ラブライブ SS (ほのうみ百合)穂乃果「海未ちゃんのことが好きです……」

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――待ち合わせ場所――

 

穂乃果「はぁ……はぁ……!」タッタッタ

 

穂乃果(まずい、5分も遅刻だよ)

 

穂乃果「――二人とも、お待たせ!」

 

海未「穂乃果……」

 

穂乃果「……あれ?ことりちゃんは?」

 

海未「それが……どうやらインフルエンザみたいです」

 

穂乃果「ええっ!?」

 

海未「恐らく今週は来れないでしょう、うつすといけないからお見舞いも来なくていいと今朝にメールが……」

 

穂乃果「そっか……」シュン

 

海未「寂しいですが、今週はわたしたちだけで頑張りましょう」

 

穂乃果「ことりちゃんの分のノートもしっかりとってあげないとね」フンス

 

海未「穂乃果はまず自分のノートからです」

 

穂乃果「あぅ」コテッ

 

海未「ほら、早く行きますよ」

 

穂乃果「……?海未ちゃん、今日は怒らないの?」

 

海未「そんな気分でもないですし、今回は特別に許してあげます」

 

穂乃果「ほんと!よかったぁ……」ホッ

 

海未「怒られるのが怖いのなら遅刻なんてしなければいいでしょう」

 

穂乃果「まぁまぁ次からは気をつけるから、それより早く行こう♪」

 

海未「まったく、調子がいいんですから」クスッ

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

――2限目――

 

穂乃果「……あ」

 

穂乃果「う、海未ちゃん……あのね」

 

海未「なんですか?」

 

穂乃果「……数学の教科書、忘れちゃって」

 

海未「……またですか」

 

穂乃果「ごめん!今朝慌ただしくてつい」

 

海未「………………」

 

穂乃果(怒られる……)ビクビク

 

海未「……しょうがないですね」ハァ

 

穂乃果「!」

 

海未「机をくっつけて……ほら、見えますか?」

 

穂乃果「………………」ポカーン

 

海未「どうしたんです、そんな締まりの無い顔して」

 

穂乃果「っ、ううん!」

 

穂乃果(助かった……)ホッ

 

海未「?」

 

――

――――

――――――

 

――お昼休み――

 

穂乃果「うーん、今日もパンがうまい!」

 

海未「またパンですか……お米や野菜も食べないと栄養が偏りますよ」

 

穂乃果「家ではたくさん食べてるから大丈夫だよ」

 

海未「食べ過ぎてまたダイエット地獄に陥らないでくださいね」

 

穂乃果「うぅ……気をつけます」

 

海未「でも、おいしそうにご飯を食べてる穂乃果は見ていて気持ちがいいです」

 

穂乃果「そ、そうかな……♪」

 

海未「あっ……ほら、口についてますよ」

 

ハンカチ スッ

 

穂乃果「あっ……」

 

海未「もう高校生なんですから、だらしないのはダメですよ」クスッ

 

穂乃果「…………えへへ//」ニヘラ

 

海未「?なんです、急にニヤけたりして」

 

穂乃果「ううん、なんだかね……今日の海未ちゃん、いつもより優しいなって♪」

 

海未「っ!そ、そんなことありません、ことりがいないので本調子ではないだけです//」

 

海未「それになんですか、いつもよりって。わたしは別にいつも厳しくしているわけでは――」

 

穂乃果「うん、穂乃果のことを想ってだよね。海未ちゃんの思いやりだってこと、分かってるよ」

 

海未「……穂乃果」

 

穂乃果「だって、ほんとは海未ちゃんが優しいこと、穂乃果が一番知ってるもん」ニコッ

 

海未「……!」

 

穂乃果「これからもダメだったら、穂乃果のことたくさん怒ってね、海未ちゃん?」

 

海未「っ……こほん!……今日の穂乃果は変です//」

 

穂乃果「えっ~、海未ちゃんもだよ」

 

海未「…………♪」ポンッ ナデナデ

 

穂乃果「んっ……」

 

海未「ありがとうございます、穂乃果」ニコッ

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

海未「こうして二人で帰るのも久しぶりですね」

 

穂乃果「半年前にことりちゃんが風邪ひいたとき以来かな、それ以外はずっと三人一緒だもんね」

 

海未「仲睦ましく大変いいことです」

 

ほのうみ「……………………」

 

穂乃果「………………」

 

海未「………………」

 

穂乃果「…………ねぇ、海未ちゃん?」

 

海未「んっ……?」

 

穂乃果「……手、繋いでもいい?」

 

海未「はい、もちろん♪」

 

スッ

 

穂乃果「…………//」

 

穂乃果「あはは、なんだか照れるね//」

 

海未「確かに恥ずかしいですけど、わたしは嬉しいですよ」

 

海未「なんだか子供の頃に戻ったみたいで」

 

穂乃果「小さい頃は、穂乃果が迷子にならないようにって手繋いでたよね」

 

海未「ええ、わたしが右手、ことりが穂乃果の左手を」

 

