――待ち合わせ場所――
花陽「真姫ちゃん、おはよう」
真姫「んっ、おはよう」
花陽「…………」キョロキョロ
花陽「……凛ちゃん、今日も来ないね」
真姫「そうね……もう少し待って来なければいきましょうか」
花陽「うん…………」
花陽「」シュン
真姫(今日で三日目……無理もないわね)スマホ チラッ
ライン μ’s 三日前
ちょっと用事でしばらく休ませてもらうね、ごめんなさい
心配は無用にゃ
真姫(あれ以来、凛からの連絡は一切なし……)
真姫(花陽のことだし、たぶん個人でもメッセージを送ってると思うけど――)チラッ
花陽「凛ちゃん…………」ウツムキ
真姫(あの様子だと、既読も付いてなさそうね……)
真姫(凛のことを気遣ってるせいか、家にも訪ねてないみたいだし……)
真姫(まったく凛たら……どんな事情にせよ、せめて花陽にくらい連絡しときなさいよ)
―――――――――――――――――――
――お昼休み――
花陽「…………」モグモグ
真姫「……………………」
花陽「…………」モグモグ
真姫「花陽、さっきからおかずが減ってないわよ?」
花陽「あっ……」
真姫「授業も全然集中できてなかったし」
花陽「はうぅ…………」
花陽「うん……そうだよね。こういう時こそ、しっかりしなくちゃだよね」
花陽「ごめんね真姫ちゃん、わたしもう大丈夫だよ」
真姫「花陽……無理しなくても……」
花陽「わぁ、おいしそうな紅鮭」
真姫「……………………」
花陽「…………」モグモグ
真姫(またお米食べてる……)
真姫「…………はぁ」
真姫「花陽、今日は練習休んで凛の家に行きなさい」
花陽「えっ……で、でも」
真姫「μ’sのみんなには私が言っておくから」
花陽「…………でも、凛ちゃんが……」
真姫「凛が花陽のことを迷惑だなんて思うはずがない、私が保証するわ」
花陽「真姫ちゃん…………」
真姫「わたしだってその……友達二人がこんなままじゃ、色々辛いし……」カミノケクルクル
花陽「……ふふ」クスッ
真姫「なっ……どうして笑うのよ!//」
花陽「ううん、ごめんね。ただ、やっぱり真姫ちゃんは優しいなって……♪」
真姫「と、友達を心配するのは当然でしょ//」
花陽「そうだね……ふふ」ニコッ
真姫「も、もう、花陽なんて知らない!//」
花陽「……真姫ちゃん、ありがとう。わたし、今日凛ちゃんの家に寄ってみるね」
真姫「……そう」ニコッ
花陽「それじゃあ気を取り直してお弁当の続きを――」
真姫「……もうお米が無いわね……」
花陽「」
―――――――――――――――――――
――星空家――
花陽「………………」ゴクリ
花陽(ここまで来たら、もう引き返せないよね……)
花陽(大丈夫、凛ちゃんの様子を見にきただけだもん……)
花陽(……よし)グッ
ピンポーン
――――――――――――――――――――
花陽「……………………」
花陽「凛ちゃん?」コンコン
シーン
花陽「凛ちゃん、私だよ?」コンコン
凛「だ、誰もいないにゃ~」
花陽「……………………」コンコン
凛「凛は留守にゃ~」
花陽「凛ちゃん……返事したらばれちゃうよ」
凛「にゃっ゙!」
花陽「……開けるね?」
凛「か、かよちんダメ!開けちゃ――」
ガチャッ
凛「あっ……」
花陽「…………」ポカーン
ネコミミ
花陽「………………」
凛「あ、あのね……凛も何がなんだか」
凛「三日前、朝起きたら生えてて……その」アセアセ
凛「か、かよちん……?」
花陽「……か」
凛「か?」
花陽「がわ゙いいよぉ凛ちゃんっ!//」
凛「にゃっ!?」
花陽「元の凛ちゃんも可愛いけどネコミミ凛ちゃんも最高だよぉ!//」ギュッ
凛「か、かよちん、落ち着いて!ねっ?//」アセアセ
花陽「凛ちゃん凛ちゃん!」ギュー
凛「だ、誰かたすけてにゃー!//」
――――――――――――――――――
花陽「そうなんだ……それで学校を……」
凛「かよちんやみんなに嫌われたらどうしようって……だから誰にも相談できなくて……心配かけてごめんね?」
花陽「私はどんなことがあっても凛ちゃんのこと嫌いになったりしないよ」
花陽「だから、これからは何かあったらちゃんと相談してね?」
凛「かよちん…………うん♪」
花陽「学校に行くには、とりあえずその耳を何とかしなくちゃね」
凛「うぅ……このままじゃ恥ずかしくて表も歩けないよ//」
花陽「うーん……これ、どうやったら治るんだろう?」ツンツン
凛「ひゃっ……//」ビクッ
花陽「これ、本物だよね?」ツンツン
凛「かよちん、あんまり突かないで……くすぐったいにゃ//」
