ラブライブ ＳＳ 海未「遅刻してきた穂乃果をきつめに叱ります」

――待ち合わせ場所――

ことり「穂乃果ちゃん遅いね……」

海未「全くです……」ｲﾗｲﾗ

ことり（海未ちゃんの機嫌が悪くなってきてる……穂乃果ちゃん早く～）ｿﾜｿﾜ

ことり「――あっ、海未ちゃん、あれ！」

穂乃果「ごめーん！」ﾀｯﾀｯﾀ

穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、おはよう。遅くなってごめんね」

ことり「おはよう、穂乃果ちゃん」

海未「……………………」

穂乃果「あれ……海未ちゃん？」

海未「……いま、何時だと思ってるんですか？」

穂乃果「ええっと、８時６分……」

海未「６分も遅刻ですよ……」

穂乃果「うん……ごめんね」

海未「…………」

穂乃果「海未ちゃん……？」

海未「っ……何度言ったら分かるのですか！」ﾀﾞﾝ!

穂乃果「！」ﾋﾞｸｯ

ことり「ちゅん！？」ﾋﾞｸｯ

海未「性懲りもなくいつも遅刻してきて、いい加減にしなさい！」

穂乃果「ご、ごめん……」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃんもこうして謝ってるから、ねっ？」

海未「ことりは黙っててください」

海未「……そうやって、何でも謝れば済むと思ってるんでしょう」

海未「これで３日間連続ですよ！これだけ言っても分からないということはあなた自身に反省する気持ちが無いからでしょう！」

穂乃果「そんな……ちがっ……」ｳﾙｳﾙ

海未「人の優しさを仇で返すなんて、あなたは最低ですっ！」

穂乃果「……！」

ことり「う、海未ちゃん……」ｱｾｱｾ

海未「……今日一日、私に話しかけないでください。あなたの顔なんて見たくありません」ﾌﾟｲｯ

海未「ことり、いきましょう」

ｽﾀｽﾀ……

穂乃果「………………」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「…………うぅ」ｼﾞﾜｯ

穂乃果「…っく……うえぇ……！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ことり「泣かないで、ねっ？」ﾖｼﾖｼ

ｳｴｰﾝ!　ﾊﾉｹﾁｬﾝ……!

海未「…………」ｽﾞｷｯ

海未（少し強く言い過ぎたでしょうか……いや、でもあれくらい言わないと……）

海未「……」ﾁﾗｯ

穂乃果「海未ちゃんに嫌われた……穂乃果のせいで……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

賢者海未（ああ、わたしは最低です……）

―――――――――――――――――――――――

――教室――

穂乃果「…………」ｸﾞｽｯ

ことり「穂乃果ちゃん気にしないで、海未ちゃんも本気で嫌ったりしないよ」

穂乃果「……でも、穂乃果の顔なんか見たくないって」ｼﾞﾜｯ

ことり「大丈夫、明日になればきっと仲直りできるよ……ことりも手伝うから」

穂乃果「ことりちゃん……」ｷﾞｭｯ

ことり「♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ことり（海未ちゃんも今頃自己嫌悪で落ち込んでるだろうな……）ﾁﾗｯ

海未「」ｽﾞｰﾝ

ことり（元気つけるの穂乃果ちゃんより大変そう）

――――――――――――――――――――――

――アルパカ小屋――

ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃんいっぱい反省してたよ。そろそろ許してあげたら？」

海未「いいえ、穂乃果のため、今日一日はあえて心を鬼にします」

海未「……それに」

ことり「？」

海未「一時の感情とはいえ、一度あんなことを言ってしまった以上今さら撤回することなんてできないじゃないですか……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

