ごちうさSS ヤンデレリゼとここあ 2話:『盲愛』

 

本作は、スペシャルコラボレーションSSです。
アイキャッチの素敵なヤンデレ画像は、『mofu mikuro』さんにご提供いただきました。

 

 

―――――――――――――――

 

 

ここあ……ここあ。

 

 

 

……ここあ?

 

 

 

……。

…………。

………………。

 

 

わたしもう、リゼちゃんのことすきでいられないよ……。

 

 

いきなりおこったり……いまのりぜちゃん、こわい……。

 

 

ちのちゃんのところに―――らびっとはうすに、もどるね……。

 

 

さようなら……。

 

 

りぜちゃん……きらい。

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

いやだ……。

 

 

 

いかないでくれ……。

 

 

 

お前に見捨てられたら、わたしは――

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

ここあ「りぜちゃん、りぜちゃん!」ユサユサ

 

 

リゼ「うぁああああぁっ!!!?」

 

 

ここあ「!」

 

リゼ「はぁ……はぁ……!」

 

リゼ「…わたしの、へや……?」

 

ここあ「りぜちゃんだいじょうぶ!?」

 

リゼ「……!」

 

ここあ「ずっとうなされてたよ……?どうしたの?」

 

リゼ「ここあ……か?」

 

ここあ「……?」

 

リゼ「ここあ……ここあっ!!」

 

ここあ「きゃっ……!」

 

リゼ「っ……!」ギュッ

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「ぐすっ……ひっく……」ポロポロ

 

ここあ「こわいゆめでもみたの?」

 

リゼ「ここあ……」グスグス

 

リゼ「どこにも行かないよな……わたしのこと、嫌いじゃないよな……?」

 

ここあ「……?りぜちゃんのことだいすきだよ、どこにもいかないよ」

 

リゼ「ほんとうか……?」

 

ここあ「うん。だから、なきやんで?」

 

リゼ「……っ」ギュッ

 

ここあ「こわかったね、よしよし」ナデナデ

 

リゼ「っ……」ガリッ…ガリッ…

 

ここあ「いつっ……」

 

リゼ「ここあ……っ」

 

ここあ「りぜちゃん……」

 

ここあ「………………」

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

―――――――――――――――――

 

 

……。

…………。

………………。

 

 

 

お前は、わたしを受け入れてくれる。

 

 

………………。

 

 

泣いていると、小さな身体で、精一杯抱きしめてくれる。

 

 

………………。

 

 

わたしには、お前がいればいい。

 

 

………………。

 

 

お前との毎日が愛しくなるにつれ。

 

 

………………。

 

 

外の世界が、億劫になってくるよ。

 

 

………………。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――翌日――

 

リゼ「…………」

 

シャロ「…………」

 

リゼ「…………」

 

シャロ「あの、リゼ、先輩……?」

 

リゼ「ん……?」

 

シャロ「最近、また寝不足ですか?」

 

リゼ「いや、そんなことないぞ」

 

シャロ「でも、目の下にクマが……」

 

リゼ「……これか」

 

リゼ「実は昨日、嫌な夢を見てな……」

 

シャロ「悪夢ですか?」

 

リゼ「ああ、思い出したくも無い」

 

シャロ「もしかして、ここあのことで何か……」

 

リゼ「……」ピクッ

 

シャロ「あっ、ごめんなさい!思いだしたくないですよね……」

 

リゼ「………………」

 

シャロ「そ、そういえば、ここあは元気ですか?最近あんまり会えて無くて……」

 

リゼ「……ああ」

 

シャロ「また、会いに行ってもいいですか?」

 

リゼ「………………」

 

シャロ「リゼ先輩……?」

 

リゼ「すまない、そろそろいくよ」スタスタ

 

シャロ「あっ、先輩……」

 

シャロ「……………」

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――ラビットハウス――

 

リゼ「…………」

 

チノ「…………」

 

リゼ「…………」

 

チノ「……き、今日もお客さん、少ないですね」

 

リゼ「そうだな……」

 

チノ「…………」

 

チノ「リゼさん……あの……」

 

リゼ「……?」

 

チノ「……ここあさんは、元気ですか?」

 

リゼ「…………」

 

チノ「リゼさん……?」

 

リゼ「ああ、元気だぞ」

 

チノ「そうですか」

 

リゼ「早くここあに会いたい……」

 

チノ「…………」

 

リゼ「んっ……もうこんな時間か、帰ろう」

 

チノ「あ……ま、待ってください」

 

リゼ「……?」

 

チノ「えっと、少しお話しませんか?あ、そういえば昨日マヤさんが……」

 

リゼ「すまないチノ、また今度でいいか?ここあが待ってるんだ」

 

チノ「ぅ……で、ですが、その……」

 

リゼ「急いでるんだ、ごめん」

 

チノ「あっ…………」

 

ガチャッ バタン

 

チノ「……!」ピポッパッ

 

チノ(千夜さん……出てください……!)

