ラブライブ SS 穂乃果「どうしてこんな事……」グスッ

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教師「連絡事項は以上です。誰か、他に連絡はありませんか?」

 

穂乃果「はいはい!」ビシッ

 

教師「高坂さん?」

 

海未「……穂乃果、まさかここで発表するつもりですか?」コソッ

 

ことり「掲示板にもポスター貼ったし、もういいんじゃないかな?」ヒソヒソ

 

穂乃果「こういうのって直接伝えるほうが絶対効果あるよ、任せて!」

 

タッタッタ

 

クラスメイト ザワザワ

 

穂乃果「スクールアイドル活動、μ’sの報告です」

 

穂乃果「来週の土曜日……秋葉原での路上ライブが決まりました!」

 

オオーッ! ガヤガヤ

 

穂乃果「見学無料だからみんな絶対来てね!穂乃果たち、頑張るから!」

 

ヒデコ「いいぞ穂乃果ー!」

 

フミコ「絶対応援行くからね」

 

ミカ「またドローンの出番かな」

 

パチパチパチパチ!

 

穂乃果「えへへ、みんなありがとう!」

 

女子A「…………」チッ

 

女子B(なにあれ、ウザッ……)

 

女子C「…………」ニヤッ

 

女子C「ねぇ……わたし良いこと思いついたんだけど」

 

 

―――――――――――――――――――――

 

海未「まったく、穂乃果はいつも唐突過ぎます」

 

ことり「まぁ海未ちゃん、上手くいったから」

 

穂乃果「これでまた音ノ木坂廃校阻止に一歩近づいたね」フンス

 

ことり「今日は練習も無いし、帰りにみんなでどこか寄ろっか?」

 

穂乃果「よーし、下見ついでに秋葉原に行こう!」

 

海未「どうせクレープ目当てでしょう?はぁ……」

 

女子A「――高坂さん」

 

穂乃果「!あっ、クラスメイトの……!」

 

女子B「スクールアイドルの活動すごいね、秋葉原進出おめでとう」

 

穂乃果「ありがとう、みんなも来てくれるの?」

 

女子C「もちろん行くよ、大切なクラスメイトの晴れ舞台だもん」

 

女子A「それでさ……わたしたち、スクールアイドルのこととかいまいち知らなくて」

 

女子B「良かったら高坂さんに教えて欲しいなって」

 

女子C「今日はわたしたちと一緒に帰らない?」

 

穂乃果「うん、いいよ!でもそれなら海未ちゃんとことりちゃんも――」

 

海未「いえ、穂乃果が一人で説明してあげたほうが分かりやすいでしょう」

 

ことり「わたしたちは先に帰ってるね?」

 

穂乃果「そっか、わかった。じゃあまた明日」

 

女子ABC「」ニヤッ

 

 

――空き教室――

 

穂乃果「帰らないの?」キョトン

 

女子A「……とりあえず入って」

 

穂乃果「うん」

 

穂乃果(ここ、空き教室だよね?なにかあるのかな)

 

ガチャッ……

 

穂乃果「あれ……どうして鍵を?」

 

 

女子A「それはね……こうするためよ!」バシッ!

 

穂乃果「きゃっ!」ドタッ

 

穂乃果「いたっ……えっ」ヒリヒリ

 

女子A「あんたさぁ、最近調子に乗りすぎなんだよね」

 

穂乃果「!」

 

女子B・C「」クスクス

 

女子A「さっきのホームルームもなにあれ、人気集めのつもり?」

 

穂乃果「そんなつもり……穂乃果はただ――」

 

女子B「口答えすんじゃねぇよ!」ドカン!

 

穂乃果「かはっ……!」

 

女子C「噂で聞いたけど、こいつ音ノ木坂を救いたいとかほざいてるらしいよ」

 

女子A「ヒロイン気取りでずいぶんいい気なもんよね……ふんっ!」バシン!

 

穂乃果「あ゛ぅ!」

 

女子B「顔はダメだって~こういうときは背中とかやんのよ」ドカッ!

