSの主題です。
うおぉぉ!ココリゼ最高です!!
リゼシャロの場合、リゼが押しのほうが合うけど
ココリゼの場合は
押しがココアでヘタレ気味がリゼだとなんかしっくりきますw
あと
チノ(チノさんの笑顔、怖いです……)ゾクッ
に誤字ってますねw
誤字のご指摘ありがとうございます、ただちに修正いたしました。
閲覧者の皆様方含め、誠に申し訳ございません。極力細かくチェックしてはいるのですが……。
ココリゼのカップリングは、今後も色んな可能性を模索したいと思います♪
乙です!
ココア可愛かった!
次はココシャロとか見たいです
ありがとうございます♪
ココシャロは……申し訳ありませんが、今はアイデアが浮かびませんね;
ああああ最高です!!!めっちゃ面白かったです♪
原作の王様ゲームは「もっとこんな展開があれば…」とか妄想してたので、
正にその欲求を満たしてくれる最高のお話でした!!!
ありがとうございます、とても励みになります♪
欲求を満たす需要に応えることができ、嬉しい限りです。
またのご来訪、心よりお待ちしております。
大人のすごろくなんてここで初めて知りました。チノ目線が一番良かったです!
年上にまじって大人の遊びをするスリルみたいな感じで。(たぶん千夜に圧倒されて)黙ってたのが可愛かったです。
チノちゃんの影響に悪いので、この後このすごろくはタカヒロさんとリゼパパに引き渡されました……(笑)
二人でやったらどこを踏んでもアウトですね;