ラブライブ SS 穂乃果「ことり塾再び!地獄の高速回転グルグル練習」

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――西木野家別荘 ビーチ――

 

海未「みんな集まりましたね」

 

穂乃果「今日はここで特訓?なんだか楽しそうだね」

 

凛「みんなでビーチバレーしたいにゃ」

 

絵里「ビーチバレー……ハラショー……!」キラキラ

 

真姫「今日はダンスの特訓でしょ、遊びに来たんじゃないんだから」

 

花陽「あはは……ビーチバレーは練習が終わってからにしよっか」

 

にこ「肌が焼けるわ……何もこんな炎天下の中練習しなくても……」

 

希「あれ、そういえばことりちゃんがおらんね?」

 

海未「もうすぐ来るかと思います」

 

ことり「みんなお待たせー、準備できたよ」

 

μ’s「準備?」

 

海未「ことり、お疲れ様です」

 

海未「突然ですが、今日の練習はことりに指揮を取ってもらいます」

 

穂乃果「ことりちゃんが?」

 

海未「とは言っても、ことりも特訓に参加しますので、基本的にはわたしのサポートをお願いする形ですが」

 

凛「じゃあいつも通り8人で練習だね」

 

にこ「それで、今日のメニューは?」

 

ことり「うん、その名も『高速回転グルグル練習』だよ」

 

のぞえり「グルグル練習?」

 

海未「ええ、端的にルールを説明します」

 

海未「あちらに2台の機械が見えますね?あれに座ると座椅子が高速で回転し始めます」

 

海未「グループを二つに分け、お互いに50回転した後、30メートル走ってあのフラッグを先に取ればクリアです」

 

真姫「三半規管がマヒした状態でいかに早く走れるかってことね」

 

花陽「確かに激しい動きをするダンスでは重要かも」

 

穂乃果「すごい、さすがはことりちゃんだよ!」

 

ことり「」ニコッ

 

ことり「それじゃあチーム分けするから、目印としてこのリストバンドを付けてね」

 

海未「それぞれ名前が書いてありますから、付けたら取れないようにロックボタンを押してください」

 

凛「かよちんは青なんだ」

 

花陽「凛ちゃんは赤だから敵同士だね」

 

凛「よーし、勝負にゃ!」

 

海未「あっ、言い忘れていました」

 

海未「なお、取れなかったメンバーにはラブアローシュートの刑が待っていますのであしからず」

 

μ’s「ええっ!?」

 

ことり「ペナルティーがあったほうが早く上達すると思って」

 

真姫「そんなの聞いてないわよ!」

 

にこ「怪我したらどうするのよ、ダメに決まって――」

 

海未「」ポチッ

 

にこ「くぎゃっ!」ビリッ

 

希「にこっち!?」

 

絵里「にこ、大丈夫!?」

 

海未「もう一つ言い忘れていました……」

 

海未「指示に従わなかった場合、リストバンドから電流を流すので注意してください」

 

海未「真面目にさえやっていれば大丈夫ですので」ニコッ

 

μ’s「」ブルブル

 

ことり「ところで真姫ちゃん、さっき何か言った?」

 

真姫「な、なんでもないわ……」ガクガク

 

海未「異論はないですね、それでは開始しましょう」

 

μ’s「……………………」

 

 

穂乃果・にこ・凛・希 『赤』

絵里・真姫・花陽・ことり 『青』

 

 

先鋒 穂乃果VS絵里

 

穂乃果「相手は絵里ちゃんか。負けないよ!」

 

絵里「目が回るってどんな感じなのかしら」ワクワク

 

 

凛「穂乃果ちゃん頑張れー!」

 

希「えりち大丈夫かな……」

 

にこ「あれ、完全にポンコツ形態ね」

 

 

海未「それでは始めます……高速回転グルグルマシーン」

 

ことり「スタート!」

 

クルクルクルクル グルグルグルグル!

