ラブライブ SS 海未「のぞにこえりが可愛すぎて辛い」

 

第一作目→『ラブライブ SS 海未「ほのりんぱなが可愛すぎて辛い」

 

――休日 部室――

 

海未「………………」←作詞中

 

ことり「………………」←衣装製作中

 

ことり「ふぅ……」チラッ

 

ことり「あっ、そろそろお昼だね」

 

海未「もうそんな時間ですか」

 

ことり「うーん、なんとか今日中には終わりそうだね」

 

海未「ふむ、果たしてそうでしょうか」

 

ことり「朝から始めて結構経つし、あともう5時間くらい頑張ればきっと――」

 

海未「終わりますかね?」

 

ことり「……見事に真っ白だね、海未ちゃんのノート」

 

海未「はい、どうやらスランプというものに陥ってしまったようです」

 

ことり「学校始まるまであと2日なのにスランプかぁ」

 

海未「このままではμ’sのみんなに迷惑をかけてしまいます、何とかしなければ」

 

海未「しかし、最近は穂乃果や凛、花陽たちに心を鬼にしてドライに接しているというのになぜ」

 

ことり「…………」

 

海未「わたしの集中力は以前にも増して強くなっているはずです、なのに」

 

ことり「……えっと」

 

海未「んっ、ことり、何か心当たりが?」

 

ことり「う、うん……ちょっとだけ」

 

海未「ほんとうですか?ならばぜひ教えて――」

 

ガラッ

 

絵里「うみぃ……」ウルウル

 

海未「絵里っ!」

 

ことり「チュン!?」ビクッ

 

海未「どうしたんです、なにがあったんですか!?」

 

絵里「それがね……ヒック…ううっ……」グスッ

 

海未「大丈夫です、落ち着いて話してください」

 

絵里「あのね……昨日の夜、希と喧嘩しちゃったの……」

 

海未「!」

 

絵里「電話してたらポンコツだってからかってきたから、怒ってつい電話を切っちゃって……」ジワッ

 

絵里「うみぃ……どうしよう、わたし、希に嫌われて……」ポロポロ

 

海未「そんなことありませんよ!」ガシッ

 

絵里「海未……?」

 

海未「希が絵里のことを嫌いになるはずありません!きっと希も今頃後悔しているはずです!一時の感情で動いてしまったとはいえちゃんと反省できるなんて絵里はおりこうです!あと泣き顔可愛いです!わたしも力になってあげますから泣き止んでください!ウルウル目の絵里もかわいいですがやはり絵里にはいつもの綺麗な笑顔が一番似合います!ポンコツでもカシコクてもいいですからわたしの大好きないつもの絵里に戻ってください!さぁ!」

 

絵里「……!」

 

絵里「ふふっ……ごめんなさい、取り乱しちゃって」ゴシゴシ

 

絵里「海未が力になってくれるなら、大丈夫よね」ニコッ

 

海未「えりー!!かわいいですねぇもうっ!!!!」ギュッー

 

海未「ことり!行きますよ!」

 

ことり「えっ!?行くってどこに……」

 

海未「決まってるじゃないですか!希のマンションです!ほら早く!」グイッ

 

ことり「海未ちゃんいたいっ!いたいよぉ!腕が抜けちゃう~!」

 

 

――

――――

――――――

 

海未「ふぅ、これで一安心ですね」パアァ

 

ことり「………………」

 

海未「絵里と希の顔を見ましたか?どちらもとても幸せそうでした。あれは喧嘩などではなく単なるすれ違い、いかなる親友同士でも時折り起こりうる心のすれ違いというやつです」

 

ことり「………………」

 

海未「とにかく、絵里の悩みが解決して一件落着ですね」

 

ことり「」

 

海未「あっ、一服してお茶でも飲みますか?」

 

ことり「ケッコウデス」ブンブン

 

海未「そうですか、ではことり、先ほどのスランプの原因ですが――」

 

ことり「絶対今のだよね!?」

 

海未「……はい?」

 

ことり「穂乃果ちゃんたちに対するデレデレは抑制できてるけど、それが今度は絵里ちゃんたち3年生組に向いちゃってるんだよ!今日みたいに毎回絵里ちゃんたちの家に行ったりして片手間で作詞してたら はかどらないよ!」

 

海未「!!」

 

海未「……つまり、これはスランプではなくわたしの集中力が散漫になっているということですか?」

 

ことり「う、うん……」

 

海未「……そんな、知りませんでした」ガクッ

 

海未「ことり、気づいていたならどうしてもっと早く言ってくれなかったんですか!?」

 

ことり「遠回しで何度も言ったよ!?場所を休日の部室に変えたのもそのためだったよね!?」

 

海未「くっ……そうだったのですか。正直全く聞いていませんでした、わたしはてっきり鬼・悪魔・ことりの嫌がらせかと」

 

ことり「わぁ、ことり初めて人に暴力を振るうかもしれない」グググ

 

