ラブライブ SS (えりぱな百合)絵里「今夜だけあなたは、私の抱き枕よ……」

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――休日 部室――

 

ガチャッ

 

花陽「あっ……」

 

絵里「あら……花陽?」

 

花陽「え、絵里ちゃん、どうしてここに?」

 

絵里「部員が部室にいると変かしら?」

 

花陽「あっ……ごめんね、そういう意味じゃなくて」アタフタ

 

絵里「……ふふっ」クスッ

 

花陽「えっ……」

 

絵里「分かってるわ、休日なのにどうしてってことでしょ?」

 

絵里「ごめんなさい、からかってみたくなっちゃってつい」

 

花陽「もう……絵里ちゃん」プクー

 

絵里「膨れたら可愛い顔が台無しよ?」

 

花陽「か、可愛い……はっ!こ、今度は騙されないよ!」ブンブン

 

絵里「今のは本音なのに……まぁいいわ、今お茶入れるわね」

 

花陽「あっ、自分でするからいいよ」

 

絵里「いいから座ってて。あっ、米粉せんべいがあるわよ」

 

花陽「それは……新潟限定発売の郷土せんべい……!」キラキラ

 

絵里「貰い物なんだけど、わたしも亜里沙もおせんべいはあまり食べないから……」

 

絵里「良かったら食べてもらえる?」

 

花陽「いいの!ほんとうに!?」

 

絵里「ええ、はいあーん」

 

花陽「あーん♪」

 

花陽「はわぁ……しあわせ……」ポワーン

 

絵里(かわいい……)

 

 

絵里「そう、アイドル研究のためにDVDを」

 

花陽「うん、にこちゃんはマイナーなものも全部押さえてるから」

 

絵里「休日なのに勉強熱心ね、感心だわ」

 

花陽「…………うん」

 

絵里「……?」

 

花陽「…そ、そういえば、絵里ちゃんは休日なのにどうしてここに?」

 

絵里「わたし?わたしは次のライブ会場を借りるための書類作成よ」

 

花陽「わぁ、難しい字でびっしり……」

 

絵里「最初は海未に、次は希に、最後は理事長にチェックしてもらってやっと申請できるわ」

 

花陽「三段チェックか……厳しいね」

 

花陽(そっか……良く考えたら、いつでもどこでも好きにライブができるわけじゃないよね)

 

花陽(いつもこうやって絵里ちゃんたちが影で頑張ってくれてるから……)

 

花陽「………………」

 

絵里「ねぇ、花陽?」

 

花陽「えっ……なにかな?」

 

絵里「ここに来たのって、本当にさっきの理由だけ?」

 

花陽「え…………」

 

絵里「なんだかそれだけじゃないような気がして……あっ、余計な勘ぐりだったらごめんなさい」

 

花陽「………………」

 

花陽「……聞いて、くれるの?」

 

絵里「ええ、もちろんよ」

 

花陽「………………」

 

花陽「……わたしね、今日嘘付いてきたんだ……凛ちゃんと真姫ちゃんに」

 

絵里「嘘?」

 

花陽「三人で遊びに行こうって誘われたのに、今日は用事があるって断って……」

 

花陽「それでここに逃げ込んできたの」

 

絵里「そうだったの……でも、どうしてそんな嘘を?」

 

花陽「どうしてだろう……自分でも分からない」

 

花陽「ほんとわたし、何してるんだろう……せっかく二人が誘ってくれたのに」

 

花陽「凛ちゃんと真姫ちゃんに申し訳ないな…………」シュン

 

絵里「………………」

 

絵里「……なるほど、ね」

 

絵里「そうね……きっと花陽は欲張りなのよ」

 

花陽「ふぇ?」

 

絵里「心のどこかで嫉妬してるんじゃないかしら?凛と真姫、両方に」

 

花陽「嫉妬って……二人とも大切な友達だから――」

 

絵里「大切だから二人に振り向いて欲しい……自分だけを見ていて欲しい……違う?」

 

花陽「あ…………」

 

絵里「…………」

 

花陽「…………うん……言われて見れば、そうかも……」

 

花陽「誘いを断ったのも……二人を困らせたかったから……」

 

花陽「わたしが断れば……二人がガッカリしてくれるかもって……」

 

