ごちうさSS 千夜「回転イスで一度はやりたいアレ」

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――甘兎庵――

 

千夜「♪~♪♪」

 

ガチャッ!

 

千夜「いらっしゃ~い」

 

シャロ「ちょっと千夜ぁ!」

 

千夜「あら、シャロちゃん」

 

シャロ「どうせあんたの仕業でしょ!どういうつもりよ、あんなもの送ってきて!」

 

千夜「あんなもの?」キョトン

 

シャロ「とぼけないで!わたしの家の住所知ってるのはあんただけなんだから!」

 

千夜「住所……ということは宅配便?」

 

シャロ「そう、わたしの家の大半を占領するくらい大きなダンボールよ!」

 

千夜「ダンボール……シャロちゃんの家にお届けもの……」

 

千夜「?」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

千夜「これね」

 

シャロ「ねぇ千夜、ほんとに身に覚えないの?」

 

千夜「ええ、だから開けて中身を確認してみないと」ビリビリ

 

シャロ「で、でも、変なものとか入ってたら……」オドオド

 

千夜「っ!これ…爆弾!?」

 

シャロ「きゃああぁっ!!」

 

千夜「…なーんちゃって♪」

 

シャロ「へっ……?」

 

千夜「ふふっ、わたしがシャロちゃんにするいたずらはこういうのだけよ。信じてくれた?」

 

シャロ「お、おばか!ほんとにびっくりしたじゃない!」

 

千夜「これは――イスかしら?」

 

シャロ「イス?なんでそんなものがウチに……」

 

千夜(このイス、どこかで見たことがあるわね……)

 

千夜「……………………」

 

千夜「!」ピコーン

 

千夜「思い出したわ。これ、懸賞で当たるやつね」ポン

 

シャロ「懸賞?」

 

千夜「この前ポイントシールが溜まったからおばあちゃんが出してたわ」

 

千夜「おばあちゃんたら、B賞とC賞を間違えて応募したのね」

 

シャロ「ちなみにこれは?」

 

千夜「100名さまにあたるB賞のフットレスト付き3Dチェアよ。ちなみにC賞は200名さまにあたる節電トースター」

 

シャロ「よりにもよってなんでB賞が当たるのよ……はぁ、せめて節電トースターなら助かったのに……」

 

千夜(だからおばあちゃんシャロちゃん宛てにしたのよねきっと)

 

千夜「でもせっかく届いたんだし、一度組み立ててみましょ」

 

シャロ「組み立ててどこにおくのよ」

 

千夜「シャロちゃんのお部屋にインテリアとして飾ったらどうかしら」

 

シャロ「どうしてイスなんて飾るのよ!」

 

千夜「いつかシャロちゃんの家にパソコンが来たときのためとか」

 

シャロ「何年後の話よ!それまでにはもう錆びて動かなくなってるわ!」

 

千夜「シャロちゃん、それ自分で言ってて悲しくならない?」

 

シャロ「ぐっ……とにかく、わたしこんなのいらないから持って帰ってよ」

 

千夜「そんな……せっかくおばあちゃんがシャロちゃんのために当ててくれたのに」

 

シャロ「思い切り応募賞品間違えてね」

 

千夜「せっかくこつこつ貯めたポイントシールで当てたものを、おばあちゃんからの気持ちをないがしろにするなんて……」

 

シャロ「……うっ…………」

 

千夜「悲しいわ、シャロちゃんがそんなこと言うなんて……おばあちゃんが聞いたらどんな顔するかしら……」メソメソ

 

シャロ「っ……ああもう!分かったわよ!ウチに置いとくわ!」

 

千夜「ありがとうシャロちゃん、嬉しいわ」ニコッ

 

千夜「おばあちゃんが聞いたら、『ウチもいらないから捨ててきな』って怒られると思うから」

 

シャロ「全然悲しんでないじゃない!もらったら邪魔になるだけでしょ!?」

 

