ラブライブ SS 海未「ことり、催眠術に挑戦!」

050402

 

――部室――

 

穂乃果「海未ちゃん遅いね~」

 

凛「暇だにゃ~」ポケー

 

ガチャ

 

海未「穂乃果、凛、お疲れ様です」

 

穂乃果「あっ、海未ちゃん」

 

凛「いきなり呼び出しなんて驚いたよ」

 

海未「申し訳ありません、実は今日集まってもらったのは他でもないのですが」

 

海未「ことりのことで二人に相談があるのです」

 

穂乃果「ことりちゃんのこと?」

 

海未「ええ、最近ことりがある能力に目覚めたそうなんです」

 

凛「能力……?」

 

海未「なんでも催眠術をかけられるようになったとか」

 

ほのりん「ええっ!」

 

海未「催眠状態にした相手の体を自由にコントロールできるそうです」

 

凛「す……すごいにゃ!」

 

穂乃果「ことりちゃんマジシャンみたいだね!」

 

海未「――まぁ、本当は全然かかっていないのですが」

 

ほのりん「……えっ」

 

海未「事の発端はことりのお母さんがかかった振りをしてしまったのが原因です」

 

海未「それ以来、ことりは催眠術が使えると思い込んでしまったそうで」

 

穂乃果「そうなんだ…………」

 

海未「しかし、今更かかっていないなどと言えるはずもありません」

 

海未「そこで今回、穂乃果と凛には催眠術にかかっている振りをしていただきたいのです」

 

凛「かかった振り……難しそうだね」

 

穂乃果「でもことりちゃんは?」

 

海未「既に屋上でセットを用意して待っています」

 

海未「お願いします、引き受けてはもらえませんか?」

 

穂乃果「……うん、わかった」

 

凛「ことりちゃんを悲しませないためだもん、凛たちに任せるにゃ」

 

海未「ありがとうございます、あなた達ならそう言ってくれると信じていました」

 

海未「それでは早速行きましょう――あっ、最後にひとつだけ」

 

ほのりん「?」

 

海未「くれぐれも演技と悟られないようにお願いします……嘘だとばれたら余計にことりを傷付けてしまうので」

 

穂乃果「そっか……そうだね」

 

凛「ハードな戦いになりそうにゃ……!」

 

海未「」

 

 

――屋上――

 

ことり「みんなーこっちこっち」フリフリ

 

穂乃果「ことりちゃん!」

 

海未「ことり、お待たせしました」

 

凛「海未ちゃんから聞いたよ、楽しみだにゃ」

 

ことり「えへへ、ありがとう」

 

ことり「それじゃあさっそく始めよっか♪」

 

ことり「第一回、ことりの不思議催眠術~!」

 

ほのりん「いえーい!」パチパチ

 

ことり「催眠術にかかる方法は簡単です、今からことりの言葉に従ってください」

 

ことり「それでは目を瞑ってください」

 

ほのりん「」スッ

 

ことり「宇宙を思い浮かべてください……そこには広い世界が広がっています」

 

ほのりん「……………………」

 

ことり「そこからあなたはだんだん地球へと降りていきます……心を落ち着かせながら、ゆっくりと」

 

ほのりん「……………………」

 

ことり「そのまま私の言葉へ耳を傾けてください……あなたの意志はもう既に、私の手の中です」

 

ほのりん「……………………」

 

海未「……どうですか?」

 

ことり「たぶん成功だよ、やったぁ」

 

海未「さすがはことりですね」

 

ことり「まずは――穂乃果ちゃん」

 

ことり「穂乃果ちゃん、今からあなたの口に入る食べ物は全てあなたの大好物であるイチゴです……」

 

穂乃果「……………………」

 

ことり「」スッ オニギリ

 

ことり「穂乃果ちゃん、目を開けて」

 

穂乃果「んっ……」

 

ことり「穂乃果ちゃんはい、イチゴだよ」

 

穂乃果「わぁ、おいしそう!」

 

穂乃果「いただきまーす!」パクッ

 

穂乃果「おいしい!甘いイチゴだね!」

 

海未「すごいですことり、大成功ですね」

 

ことり「まだまだこれからだよ」スッ ピーマン

 

ことり「穂乃果ちゃん、はいお代わり♪」

 

穂乃果「………………」ゴクリ

 

海未「」ダン!