花陽「…あはは………どっちにしろ最低だね……」

 

絵里「………………」

 

絵里「花陽、隣いいかしら?」

 

花陽「えっ……うん」

 

絵里「真ん中にイスを置いて……これでいいわね」

 

花陽「?」

 

絵里「ほら、こっちよ」グイッ

 

花陽「ぴゃあ!」

 

――ストン

 

花陽「……これって」

 

絵里「エリーチカ特製ひざまくらよ」

 

絵里「今まで亜里沙しか味わったことが無いわ、花陽はラッキーね」

 

花陽(絵里ちゃんのおひざ、柔らかくて気持ちいい…………はっ、ダメだよわたし!)

 

花陽「え、絵里ちゃんいいよ、恥ずかしいし……//」

 

絵里「誰も見てないし大丈夫よ、恥ずかしがること無いわ」

 

花陽「でも、絵里ちゃんに見られてる……//」

 

絵里「わたしはいいのよ、花陽より年上なんだから」

 

絵里「ほら……目を瞑りなさい」ナデナデ

 

花陽「ん…………」

 

花陽(絵里ちゃんの手……あったかい……)

 

花陽「……ほんとに、いいの?」

 

絵里「」ニコッ

 

花陽「……うん、それじゃあ……」

 

花陽「絵里ちゃんのひざまくら、お借りします……♪」

 

絵里「ふふ、どうぞ……」

 

――

――――

――――――

 

絵里「よし……完成ね」ナデナデ

 

チラッ

 

絵里(もう5時半……結局一日丸々潰れちゃったわね)

 

絵里「あとはこれを提出して……――花陽?」ナデナデ

 

花陽「すぅ……すぅ…………」Zzz

 

絵里「眠ってるわ……」

 

花陽「……ん…………」Zzz

 

絵里「…………」クスッ

 

絵里「可愛いわね……」ナデナデ

 

花陽「ふぇへへ…………♪」Zzz

 

絵里(とは言ったものの、どうしようかしら……無理やり起こすのも可哀想だし)

 

絵里(そういえばこの前凛が、一度熟睡した花陽は何をしても起きないって言ってたわね)

 

絵里(……仕方ない、助けを呼びましょ)ピッピ

 

Prrrrrrrrrrrrr―――

 

絵里「あっ、海未?ごめんねいきなり。今いいかしら?」

 

絵里「――ありがとう。突然だけど、今日は弓道部は休み?」

 

絵里「――学校にいる?ちょうど良かったわ、ちょっと助けて欲しいの」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

花陽「…………ん」パチッ

 

花陽「ふぁあ…………」プワプワ

 

花陽(あれ……わたし何してたんだっけ?)

 

花陽(………そうだ、確か絵里ちゃんに撫でてもらってたら、気持ちよくなってそのまま寝ちゃって……)ゴシゴシ

 

花陽(いま何時だろ?)パチクリ

 

亜里沙「あっ、花陽さんおはようございます」

 

花陽「……え」

 

亜里沙「お姉ちゃーん、花陽さん起きたよー」

 

絵里「おはよう花陽、ちょうど晩御飯の支度が出来て起こそうと思ってたところよ」

 

花陽「…………」キョトン

 

絵里「花陽……?」

 

花陽「…………」

 

花陽「」

 

花陽「ぴゃあああ!」

 

絵里「ど、どうしたの?」

 

花陽「ここどこ!?わたし部室で寝てたよね!?」

 

絵里「ああ、花陽が熟睡してたからわたしと海未で運んできたのよ」

 

亜里沙「ちなみにここは絢瀬家です。ほら、その証拠にいたるところにマトリョーシカですよ」

 

花陽「はわわ…………」キョロキョロ

 

絵里「ほんとは花陽の家まで送り届けたかったんだけど、わたしも海未も花陽の家の住所知らなくて」

 

亜里沙「ということで、お姉ちゃんが誘拐してきたんです」ドヤァ

 

絵里「亜里沙、ちょっと黙ってなさい」

 

花陽「はうぅ……ごめんね絵里ちゃん、迷惑かけちゃって」

 

絵里「迷惑だなんて全然」

 

