ラブライブ SS 海未「引きこもりになった穂乃果をお世話します」

5ybh5

 

シリアスです。また、全ては管理人の想像でありフィクションです。

以上のことを踏まえ、以下のストーリーをご覧ください。

 

 

――穂むら――

 

海未「こんにちは」

 

雪穂「あっ、海未さん。いらっしゃいませ」

 

海未「雪穂はまた店番ですか、休日なのに大変ですね」

 

雪穂「いえそんな……海未さんこそ、毎日大変ですよね……」

 

海未「私が会いたいから来ているだけですよ」

 

雪穂「迷惑かけてすいません……」

 

海未「気にしないでください。ところでどうですか、様子は……」

 

雪穂「相変わらずです。わたしとは笑顔で話してくれるんですが、核心的な話しは何も……」

 

海未「そうですか……」

 

雪穂「ごめんなさい、私も聞くのが怖くて……」

 

海未「そんな顔しないでください……私も同じですよ。もし傷口を広げてしまったらと思うと、なかなか踏み込めないですよね」

 

雪穂「……………………」ウツムキ

 

海未「……あがっても、いいですか?」

 

雪穂「あっ、どうぞ……」

 

海未「お邪魔します」

 

雪穂「……お姉ちゃんのこと、よろしくお願いします」ペコリ

 

海未「ええ」ニコッ

 

 

海未「……………………」

 

海未「穂乃果?」トントン

 

穂乃果「!」ビクッ

 

海未「わたしです、開けてもいいですか?」

 

穂乃果「海未ちゃん……」ホッ

 

穂乃果「いいよ」

 

海未「お邪魔します」ガチャッ

 

海未「穂乃果……元気そうですね」

 

穂乃果「う、うん、体調はバッチリだよ」

 

海未「そうですか、生活リズムは崩さないように気を付けてくださいね」

 

穂乃果「うん…………」

 

海未「あっ、それと今日はことりは来れません。学校で保険委員の仕事があるそうです。穂乃果に『ごめんね』と言ってました」

 

穂乃果「そんな……謝るのは穂乃果の方なのに……」

 

穂乃果「……海未ちゃんも、ごめんね……毎日……」

 

海未「私が勝手にやっているだけですよ、穂乃果は何も気にしなくていいんです」

 

穂乃果「……うん………………」ウツムキ

 

海未「……これ、余計かもしれませんが、学校のプリントです」

 

穂乃果「!…………」ブルブル

 

海未「あっ、すいません!……不躾でしたね」

 

穂乃果「う、ううん……ありがとう」

 

海未「……………………」

 

穂乃果「……………………」

 

穂乃果「」ジワッ

 

海未「!ほ、穂乃果…………」

 

穂乃果「海未ちゃん……ごめんね……」

 

穂乃果「ごめんなさい……ごめんなさい…………」ポロポロ

 

海未「どうして謝るんです、穂乃果は何も悪いことなんてしてないじゃないですか」ギュッ

 

穂乃果「でも……こうして引き籠って…………海未ちゃんやことりちゃん、雪穂、みんなに迷惑かけて……」ポロポロ

 

海未「なにを言ってるんですか、迷惑なんて何もかけてないです」

 

海未「ことりも雪穂も、あなたが大切だからこそ、今自分のできる精一杯をやっているだけです……」

 

海未「それに…………」ナデナデ

 

 

穂乃果「……?」

 

海未「誰だってそういう時、ありますよ」

 

海未「穂乃果が一体何をトラウマに怯えているのか、私には憶測でしか見当がつきませんが……それはきっと誰もがぶつかる障壁です」

 

海未「理由もないことで嫌な目に遭うと、いったい誰を責めていいのか分からなくなりますよね」

 

海未「どうして自分だけがこんな目に遭うのか、誰も答えてくれなくて……」

 

穂乃果「……海未ちゃん」

 

海未「私もあなたやことりに出会う前、そんな経験をしました」

 

海未「自分だけが味方で……孤独で…………この世の理不尽に押しつぶされそうになるんです」

 

海未「……穂乃果、あなたはちっともおかしい事なんてしてませんよ」

 

海未「答えが出なくて当然です……あなたは何も悪くないのですから」ギュッ

 

穂乃果「―――-!」

 

穂乃果「……ううっ、うえぇえ……!」ポロポロ

 

穂乃果「海未ちゃん……海未ちゃん……!」ギュッ

 

海未「よしよし……辛いですね」ナデナデ

 

海未「いいんですよこのままで……あなたが黒に染まらなくても……」

 

海未「白が黒に染まる理由なんて、この世にないです……」

 

海未「また傷が癒えたら、一緒に歩き出しましょう……」

 

海未「今度はあなたにとって、学校が心の拠り所になるといいですね……」

 

 

 

海未「穂乃果……また来ますから」

 

穂乃果「うん……海未ちゃん、大好きだよ」

 

海未「ふふっ……失礼します」

 

ガチャッ

 

 

海未「ふぅ………………」

 

海未「雪穂、ありがとうございます」

 

雪穂「あの……どうでしたか?」

 

海未「まだ時間がかかるようです、ゆっくり見守りましょう」

 

雪穂「そうですか…………」

 

海未「それでは雪穂、後はよろしくお願いします」

 

雪穂「…………あの、海未さん?」

 

海未「?」

 

雪穂「お姉ちゃんのこと……見捨てないであげてください……」ペコリ

 

海未「………………」クスッ

 

海未「心配無用ですよ」ナデナデ

 

海未「例え誰が見放しても、私とことりは穂乃果の味方です」ニコッ

 

 

――――――――――――――――――――

 