 

穂乃果「いっ!」

 

女子C「じゃああたしお腹~」ボスッ!

 

穂乃果「やめて……お願い……」グスッ

 

女子A「泣き顔もムカつくんだよ!」カミノケガシッ

 

穂乃果「ああ゛っ!」

 

 

……

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

穂乃果「げほっ!ごふっ!」プルプル……

 

穂乃果「はぁ…………はぁ…………」ポロポロ

 

女子C「あはは、こいつ泣いてんよ?」

 

女子B「ぎゃはは、マジ受ける~!」

 

女子A「これに懲りて二度とスクールアイドルの話題とか教室に持ってくんなよ」

 

女子C「ちょっと可愛いからって調子に乗ってるからそうなんのよ」

 

女子B「どうせあんたらアイドルとかいって男共にチヤホヤされたいだけでしょ、ああやだやだ」

 

穂乃果「……違う」

 

女子A「あっ?」

 

穂乃果「穂乃果たちは……μ’sはそんなことのために頑張ってるんじゃない……」

 

穂乃果「音ノ木坂を守りたい、自分を変えたい、夢をかなえたい……みんなそれぞれ自分の目標のために頑張ってるんだよ!」

 

穂乃果「そんなことも知らないで、分かったようなこと言わないで!」

 

女子B「ねぇA、こいつまだ反省が足りないんじゃない?」

 

女子A「ふーん……せっかく許してやろうと思ったのに、やーめた」

 

スッ スマホ

 

女子A「二人とも……そいつの服脱がせて」

 

穂乃果「!」

 

女子B「あいよ~」

 

穂乃果「いやっ!やめて!」

 

女子C「ほらっ!暴れんな!」バシン!

 

ビリビリ!

 

女子A「よーし、押さえといて……」

 

パシャッ!

 

女子A「さて、おしおきも終わったし帰ろっか」

 

女子B「誰かにチクッたりしたら……どうなるかわかってるよね?」

 

女子C「お前の写真学校中にばら撒くかんね」

 

女子ABC「キャハハハハハ!」

 

ガチャッ バタン!

 

穂乃果「……………………」

 

穂乃果「……なんで」ウルッ

 

穂乃果「どうしてこんな事……」グスッ

 

穂乃果「っく……うぅ…………」ポロポロ

 

 

――後日――

 

穂乃果(あの後、家に帰ったらお母さんや雪穂に何があったのか散々問い詰められた)

 

穂乃果(服があんなにボロボロだったんだもん、当然だよね……でも、ほんとのことは言えなかった)

 

穂乃果(だって……ほんとのことを言ったりしたら――)

 

ことり「――かちゃん、穂乃果ちゃん」

 

穂乃果「!……ことりちゃん」ホッ

 

海未「どうしたんです、今朝からぼっとして」

 

穂乃果「あはは……ちょっと寝不足で」

 

海未「また夜更かしですか?まったく」

 

ことり「一緒にお弁当食べよっ」

 

穂乃果「うん……」

 

 

??「――ねーぇ、穂乃果ちゃん」

 

穂乃果「!」

 

女子A「ふふっ……昨日は色々と教えてくれてありがとう」

 

穂乃果「ぁ…………」ブルブル

 

女子B「良かったら外で一緒に食べない?」

 

女子C「穂乃果ちゃんともっと仲良くなりたいの」ニコッ

 

穂乃果「……うん…………でも、今日は――」

 

海未「いいじゃないですか、わたし達に気を遣わず行ってきてください」

 

ことり「たまにはお外で食べるのも楽しいと思うよ」

 

穂乃果「!」

 

女子A「決まりね」ニヤリ

 

女子A「それじゃあ穂乃果ちゃん……行きましょう」

 

穂乃果「…………うん」

 

 

―――――――――――――――――――

 

女子A「ふんっ!」ドカン!