穂乃果「ずっと一緒だね、穂乃果たち」

 

海未「ふふ、そうですね」

 

穂乃果「………………」

 

穂乃果「……えいっ♪」

 

海未「!ほ、穂乃果、腕に抱きつかないでください、さすがに恥ずかしいです……//」

 

穂乃果「……もうちょっとだけ」

 

海未「……?」

 

穂乃果「あともうちょっとだけ、このままがいい……」

 

海未「……穂乃果」

 

海未「……しょうがないですね」

 

海未「今日の穂乃果は甘えん坊です」

 

穂乃果「……海未ちゃん」

 

穂乃果(…違うよ)

 

穂乃果(……たぶん穂乃果は、海未ちゃんのことが――)

 

穂乃果(………ううん、それはダメだよね)

 

穂乃果(この関係が壊れるのは……海未ちゃんに嫌われるのは、絶対……)

 

穂乃果「……っ」キュッ

 

 

――――――――――――――――――――――

 

――翌日――

 

穂乃果「おはよー海未ちゃん」

 

海未「穂乃果、今日は早いですね」

 

穂乃果「昨日早めに寝たからかな。今日は授業中も居眠りしないよ」フンス

 

海未「とか言って、いつも2限目にぐっすり寝ているのはどこの誰ですか」

 

穂乃果「……海未ちゃん、いつも穂乃果のこと見てくれてるんだね」

 

海未「ええ、幼馴染ですから」

 

穂乃果「……!」

 

穂乃果「……そっか…うん、そうだよね……」

 

穂乃果「幼馴染、だもんね……」

 

海未「小さい頃から穂乃果は目が離せませんから」

 

穂乃果「………………」

 

穂乃果(海未ちゃんにとって穂乃果は、手のかかる幼馴染……それだけだよね)

 

穂乃果「…………」ウツムキ

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

穂乃果「………………」

 

穂乃果「…………はぁ」

 

海未「ため息なんてついて、穂乃果らしくないですね」

 

穂乃果「!…海未ちゃん……」

 

海未「なにか悩み事ですか?今日のお昼もあまり食べていませんでしたし……」

 

穂乃果「う、ううん、悩み事なんて全然!」

 

海未「……穂乃果は昔から嘘が下手ですね」

 

海未「あなたがそういう顔をしているときは何かを抱えている証拠です」

 

穂乃果「………………」

 

海未「どうしたんですか?」

 

穂乃果「………………」

 

海未「穂乃果……言いにくいことでしたら、これ以上無理には聞きませんよ?」

 

穂乃果「…………あのね」

 

穂乃果「……海未ちゃんは、これからもずっとそばにいてくれる?」

 

海未「……?そんなの当たり前です」

 

穂乃果「何があっても穂乃果のこと……避けたりしない?」

 

海未「当然です、わたしが穂乃果のことを避けるなんてありえません」

 

穂乃果「……ほんと?ほんとのほんとう?」

 

海未「……あなたがどんな悩みを抱えているのか、わたしには検討もつきませんが――これだけは言っておきます」

 

ポンッ ナデナデ

 

穂乃果「あ…………」

 

海未「たとえ世界中が敵になったとしても、わたしは穂乃果の味方ですよ」

 

海未「間違っていれば怒りますし、正しければあなたの背中を押します」

 

海未「穂乃果のことが、大切ですから」ニコッ

 

穂乃果「…………!」

 

海未「だから、そんな顔しないでください……あなたには笑顔が一番似合います」ナデナデ

 

穂乃果「………………」

 

穂乃果(……海未ちゃん……ごめんね)

 

 

穂乃果(穂乃果……もう幼馴染じゃいられないよ)

 

 

――

――――

――――――

 

――帰り道――

 

海未「ふぅ、さすがに疲れましたね」

 

穂乃果「……………………」

 

海未「穂乃果……?」

 

穂乃果「……え、う、うん」

 

海未「穂乃果……今日はどうしたんです?練習にもあまり打ち込めてなかったようですが……」

 

穂乃果「……………………」

 

海未「まさか……穂乃果もインフルエンザ?」スッ

 

――ピトッ

 

穂乃果「!」

 

海未「熱はありませんね……」

 

海未「それとも体調が悪いのですか?でしたらわたしの背中に――」

 

穂乃果「海未ちゃん」

 

穂乃果「――穂乃果ね、海未ちゃんに言いたいことがあるの」

 

海未「わたしに……なんでしょう?」

 

穂乃果「………………」ウツムキ

 

海未「穂乃果……?」

 

穂乃果「…………っ」

 

海未「……わ、わたし、なにか穂乃果に嫌なことをしてしまったのでしょうか?」

 

穂乃果「…………違う」

 

海未「なら、他になにか――」アセアセ

 

穂乃果「ちゃんと聞いて!」

 

海未「!?」ビクッ

 

穂乃果「……海未ちゃん」

 

海未「………………」

 

 

穂乃果「――穂乃果、海未ちゃんのことが好きです……」

 

 

海未「…………!」

 