海未「だれかと喧嘩してるんですか?いけませんよ暴力は」

 

ことり「海未ちゃんがいうかなそれ」

 

海未「しかし、ことりが言うこともおおよそ間違ってもなさそうです」

 

ことり「うん、100パーセント真実だからね」

 

海未「午前中もはかどらなかったのは、終わったら絵里たちとたくさんイチャイチャすることを考えていたせいでしょうか」

 

ことり「真面目な顔でそんなこと考えてたんだぁ、ムッツリどころじゃないね」

 

海未「このままでは永遠に終わりませんね……よし!」

 

海未「明日からわたしは作詞が終わるまでμ’sのみんなとイチャイチャしないことを誓います!」

 

ことり「……ほんとに?」

 

海未「本当ですよ、アニメ第1期の頃くらいマジです」

 

ことり「わぁ、信憑性低そう」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

――翌日――

 

海未「今日こそ終わらせますよ、気合を入れていきましょう」フンス

 

ことり「やっといつもの海未ちゃんだね」

 

海未「早く終わらせて絵里や希、にことイチャイチャ……えへへ」

 

ことり「何か聞こえたような気がするけど気のせいだよね、そういうことにしとこう」

 

海未「集中……集中……むっ、浮かんできました」

 

ことり(よかった、これで大丈夫――)

 

海未「すきすき、ぷわぷわ、すきすき、ぷわぷわしちゃおう♪」サラサラ

 

ことり「真面目にやって海未ちゃん!」

 

海未「なっ!わたしは至って真剣です!」

 

ギャーギャー ワーワー

 

希(お取り込み中かな?)

 

海未「もういいです、そんなことを言うならこれはプランタンに歌わせます!」

 

ことり「越権行為だよ!それなら海未ちゃんの衣装だけミニスカートでフリフリにしちゃうから!」

 

希「あのぅ、海未ちゃんことりちゃん、良く分からないけど喧嘩はあかんよ……」

 

海未「はぁ…はぁ……あ、のぞみっ!」パアァ

 

ことり「海未ちゃんダメだよ、作詞終わらせないと」コソッ

 

海未「はっ!そ、そうでしたね……」コソッ

 

希「?」

 

海未「こほん!希、どうしたんですか?」

 

希「実は海未ちゃんとことりちゃんに昨日のお礼を言いにきたんよ」

 

ことり「そんなわざわざ、別にことりたちはなにもしてないから」

 

海未「そうです、あれは二人がちゃんとお互いに反省したからこその仲直りです。わたしたちは背中を押したにすぎません」

 

希「ふふっ、二人ならそう言うと思ってたよ」

 

ことり「そういえば今日は絵里ちゃんは?」

 

希「えりちは今日は亜里沙ちゃんと二人でお出かけみたい。誘われたけど、せっかく姉妹二人きりなのにウチが水差すのも悪いから」

 

海未「希はちゃんと気遣いができて偉いですね」ウンウン

 

希「さてと、今日は暇やし、一人でのんびりお散歩でもしようかな」

 

希「二人ともいつもお疲れ様。ウチにできることなら手伝うからいつでも言ってね」ニコッ

 

ことり(希ちゃんなんだか寂しそう……一緒にいてあげたいけど……)

 

海未「…………」ワナワナ

 

希「昨日はほんとにありがとう、また休み明けに――」

 

ことり(ここは心を鬼にして……)

 

海未「のぞみー!!」ガシッ

 

ことり「」

 

希「え、えっ、海未ちゃん?」

 

海未「もう可愛いですね希は!いつもは気丈に振舞っているくせにほんとは人一倍寂しがり屋の希は最高にキュートです!そんな希に一人で散歩に行かせて良いはずがありません!声をかけてくる変な虫どもを排除しなければいけませんし、なにより希が良くてもわたしが耐えられません!作詞なんてこんなもの理事長の娘に任せておけばよいです!さぁ希、一緒にお散歩に行きましょう!二人きりでどこか遠くへアバンチュールに出かけましょう!」

 

希「でも……いいの……?」

 

海未「もちろんです!ですからほら、笑ってください!」

 

希「う、うん、こうかな?」ニコッ

 

海未「のぞみーっ!だいすきですよー!!!!」ギュッ

 

希「海未ちゃん……ふふっ♪」

 

ことり「」

 

海未「ということでことり、行ってきます!あとは任せました!」ビシッ

 

コトリチャンモイッショニ……

 

イインデスヨ コトリハイソガシイノデ――

 

ことり「………………」

 

――

――――

――――――

 

――翌日――

 

海未「おはようございますことり、今日こそは――」

 

ことり「チュン!」ビュッ

 

海未「っ!?」バシッ!

 

ことり「やるね海未ちゃん……!」グググ

 

海未「ストップ!ことり、落ち着いてください!」

 

ことり「ことりは至って冷静だよ、海未ちゃんこそ落ち着いたら?」ニコニコ

 

ことり「」ビュン!

