ごちうさSS 幼いココア、ひとりでおつかい

 

 

――早朝 天々座家――

 

リゼ「これでよし……苦しくないか?」

 

ここあ「うん……」

 

リゼ「もうちょっとで朝ご飯だからな、今日はココアの好きなチーズサンドだぞ?」

 

ここあ「…………」ウツムキ

 

リゼ「ココア……」

 

ここあ「りぜちゃん……ごめんね」

 

リゼ「いいから気にするなって、服も布団も洗濯すればおしまいなんだから」

 

ここあ「ゆうしゃさんも、ごめんなさい……」ペコリ

 

黒服「お嬢の言う通りです、ほんとにお気になさらず」アセアセ

 

ここあ「………………」シュン

 

リゼ(責任を感じてるんだろうな、ひどく落ち込んでる……)

 

リゼ(やはり昨日の夜、無理に起こしてでも行かせるべきだったか)

 

 

――――――――――――――

 

――昨夜――

 

リゼ「なるほど、これだと疑問文になるのか」フムフム

 

――クイックイッ

 

リゼ「んっ?」

 

ここあ「りぜちゃんえほんよんでー?」

 

リゼ「ああいいぞ。ちょっと待ってくれ」

 

ここあ「もしかしておべんきょうちゅう?」

 

リゼ「いや違うよ。ほらココア、おいで」ポスッ

 

ここあ「ぁ……えいっ♪」ピョン

 

リゼ「おっと……ふふっ」

 

ここあ「りぜちゃんの『おひざ』すき」ニコッ

 

リゼ「この甘えんぼうめ」スリスリ

 

 

 

リゼ『やっとのことで、ヒツジさんは朝まで眠ることができました』

 

リゼ『今夜は良い夢が見れそうだ』

 

リゼ「……んっ?」

 

ここあ「すぅ……すぅ…………」Zzz

 

リゼ(寝てしまったか……今日はラビットハウスで一日中お手伝いして疲れてたんだろうな)

 

リゼ「」チラッ

 

リゼ(9時半……少し早いがいいか)

 

リゼ「よっと」

 

ここあ「ん……」Zzz

 

リゼ「布団かぶらないと風邪ひくぞ」パサッ

 

ここあ「ふぉぇ……」Zzz

 

リゼ「おやすみ、ココア」ナデナデ

 

ここあ「ぇへへ…………」Zzz

 

リゼ(さて……今のうちに課題を終わらせるとするか)

 

 

――2時間半後――

 

リゼ「やっと終わったぁ……」

 

リゼ(これで土日とも気兼ねなくココアと遊べる♪)

 

リゼ(もう12時か、いい時間だな)

 

リゼ(ココアは……まだ寝てるか)

 

リゼ(……さすがに無理矢理起こすのはかわいそうだよな)

 

リゼ「………………」

 

 

――――――――――――――――――

 

リゼ(あの時のわたしの判断ミスが……すまない、ココア)

 

ここあ「ゆうしゃさん、わたしもてつだう」

 

黒服「布団は重くて持てませんよ。大丈夫ですからお嬢とお部屋へ」

 

ここあ「…………」グスッ

 

黒服「お気持ちだけで結構ですから、ねっ?」ポンポン

 

ここあ「ごめんなさい……」

 

黒服「また掃除でも手伝ってください」

 

ここあ「……」コクッ

 

リゼ「くっ……いっそのことわたしのほうが漏らしていたということにするか?」ゴニョゴニョ

 

黒服「さすがに無理がありますよ!?」

 

 

――――――――――――――――――――

 

――午後3時 甘兎庵――

 

千夜「そう、ココアちゃんおねしょしちゃったの」クスッ

 

リゼ「笑い事じゃないぞ、おかげで朝からずっとあの調子なんだ」

 

ここあ「…………」アンコ ギュッ

 

アンコ「」

 

千夜「あらあら、可愛いから気にしなくていいのに」

 

リゼ「どうやら使用人たちにまで迷惑をかけてしまったことに責任を感じているみたいだ」

 