千夜「いざとなったらバザーにでも出せばいいわ、さすがに捨てるのはもったいないでしょう?」

 

シャロ「……そうね、さすがに捨てるのはちょっと……ね」

 

カチャカチャッ

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

シャロ「これで完成ね」

 

千夜「このイス回転するわ、脚にローラーまでついてるし」

 

シャロ「ちょっと座ってみるわね。よいしょ……」

 

千夜「どう?」

 

シャロ「案外悪くないわ、むしろいいかも……」

 

千夜「バイトで疲れたシャロちゃんが家に帰ってすぐにもたれ掛かる姿が目に浮かぶわ」

 

シャロ「残業終わりの会社員か!そりゃしちゃうかもしれないけど……」

 

千夜「とにかく、実用性があってよかったわね」

 

シャロ「うん……一応、おばあちゃんにありがとうって言っておいて」

 

千夜「ええ、もちろんよ。ところで――――わたし、一度そのイスでやってみたいことがあるの」

 

シャロ「やってみたいこと?」

 

千夜「ほら、テレビとかでよくやってるイスでクルクル回るの、あれがやりたいわ」

 

シャロ「なんであんなの……まぁいいわ、回してあげるから座りなさ――――」

 

千夜「えい♪」クルッ

 

シャロ「!?」

 

千夜「よいではないかよいではないか~♪」クルクル

 

シャロ「ちょっと…ストップストップ!止めてぇ~!」

 

千夜「あと10回転~そーれ♪」

 

シャロ「ひゃああぁあ!」

 

――

――――

――――――

 

シャロ「ほぇ~目が回るわ~」フラフラ

 

千夜「シャロちゃんしっかりして」

 

シャロ「うっ……世界が反転してる」

 

千夜「さすがに回しすぎたかしら」テヘッ

 

シャロ「てへっ、じゃないわよこの和菓子バカ!」

 

シャロ「ああ、あと10回転させられてたら危うく戻すところだったかも……」

 

千夜「次、次はわたしね、シャロちゃん早く早く」

 

シャロ「…………」ピキピキ

 

シャロ「ええ、分かったわ……そんなに回して欲しいなら――」

 

千夜「きゃっ……!」

 

シャロ「気の済むまで回してあげるわよ!」クルクル!

 

千夜「早過ぎてシャロちゃんが残像に見えるわ……」

 

――

――――

――――――

 

千夜「ほぇぁ~」フラフラ

 

シャロ「ぜぇ……ぜぇ…………」

 

千夜「景色がいつもと違って見えるわ……」フラフラ

 

シャロ「どう……満足でしょ?」

 

千夜「シャロちゃんの家がいつもより慎ましやかに見える……」ガクッ

 

シャロ「なんでよ!」

 

千夜「……ふぅ、やっと戻ったわ」

 

千夜「クルクルイスって思っていた以上にハードだったのね」

 

シャロ「…ねぇ千夜?言ってて悲しいんだけど、このイスわたしたちが持ってても宝のもち腐れじゃない?」

 

千夜「シャロちゃんもそう思う?このイスも当たった相手が悪かったわね」

 

シャロ「応募したのはあんたのおばあちゃんでしょうが!」

 

千夜「でもバザーは1ヶ月も先だし……困ったわ」

 

シャロ「回転……ローラー……イス…………」

 

シャロ「……!」ピコーン

 

シャロ「ねぇ千夜、ひとつだけ心当たりがあるわ」

 

シャロ「そこならこのイス、喜んで引き取ってくれるはずよ」

 

千夜「ほんと?それじゃあこのイスのこと、シャロちゃんにお願いするわね」

 

シャロ「任せなさい、とりあえず箱に仕舞っておくから解体するのだけ手伝って」

 

千夜「わかったわ。…………♪」クスッ

 

シャロ「?……なんか嬉しそうね」

 

千夜「ええ、嬉しいわ。今日はシャロちゃんとくだらないことで一日中ドタバタできたんだもの」

 