 

チノ(でないと……リゼさんが帰って……)

 

 

 

…………っ。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――甘兎庵――

 

千夜「………………」ナデナデ

 

ここあ「んっ……」Zzz

 

千夜「………………」

 

千夜(やっと寝てくれたわ)

 

千夜「……………………」

 

 

――スッ

 

 

千夜「……!」

 

 

千夜(背中のこれ、引っかき傷……?)

 

千夜(お腹のこのアザ……)

 

千夜(肩のこの傷、指の痕……?)

 

千夜(腕以外にもこんなにたくさん……)

 

千夜(……やっぱり)

 

 

千夜「ここあちゃん……?この傷、転んだんじゃないわよね?」

 

千夜(これ……間違いなく――)

 

 

 

リゼ「――千夜」

 

 

 

千夜「!?」ビクッ

 

リゼ「ここあ……やっぱりここにいたのか」

 

千夜「り、リゼちゃん……いらっしゃい」ニコッ

 

リゼ「寝てるのか?」

 

千夜「ええ、遊び疲れたみたい」

 

リゼ「そうか。……千夜、これからは連れ出すなら一言連絡してくれ。帰ったら部屋にいないから驚いた」

 

千夜「ごめんなさい……」

 

千夜「……」チラッ

 

千夜(チノちゃんから着信来てる……気付かなかった……)

 

リゼ「世話になってすまないな。すぐに連れて帰るよ」ヒョイ

 

千夜「あっ……」

 

リゼ「ありがとう、またな千夜」

 

千夜「リゼちゃん、待って」

 

リゼ「?」

 

 

千夜「……ここあちゃんの、腕や身体のアザ」

 

 

リゼ「!」

 

千夜「ここあちゃんに聞いたら転んだって言ってたけど……違うわよね?」

 

リゼ「……」

 

千夜「リゼちゃんの、しわざ……?」

 

リゼ「……」

 

千夜「ねぇ、リゼちゃん……?どうしちゃったの?」

 

リゼ「……」

 

千夜「どうしてここあちゃんにひどいことするの……?」

 

リゼ「……っ」

 

千夜「ここあちゃんのこと、あんなに可愛がってたのに……溺愛してたのに……」

 

リゼ「……っ!」ギリッ

 

千夜「なのにどうして……まさか、ここあちゃんのこと虐待して――!」

 

 

リゼ「うるさいっ!!!」

 

 

千夜「!?」ビクッ

 

リゼ「お前にわたしの気持ちの何がわかるんだっ!!」

 

 

千夜「……!」

 

ここあ「ふぉぇ……?」

 

千夜「リゼちゃん……」

 

リゼ「……すまない、千夜」

 

リゼ「ごめん……今日は帰るよ」

 

リゼ「…………」ガチャッ

 

千夜「リゼちゃん、待って……!」

 

 

リゼ「………………」

 

ここあ「リゼちゃん……」

 

リゼ「…………」

 

ここあ「………………」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

『千夜「どうしてここあちゃんにひどいことするの……?」』

 

 

 

二つ返事で返せる答えを持っていながらそれを口に出さないのは、わたしがまだ正常である証なのか、あるいは認知した上での現実逃避の表れなのか。

 

 

 

薄々気付いてはいたのだ。識見において明らかに欠けていることも。

 

 

 

……でも。

 

 

 

心の奥から絶え間なく滲み出るドス黒い感情は、わたしにとって紛れもなく現実で。

 

 

 

その行動原理を、行動を抑止する方法も持ち合わせていない。自制心も理性も、今となっては飾りだ。

 

 

 

わたしはお前を、虐待したいんじゃない。お前を、泣かせたいんじゃない。

 

 

 

わたしは……ただ。

 

 

 

『お前の特別でありたいだけなんだ』

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

――翌日 甘兎庵――

 

 

千夜「リゼちゃん……前より痩せた?」

 

リゼ「……そうかもな」

 

千夜「ちゃんとご飯食べてる?」

 

リゼ「……ああ」

 

千夜「待ってて、栗羊羹でも」

 

リゼ「いや、いい」

 

リゼ「最近、何を食べてもおいしくないんだ」

 

リゼ「甘いとか、辛いとかは分かるんだけど」

 

千夜「…………」

 

リゼ「……ごめん」

 

千夜「ううん、大丈夫よ」

 

リゼ「………………」

 

千夜「……リゼちゃん?」

 

千夜「……あのね、こんなこと言ったら嫌われちゃうかもしれないけど、でも……言わせて」

 

 

千夜「リゼちゃん……きっと病気よ?」

 