 

海未「ひっ!」

 

海未「すいませんわたしが悪かったです!ですからその日本刀をしまってください!」

 

ことり「期日は明日までだよ、どうするの?」

 

海未「そうですね~二人で頑張ればどうにか――」

 

ことり「ふたりでか~」ブンブン!

 

海未「自力でかつ死ぬ気で頑張りますので監視しておいていただけると助かります!」

 

ことり「もう、しょうがないなぁ~」

 

海未「」ホッ

 

ことり「今度は逃がさないからね」ボソッ

 

海未「あはは……わかってますよほら、ラブアローシュート♪」キャピ

 

ことり「もうなんなの海未ちゃん……」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

海未「うーん、世界中でたったひとつのラヴ……この次の歌詞が浮かびませんね」

 

海未「そうです!根を張りすぎても逆効果ですので気分転換にみんなを――」

 

ことり「おい」

 

海未「という冗談はさておき、頑張りましょう!」

 

ことり「うんうん」

 

海未「うーむ……」

 

ガラッ

 

にこ「あら、ことりに海未……」

 

海未「にこっ!」バッ

 

ことり「ことりがお話するから海未ちゃんはそのままでいいよ」

 

海未「」ガクリ

 

ことり「にこちゃんおはよう、お休みなのにどうしたの?

 

にこ「それはこっちのセリフよ、どうしてあんたたちがここに?」

 

ことり「ことりは衣装の制作で海未ちゃんは作詞が滞ってたから」

 

にこ「そうだったの、いつも押し付けて悪いわね」

 

海未「いえいえ、μ’sのみんなのためならこれくらい朝飯前ですよ」フンス

 

ことり(締め切り直前なのに……)

 

海未「ところでにこは何しにここへ?」

 

にこ「めぼしいアイドルたちのライブDVDを借りてきたの、振り付けとか参考になればと思って」

 

にこ「自宅は騒がしいからここで見ようと思ってたんだけど、邪魔しちゃ悪いわね」

 

海未「邪魔だなんてそんな!せっかく来たのに帰らないでください!」

 

にこ「でも集中できないでしょ?気にしないでいいからそっちのほう頑張りなさい」

 

海未「わたしが気にするんです!にこと一緒にDVDを見るチャンスが――」

 

ことり「作詞が終わってからね」ニコッ

 

海未「くっ、出ましたね妖怪チーズ鍋……!」

 

ことり「ふふっ、ほめ言葉だよ」

 

にこ「ことりも大変ね……それじゃあね」

 

海未「ああっ!待ってくださいにこぉ!」

 

海未「作詞もう終わりますから!みんなで一緒に見ましょう!」

 

ことり「まだ1番の歌詞もできてないんだよ?どうやったって3時間以上――」

 

海未「はあぁ!」シュバババ!

 

ことり「!?」

 

にこ「早すぎて手が見えない!?」

 

海未「ふぅ、完成です」

 

海未「さて、これで思う存分にこを愛でられます」

 

ことり「うわぁ、煩悩ってすごい……」

 

海未「さぁ、みんなでDVD観賞と洒落こみましょう!」

 

にこ「あんた、だんだんと人間離れしてきてるわね……」

 

海未「絵里と希も呼びましょうか、ついでに穂乃果たちも」

 

海未「はぁ~一仕事終えたあとの天国は最高です!」

 

海未「にこ~かわいいですよ~!!」スリスリ

 

にこ「暑いからくっつくなぁ~!」

 

ことり「……………………」

 

ことり(最初からその気合で終わらせれば良かったんじゃあ……)

 

ことり「はぁ……」

 

ことり(ほんとに歌詞完成したのかな……)チラッ

 

ことり「えっと、たったひとつのラヴのあと………あ、あった」

 

『だからわーおわーお 夢ならば ねねね わーおわーお 覚めないで』

 

ことり「」

 

海未「えへへ、μ’sは最高です!」ニヘラ

 

――おしまい♪

感想

  1. はなまるびぃ より:

    海未ちゃんの矛先まさか3年生組に行くとは…あと、めちゃくちゃメタ発言してましたよね?!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      返信が遅れてしまい、誠に申し訳ございません。
      次は1年生と行きたいところですが、以前に纏めて真姫ちゃん以外は描いてしまいましたね;
      パロディやメタ的な内容を盛り込む際は、中だるみが無いように最低3か所に収まるよう心がけております。

  2. しょな より:

    μ’sのみんなが好き過ぎて暴走しちゃう海未ちゃん可愛い…
    海未は大和撫子なのが売りですが、煩悩まっしぐらのハッチャケ海未ちゃんも堪らないですね

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      海未ちゃんってすごく良いキャラですよね。
      露骨なキャラ崩壊が無いよう一応注意を払ってはいるのですが、テンション高めの海未ちゃんがメインの本SSもご支持を頂けて安心しました。

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