 

穂乃果「かはぁ……!」ドサッ

 

女子A「わたしたちが来いっていやぁすぐに来ればいいのよ」

 

女子B「余計な手間かけさせないでくれる?」

 

女子C「あれ……ばら撒くよ?」

 

穂乃果「ごめんなさい……ごめんなさい……」ガクガク

 

女子A「あーあ、おかげで喉渇いちゃった」

 

女子A「コーラ買ってきて、5分以内に」

 

穂乃果「えっ……でも、ここからだと5分じゃ――」

 

女子B「口答えしてもいいのかしら?」

 

女子C「痛い目見る前に早く言ったほうがいいんじゃない?」

 

穂乃果「…………」グスッ

 

 

花陽(あれ?あそこにいるのは……穂乃果ちゃん?)

 

花陽(お友達かな……穂乃果ちゃんは人気者だなぁ)

 

 

穂乃果「」タッタッタ

 

花陽(あっ、こっちに走ってきた)

 

花陽「穂乃果ちゃん、こんにち――――」

 

穂乃果「」タッタッタ

 

花陽「……行っちゃった」

 

花陽(……なんだか穂乃果ちゃん、元気が無かったような……)

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

穂乃果「おまたせ……」ハァハァ

 

女子A「遅いっての、何分待たせんのよ」

 

穂乃果「ごめん……はい、これ……」

 

女子A「はぁ?これコカ・コーラじゃない、コーラつったらペプシネックスのことに決まってるでしょうが」

 

女子B「ほんと使えね~」

 

女子C「ほら、もう一回買いなおして来いよ」

 

穂乃果「……でも、もうお昼休みが…………」

 

女子A「あーあ、パシリもろくにできないなんて……」カパッ

 

女子A「せっかくだからこのコーラ、あんたにあげるわ」

 

バシャ

 

穂乃果「きゃっ……!」

 

女子B・C「」クスクス

 

女子A「ちゃんと拭いてから教室戻れよ」

 

女子B「じゃあね、穂乃果ちゃん」

 

女子C「ちょっとやりすぎじゃね?」キャハハ

 

穂乃果「………………」ポタポタ

 

穂乃果「ううっ……うえぇ…………」ポロポロ

 

 

花陽(…………!)

 

花陽(ど、どうしよう!これって絶対あれだよね……!)

 

花陽(凛ちゃん……いや、希ちゃんに!)

 

花陽(早く誰かに相談しないと……!)

 

花陽「」タッタッタ

 

 

――放課後――

 

穂乃果(結局、午後の授業は遅刻しちゃった……)シュン

 

穂乃果(海未ちゃんは変に思ってた……当然だよね)

 

穂乃果(でも……相談したりしたら、穂乃果はもう……)

 

穂乃果「…………」グスッ

 

ブシツマエ

 

穂乃果「……っく」グシグシ

 

穂乃果「」スーハー

 

ガチャッ

 

穂乃果「みんなお待たせ!今日も一日頑張ろう――――」

 

μ’s「………………」

 

穂乃果「あ、あれ……みんな、どうしたの?」

 

にこ「……穂乃果、とりあえず座って?」

 

穂乃果「う、うん……」スッ

 

希「あのね……穂乃果ちゃん」

 

絵里「言いづらいんだけど……その」

 

真姫「……同級生にいじめられてるって、ほんと?」

 

穂乃果「!」

 

にこ「……その顔だと図星ね」

 

穂乃果「っ……な、なんのことかな?」

 

花陽「穂乃果ちゃん……」グスッ

 

真姫「どうして……どうしてわたしたちを頼ってくれないの?」ジワッ

 

絵里「穂乃果、正直に話して……きっと力になれるから」

 

穂乃果「……………………」ウツムキ

 

希「穂乃果ちゃん……μ’sはみんな穂乃果ちゃんの味方やで?」

 

穂乃果「……そんなの、わかってるよ…………」プルプル

 

にこ「…………穂乃果、まさかと思うけどあんたもしかして――」

 

 

凛「穂乃果ちゃん……何か、脅されてるんだよね?」

 

 

μ’s「!?」

 

穂乃果「……!」

 