千夜「そうね、それもあるでしょうけど……」チラッ

 

リゼ「?」

 

千夜「たぶん一番はリゼちゃんのことじゃないかしら」

 

リゼ「えっ?」

 

千夜「おねしょしたことでリゼちゃんに嫌われないかとか、これから一緒に寝てもらえなくなるんじゃないかとか、恥ずかしいとか……」

 

リゼ「なっ……嫌いになるわけない!わたしはココアのこと――」

 

千夜「ええ、課題もそっちのけで構ってあげるくらい大好きだものね、リゼちゃんは」

 

リゼ「当然だ」フンス

 

千夜「最近はココアちゃんとのお泊りすらも許してくれないほどだものね、悲しいわ」

 

リゼ「ココアと一緒に寝るのはわたしの役目だからな」フンス

 

千夜「恥ずかしがっているココアちゃんは?」

 

リゼ「至高、最高、むしろウェルカム」

 

千夜「さすがはリゼちゃん、すがすがしいわ!」ガシッ

 

リゼ「中途半端は性に合わん」

 

千夜リゼ「……………………」

 

千夜「ごめんなさい、脱線したわね」

 

リゼ「いや、わたしの方こそすまない」

 

リゼ「でも……そうか、ココアの奴、そんなことを心配して……」

 

リゼ「よし、まずは杞憂であることを伝えて――」

 

千夜「待ってリゼちゃん」

 

リゼ「?」

 

千夜「わたしにいい考えがあるわ」ニコッ

 

―――――――――――――――――――

 

 

ここあ「おつかい?」

 

千夜「どうやら使用人さんが困ってるみたいなの」

 

ここあ「あれ……りぜちゃんは?」

 

千夜「他に用事があるって帰っちゃったわ、ここあちゃんをよろしくって」

 

ここあ「…………」シュン

 

千夜「ココアちゃん?」

 

ここあ「……りぜちゃん、やっぱりわたしのこときらいになっちゃったのかな」グスッ

 

千夜「そんなことないわ、リゼちゃんはココアちゃんのこと大好きよ」

 

ここあ「ほんと……?」

 

千夜「ええ、でもココアちゃんはもっとリゼちゃんに好きになってほしいのよね」

 

ここあ「……」コクリ

 

千夜「内緒でお手伝いすれば、きっとココアちゃんのこともっともっと好きになってくれると思うわ」

 

ここあ「!」

 

千夜「使用人さんも喜んでくれるし、リゼちゃんも喜んでくれる」

 

ここあ「りぜちゃんも、ゆうしゃさんも……」

 

千夜「チノちゃんもシャロちゃんも、みんなココアちゃんのことすごいって褒めてくれるんじゃないかしら♪」

 

ここあ「……!」

 

千夜「どうココアちゃん、おつかい行ってみない?」

 

ここあ「いきたい!」ピョン

 

千夜「えらいわ。でもひとりで大丈夫?」

 

ここあ「わたしにまかせなさーい♪」

 

千夜「さすがはココアちゃんね。はいこれ、お金とメモよ」

 

ここあ「いつものすーぱーだね、いってきまーす」タタタ

 

千夜「迷子にならないようにね」

 

ガチャッ バタン

 

千夜「ふふっ、上手くいったわ」ニコッ

 

千夜「リゼちゃん、出てきていいわよ?」

 

リゼ「なぁ千夜、黙って置いていったなんて言って……ココアに嫌われてないかな?」オロオロ

 

千夜(今度はリゼちゃんが不安になってる)

 

千夜「心配ないわ、それより早く尾行しましょう」ワクワク

 

リゼ「あ、ああ。ステルスミッション開始だ!」

 

 

 

――公園前――

 

ここあ「♪」テクテク

 

 

リゼ「」ジーッ

 

千夜「あのリゼちゃん、そんなに凝視しなくても……」

 

リゼ「怪しい奴がいたらすぐに鉛玉の餌食にしてやらないと」

 

千夜(リゼちゃんが一番怪しい人に見えるのは黙っておこう)

 

リゼ「あっ、ココアが走っていったぞ!」

 

千夜「あれは――クレープ屋さん?」

 

 

ここあ「しゃろちゃんこんにちは♪」

 

シャロ「ココア……もしかしてひとり?」

 

ここあ「うん、ないしょでおつか――あっ」サッ

 

シャロ「?」

 

ここあ「ひみつだよ、えへへ」

 

シャロ(ないしょでおつかい……またリゼ先輩にサプライズかしら?)