花陽「もう7時……うぅ、3時間近くも寝ちゃってたんだ」

 

花陽「ごめんね、すぐにおいとまするから」

 

亜里沙「もう帰っちゃうんですか?」

 

絵里「せっかくだから晩御飯だけでも食べていかない?3人分作っちゃったし」

 

花陽「えっ……でも……」

 

亜里沙「今日は炊き立てご飯とシチューですよ」ウチワ パタパタ

 

花陽「はわぁ……確かにこれは炊き立てご飯とホワイトシチューの匂い……♪」クンクン

 

花陽「ご飯とシチューという一見ミスマッチな組み合わせ……でもそれがより一層食欲を掻き立てる……」

 

グー

 

花陽「あ……」

 

えりあり「………………」

 

絵里「……食べていって、ねっ?」ニコッ

 

花陽「……お言葉に甘えます//」プシュー

 

亜里沙「ハラショー……」

 

 

亜里沙「それでですね、ステージ上での花陽さんは――」ペラペラ

 

花陽「あはは、ありがとう……」チラッ

 

絵里(食事が終わって亜里沙に捕まってから30分、さっきから花陽が時計ばかり気にしてるわ……さすがに止めないとまずいわね)

 

絵里「はい亜里沙、今日はそこまでよ」パンパン

 

亜里沙「ええっ、まだμ’sの魅力の十分の一も話してないよ?」

 

絵里「もう8時前だし、花陽もそろそろ帰らなくちゃいけないの」

 

亜里沙「それなら今日は泊まっていってもらえばいいよ」

 

絵里「えっ……」

 

花陽「さすがにそれは……着替えも何も持ってきてないし」アタフタ

 

絵里「…………そうね、明日は休日だし、外はもう真っ暗だし」

 

花陽「へっ……?」

 

絵里「亜里沙、ナイスアイデアよ」ビシッ

 

亜里沙「KKA(自称)ですから」フンス

 

花陽「」

 

絵里「ということで花陽、今日は泊まっていきなさい」

 

花陽「でも……これ以上絵里ちゃんに迷惑かけたくないし……」

 

絵里「なら、わたしからお願いするわ。花陽、今日は一緒にいて?」

 

花陽「絵里ちゃん……」

 

絵里「……それに」チラッ

 

亜里沙「話はまとまりましたね。さぁ、続きを話しましょう」キラキラ

 

絵里「もう、逃げられないと思うの……」

 

花陽「ダレカタスケテェ……」

 

 

――浴室――

 

花陽「絵里ちゃん助かったよ……」

 

絵里「でもこの後また続きなんでしょ?」

 

花陽「うん、お風呂が終わったら今度は後編だって」

 

絵里「ごめんなさいね、亜里沙のわがままに付き合ってもらって」

 

花陽「ううん、わたしも楽しいから。それに亜里沙ちゃんのアイドルにかける情熱には並々ならぬものを感じるよ」

 

絵里「確かに……μ’s限定だけど」

 

花陽「こんなに応援してもらえるようになって嬉しいな……やっぱり絵里ちゃんやみんなのおかげだね」

 

絵里「花陽のおかげでもあるわよ?」

 

花陽「あはは、そうだといいな……」

 

絵里「もっと自分に自信を持ちなさい」プニッ

 

花陽「あぅ」

 

絵里「あら、花陽の頬ってほんとにプニプニね……凛がつつきたくなる気持ちがわかるわ」

 

絵里「えいっ、えいっ」プニプニ

 

花陽「え、絵里ちゃん、やめてよぉ……//」

 

絵里「ふふっ、花陽は本当に可愛いわね……♪」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

――絵里の部屋――

 

花陽「ただいま……」フラフラ

 

絵里「おかえりなさい。はいココア、もう冷えちゃってるけど」

 

花陽「ありがとう」

 

絵里「お疲れ様、亜里沙は?」

 

花陽「それが、お話してる最中に座ったまま寝ちゃって……とりあえずベッドに運んで布団をかけてきたよ」

 

絵里「よほど楽しかったのね、あの子がこんな時間まで起きるなんて」

 

花陽「絵里ちゃんも先に寝てくれてても良かったのに」

 

絵里「ううん、わたしも花陽に用があったから」

 

花陽「わたしに?」

 