花陽「あっ、ご、ごめんね!」
凛「この三日間、色んな方法を試してみたんだけど――」
花陽「そうなんだ……」
凛「医学的なことじゃないから、真姫ちゃんに相談しても無駄だよね?」
花陽「そうだね、どっちかと言うと希ちゃんの分野じゃないかな」
凛「そっか……よし、希ちゃんに相談してみるにゃ!」
Prrrrrrrrrrrrrr――――
希「もしもし、凛ちゃん?」
凛「の、希ちゃん、久しぶり。今大丈夫かな?」
希「大丈夫やで。連絡無いからずっと心配してたんよ、何かあったん?」
凛「う、うん、実はね――」
カクカクシカジカ
希「ほほ~ぉ♪」
希「それはスピリチュアルやね」
凛「希ちゃん、凛のこと信じてくれるの……?」
希「当然、凛ちゃんやもん♪」
凛「希ちゃん…………」グスッ
希「うーん、でもウチは今練習で手が離せんし……」
希「そうだ、良く聞くおまじないを教えてあげるから花陽ちゃんと実践してみたら?」
凛「おまじない?」
希「うん、えっとね――」ニヤッ
カクカクシカジカ
凛「ええっ!?//」
希「大変やけど凛ちゃんたちなら大丈夫。頑張ってね、それじゃあ」
プチッ ツーツー
凛「……………………」
花陽「凛ちゃん、どうだった?」
凛「……………………//」モジモジ
花陽「凛ちゃん?」
凛「あ、あのね…………かよちん?//」
凛「希ちゃんが言うにはね……そ、その……」
花陽「大丈夫、わたし凛ちゃんのためならなんだってするよ。だから教えて?」
凛「……か、かよちんと……キスしたら、治るかもって……//」モジモジ
花陽「…………えっ」
花陽「ええっ!?//」
凛「ご、ごめんね、やっぱり嫌だよね!」
凛「漫画とかアニメでは、キスをすると基本的に何でも解決するんだって」
凛「でもかよちんが嫌ならいいの!ごめんね急に……」
花陽「……………………」
凛「か、かよちん……?」
花陽「……………………」
凛「……ごめんね……凛のこと、嫌いになった?」
花陽「」スッ
凛「えっ……かよちん……?」
花陽「いいよ……凛ちゃん」
花陽「キス……しよ?」
凛「えっ……でも」
花陽「凛ちゃんは私とキスするの、嫌……?」
凛「そ、そんなことない!」
花陽「じゃあ、いいよね……?」
凛「かよちん……でも、凛……」
花陽「大丈夫、私も初めてだから……」
凛「……かよちん」
花陽「凛ちゃん……んっ」
チュッ
凛「んっ…………はぁ//」
花陽「はぁ……はぁ…………//」
凛「治ったかな……?」
花陽「ううん……まだだね//」
花陽「だから、もう一回しよ……?//」
凛「かよちん……今日のかよちん、なんだか積極的だね//」
花陽「うん……凛ちゃんのネコミミが可愛いからかな、いつもよりドキドキするの//」
凛「かよちん……んっ」
チュッ
花陽「ふふ……凛ちゃん、可愛い//」
凛「あっ…………//」
――20分後――
凛「はぁ……はぁ…………//」
花陽「あれ……?凛ちゃん、耳……」
凛「耳……?――あっ!」
凛「無くなってる……かよちん、無くなってるにゃ!やったぁ!」
花陽「えへへ……よかった♪」ニコッ
凛「希ちゃんとかよちんのおかげだよ!かよちーん!」ギュッ
花陽「ふふ、凛ちゃん……これでまた、明日から一緒に学校行けるね?」
凛「うん!遅れてた分、いっぱい練習頑張るにゃ!」
花陽「練習もいいけど、勉強もだよ?」
凛「うぅ……精進します」
花陽「それじゃあ凛ちゃん……続き、しよっ?//」
凛「えっ……か、かよちん、ちょっと待っ――あっ//」
チュッ
――――――――――――――――――――
――後日談――
希「そっか……なにはともあれ、治って良かったやん」
花陽「でも凛ちゃんのネコミミ、原因はなんだったんだろう?」
希「うーん……案外花陽ちゃんの呪いやったりして」
花陽「わたしの呪い……?」
希「花陽ちゃんの凛ちゃんともっと仲良くなりたい気持ちが具現化された……正にスピリチュアルやね」
花陽「なるほど……そっか……」
希「なーんて、冗談やで♪」
希「花陽ちゃんももう気にしなくていいよ、終わりよければすべて良しやん」
ガチャッ バタン
花陽「………………」
花陽「ううん……もしかしたら、ほんとにわたしの呪いだったのかも」
花陽「凛ちゃん、ごめんね…………♪」
完
感想
か、かわえぇー!
りんぱなは至高ですよね♪
はじめてコメントさせていただきます。
ネコミミ凛ちゃんは至高の可愛さ
ご感想、ありがとうございます。
ネコミミ凛ちゃん、今ならもっと深く掘り下げた内容を書くことが出来るのですが、当時の構成力ではこれが限界でした;