 

シャロ「んっ……?」

 

キノカゲ チヤ リゼ トーテムポール

 

シャロ「」

 

千夜リゼ「…………」ジーッ

 

シャロ(うん、違うわね。ややこしそうだし触れないでおきましょう)

 

ここあ「わぁ、イチゴクレープ……!」キラキラ

 

シャロ(うっ……どうしよう、今月はただでさえ厳しいのに……)

 

千夜「まずいわリゼちゃん、ココアちゃんの目が輝いてる……」

 

リゼ「朝もお昼もあんまり食べてなかったからな……」

 

シャロ(でも、ココアの純真な心を裏切るくらいなら……!)

 

シャロ「こ、ココア、良かったら食べていく?」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

シャロ「内緒でひとつだけあげるわ、イチゴクレープでいいかしら」

 

千夜「シャロちゃん……」

 

リゼ「………………」

 

ここあ「……ううん、いらない!」

 

千夜リゼ「!」

 

シャロ「えっ?」

 

ここあ「ひとりで『かいぐい』しちゃだめだってりぜちゃんがいってたから」

 

シャロ「ココア……」

 

ここあ「またねしゃろちゃん、きょうのことあとでおしえてあげる」フリフリ

 

シャロ「あっ……車や自転車に気を付けるのよー」

 

 

千夜「シャロちゃんナイスよ」ビシッ

 

シャロ「あの……千夜、リゼ先輩?これはどういう……」

 

リゼ「話せば長くなる。それよりシャロ、今日のバイトはこれでおしまいか?」

 

シャロ「は、はい、一応」

 

リゼ「そうか、ならバイトが終わったら――」

 

 

―――――――――――――――――――

 

――スーパー――

 

ここあ「えっと、『とりにく』と『にんじん』……」

 

 

千夜「少し難しすぎたかしら」

 

リゼ「どれが鶏肉か分かるかな……」

 

 

ここあ「あった!……あれ?これとこれ……ふたつある?」

 

 

千夜「あっ、もも肉って書くの忘れてたわ」アセアセ

 

リゼ「まずいな、店員さんに協力してもらってそれとなく伝えるか……」

 

 

ここあ「こっち?それともこっち?うーん……」

 

 

チノ「――ココアさん?」

 

 

ここあ「あっ、ちのちゃんだ!ちのちゃーん!」ギュッ

 

チノ「ココアさん、もしかしてひとりですか?」

 

ここあ「うん!ないしょでおつか――あっ…」

 

チノ「リゼさんにないしょでおつかいですか、偉いですね」ナデナデ

 

ここあ「うぅ~ばれちゃった……」

 

チノ「ですがこのメモやお金はだれから?」

 

ここあ「ちやちゃんからだよ、ひとりでおつかいにいってりぜちゃんやみんなにほめてもらうの!」

 

チノ「なるほど、千夜さんの提案……」

 

チノ(ということは――)

 

トーテムポール チヤ リゼ

 

チノ(やはり……リゼさんも一緒ですか)

 

ここあ「ねぇちのちゃん、この『とりにく』おしえて?」

 

ここあ「これとこれ、どうちがうの?」

 

チノ「これはもも肉とむね肉で、作りたいものによって用途が変わるんです」

 

チノ「メモには……何も書いてませんね」

 

 

千夜(チノちゃんごめんなさい!)