 

リゼ「……そうだろうな」

 

千夜「……!」

 

千夜「分かってたの……?」

 

リゼ「ここあに暴力を振るって果てや味覚までおかしくなってきてるんだ、気付かないほうがおかしい」

 

リゼ「昨日は千夜に八つ当たりまでして……」

 

千夜「………………」

 

 

 

リゼ「わたしは……狂ってるんだろうな」

 

 

 

千夜「……そうかもしれないわ」

 

千夜「でも、リゼちゃんよ」

 

リゼ「…………」

 

千夜「たとえどんなに狂っていても、リゼちゃんはリゼちゃんだから」

 

千夜「わたしの大切な友達……わたしだけじゃないわ、チノちゃんにとってもシャロちゃんにとっても」

 

リゼ「……千夜」

 

千夜「リゼちゃん……近いうちに一度、病院に行きましょう」

 

千夜「なにかあったらここあちゃんのことはわたしが面倒見るから……ね?」

 

リゼ「………………」

 

リゼ「…………」チラッ

 

ここあ「ん……」Zzz

 

リゼ「……少し、考えさせてくれ」

 

千夜「ここあちゃんと離れ離れになるのがイヤ……?」

 

リゼ「………………」

 

千夜「そう……わかったわ」

 

千夜「急に呼び出してごめんなさい。……ここあちゃんも付いてくるなら、わたしから訪ねて行けばよかったわね」

 

リゼ「すまない、今日に限って聞き分けが悪くてな……」

 

千夜「リゼちゃんのこと、好きなのね」

 

リゼ「こんなに酷いことしてるのにな……不思議な奴だよ」

 

リゼ「……ここあ」ナデナデ

 

ここあ「ふぉぇ……」Zzz

 

リゼ「遅くなってごめんな、帰ろう」ヒョイ

 

リゼ「邪魔したな、千夜」

 

千夜「……リゼちゃん」

 

リゼ「……?」

 

千夜「最後に、これだけは言わせて」

 

千夜「わたし、リゼちゃんのことも大切だけど、ここあちゃんのことも同じくらい大切なの」

 

千夜「二人のどっちにも、絶対不幸になってほしくない」

 

千夜「……だから、ね」

 

 

千夜「もし、リゼちゃんがこれからも今のままなら……ここあちゃんに、暴力を振るったりするのなら」

 

 

千夜「例えリゼちゃんに嫌われたとしても、ここあちゃんに恨まれたとしても、わたしはリゼちゃんとここあちゃんのこと、引き離すから」

 

千夜「リゼちゃんのこと、無理矢理にでも病院に連れて行くから」

 

 

リゼ「………………」

 

千夜「……ごめんなさい」

 

リゼ「……千夜?」

 

千夜「……?」

 

リゼ「……ありがとう」ニコッ

 

千夜「リゼちゃん……」

 

リゼ「優しいな、千夜は」

 

リゼ「お前だけじゃない、チノも、シャロも……」

 

リゼ「逃げられる場所が、あまりに多すぎるよ」

 

千夜「え……」

 

リゼ「……」ガチャッ バタン

 

千夜「………………」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

……。

…………。

………………。

 

 

――リゼの部屋 IN ベッド―

 

 

リゼ「…………」

 

 

『千夜「なにかあったらここあちゃんのことはわたしが面倒見るから」』

 

 

リゼ「………………」

 

 

 

ここあと離れ離れになるのは、嫌だ。

 

 

 

それ自体は紛うこと無き本音で、どれほどの嘘を心に重ねようとも揺らぐことのない本心だ。

 

 

 

――でも。

 

 

 

それはあくまで、わたし自身の幸福という身勝手極まりないものにおいて焦点を当てただけの結論で。

 

 

 

そこにここあの幸福を加味するのであれば、全く正反対の結論に至る。

 

 

 

――わたしの側から、離れてほしい。

 

 

 

一見矛盾した二律背反の願望は、それでもなおコインの裏表のように繋がっていて。

 

 

 

どちらも嘘偽りのない、わたしの本心で。

 

 

 

リゼ「……………………」

 

 

 

結局、自我を通してここあの全てを無理矢理奪うことも、ここあのことを想って手に入れた全てを投げうつこともできない。

 

 

 

正常にも、狂気にもなれない。

 

 

 

そんな中途半端な自分に苛立って、またお前に理不尽な暴力を振るってしまう。

 

 

 

お前に嫌われることでしか、正常な結論に振り切る術を知らないから。

 

 

 

リゼ「………………」

 

 

 

矛盾行動の根底には、味覚を狂わすほどにまで悩んだ末に同一された行動原理が確かに存在している。

 

 

 

リゼ「わたしは――本当に狂っているのか……」

 

 

 