 

穂乃果「うひゃあ!」

 

絵里「ハラショー、景色が回転してるわ!」

 

海未「47、48、49、50、ストップ!」

 

ピタッ

 

 

真姫「エリー急いで!」

 

花陽「絵里ちゃん、もう止まってるよ!」

 

 

絵里「あれぇ、なんだか目の前がおかしいわ……」ヘロヘロ

 

穂乃果「うぅ、世界が反転してるよぉ……」ヨタヨタ

 

 

にこ「穂乃果、走りなさい!」

 

凛「ダッシュにゃ!」

 

 

穂乃果「よーし!」フラフラ

 

 

真姫「そのまままっすぐ行けばフラッグよ!」

 

花陽「絵里ちゃん頑張って!」

 

 

絵里「このまままっすぐね、旗はもらったわ!」キリッ

 

絵里「ふっ!」タッタッタ

 

 

真姫「エリー!?そっちは――」

 

絵里「――ぐぴゃっ!?」ドカン!

 

花陽「絵里ちゃん!?」

 

絵里「木にぶつかったわ……なんでぇ……」ヘロヘロ

 

絵里「うっ」バタン

 

 

穂乃果「取れた!取ったよ!」

 

海未「終了です!」ピピーッ

 

ことり「先鋒、勝者は穂乃果ちゃん!」

 

 

凛「いえーい!」パチパチ

 

にこ「よくやったわ穂乃果!」パチパチ

 

 

海未「本来ならば罰ゲームですが、絵里は途中リタイアということで大目にみましょう」

 

ことり「さぁ、次の対戦だよ」

 

絵里「ハラァーショー……」グルグル

 

 

次鋒 にこVS真姫

 

穂乃果「にこちゃんファイトだよ!」

 

凛「真姫ちゃんなんてやっつけるにゃー!」

 

 

にこ「やっつけるって……喧嘩じゃないんだから」

 

 

花陽「真姫ちゃん、頼りにしてるよ」

 

 

真姫「ふふん、任せなさい」

 

 

海未「高速回転グルグルマシーン、スタート!」

 

クルクルクルクル グルグルグルグル!

 

にこ「うぅ、思ってたよりきつい……!」

 

真姫(遠くの一点だけを……あの木がいいわね)

 

海未「50!ストップ!」

 

 

にこ「こ、これは……やばいわね……」フラフラ

 

真姫「くっ……でも、大丈夫…………」タッタッタ

 

 

穂乃果「にこちゃん、旗はこっちだよ!」

 

花陽「真姫ちゃん……すごい速さ……!」

 

 

真姫「取ったわ!」

 

 

ことり「そこまでっ!」ピピーッ

 

海未「ふむ、さすがは真姫です。三半規管のコントロールを心得ていますね」

 

ことり「12秒!新記録達成だよ」

 

海未「ということで、負けたにこには罰ゲームを受けてもらいましょう」

 

にこ「ちょっと待って!せめて目が治ってから――」

 

海未「問答無用です!ラブアローシュート!」

 

にこ「ぐぎゃっ!」

 

希「にこっち!」

 

にこ「な、なんでにこだけこんな目に……」ドタッ

 

 

ことり「にこちゃんと絵里ちゃん、脱落だね」

 

海未「さて、次に行きましょう」ニコッ

 

μ’s「」ブルブル

 

 

副将 凛VS花陽

 

海未「次は凛と花陽ですね」

 

花陽「凛ちゃん、勝負だよ!」

 

凛「望むところにゃ!」

 

海未「それではいきます……スタート!」

 

クルクルクルクル グルグルグルグル!