――公園――

 

ことうみ「……………………」

 

海未「あれから、もう2年ですか……月日が経つのは早いですね」

 

ことり「うん……でも結局あの時、私たち何もできなかったね」

 

海未「そうですね…………人の心を癒せる方法があるのなら、教えてほしいくらいです……」

 

ことり「……でも海未ちゃんは、穂乃果ちゃんのためにやれることは精一杯やってたよ」

 

海未「それを言うならことりもですよ……あの時ことりが背中を押してくれなければ、きっと私は穂乃果を音ノ木坂に誘ってあげられなかったでしょう……」

 

ことり「……みんなで一緒に行きたかったから……高校」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

ことり「穂乃果ちゃん、こんにちは」

 

海未「失礼します」

 

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん!」

 

ことり「穂乃果ちゃん会いたかったよー」ギュッ

 

穂乃果「えへへ、穂乃果も~」ギュッ

 

海未「穂乃果、ことり、今日はお遊びをしてる暇はないですよ」

 

ことり「あっ、そうだったね」

 

穂乃果「…………?」

 

海未「……穂乃果」

 

海未「穂乃果は中学を卒業した後、どうするつもりですか?」

 

穂乃果「!」

 

穂乃果「……………………」ウツムキ

 

ことり「穂乃果ちゃん……良かったら、ことりたちと一緒に高校行かない?」

 

穂乃果「ことりちゃんたちと…………」

 

穂乃果「…………でも……」ビクビク

 

海未「音ノ木坂、聞いたことありませんか?」

 

穂乃果「音ノ木坂って……お母さんは通ってたっていう――」

 

海未「ええ、ことりが資料を持ってきてくれました」

 

ことり「今はもうUTXに押されてあまり人気が無いけど、古くからある校風も良い学校だよ」スッ

 

穂乃果「……………………」ペラッ

 

海未「女子高で、今は2クラス程度しか無いようですし」

 

ことり「クラスの皆はほとんどUTXとか他の学校に進学するみたいだし、人間関係も新たにリセットできると思うの」

 

穂乃果「…………これが、お母さんの通っていた学校……」

 

穂乃果「……学校………………」ブルブル

 

海未「………………」

 

ことり「……穂乃果ちゃん」

 

ギュッ

 

穂乃果「海未ちゃん……ことりちゃん…………?」

 

海未「大丈夫です……今度は絶対守ります」

 

ことり「もう穂乃果ちゃんを嫌な目に遭わせたりしない……ずっと側にいる……だから」

 

ことうみ「穂乃果(ちゃん)と一緒に、学校行きたいです……」

 

穂乃果「………………!」ジワッ

 

穂乃果「……うん…………!」グスッ

 

穂乃果「穂乃果も……海未ちゃんとことりちゃんと、一緒に学校行きたい……!」ポロポロ

 

海未「決まりですね」ニコッ

 

ことり「みんなで受験、頑張ろうね」ニコッ

 

海未「それにはまず勉強です、今日からビシバシ行きますよ」

 

穂乃果「……うん♪」ゴシゴシ

 

 

――数か月後――

 

海未「……いよいよですね」

 

ことり「ここを一歩踏み出せば、晴れて高校生だね」

 

穂乃果「……………………」オドオド

 

海未「穂乃果……?」

 

穂乃果「……わたし、大丈夫かな…………上手くやれるかな……」

 

ギュッ

 

穂乃果「!……ことりちゃん…………」

 

ことり「大丈夫、わたしたちがついてるよ」ニコッ

 

ギュッ

 

海未「大丈夫です……きっと楽しい学園生活が、あなたを待っています」ニコッ

 

穂乃果「海未ちゃん……ことりちゃん…………うん!」

 

穂乃果「それじゃあいくよ…………せーの――」

 

スタッ

 

穂乃果「えへへ…………♪」

 

ことり「穂乃果ちゃん……♪」

 

海未「ようこそ、音ノ木坂へ♪」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

海未「あの時、音ノ木坂を選んで正解でしたね」

 

ことり「うん……この2年で穂乃果ちゃんも元に戻ったし、後は――」

 

穂乃果「海未ちゃーん、ことりちゃーん!」

 

ことうみ「!」

 

凛「やっと見つけたにゃ」

 

希「ふふっ、やっぱりウチの占いは百発百中やね」

 

海未「みんな……どうしてここに」

 

絵里「どうしてって……」キョトン

 

にこ「あんたたち忘れたの?今日はみんなで晩御飯食べに行くって約束でしょ」

 

ことり「あっ…………!」

 

真姫「なのに部室に戻ったら先に帰っちゃってるんだもの」

 

花陽「だからみんなで探してたんだ」

 

海未「もうしわけありません、ついうっかり……」

 

穂乃果「ううん、いいよ。それより早く行こう♪」スッ

 

ことうみ「………………」クスッ

 

海未「ええ」スッ

 

ことり「みんなごめんね、ありがとう」スッ

 

穂乃果「よーし、いっくよー!」タッタッタ

 

海未(……なんだか、不思議ですね)

 

ことり(穂乃果ちゃんの手を引いて入ったはずなのに……今じゃあ穂乃果ちゃんに手を引かれて、前に進んでる……)

 

海未「……後は――」

 

ことり「この大切な場所を、みんなで守らないとね」

 

海未「……穂乃果?」

 

穂乃果「んっ?」

 

海未「μ’s活動……これからも頑張りましょうね」

 

穂乃果「もちろんだよ、音ノ木坂を絶対廃校になんてさせない!」

 

穂乃果「叶え、私たちの夢!」

 

――おしまい。

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