ここあ「りぜちゃん」ヒョイ

 

リゼ「ん……?」

 

 

ここあ「だいじょうぶ?つかれたの?」

 

リゼ「……ここあ」

 

ここあ「そうだ、わたしがなでなでしてあげるっ」

 

リゼ「……撫でてくれるのか?」

 

ここあ「りぜちゃん……――」スッ

 

リゼ「……!」

 

ここあ「なでなで、なでなで♪」

 

………………。

…………。

……。

 

 

伸ばされた小さな手は、いつも暖かくて。

 

 

人肌やぬくもりなんて概念をいとも簡単に飛び越えて。

 

 

視界に映る景色も、目に見えない気持ちの黒色さえも塗り替えてくれる。

 

 

リゼ「……ここあ」

 

リゼ「抱きしめても、いいか?」

 

ここあ「うん!――えいっ♪」ポスッ

 

リゼ「…………」ギュッ

 

ここあ「りぜちゃん、げんきになった?」

 

リゼ「ああ……」

 

リゼ「ここあがいれば、すぐに元気になれるよ」

 

ここあ「えへへ」ニコッ

 

 

 

屈託のないお前の笑顔は。

 

 

またわたしを、逃げ道の無い袋小路へと追いやってくる。

 

 

お前のことより、自分の気持ちを優先しろと言わんばかりに、

 

 

優柔不断、偽善者、悪人、狂人。

 

 

自分を責める言葉は枚挙に暇が無いほど浮き出てくるが、悲しいかな、それも詮無いことの一言で折り合いが付いてしまうのだ。

 

 

リゼ「ここあ……」スリスリ

 

ここあ「りぜちゃんくすぐったいよぉ」キャッキャッ

 

 

 

例え狂っていても、正常でも。

 

 

お前に触れて感じられるぬくもりだけは、変わらないのだから。

 

 

――

――――

――――――

 

―――――――――――――――――――

 

 

シャロ「あっ、リゼ先輩……!」

 

リゼ「ん……シャロか」

 

シャロ「あの、今日は部活の助っ人じゃあ……?」

 

リゼ「気分が乗らないから断ったよ。どの道、今のわたしじゃ役に立てないだろうし」

 

シャロ「そうでしたか……」

 

リゼ「シャロも帰りか?」

 

シャロ「はい……あっ、良かったら久しぶりにどこか寄っていきません?そういえば最近ステーショナリーショップの横にスイーツのお店がオープンしたそうですよ」

 

リゼ「スイーツ、か」

 

シャロ「よろしければ、リゼ先輩もどうです?」

 

リゼ「……………………」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

シャロ「ここのタルト、クラスの間でも評判なんですよ」

 

リゼ「おいしそうだな……どれ」

 

リゼ「……」モグモグ

 

シャロ「わぁ、おいしいですね……!」

 

リゼ「……………………」

 

シャロ「リゼ先輩、どうですか?」

 

リゼ「…………」

 

リゼ「……」

 

リゼ「」

 

シャロ「先輩……?」

 

リゼ「シャロ、ごめん。もう帰るよ」

 

シャロ「えっ?」

 

リゼ「感想はまた明日教えるから、すまない」

 

シャロ「リゼ先輩!?」

 

リゼ「…………」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

リゼ「ただいま」ガチャッ

 

ここあ「あっ、りぜちゃん!おかえりなさい」タタタ

 

リゼ「ここあ……」

 

ここあ「ふぉぇ?りぜちゃん、そのふくろなに?」

 

リゼ「これか?これはお前へのお土産だ」

 

ここあ「おみやげ?」

 

リゼ「ああ。ほら、チーズタルトだ」

 

ここあ「わぁ、おかし!」ピョンピョン

 

リゼ「晩御飯前だけど特別に食べていいぞ」

 

ここあ「ほんと!えへへ、いただきます♪」

 

ここあ「………………」モグモグ

 

リゼ「どうだ?」

 

ここあ「ん……すっごくおいしいよ!」

 

リゼ「……!」

 

ここあ「はい、りぜちゃんも、あーん」

 

リゼ「大丈夫だぞ、わたしの分もある」スッ

 

リゼ「…………」

 

パクッ

 

リゼ「…………」モグモグ

 

リゼ「――!」

 

ここあ「どう?」

 

リゼ「ああ……おいしい」ニコッ

 

リゼ「ちゃんと、味がわかるよ」

 

ここあ「?」

 

リゼ「ふふっ……」ヒョイ

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

リゼ「やっぱりお前がいないとダメみたいだ……」ギュッ

 

ここあ「がっこうでなにかあったの?よしよし」ナデナデ

 

リゼ「ここあ……」スリスリ

 

 

リゼ(わたしは、どうすればいいんだろう)

 

 

ここあ「…………?」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

――夕方 ラビットハウス――

 