 

 

チノ「なら、ココアさんの食べたいほうでいいと思います」

 

ここあ「どんなりょうりとどんなりょうりなの?」

 

チノ「そうですね、むね肉は蒸し鶏や炒め物、もも肉はから揚げやソテー……」

 

ここあ「からあげ!」ピョンピョン

 

チノ「から揚げならこっちのもも肉ですね」

 

ここあ「わぁ!ちのちゃんありがとー」

 

チノ「他は……全部揃ってますね、おりこうさんです」ナデナデ

 

ここあ「んっ……♪」

 

チノ「さて、一緒にレジまで行きましょうか」

 

ここあ「ううん、だめ」

 

チノ「?」

 

ここあ「ちゃんとひとりでがんばって、りぜちゃんにほめてもらうの」エッヘン

 

ここあ「じゃあねちのちゃん、ばいばい」フリフリ

 

チノ「あっ、ココアさん……」

 

 

リゼ「すまないなチノ、助かったよ」

 

チノ「リゼさん、早く追いかけないとココアさんが」

 

リゼ「心配ない、千夜が尾行してくれてる」

 

チノ「今度はいったいどうしたんですか?」

 

リゼ「まぁ、話せば長くなる……それよりチノ、この後空いてるか?」

 

チノ「はい、晩御飯の買い出しに来ただけですので」

 

リゼ「そうか、なら――」

 

――

――――

――――――

 

 

――夕方 甘兎庵――

 

千夜(途中でリゼちゃんにバトンタッチしてきたけど……大丈夫かしら)ソワソワ

 

千夜(ココアちゃん……そろそろのはずだけど)チラッ

 

ここあ「ただいまー!」ガラッ

 

千夜「ここあちゃん!おかえりなさい」

 

ここあ「ちやちゃん、はいこれ」

 

千夜「鶏肉ににんじん、ジャガイモに玉ねぎ。完璧よ」

 

千夜「内緒のおつかい、大成功ね」

 

ここあ「りぜちゃんよろこんでくれるかな?」

 

千夜「ええ、リゼちゃんも使用人さんも、シャロちゃんもチノちゃんも、みんな頑張り屋さんなココアちゃんのこと褒めてくれるわ」

 

ここあ「……!」パァ

 

千夜「ココアちゃん、よく頑張ったわね。お疲れ様」ギュッ

 

ここあ「んっ……♪」ポスッ

 

ここあ「……りぜちゃん……はやくむかえにこないかな……」

 

ここあ「…………」ウトウト

 

千夜「もうすぐ来てくれるわ……大好きなココアちゃんを迎えに」

 

ここあ「えへへ、わたしもりぜちゃんすき……」スッ

 

千夜「…………」クスッ

 

ここあ「…………」Zzz

 

千夜「…………」ナデナデ

 

 

千夜「リゼちゃん、もう入っても大丈夫よ」

 

ガラッ

 

リゼ「…………」

 

千夜「リゼちゃん?」

 

リゼ「ありがとう千夜、おかげでココアの笑顔が戻ったよ」

 

リゼ「そろそろシャロやチノがわたしの家に来てる頃だと思う……先に行って準備しててくれ」

 

リゼ「わたしはココアが目を覚ますまで公園にでもいるよ。よっと……」ヒョイ

 

ここあ「すぅ……すぅ…………」Zzz

 

千夜「準備が出来たら連絡するわ。ココアちゃん、喜んでくれるといいわね」

 

リゼ「喜んでくれるさ。みんなのこと、大好きなんだから」

 

千夜「リゼちゃんはい、これ」

 

リゼ「消毒液と絆創膏……?」

 

千夜「ココアちゃんの膝、バイ菌が入るといけないから」

 

リゼ「……千夜」

 

千夜「ふふっ、また後でね」

 

リゼ「……ありがとう」

 

千夜「」ニコッ

 

 

――――――――――――――――――――

 

――20分前――

 

ここあ「~♪」タタタ

 

リゼ(あんなに走って……転ばないといいけど)

 

ここあ「――!」

 

リゼ「っ!?」

 

ここあ「ひゃうっ!」ドタッ

 

リゼ「――っ!」

 

バサッ バラ

 

ここあ「あ……」

 

リゼ(材料が……)

 

ここあ「待って……いつっ……!」

 

リゼ(擦りむいたのか!?膝から血が……!)

