ラブライブ SS 海未「穂乃果に悪口を書いた日記をわざと読ませてみました」

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――放課後教室――

 

穂乃果(今日はμ’sの練習も休みだし、久しぶりに海未ちゃんとクレープでも食べに行こう♪)

 

穂乃果「海未ちゃんまだかな~」

 

ドサッ

 

穂乃果「んっ、これは……」

 

穂乃果(海未ちゃんに借りてたノートの間から別のノートが……)

 

穂乃果「なになに……Diary?」

 

穂乃果「…………!」ハッ

 

穂乃果「ダイアリーって、まさかこれ海未ちゃんの日記!?」

 

穂乃果「どうしよう、大変な物見つけちゃったよ!」

 

穂乃果「……見なかったことに」

 

穂乃果「……………………」ゴクリ

 

穂乃果「ちょ、ちょっとだけ……」パラ

 

『今日はまた穂乃果が遅刻してきました。あれだけ言ってもまだ直らないとは、もはや救いようがありません。幼なじみ故に見捨てたりはしませんが、そろそろ限界です』

 

『今日のお昼休み、穂乃果に授業中に居眠りしていることを注意すると、ことりに泣き付いていきました。これではまるで私が悪者みたいではないですか。相変わらず人の気持ちが分からない、ことりの留学の時から何も成長していません』

 

『今日は勝手に私のメロンパンを食べておきながら、叱るとケチ呼ばわり。穂乃果のように自分勝手に生きられる人間が羨ましいです』

 

『今日は突然μ’sをやめると言い出しました。自分で結成しておきながら、なんという無責任でしょう。思わず殴りかかりたい衝動に駆られましたが、グッと堪えてビンタに留めました』

 

『今日は一緒に帰ろうと駄々をこねられました。弓道部で忙しいと言うのに……私もことりも、何もせずいつもわがままばかり言うあなたと違って忙しいのです』

 

『近頃穂乃果がウザ過ぎて仕方がないです』

 

穂乃果「こ、これ……」ガクガク

 

穂乃果「これ、間違いなく海未ちゃんの字だよね……」

 

穂乃果「そんな……うそ……」ブルブル

 

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果のこと――」ジワッ

 

海未「――なにをしているのです、穂乃果」

 

穂乃果「っ!?」ビクッ!

 

穂乃果「う、海未ちゃん、もう終わったの?」

 

海未「ええ、ミーティングだけですから。……んっ?穂乃果、眼から涙が」

 

穂乃果「あくびしたら出ちゃって!ああ眠たかった~」

 

海未「そうですか。……それより、ひとつ聞きたいのですが」

 

穂乃果「っ!」ビクッ

 

海未「この辺で青いA4のノートを見ませんでしたか?」

 

穂乃果「し……知らないなぁ!今日はもう下校時刻だし、明日探そうよ、ねっ?」

 

海未「ふむ……それもそうですね。それでは帰りましょうか」

 

穂乃果「う、うん!」ガサゴソ

 

――帰り道――

 

穂乃果(ことりちゃんは衣装制作で先に帰っちゃったし……気まずいよぉ)

 

海未「……………………」

 

穂乃果「……………………」

 

海未「…………穂乃果?」

 

穂乃果「ひっ!」ビクッ

 

穂乃果「ど、どうしたの?」

 

海未「今日はなんだか元気がないですね、なにかあったんですか?」

 

穂乃果「そ、そんなことないよ!ほら、こんなに元気だよ!」ブンブン

 

海未「ふむ……わたしの杞憂でしたか」

 

海未「なにかあったら、すぐに相談するのですよ?一人で抱え込まないでくださいね」

 

穂乃果「……うん」ウツムキ

 

海未「」ニコッ

 

――夜――

 

穂乃果「……穂乃果、全然知らなかった。海未ちゃんが本当は穂乃果のこと嫌いだったなんて」グスッ

 

穂乃果「穂乃果、今まで海未ちゃんに甘え過ぎてたのかな……」

 

穂乃果「海未ちゃんが優しいから……なんでも許してもらえるからって」ジワッ

 

穂乃果「ひぐ……海未ちゃん……ごめんね、ごめんね」ポロポロ

 

 

海未「今日の穂乃果の怯えた顔、最高でした//」

 

海未「精神をすり減らしながら嘘の日記を制作した甲斐がありましたね」

 

海未「ふふふ……明日はどんな顔を見せてくれるのでしょうか」

 

――朝――

 

ことり「お待たせ~」タタタ

 

穂乃果「ことりちゃんおはよう」

 