チノ「……そうですか」

 

千夜「きっとリゼちゃんも、色々と辛いんでしょうね」

 

チノ「………………」

 

チノ「でも……このままだと、ここあさんも、リゼさんも……」

 

チノ「なんだか……遠くに行ってしまうような気がするんです」

 

千夜「……大丈夫、わたしが何とかするわ」

 

千夜「だから、チノちゃんは今まで通りリゼちゃんに接してあげて?」

 

チノ「………………」

 

千夜「みんなそれぞれができること、精一杯頑張りましょう」

 

チノ「……はい」

 

千夜「無理させてごめんなさい……必ず、また元通りになるから」ナデナデ

 

チノ「…………」グスッ

 

千夜「…………」ギュッ

 

 

――――――――――――――――――

 

 

千夜「……」ガチャッ バタン

 

シャロ「千夜、お疲れ様」

 

千夜「!シャロちゃん……」

 

シャロ「チノちゃん、どうだった?」

 

千夜「うん……やっぱり辛そうね……」

 

シャロ「そう……無理もないわ」

 

千夜「解決法も見つからないから余計に辛いのよね、きっと」

 

シャロ「……ここあの痣のこと、チノちゃんに教えなくていいの?」

 

千夜「……チノちゃん、きっとショックで泣いちゃうと思うから」

 

シャロ「…………」

 

千夜「シャロちゃんの方はどうだった?」

 

シャロ「一緒に寄り道はできたんだけど、タルトを一口食べたらなぜかリゼ先輩すぐに帰っちゃって……」

 

千夜「…………」

 

シャロ「確かに様子は変だけど……ちゃんとここあの分も買ってたし、千夜の言うようにわたしもリゼ先輩がここあを虐待しているようには見えないわ」

 

シャロ「最近は部活の助っ人まで断って真っ直ぐ家に帰ってるみたいだし……むしろ、前以上に溺愛してるように見える」

 

千夜「……あまりに、愛し過ぎるのかしら」

 

シャロ「えっ?」

 

千夜「知ってるシャロちゃん?愛情と憎悪って対極にあるような気がするけど、実際は紙一枚程度の隔たりだそうよ」

 

千夜「……手遅れになる前に、どうにかしないと……」

 

シャロ「千夜……?」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

『みんなそれぞれができること、精一杯頑張りましょう』

 

チノ「………………」

 

チノ(明日は午前まで……リゼさんは通常授業……)

 

チノ「…………」

 

ここあ(チノちゃん、また二人でおでかけしようね!)

 

チノ「……ここあさん」

 

チノ「……っ」グッ

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

――翌日――

 

トントン

 

ここあ「ふぉぇ……?だあれ?」

 

チノ「失礼します」ガチャッ

 

ここあ「ちのちゃんっ!」

 

チノ「ここあさん……」

 

ここあ「ちのちゃーん♪」ギュッ

 

チノ「久しぶりですね、元気でしたか?」

 

ここあ「うん!ちのちゃん……」スリスリ

 

チノ「……?ここあさん、腕、怪我したんですか?」

 

ここあ「――!うん……ころんだの」スッ

 

チノ「そうですか……気を付けないとダメですよ」

 

ここあ「えへへ……」ニコッ

 

チノ「ここあさん、今日はいい天気ですね」

 

チノ「良かったら、二人でどこか遊びに行きませんか?」

 

ここあ「……!おそと……?」

 

チノ「はい、この前ケーキを買いに行ったデパートまで散歩しませんか?ここあさんの好きなもの、なんでも買ってあげますよ」

 

ここあ「………………」

 

チノ「ここあさん……?」

 

ここあ「ちのちゃん……わたしといきたい?」

 

チノ「もちろんですよ、ここあさんといっしょに行きたいです」

 

ここあ「……そっか」

 

チノ「……ダメですか?」

 

ここあ「……ううん!わたしもちのちゃんといきたい!」

 

チノ「!」

 

ここあ「いっしょにおさんぽいこっ♪」

 

チノ「くすっ……はい、たくさん遊びましょうね」

 

ここあ「うん」ニコッ

 

ここあ「………………」

 

ここあ(りぜちゃん……ごめんね)

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

チノ「…………」

 

ここあ「♪~♪♪」

 

ここあ「こころぴょんぴょんまち♪かんがえるふりして――」

 

チノ「ここあさん」

 

ここあ「ん?」

 

チノ「……」キョロキョロ

 

ここあ「ちのちゃん?」

 

チノ「少し、内緒話ししてもいいですか?」

 

ここあ「ないしょばなし?わかった、しっーだね」

 

チノ「ありがとうございます」ナデナデ

 

チノ「……最近、リゼさんの様子が変だと思いませんか?」

 