ことり（海未ちゃんも色々面倒だね……）

海未「ごほん！とにかく、今日はお仕置きとして一日中無視です」

ことり「そっかぁ……ねぇ、海未ちゃん？」

海未「？」

ことり「あの姿を見ても、今日一日我慢できる？」

海未「……？」ｸﾙﾘ

穂乃果「！」ﾋﾞｸｯ

ﾓﾉｶｹﾞ　ｻｻｯ

穂乃果「…………」ｵｿﾙｵｿﾙ

ﾉｿﾞｷﾐ

海未「うっ…………//」

海未（なんですか、あの許しを請う飼い犬のような目は……反則です！）

海未「……しょうがないですね//」

ことり「よかった！それじゃあ――」

海未「ただし！仲直りするのは放課後です」

海未「最低限半日は無視です、これは譲りませんよ」ﾁﾗﾁﾗｯ

ことり「……ねぇ海未ちゃん、嗜虐心を煽られたりしてないよね？」

海未「なっ！ち、違います！穂乃果のためです！//」

ことり「…………」

ことり（何も言わないでおこう）

――お昼休み――

海未「いただきます」

穂乃果「……いただきます」ｼｭﾝ

ことり（ちゃんと机はくっつけるんだ）

穂乃果「………………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ことり「………………」

海未「………………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ことり（空気が重い……）

穂乃果「……海未ちゃん」

海未「！」

海未「…………」ﾑｺﾞﾝ

穂乃果「今朝のこと、ごめんね……」

海未「………………っ」

海未（心を鬼に！我慢です！）

海未「………………」

穂乃果「ごめんなさい……海未ちゃん、ごめんなさい……」ｳﾙｳﾙ

穂乃果「これからはもう遅刻しないから……ちゃんと時間通りに来るから……」

海未「………………っ！」

海未（穂乃果のために耐えるのです！園田海未！）

海未「……………………」

穂乃果「お願い……穂乃果のこと叱ってもいいから、怒ってもいいから……返事して……」ｼﾞﾜｯ

海未「……！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

穂乃果「っく……ぅえ………海未ちゃんに嫌われたら、もう生きていけないよ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「」ﾌﾟﾂﾝ

海未「！」ｶﾞﾀｯ

ことり「ちゅん！？」

穂乃果「…………？」

海未「――――のか」

穂乃果「えっ……？」

海未「穂乃果ぁーっ！」ｷﾞｭｯ

穂乃果「！」

海未「穂乃果、わたしが悪かったんです！きつく言い過ぎましたね……ごめんなさい」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

穂乃果「えへへ……やっと穂乃果って呼んでくれた……♪」ﾎﾛﾘ

穂乃果「ううん、穂乃果の方こそごめん……これからはもう、絶対遅刻しないから」

海未「いいんですよ遅刻しても！おおらかで少し不真面目なくらいが穂乃果にはちょうどいいです！いえ、むしろそこが穂乃果の魅力です！」

海未「ああ穂乃果穂乃果穂乃果！今日一日我慢していた穂乃果成分を補充します！」

ﾎﾉｶｰ!　ｳﾐﾁｬﾝｲﾀｲﾖｫ

ｻﾞﾜｻﾞﾜ　ﾎﾉｳﾐﾀﾞ……

ことり「」

ことり（……まぁ二人が仲直りできたし、いっか♪）

ことり（なんだかんだ言っても、穂乃果ちゃんに一番甘いのは海未ちゃんだよね……本人は自覚ないみたいだけど）ｸｽｯ

海未「ことり、すいません……やっぱり我慢できませんでした」

ことり「ううん、それでこそ海未ちゃんだよ」ﾆｺｯ

――後日――

ことり「」・８・

穂乃果「あ、あはは…………」

ＡＭ８：０４

海未「ほ～の～か～！」ｺﾞｺﾞｺﾞ

穂乃果「ごめんなさーい、明日はちゃんと来るからぁ！」

海未「待ちなさい！今日という今日は許しませんよ！」

ｺﾄﾘﾁｬﾝﾀｽｹﾃｰ!　ｵﾄﾅｼｸﾊﾗｦｸｸﾘﾅｻｲ!

ことり「……ふふ、二人とも大好きだよ♪」

――おしまい。