シャロ「なによそれ……バイトが休みの日とかはたまに遊んだりしてるじゃない」

 

千夜「うん、そうなんだけど……なんだか小さい頃に戻ったみたいで楽しかったの」

 

シャロ「……………………」

 

千夜「こんなこと、高校生になってからはあまり無かったから……お互い大人になっていくんだもの、当然よね」

 

シャロ「…………そうね」

 

シャロ「……でも、たまにはこういうのも悪くない……かも」ボソッ

 

千夜「……シャロちゃん」

 

シャロ「た、たまにはだけどね!わたしはもう子供じゃないし!」プイッ

 

千夜「……ふふ♪」

 

千夜「シャロちゃん――だーいすき♪」ギュッ

 

シャロ「きゃっ!……もう♪」クスッ

 

千夜シャロ「」ニコッ

 

 

――――――――――――――――――――――

 

――ラビットハウス――

 

ココア「リゼちゃん、もっともっと!」

 

リゼ「よし、さらに倍速だ!」グルグル

 

ココア「ひゃあ~♪」

 

チノ「シャロさんから頂いて以来、ココアさんもリゼさんもずっとあの調子です」

 

ティッピー「やれやれ、子供じゃのう」

 

チノ「まったくです」チラッチラッ

 

ティッピー「ん……?」

 

チノ「回転したりイスで走ったり……」チラチラ

 

ティッピー「………………」

 

チノ「…………」ジー

 

ティッピー「……お客が来るまで、チノも混ざってきていいぞ」

 

チノ「!……し、しょうがないですね、仲間はずれも嫌ですし……」

 

チノ「…………♪」タタッ

 

ティッピー「やれやれ……閑古鳥が鳴いとるわい」ガラーン

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    エリチカに続いて千夜ちゃんもクルクル目に(笑) おもしろいですね!

    千夜で思いついたのですが、私も千夜ちゃんでリクエストしてほしい題材があるのですがいいですか? お忙しいところ恐縮ですが…

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      はい、もちろんです。
      できる範囲でしたらお応え致しますので、どうぞ♪

      • 匿名 より:

        題材は 「千夜腕時計をつけてみる」で

        あらすじとしては① 千夜腕時計をためしにつける
                ② つけてみるもののみんな千夜が腕時計してることに気付かず
               千夜しょんぼり
                ③最後にシャロだけ気づいてくれて千夜感激

        こんなかんじでおねがいします。注文多くてごめんなさい

        • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

          了解いたしました♪
          ご要望いただいた全ての要素を組み込めるかは分かりませんが、頂いたアイデアを元にプロットを作成しだい、執筆に望ませていただきます。

  2. 匿名 より:

    チノちゃんやリゼちゃんですら はしゃいでしまう回転椅子の魔力…!
    目を渦巻きにしてぐったりしてるのは何故か5人全員しっくり来ますね(笑)

    こうして目を回す描写を題材にSSを書いてくださるのはとても嬉しいです
    砂水さんはもちろん、リクしてくれた方にも感謝!

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      日に日に増してゆく目回しSSの需要の多さに、私自身も驚いています。

  3. mako より:

    リクエスト答えてくださって本当にありがとうございました!

    とても素晴らしい話で満足しております^^

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      こんにちは、ブログでは初めまして、ですね。
      ご満足いただけてなによりです♪
      リクエスト、ありがとうございました。

  4. 匿名 より:

    千夜ちゃんのクルクル目は新鮮なのでユニークだと思いました!!

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      クルクル目はどのアニメやSSでも意外と少ない要素ですよね。

  5. 匿名 より:

    シャロちゃんを限界まで回していじめるSSが読みたいです!

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      申し訳ながら、それはわたしの描きたい作品ではありませんね……。

  6. Beyond the Average より:

    私がシャロの立場だったらありがたくもらっちゃいますね!(笑)
    節約生活だからこそタダでいただける良いものは頂く。今は実家を離れて寮生活なので、なんだかシャロの状況をしみじみと実感できます…。

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