ここあ「りぜちゃんが?」

 

チノ「ここあさんに対して、前以上に過保護になったといいますか……」

 

チノ「上手く表現できないんですが……その、見ていて異常なように感じて……」

 

ここあ「そんなことないよ?りぜちゃんはいつもやさしいもん」

 

チノ「もちろんそうですが……」

 

ここあ「…………」

 

チノ「なにか、変わったこととかありません?」

 

ここあ「だいじょうぶだよ」ニコッ

 

チノ「………………」

 

ここあ「りぜちゃん……ちのちゃんになにかしちゃった?」

 

チノ「いいえ、わたしには特に……」

 

ここあ「そっか……ちのちゃん?」

 

ここあ「りぜちゃんのこと、きらいにならないであげてね?」

 

チノ「……ここあさん」

 

チノ「大丈夫ですよ、リゼさんのこと絶対嫌いになったりしません」ナデナデ

 

チノ「だからここあさんも、何かあったらすぐに教えてくださいね」

 

ここあ「うん!」

 

チノ(ここあさんは何も変わっていない……やっぱりわたしたちの気のせいでしょうか……)

 

ここあ「ちのちゃん?」

 

チノ「――そろそろ3時ですね、帰りましょうか」

 

チノ(リゼさんが帰ってくる前に送り届けてあげないと)

 

ここあ「ちのちゃん、『て』つなごう?」

 

チノ「いいですよ」クスッ

 

ここあ「えへへ♪」ニヘラ

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

――天々座家――

 

ここあ「ただいま~!」ガチャッ

 

チノ「…―――!」

 

 

リゼ「…………」

 

 

チノ「リゼさん……!?」

 

リゼ「……チノだったのか、ここあを連れ出したのは」

 

チノ「あ…………」カタカタ

 

ここあ「りぜちゃん……」

 

リゼ「胸騒ぎがしたから急いで帰ってきてみれば……」

 

チノ「はうぅ…………」ガクガク

 

リゼ「――チノ?」

 

チノ「!」ビクッ

 

リゼ「千夜にも言ったが……連れ出すのなら連絡してくれ」

 

チノ「ご、ごめんなさい……」

 

リゼ「……ここあが世話になったな」

 

リゼ「ありがとう……戻ってくれていいぞ」

 

チノ「あ、あの……」

 

リゼ「……?」

 

チノ「……リゼさん……最近、なにか疲れていませんか?」

 

リゼ「………………」

 

チノ「もし何かありましたら、ここあさんのことやラビットハウスのことは引き受けますから……その……無理しないでくださいね?」

 

リゼ「……ああ、ありがとう」

 

チノ「では、また……」

 

ここあ「ちのちゃん」

 

チノ「?」

 

ここあ「きょうはありがとう」ニコッ

 

チノ「ここあさん……」

 

ここあ「……ごめんね」

 

チノ「え……」

 

リゼ「……」バタン

 

チノ「あ……」

 

 

リゼ「………………」

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「……また、約束を破ったな」

 

ここあ「……ごめんなさい」

 

リゼ「……こい」グイッ

 

ここあ「あっ……」

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

 

どうしてみんな、わたしからここあを奪う……?

 

 

 

どうしてみんな、邪魔をするんだ……。

 

 

 

わたしが不安に駆られるのが、そんなに楽しいか……?

 

 

 

ここあにとってふさわしい人間でいられないわたしを、嘲笑いたいのか。

 

 

 

ここあとわたしを、引き裂きたいのか。

 

 

 

……わたしのシアワセを、うばいたいのか。

 

 

 

…………………………。

 

 

 

……違うよな。

 

 

 

分かっていながら、また繰り返す。

 

 

 

意と反する矛盾した行動を、ただ永遠に。

 

 

 

――リゼの部屋――

 

パシン!

 

ここあ「きゃっ!」

 

ここあ「うぅ……」グスッ

 

リゼ「ここあ……」

 

リゼ「なんで……どうして…………」ハイライトオフ

 

リゼ「ここあ……どうしてわたしのものになってくれないんだ……」

 

ここあ「りぜちゃん……」ブルブル

 

リゼ「やっぱり消えないアザでも作らなきゃダメみたいだな」ググッ

 

ここあ「あぁっ゛!りぜちゃんやめて……いたい」ポロポロ

 

りぜ「ここあ……」ガリッ…ガリッ…

 

ここあ「いたいよぉ……!ごめんなさい、ごめんなさい……」ポロポロ

 

リゼ「わたしは愛してるんだ……この世で一番お前のことを……」

 

リゼ「なのに……なのにお前は……」

 

リゼ「……っ!」グググ

 

ここあ「りぜちゃん……ぅぇぁっ……!」

 

リゼ「ここあ……ここあ……!」

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

ここあ「りぜちゃん……?」ナデナデ

 