絵里「……えいっ!」グイッ

 

花陽「きゃっ!」

 

花陽「……絵里ちゃん?」

 

絵里「今日は一緒に寝ましょう、二人で」

 

花陽「えっ!?絵里ちゃんと……二人で……//」

 

絵里「お布団出すのも面倒だし、それに――」

 

ギュッ

 

花陽「!」

 

絵里「花陽は抱き心地よさそうだもの」

 

花陽(絵里ちゃん、いい匂い……//)

 

花陽(どうしてだろう……女の子同士なのに、なんだかドキドキしてきた……//)

 

花陽「…………っ//」

 

絵里「……花陽?」

 

花陽「……ねぇ、絵里ちゃん?」

 

絵里「んっ?」

 

花陽「……わたしも、抱き付いてもいい?//」

 

絵里「!」

 

絵里「……いいわよ、いらっしゃい」ニコッ

 

花陽「……えいっ//」ギュッ

 

絵里「きゃっ……」

 

花陽「絵里ちゃん……//」スリスリ

 

絵里「は、花陽……ちょっとスキンシップが激しくないかしら?//」

 

花陽「……嫌だった?」シュン

 

絵里「!ううん、全然嫌じゃないわ、ただその、なんというか……//」モジモジ

 

花陽「……?」

 

絵里「……これ以上激しくされると、花陽にもっと触れてみたくなっちゃいそうで……//」

 

花陽「…………」

 

花陽「……ねぇ、絵里ちゃん?」

 

スッ ポチッ ポチッ

 

絵里「……!は、花陽!?なにしてるの!?パジャマのボタン閉めなさい!//」

 

花陽「触ってみて?」スッ

 

絵里「あっ……」

 

絵里(手が……わたしの手が、花陽の胸に……!//)

 

花陽「ほら、わたしの胸……こんなにドキドキしてるよ?」

 

花陽「絵里ちゃんにたくさん触れたい……絵里ちゃんにたくさん触られたいって……」

 

絵里「……!」

 

花陽「絵里ちゃん……お願い//」

 

花陽「わたしに、もっとたくさん触れて……?//」

 

花陽「絵里ちゃんにわたしのこと、全部知って欲しいな……//」ウワメヅカイ

 

 

絵里「」プチン

 

 

絵里「っ……花陽!」ガバッ

 

花陽「きゃっ……!」

 

絵里「はぁ……はぁ……//」

 

花陽「絵里ちゃん……」

 

絵里「あなたの悩みの種を、ひとつ残さず根絶やしにしてあげるわ……」

 

絵里「覚悟しなさい……今夜だけあなたは、私の抱き枕よ……//」

 

花陽「……うん、わかった……//」

 

チュッ

 

絵里「んっ……//」

 

花陽「……ぷはぁ…//」

 

花陽「……絵里ちゃん、ひとつだけ間違ってるよ?」

 

絵里「えっ?」

 

花陽「今夜だけじゃなくて……わたしはずっと、絵里ちゃんの抱き枕だよ?」

 

絵里「!……そう」

 

絵里「ならわたしも、ずっと花陽の抱き枕ね♪」

 

絵里「花陽……大好き//」

 

花陽「絵里ちゃん……わたしも……//」

 

えりぱな「んっ…………」

 

――おしまい♪

感想

  1. しょな より:

    ちょっと危ないプラトニックLove

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      甘々なSSは書いているとなんだかホッとします。
      花陽ちゃんが受けだったので、もう少し背徳的にすべきだったかもしれません。

  2. 匿名 より:

    6時間の大作執筆お疲れさまでした
    今回も楽しませていただきました

    えりぱな素晴らしいですね^^
    花陽は亜里沙のような放っておけない妹力がありますし、絵里は保護欲全開・姉力全開で二人とも可愛かったです
    やはり稀少カップリング最高です^^

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      今回は執筆する際のテーマとして、花陽ちゃんは「可愛く」、絵里ちゃんは「綺麗に」を心がけて百合SSに望みました。
      本SSのポイントをご理解いただき、執筆者として誠に嬉しい限りです。
      その素敵な感性を今後もお大事になさってください。

  3. 匿名 より:

    えりぱなはいいぞぉ〜

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