 

穂乃果「!?」ビクッ

 

凛「……………………」

 

穂乃果「……わ……わーい!」

 

穂乃果「いただきまーす」パクッ

 

ことり「どう、おいしい?」

 

穂乃果「……うん……おいしい、よ」ジワッ

 

ことり「あれ……?なんだか泣いてるみたい……」

 

海未「気のせいですよ!ほら、次行きましょう!」

 

ことり「穂乃果ちゃーん、はいお代わり♪」スッ マムシヤキ

 

穂乃果「えっ……ひゃあああっ!?」

 

海未「穂乃果……っ!」

 

凛「穂乃果ちゃん…………」

 

ことり「…………………………」

 

穂乃果「こ、ことりちゃん……その」

 

ことり「…………」タッタッタ

 

海未「ことり、待ってください!」

 

凛「ことりちゃん、ちょっと待っ――」

 

ガチャ バタン

 

ほのりん「…………………………」

 

海未「……穂乃果」ギロッ

 

穂乃果「ひっ!」ビクッ

 

海未「なにをしているのですか!」

 

穂乃果「だ、だって、あんなの……」

 

海未「マムシの黒焼きぐらい食べられなくてどうするんですっ!」

 

海未「ことりの悲しむ顔とマムシ食い、どちらが大切かなど明白でしょうが!」

 

海未「あなたの自分勝手な行いが原因でこんなことになってしまったんです、反省しなさい!」

 

穂乃果「……ごめんなさい」グスッ

 

凛「……………………」シュン

 

海未「みんなでことりに謝りに行きましょう、次こそは頼みましたよ」

 

ほのりん「…………………………」

 

 

――部室――

 

海未「失礼します」ガチャ

 

ことり「……………………」モグモグ

 

海未「ことり…………」

 

『部室でお弁当を食べていたことり』

 

海未「……すいませんでした」ペコリ

 

ほのりん「……ごめんなさい」ペコリ

 

ことり「……ううん、こっちこそごめんね」

 

ことり「やっぱりことりが催眠術なんてできるはずないよね……みんなに気を遣わせちゃった……」

 

海未「ことり、そんなことないです!」

 

海未「きっと穂乃果はかかり過ぎてああなってしまったのでしょう」

 

海未「そうですよね穂乃果?」

 

穂乃果「う、うん!だからもう一回やろっ!」

 

凛「今度は凛もかけて欲しいにゃ!」

 

ことり「海未ちゃん……みんな……」

 

ことり「……わかった、ちょっと待ってて」

 

 

――部室――

 

ことり「それでは先ほどの過程をもう一度繰り返してください」

 

ことり「あなたの意志は既に私の手の中です……」

 

ほのりん「……………………」

 

ことり「今度は完璧だと思う」

 

海未「それでは確かめてみましょう」

 

ことり「……凛ちゃん」

 

ことり「あなたは今から私の言う人物になります……」

 

凛「……………………」

 

ことり「……絵里ちゃん」

 

凛「学校の許可ぁ?認められないわぁ」

 

ことり「真姫ちゃん」

 

凛「はぁ?イミワカンナイ!」

 

ことり「花陽ちゃん」

 

凛「ダレカタスケテェ!」

 

ことり「希ちゃん」

 

凛「ウチの占いは百発百中や」

 

ことり「ことり」

 

凛「ハノケチャン、ンミチャン、一緒に帰ろっ♪」

 

海未「くっ………………」(笑)

 

ことり「」

 

ことり「……………………」

 

ことり「ことり、凛ちゃんにそんな風に思われてたんだ……」

 

凛「えっ」

 

ことり「………………」タッタッタ

 

海未「ことり、待ってください!今のは凛の冗談――」

 

ガチャ バタン

 

ほのりん「……………………」

 

海未「……凛っ!」ドカン!