リゼ「グスッ……グスッ……」ポロポロ

 

ここあ「…………」ナデナデ

 

リゼ「ぅぐ……ひっく……」

 

ここあ「りぜちゃん、なかないで……?」

 

リゼ「ぇぅ……ぅっく……」ポロポロ

 

ここあ「よしよし……」

 

リゼ「ここあ……ごめん……」

 

リゼ「痛かったよな……ごめんな、ごめんな……」ポロポロ

 

ここあ「だいじょうぶ……だいじょうぶだよ」ナデナデ

 

リゼ「ここあぁ……うぅっうぇええぇ……」ポロポロ

 

ここあ「わたしがりぜちゃんのことひとりぼっちにしたから……」

 

リゼ「ひっく……ぇぅ……」ポロポロ

 

ここあ「ごめんね、もうはなれたりしないよ」

 

リゼ「ここあ……っ!」ギュッ

 

ここあ「…………」ナデナデ

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

――深夜 IN ベッド――

 

 

リゼ「……………………」

 

ここあ「りぜちゃん、ねるまえにえほんよんで?」

 

リゼ「ああ、いいぞ」

 

ここあ「やったぁ!えっとね、このまえかったこれがいい」

 

リゼ「………………」

 

リゼ「……ここあ?」

 

ここあ「ん?」

 

リゼ「絵本を読む前に大事な話がある……いいか?」

 

ここあ「だいじなおはなし?」

 

リゼ「ああ、ここに座ってくれ」

 

ここあ「りぜちゃんのおひざじゃだめ?」

 

リゼ「……ダメだ」

 

ここあ「」シュン

 

――ポスッ

 

ここあ「りぜちゃん、どうしたの?」

 

リゼ「……ここあ」

 

リゼ「…………っ」

 

ここあ「……?」

 

リゼ「…………」ウツムキ

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

リゼ「ここあ……」

 

 

 

リゼ「――明日から、ラビットハウスに戻ってくれ」

 

 

 

ここあ「……え」

 

リゼ「チノのところに戻ってくれ……千夜のところでもいい、シャロのところでもいい……わたしから離れてくれ」

 

ここあ「…………」

 

リゼ「…………」

 

ここあ「……どうして」

 

リゼ「………………」

 

ここあ「わたしのこと、きらいになっちゃった……?」

 

リゼ「…………」

 

ここあ「やくそくやぶったから……?」

 

リゼ「…………」

 

ここあ「グスッ……ごめんなさいりぜちゃん、もうしないから……」ウルウル

 

ここあ「だからきらいになっちゃやだ……」ジワッ

 

リゼ「違うんだ、ここあ」

 

リゼ「お前のことは好きだぞ……わたしもできれば、ずっといっしょにいたい」

 

リゼ「でも、もう無理なんだ……」グスッ

 

ここあ「……!」

 

リゼ「さっきみたいに、お前のことを叩いたり怒鳴ったりしてしまう……お前のことが、大切でたまらないのに……なのに……」

 

ここあ「………………」

 

リゼ「ごめんな、ここあ……千夜やみんなの言う通りなんだ」

 

 

 

リゼ「わたしは、狂ってるんだよ」

 

 

 

リゼ「これ以上お前といっしょにいたら、なにをしてしまうか分からない……」

 

リゼ「もうお前といっしょにいられない……これ以上お前のそばにいたら……」

 

ここあ「いやっ!」

 

リゼ「!」

 

ここあ「いや……いやだよ……!」フルフル

 

リゼ「ここあ……」

 

ここあ「……っ」ギュッ

 

ここあ「だいじょうぶ……わたし、へいきだから」

 

ここあ「だからどこにもいっちゃダメ……」グッ

 

ここあ「りぜちゃんとはなればなれになるの、いやだよ……」グスッ

 

リゼ「ここあ……」

 

リゼ「ありがとう……嬉しいぞ」

 

リゼ「でも、分かってくれ。わたしなんかといっしょにいたら、お前まで……」

 

ここあ「っ……!」フルフル

 

リゼ「……ここあ」

 

ここあ「ちがうよ……」

 

ここあ「りぜちゃんは、まえよりさみしがりやになっただけだもん……」グスッ

 

ここあ「あたたかいよ……やさしいよ」

 

ここあ「わたしのすきなりぜちゃんだよ……」ジワッ

 

ここあ「……くるってなんかないもん」ポロポロ

 

リゼ「……!」

 

ここあ「みんなりぜちゃんにひどいこといっちゃだめ……」ポロポロ

 

ここあ「りぜちゃんをなかせたら……だめ……」ポロポロ

 

ここあ「りぜちゃん……っ!」ギュッ

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

 

――狂うって……なんなんだ。

 

 

 

大多数の常識や、社会の枠組みから逸脱したら?