 

 

凛「目が回るーっ!」

 

花陽「ダレカタスケテーっ!」

 

 

海未「50!ストップ!」

 

 

凛「にゃあ……目がクルクルしてる……」フラフラ

 

希「凛ちゃん、なるべく右向きに歩くのがいいかも!」

 

穂乃果「凛ちゃんファイトだよ、落ち着いてゆっくり!」

 

 

真姫「花陽、遠くの一点を見るのよ!」

 

花陽「うぅ、やっぱりだめかも……」フラフラ

 

 

凛「取ったよ!」

 

ことり「勝者、凛ちゃん!」

 

海未「花陽、悪く思わないでください。ラブアローシュート!」

 

花陽「」ドタッ

 

真姫「花陽っ!」

 

花陽「えへへ……お米がたくさん…………うっ」ガクッ

 

凛(かよちん……ごめんね)

 

 

 

海未「次はいよいよことりの出番ですね」

 

ことり「この試合に勝てば同点で引き分けにできるね」

 

真姫「ことり、後は頼んだわよ」

 

 

希「ウチ、こういうのは苦手やけど一応頑張ってくるよ」

 

穂乃果「希ちゃん、機械が止まったら右側に全力で走るにゃ」

 

穂乃果「転ばないように気を付けてね」

 

 

海未「やはり希はこういうのは苦手でしたか……そう思って、ハンディキャップを用意しました」バサッ

 

穂乃果「これは……?」

 

海未「ええ、3倍速高速回転マシーンです」

 

海未「ことりにはこれで80回転した後、フラッグに挑んでもらいます」

 

凛「ええっ!そんなの不利すぎるよ!」

 

真姫「3倍速って……目に見えるのかしら」

 

希「ことりちゃん、別にウチは負けてもいいからハンディは――」

 

ことり「大丈夫、正々堂々と勝負だよ」ニコッ

 

 

『真っ向勝負のために自ら枷を背負う勇敢なことり』

 

 

海未「希、気にしなくともことりなら大丈夫です」

 

海未「さぁ、最終勝負に行きましょう」

 

 

大将 希VSことり

 

海未「それではいきます……用意はいいですか?」

 

ことり「うん……いいよ」ゴクリ

 

穂乃果(3倍速……いったいどんなスピードで……!?)

 

海未「それでは……スタート!」

 

クルクルクルクル グルグルグルグル!

 

希「や、やっぱりきつい……っ!」

 

凛(ことりちゃんは……!?)

 

ことり「………………」ピタッ

 

ほのまきりん「」

 

『高速で動いているせいか、止まっているように見えることり』

 

海未「50回転!80回転!」

 

 

希「うぅ……くらくらする……」

 

ことり「フラッグ、あれだね!」タッタッタ

 

ほのまきりん「……………………」

 

ことり「取ったよ!」

 

海未「そこまで!勝者ことり!」

 

ことり「やったよ!」

 

海未「希には罰ゲームです、ふっ!」ラブアローシュート!

 

希「くぎゃっ!」ドタッ

 

 

海未「さすがはことりですね、三半規管にまったくダメージが無いとは」

 

ことり「前日に練習した成果が出たのかな」

 

 

『努力を怠らなかった結果』

 

 

ほのまきりん「……………………」

 

穂乃果「さ、さっきの……止まって……」

 

海未「」ポチッ

 

穂乃果「きゃっ!」ビリッ

 

海未「穂乃果、何か言いましたか?」ニコッ

 

穂乃果「……なんでも、ないです」ガクガク

 

凛「」ブルブル

 

真姫「………………」ウツムキ

 

海未「ということで、今回の練習は引き分けですね」

 

ことり「まぁ、最初から勝ち負けはどうでもよかったけど♪」

 

海未「くっ…………!」(笑)

 

ほのまきりん「えっ…………」

 

海未「さぁ、今からは自由時間です」

 

ことり「ことりと海未ちゃんは後片付けがあるから、またあとでね」

 

海未「それでは失礼します」

 

 

ほのまきりん「……………………」

 

穂乃果「……砂遊びでも、しよっか…………」

 

凛「うん……お城でも作ろう……」

 

真姫「その前に、みんなを運ばないとね……」

 

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