ことり「えっ、ホノケチュン!?」

 

ことり「今日はちゃんと早起きできたんだ。えらいね」

 

穂乃果「うん、これからも遅刻しないように頑張るね」

 

海未「おはようございます」

 

ことり「おはよー」

 

穂乃果「海未ちゃん、おはよう」

 

海未「穂乃果、今日は早いんですね」

 

穂乃果「いつまでも遅刻してられないからね」

 

海未「感心ですが、三日坊主にならないようにしてくださいね」

 

海未「それでは行きましょう」トコトコ

 

ことり「海未ちゃん、なんだか素っ気ないような……」

 

穂乃果(このままじゃ、海未ちゃんに嫌われちゃう……もっと頑張らないと)

 

――授業中――

 

先生「え~、ここの数式は――」

 

穂乃果「」カキカキ

 

先生「高坂、分かるか?」

 

穂乃果「はい!? えっとえっと、これがこうなって……」アセアセ

 

先生「……まぁ、今回は授業中に起きていただけでも評価してやる。代わりに園田、答えてあげてくれ」

 

海未「はい、わかりました」

 

穂乃果(…………やっちゃった……)

 

穂乃果「海未ちゃん、ごめんね……?」

 

海未「いつものことですし、構いませんよ」ハァ

 

穂乃果「……っ」ビクビク

 

ことり(ホノケチュン、今日はどうしたんだろう……)

 

――昼休み――

 

穂乃果「いただきます」

 

ことり「穂乃果ちゃん、お昼それだけ?」

 

穂乃果「うん、購買で買いそびれちゃって」

 

ことり「それじゃあことりからプレゼント、はいマカロン」

 

穂乃果「あっ……でも」

 

ことり「おいしいよ、はいあーん」

 

穂乃果「……あーん」

 

ことり「どう、おいしい?」

 

穂乃果「うん……おいしい」モグモグ

 

海未「はぁ……ことりは穂乃果を甘やかし過ぎです」

 

海未「穂乃果も、少しは遠慮を覚えなさい」

 

穂乃果「うん……ごめん」

 

ことり「ホノケチュン?」

 

――体育――

 

穂乃果(どうしたら、海未ちゃんに好きになってもらえるんだろう……)

 

ことり「穂乃果ちゃん?」・8・

 

穂乃果「えっ?あっ、なあにことりちゃん?」

 

ことり「穂乃果ちゃん……何か悩んでる?」

 

穂乃果「え……?」

 

ことり「誰かにいじめられてるとか」

 

穂乃果「い、いじめなんて、全然!」

 

ことり「うーん……じゃあ昨日、海未ちゃんと喧嘩でもした?」

 

穂乃果「!」ビクッ

 

穂乃果「う、ううん、そんなことないよ」アセアセ

 

ことり「本当……?」

 

穂乃果「………………」ウツムキ

 

ことり「ことりで良ければ相談に乗るよ?だから、もし何かあったのなら言ってほしいな」

 

ことり「穂乃果ちゃんの力になりたいの」ニコッ

 

穂乃果「ことりちゃん……!」グスッ

 

穂乃果「あのね……実は――」

 

ドガッ!

 

穂乃果「ひっ!?」

 

ことり「穂乃果ちゃん!?」

 

海未「すいません、ボールが飛んで行ってしまって」

 

海未「穂乃果、大丈夫ですか?」

 

穂乃果「ひっ……いや……」ガクガク

 

穂乃果「ごめんなさい……ごめんなさい……」ブルブル

 

ことり「穂乃果ちゃん……」

 

穂乃果「あ…………」

 

バタッ

 

ことり「穂乃果ちゃん!?しっかりして!」

 

海未「……………………」

 

 

――保健室――

 

穂乃果「…………あれ?」

 

穂乃果「ここ、保健室…………」

 

穂乃果(そうだ……確か突然ボールが飛んできて)

 

穂乃果(海未ちゃんまさか……穂乃果がことりちゃんに打ち明けようとしたから……)

 

海未「おや、眼が覚めたんですか?」

 

穂乃果「っ!?」ビクッ

 

穂乃果「海未ちゃん……!」ガクガク

 

海未「顔色が悪いですね、まだどこか痛みますか?」スッ

 

穂乃果「ひっ!」ビクッ

 

海未「なにを怯えているのですか?おかしな穂乃果ですね」

 

穂乃果「ごめん…………」ビクビク

 

海未「ところで……先ほどの体育の時間、ことりと何を話していたんですか?」

 

穂乃果「っ!そ、それは……」

 