 

凛「ひっ!」ビクッ

 

海未「あなた、ことりをバカにしているんですか?」

 

凛「ご、ごめんなさい、凛、そんなつもりじゃあ――」

 

海未「あんな物真似、遠まわしにμ’sみんなの悪口を言っているようなものでしょう!」

 

凛「ち、違う、凛は――」

 

海未「あなたは最低ですっ!」

 

凛「ぐすっ………ひっく……ううっうぇぇ」ポロポロ

 

穂乃果「り、凛ちゃん」アセアセ

 

海未「……もう一度だけ、みんなでことりに謝りに行きましょう」

 

海未「今度失敗したら……どうなるか分かっていますね?」ニコッ

 

ほのりん「」ブルブル

 

 

――部室――

 

海未「失礼します」ガチャ

 

ことり「……………………」チクチク

 

『次のライブに備えて衣装制作をしていたことり』

 

海未「ことり……すいませんでした」ペコリ

 

ほのりん「ごめんなさい……」ペコリ

 

ことり「…………みんな、ごめんね」

 

海未「……凛」

 

凛「こ、ことりちゃん、さっきはごめんなさい」

 

凛「凛、ことりちゃんのことそんな風に思ってないよ。すごく優しくて頼りになる先輩だって思ってるにゃ」

 

ことり「凛ちゃん…………」

 

穂乃果「海未ちゃんの言うとおり、凛ちゃんの冗談だよ!だからことりちゃん、気にしないで」

 

海未「もう一度やりましょう、催眠術」

 

ことり「海未ちゃん……みんな……」

 

ことり「うん……!ことり、やります!」

 

海未「それでこそことりです!」

 

 

――屋上――

 

海未「こんどこそお願いしますよ」

 

ほのりん「……はい」

 

ガチャ

 

ことり「みんなお待たせ!」

 

ことり「さっそく行ってみようかな」

 

ことり「もう催眠術の過程は面倒だし飛ばしちゃおっか♪」

 

海未「くっ………………!」(笑)

 

ほのりん「えっ………………」

 

ことり「あなたの意志は既に私の手の中です……」

 

ほのりん「…………………………」

 

ことり「かかったね……」

 

海未「そのようですね」

 

ことり「では……穂乃果ちゃん、凛ちゃん」

 

ことり「あなた達二人は私の合図があるまで今からダンスを踊り続けます」

 

ほのりん「……………………」

 

ことり「……はい!」パン

 

海未「」ポチ

 

マッスグナーオモーイガーミーンナヲムスブー

 

凛「本気でもー不器用ー」

 

穂乃果「ぶつーかりあう心――」

 

――10分後――

 

穂乃果「答えなくて……いいんだ……」ゼェゼェ

 

凛「わかる、から…………」ハァ……ハァ……

 

ことり「……はい!」パン

 

ほのりん「」バタッ

 

ことり「穂乃果ちゃん、凛ちゃん、大丈夫?」

 

穂乃果「あ、あれぇ…………」ゼェゼェ

 

凛「凛……どうしてたんだろう…………」ゼェゼェ

 

ことり「海未ちゃん、大成功だよ!」

 

海未「やりましたねことり!」

 

ことり「これならμ’s新年会でもお披露目できそうだね♪」

 

海未「ええ、その時はまた穂乃果と凛に手伝ってもらいましょう」

 

ことり「っ…………」(笑)

 

穂乃果「えっ…………」

 

凛「手伝うって……どういうこと……」

 

ことり「穂乃果ちゃん、凛ちゃん、今日はありがとう♪」

 

海未「お二人ともお疲れ様です、ありがとうございました」

 

ガチャ バタン

 

ほのりん「……………………」

 

穂乃果「凛ちゃん……新年会は欠席しよう……」

 

凛「そうだね…………」

 

穂乃果「……お腹……すいたね…………」

 

凛「うん……近くにいいラーメン屋さんがあるにゃ…………」

 

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