 

ここあ「…………」グスッ

 

ここあ「ぐすっ……ひっく……」ウルウル

 

リゼ(ココア…………)キュッ

 

リゼ(もういい……もういいよな)ダッ

 

――ガシッ

 

リゼ「!?」

 

黒服「お嬢、ダメです」

 

リゼ「お前……!なんでここに」

 

黒服「……朝からあの子のこと心配してたのは、お嬢だけじゃないってことです」

 

黒服「おつかいに行かせると聞いたら、いてもたってもいられなくて……すいません」ポリポリ

 

リゼ「……そうか」

 

黒服「とにかくお嬢、まだ助けてはダメです」

 

リゼ「お前、正気か…!?ココアが泣いてるんだぞ…!怪我だってしてるし…!」

 

黒服「…それでもあの子、まだお嬢に助けを求めてなんていませんよ」

 

リゼ「……!」

 

黒服「お嬢やあっしらに喜んでもらいたいためにあの子は頑張ってるんです、だから我々もその気持ちに応えてあげるのがスジじゃないですか?」

 

リゼ「それは……」

 

黒服「今出ていったら、あの子の笑顔がまた消えちゃいますよ。それでもいいんですか」

 

リゼ「っ……」ギリッ

 

黒服「お嬢、耐えてください。あの子が助けを求めるまで、俺たちは動いちゃダメなんです……」

 

リゼ「……ココア」

 

 

ここあ「…………っ」グシグシ

 

リゼ「!」

 

ここあ「リゼちゃんに喜んでもらうもん……っ」

 

ここあ「たまねぎとじゃがいも……あった」ガサゴソ

 

ここあ「あまうさあん……こっち!」タタタ

 

 

リゼ「…………!」

 

黒服「…………」クスッ

 

黒服「お嬢が思っているよりずっと強いですよ、あの子」

 

黒服「特にお嬢のことになると、手が付けられないくらい……」ハハハ

 

リゼ「………………」

 

黒服「あっしは帰って今夜のディナーパーティーの準備がありますんで……後はよろしくお願いします」

 

リゼ「……ありがとう、おかげで助かったよ、ゆうしゃさん」

 

黒服「お嬢まで……もう慣れたからいいですけど」

 

リゼ「いつもすまないな」

 

黒服「……いえ、とんでもない」フッ

 

―――――――――――――――――――――

 

ここあ「んっ……?」パチッ

 

リゼ「おはよう、ココア」

 

ここあ「りぜちゃん……?」ポワポワ

 

リゼ「やっぱり抱っこだと寝づらいよな」

 

ここあ「えへへ……りぜちゃん♪」ギュッ

 

リゼ「お迎え、遅くなってごめんな」

 

ここあ「ううん……」

 

リゼ「買い物袋、見せてもらったよ」

 

リゼ「ひとりでおつかいに行ってくれたんだってな」

 

ここあ「うん!りぜちゃんとゆうしゃさんにさぷらいずだよ、おどろいた?」

 

リゼ「ああ、おどろいたし、助かったよ」

 

リゼ「今頃使用人たちがココアの買ってきてくれた材料で晩御飯を作ってくれてる頃じゃないかな」

 

ここあ「からあげだね!」

 

リゼ「ああ、からあげに……他にもたくさんだ。ふふっ、ココアのおかげだな」ギュッ

 

リゼ「ありがとう、よく頑張ったな」スリスリ

 

ここあ「ふぁ……えへへ//

 

 

リゼ「膝、擦りむいたのか?痛かっただろう」

 

ここあ「うん、でもわたしなかなかったよ」

 

リゼ「ああ、知ってるよ。ココアは強いもんな」

 

ここあ「りぜちゃんのためならなんでもこいだよ!」

 