 

 

 

人知では図りえない感情を持ってしまったら?

 

 

 

もし偏狭な枠から一歩外に踏み込んだ人間が、狂気だとするのなら。

 

 

 

いま見ているのは、以前のわたしが見ていたのとは似ても似つかない世界なのか。

 

 

 

……でも。

 

 

 

それももはや、どうでもいいことだ。

 

 

 

目の前にいる小さなこの子は、わたしのとって何ら変わりの無い天使なのだから。

 

 

 

この子は、いまのわたしでも良いと言ってくれたのだ。

 

 

 

今のわたしを、好きだと言ってくれたのだ。

 

 

 

なら、もう……。

 

 

 

この子と離れるくらいなら……この子の気持ちを否定してあまつさえ、自分の気持ちを否定することでしか元に戻れないのなら。

 

 

 

正常な世界なんて、もう要らない。

 

 

 

わたしには、ここあだけがいればいい。

 

 

 

お前となら、今のままでも十分幸せでいられるのだから。

 

 

 

リゼ「……………………」

 

リゼ「……ここあ?」

 

ここあ「?」

 

リゼ「んっ……」

 

―チュッ

 

ここあ「!」

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「ありがとう……」ナデナデ

 

リゼ「お前がそういうなら、きっとそれが正しい……いや、真実なんだ」

 

リゼ「ここあ……」ギュッ

 

ここあ「りぜちゃん……あったかい……」

 

リゼ「ごめんな……わたしはもう、絶対にお前を諦めたりしない」

 

リゼ「誰に何を言われようと、お前の側にいる……」

 

リゼ「お前の気持ちを、言葉を否定しようとするものは、わたしが全部失くしてやる……」

 

リゼ「例えどれだけ自分を嫌いになったとしても、お前がわたしのことを好きだと言ってくれるなら……お前が、わたしを必要としてくれるなら……」スッ

 

ここあ「……りぜちゃん」

 

 

 

リゼ「――たとえ誰をころしても……お前をころしてしまったとしても。ここあが望んでくれるなら、永遠に、ずっと、一緒にいたい」

 

 

 

ここあ「…………」

 

リゼ「…………」

 

ここあ「……うそじゃない?ほんと……?」

 

リゼ「ああ」

 

ここあ「……っ」ギュッ

 

ここあ「よかった……」

 

ここあ「一緒にいてもいいんだね……」

 

 

ここあ「いくらりぜちゃんにたたかれても……わたし、どこにもいかなくていいんだね」

 

 

リゼ「ああ……」

 

ここあ「りぜちゃん、すき……だいすき」スリスリ

 

ここあ「なにをされてもずっと、りぜちゃんのことがいちばんすきだよ……」

 

リゼ「ふふっ……ここあ……」

 

リゼ「わたしもだ……すきだ、だいすきだ……」

 

リゼ「あははっ……あったかいな……お前は」

 

リゼ「もう、何も要らない……」

 

リゼ「お前のぬくもりさえあればいい……」ギュッ

 

リゼ「ここあ……」

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「もうわたしは、大丈夫だからな」ニコッ

 

 ………………。
…………。
……。

続編:『ごちうさSS ヤンデレリゼとここあ 3話:『迷愛』』

感想

  1. いつも楽しく見てます より:

    ここあ「ここあ……」スリスリ

    リゼ「りぜちゃんくすぐったいよぉ」キャッキャッ

    逆では?狂っていることを表す表現だったらすみません。

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      ご指摘ありがとうございます、直ちに修正いたしました。
      これはいけませんね、気を付けなければ……。

  2. Beyond the Average より:

    えぇっ!これでリゼはチノにここあを預ける決心をし……かけたところでリゼはここあと「二人きりになる」選択をしてしまった!なぜ、そうなる…!これでは3話がどうなるのやら…。
    私は千夜のおかげでここまで読めました。千夜のセリフの「愛情と憎悪は紙一重」はわかる気がします。愛情には『ワレモノ危険』のラベルが似合うと私は思う、と言えば良いでしょうか。好きな人がいるときに、その人が自分でない人と笑っているのを見ると心がズキズキしたのは事実です…。(私に恋人経験などありませんがね!)

    • 砂水クジラ 砂水クジラ より:

      愛情というのは、憎しみと同一の『相手を想う』という感情なのです。
      故にこの感情に少しでも歪みが生じると、憎しみは愛情に、愛情は憎しみに変わってしまいます。
      リゼちゃんのここあちゃんに対する『愛情』は紛れもなく本物で、それ故に自分の意志にそぐわないここあちゃんに暴力を振るってしまうのでしょう。

      Beyondさんのおっしゃっているのは恐らく「嫉妬」ですね。

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