穂乃果「幼馴染とか、友達とかじゃなく……海未ちゃんのことが好き」

 

海未「…………」

 

穂乃果「幼馴染でもいいと思ってた、海未ちゃんがずっとそばにいてくれるなら、この関係が壊れずに済むなら……!」

 

穂乃果「でも、そんなのは机上の空論で……海未ちゃんと手を繋いだり、頭を撫でてもらったり……海未ちゃんと触れ合うたびに、胸がドキドキして……」

 

穂乃果「……もう、気持ちが押さえ切れなかった」

 

海未「………………」

 

穂乃果「……答えてくれなくてもいいよ」

 

穂乃果「…でも海未ちゃん、お願い……」グスッ

 

穂乃果「幼馴染でもいいから、穂乃果のそばにいて……どこにもいかないで……」ジワッ

 

穂乃果「海未ちゃんに嫌われるのだけは嫌……嫌だよ……」ポロポロ

 

海未「……穂乃果」

 

穂乃果「うぅ……ぐすっ………ごめんね、ごめんなさい……」ポロポロ

 

海未「……なにを謝ってるんですか」

 

海未「謝るのは、わたしのほうですよ……」

 

――ギュッ

 

穂乃果「…………!」

 

海未「……わたしは最低です」

 

海未「自分の気持ちに無理やり嘘をついて、穂乃果ひとりだけを苦しめて……」

 

穂乃果「…………?」

 

海未「……穂乃果、わたしも好きです」

 

 

海未「穂乃果のこと、大好きです」

 

 

穂乃果「…………!」

 

海未「小さい頃から、あなたのことばかり見てました……ずっと、ずっと」

 

海未「それでも、気持ちを伝える勇気なんてありませんでした……この関係が壊れてしまうのが怖くて、あなたに嫌われてしまうのが怖くて……」

 

海未「幼馴染という名目で自分に嘘を付き続けてきました」

 

穂乃果「……海未ちゃん」

 

海未「穂乃果はすごいです……」

 

海未「わたしが何年間も躊躇していたことを、すぐにやってのけてしまうんですから……」

 

海未「穂乃果……ありがとう」

 

穂乃果「……!じゃあ……」

 

海未「はい……」

 

海未「好きな人に告白する勇気も無い臆病者ですが――」

 

海未「こんなわたしでよければ、穂乃果の恋人にしてください」ニコッ

 

穂乃果「…………!」

 

穂乃果「……やった」

 

穂乃果「やったよっ!」ギュッ

 

海未「きゃっ……!もう、穂乃果……♪」

 

穂乃果「海未ちゃん好き……大好き……!」

 

穂乃果「えへへ……海未ちゃん……」ポロポロ

 

海未「なに泣いてるんですか……大成功だったんですよ」ナデナデ

 

穂乃果「あれ……なんでだろう、嬉しいのに涙が……」ポロポロ

 

海未「ほら、泣き止んでください、さっきも言ったでしょう」

 

海未「穂乃果には、笑顔が一番似合います」

 

穂乃果「!……うん」ニコッ

 

海未「…………♪」

 

海未「わたしの大好きな穂乃果……やっと手に入れました」ジワッ

 

海未「もう離しませんよ……」ポロポロ

 

穂乃果「海未ちゃんまで泣いちゃダメだよ」

 

海未「いまはいいんです、長年の想いがやっと実ったんですから」

 

穂乃果「……ねぇ、海未ちゃん?」

 

海未「なんですか、穂乃果?」

 

穂乃果「……その…………//」モジモジ

 

穂乃果「…恋人になった証がほしいの……//」

 

海未「……まったく、慌てんぼうですね//」

 

海未「……こんなことしなくても、わたしと穂乃果は恋人同士ですよ――」

 

穂乃果「んっ……」

 

――チュッ

 

穂乃果「えへへ…………//」ニコッ

 

海未「穂乃果……//」

 

穂乃果「海未ちゃん……大好き♪」

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    こういう王道な百合も最高ですねっb
    …そしてこのSSを読んだあとに(ヤンデレ穂乃果)を読むと話が繋がってる感じがして面白いですw

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      おっしゃるとおり、このSSから『ヤンデレ海未ちゃん』または『ヤンデレ穂乃果』のいずれかに繋げて読むとまた違った楽しみ方ができます。
      ヤンデレが苦手、もしくは純粋な百合だけを楽しみたい方は単発SSとしてご認識ください。

  2. 匿名 より:

    最高のほのうみですね

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      ご満足いただけて何よりです。

  3. 匿名 より:

    ことりェ

  4. 匿名 より:

    やっぱりほのうみは悦い!

  5. 匿名 より:

    ほのうみが、かわいすぎて辛い…
    圧倒的ことうみ派だが、この作品のお陰でほのうみにも目覚めそうだ!
    てか、目覚めました!
    初々しい、とてもかわいい百合が見れて満足しましたよ…!
    かげながら応援させて頂きます!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます、ご満足いただけてなによりです。

  6. 匿名 より:

    ほのうみの良さが詰まったssですね
    最高です

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