海未「さっきことりに聞くと、何でも穂乃果はわたしと喧嘩しているとか」

 

穂乃果「喧嘩じゃなくて、穂乃果はただ……!」

 

海未「…………穂乃果」

 

海未「あなたまさか……私の日記を持っているのではないでしょうね」

 

穂乃果「っ!!!!」

 

穂乃果「そんなの知らないよ……見たことも聞いたこともないよ!」ブンブン

 

海未「ほう、そうですか……ではこれはなんでしょうか」スッ

 

穂乃果「そ、それは……!」

 

海未「人の日記を盗むどころか勝手に読み、その上嘘までつくなんて」

 

海未「穂乃果……あなたには少しきついお仕置きが必要ですね」

 

穂乃果「いや……ごめんなさい、海未ちゃん、ごめんなさい……!」ブルブル

 

海未「この日記を読んでしまった以上、もう後戻りはできませんよ」

 

海未「今は放課後……ここには誰も来ません」

 

海未「嫌いな穂乃果にお仕置きするには持って来いの場所です」

 

穂乃果「海未ちゃん……あっ……」

 

ウマノリ

 

海未「……抵抗、しないんですか?」

 

穂乃果「……うん。海未ちゃんの好きなようにしてくれていいよ」

 

海未「なっ…………」

 

穂乃果「海未ちゃんの気持ちも考えず、ずっとわがままを言ってきたのは穂乃果だもん……嫌われても仕方ないよ」

 

穂乃果「ダメだねわたし……ことりちゃんの留学の時から何一つ変わってない、海未ちゃんの言うとおりだよ」

 

海未「……穂乃果」

 

穂乃果「それに、たとえ穂乃果のことが嫌いでも……海未ちゃんはずっと側にいてくれた。支えてくれた。それだけで充分だよ」

 

海未「…………っ!」

 

穂乃果「海未ちゃんごめんね。穂乃果のこと、思う存分罵ってくれていいよ……叩いてくれてもいいよ……」

 

穂乃果「ただ、これからは海未ちゃんに好きになってもらえるような、そんな穂乃果になりたいな……えへへ」ポロポロ

 

海未「――穂乃果っ!」ガバッ

 

ギュッ

 

穂乃果「海未ちゃん……?」

 

海未「穂乃果、申し訳ありません!私が間違っていました……!」

 

海未「こんなに優しくて大切な穂乃果に、私はなんということを……!」ポロポロ

 

穂乃果「海未ちゃん…………」

 

 

穂乃果「そっか……いたずらだったんだ」

 

海未「穂乃果ごめんなさい。わたしのこと、軽蔑しても構いません、踏んでくれても構いません……ただお願いします……嫌いにならないでください」ポロポロ

 

穂乃果「……海未ちゃんは、穂乃果のこと嫌いじゃないんだね」

 

海未「当たり前です!穂乃果より大切な人なんてこの世にいません!」

 

穂乃果「えへへ……良かったぁ」ポロポロ

 

穂乃果「穂乃果も同じだよ。海未ちゃんのこと、嫌いになんてならない」

 

穂乃果「だって穂乃果は海未ちゃんのこと、大好きだもん」ギュッ

 

穂乃果「たとえ海未ちゃんに嫌われても、穂乃果はずっと海未ちゃんのことが好きだよ」

 

海未「穂乃果……穂乃果っ!」ギュッ

 

穂乃果「海未ちゃん……」

 

ことり「穂乃果ちゃーん、具合はどう――」

 

ことり「っ!?」・8・

 

ことり「う、海未ちゃん……」

 

海未「こ、ことり、これは違うんです誤解です!」

 

ことり「ことり、お邪魔だったかな……どうぞごゆっくり!//」バタッ

 

海未「ことり、待ってください!ことり~!!」ガラッ タッタッタ

 

穂乃果「行っちゃった……」

 

穂乃果「…………ふふ」

 

穂乃果「穂乃果って、幸せ者だなぁ……」

 

穂乃果「優しい幼なじみが2人もいて……頼もしい先輩が3人もいて……可愛い後輩が3人もいるんだもん」

 

穂乃果「こんな幸せな日々が、ずっと続きますように」

 

穂乃果「叶え、穂乃果の夢――――Zzz」

 

 

以上、ほのうみでした。

感想

  1. ナンバー より:

    か、かわいい!ハッピーエンドでよかった

  2. 匿名 より:

    泣いた(少)

  3. 匿名 より:

    俺も泣いた
    やっぱり穂乃果は太陽だわ

  4. えみやん より:

    号泣しました。ありがとう。。

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