リゼ「……ああ、わたしもだ」ギュッ

 

リゼ「ここあのためなら、なんでもできる」

 

ここあ「いっしょだね♪」

 

リゼ「ああ、一緒だ」

 

リゼ「だから、今夜も一緒に寝よう……大好きだぞ、ココア」

 

ここあ「わたしもりぜちゃんだいすき」スリスリ

 

ここあ「これからは、おねしょしないようにするね?」

 

リゼ「そんなのいいよ、別に」

 

 

リゼ「お腹すいただろう?帰ったら驚くぞ」

 

ここあ「おどろく?さぷらいず?」

 

リゼ「ああ、今度はわたしからお前にサプライズだ」

 

ここあ「わーい♪」キャッキャッ

 

リゼ「…………」クスッ

 

 

――――――――――――――――

 

――天々座家――

 

千夜「リゼちゃんとココアちゃんまだかしら?」ワクワク

 

シャロ「いいからそのバズーカクラッカーしまいなさいよ!」

 

チノ「ウズウズ」←打ってみたい

 

リゼ父「いよぉうし!!トリプルエリア!」←ダーツ優勢

 

タカヒロ「くっ……ダブルブルに当てなければ勝利は無い、か」←ダーツ劣勢

 

――おしまい♪

感想

  1. 名有り より:

    以前にも申し上げたかと思いますが、ここあちゃんは、精神的(ほんわかしたssへのコメントにこんな固い言葉を使うのはあまり良いものではないと思いますが)にほんとうに強くて健気な子だと思うのですが、その強さは、大切な仲間たちがいてこその強さだという事を改めて感じさせられました。ですが、原作に沿った描写だけでなく、キャラクター達の台詞の中に、砂水さんの優しさがこもっているように感じて、正直、とても感動しています。
    長文になって申し訳ないのですが、また是非とも心安らぐssを書いていただけると、とても嬉しいです。
    無理はせずに頑張って下さい♪

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます、これほどまでに褒めて頂き、SS作家冥利に尽きます……。
      違和感が無いよう、セリフ回しを幾度となく見直してきた甲斐がありました。

      本シリーズは完結後にふと読み返して以来、当時よりも愛着がわいてしまって。
      IF設定ですが、アイデアが生まれる限りはおそらくこれからも続くかと思われます。

      次回も名有りさんのご期待に添えられるようなSS、必ず書いて見せます♪
      いつもご支援、感謝です。

  2. はにすけ より:

    幼いココアちゃん、リゼちゃん千夜ちゃんシャロちゃん、それに使用人さん、
    皆の純粋さと優しさに涙が出ます。。。

    最近忙しくてまいっていて、砂水さんのSSにはとても癒されます。
    幼いココアシリーズ、他のシリーズと共に楽しみにしています。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      いつもお優しい言葉、ほんとにありがとうございます♪
      次は、次こそは……いえ、次の次こそはアブノーマルシリーズをぜひ……!

  3. あばばばばば より:

    助けようとしたリゼを止めた黒服が打たれないか心配でしたw

  4. はなまるびぃ より:

    電書鳩してないせいで読み遅れてしまった(;_;)
    ほのぼのに加えて感動を…
    至高!最高!いや、フェイバリット!(語彙力)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      いつも感想ありがとうございます、嬉しいです!(語彙力)
      冗談ではなく、とても励みになります。

  5. Beyond the Average より:

    はじめてのおつかいって、よくわからないけど必ず転ぶんですよね~。またそこが感動を引き起こすのですが。
    「ゆうしゃさん」今回は特にかっこよかったですね!でもシャロもチノも良かった!(鶏もも肉とむね肉の使い分けは勉強になりました。覚えておきます!)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ここあちゃんは嬉しいとつい走ってしまう癖がありますので、よく転んでしまうのでしょうね~。
      使用人さんがレギュラーへと昇格するきっかけとなったお話です、この辺りからここあちゃんのIFシリーズ化が決定しました。

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