凛「凛にはわかるよ……かよちんの話を聞いて、すぐにピンときたの」

 

凛「……にこちゃんも、薄々気づいてたでしょ?かよちんも……」

 

にこ「それは…………」

 

花陽「………………」

 

凛「こういうのって、いじめを一度でも経験していれば嫌でもわかっちゃうよね」

 

にこぱな「……………………」

 

凛「……穂乃果ちゃん、大丈夫」

 

凛「μ’sのみんなは、このことを絶対に誰にも言ったりしない」

 

凛「だから、何があったのか……正直に教えてほしいな」

 

穂乃果「凛ちゃん…………」

 

絵里「穂乃果……さぁ」

 

穂乃果「……うん」ポロポロ

 

穂乃果「みんな、ごめんね……実は――」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

μ’s「……………………」

 

にこ「……最低ね、そいつら」

 

絵里「ええ、今回だけはわたしもにこに同意よ」

 

希「妬みや嫉妬は、人間関係を育むとどうしても生まれてしまうもんやね」

 

真姫「そいつらの脳がどうなっているのか、頭を掻っ捌いてぜひ見てみたいわ」

 

花陽「こんなひどいこと、どうしてしちゃうんだろう……」

 

凛「たぶん……ひどいことって、思ってないんだと思う」

 

にこ「……とにかく、このままにしておけないわ」

 

にこ「まずはみんなで取り囲んで、そいつらに穂乃果の画像を消させて――」

 

希「にこっち、さすがに暴力はダメやで」

 

にこ「わかってるわよ、別に力ずくってわけじゃないわ」

 

絵里「まずは話し合いね、画像だけでなくあとで穂乃果が報復されないように手も打たなくちゃ」

 

…………スッ

 

μ’s「……?」

 

にこ「海未、ことり……?」

 

海未「……みんな、大丈夫です。後はわたしたち二人に任せてください」

 

ことり「同じクラスメイトだし、きっとわたしたちが交渉するのが一番手っ取り早いと思うの」

 

真姫「それはそうだけど、でも!」

 

凛「相手は普通じゃないよ……もし海未ちゃんとことりちゃんに何かあったら……!」

 

海未「大丈夫ですよ」ニコッ

 

ダンダン! ギリギリッ……

 

μ’s「……!」

 

ことり「うん、こうして笑顔で話せばきっと向こうもわかってくれるよ」ニコッ

 

ゴゴゴゴ! ヒクヒクッ……

 

μ’s「」ブルブル

 

海未「そういうわけで、今日の練習は申し訳ありませんがわたしとことりはお休みさせていただきます」

 

ことり「明日までには解決するから、みんな心配しないで」

 

海未「……穂乃果…………」

 

ギュッ

 

穂乃果「海未ちゃん……?」

 

海未「大丈夫ですよ……穂乃果を傷つけるものは全て、わたしが消しますから」ボソッ

 

穂乃果「えっ……」

 

ギュッ

 

穂乃果「!ことりちゃん……」

 

ことり「かわいそうな穂乃果ちゃん……待ってて、すぐに終わるからね」フフフ

 

穂乃果「終わる……え……?」

 

ことうみ「」ニコッ

 

μ’s「」ガクガク

 

 

――後日談――

 

ヒデコ「ねぇ、今で1週間近くABC揃って休みだけどなにかあったのかな?」

 

フミコ「確か噂では対人恐怖症になって病院に通ってるとか」

 

ミカ「あの三人が……世の中って不思議だね」

 

穂乃果「………………」

 

海未「どうかしたんですか、ボケッとして」

 

穂乃果「あっ、ううん、なんでもないよ」

 

ことり「穂乃果ちゃん、お弁当食べよっ」

 

海未「穂乃果はまたパンですか、まったく」

 

穂乃果「…………ねぇ、海未ちゃん、ことりちゃん?」

 

穂乃果「……Aさんたち、最近学校に来てないみたいだけど……なにか知ってる?」

 

海未「いえ、何も。そういえば『話し合い』で穂乃果の件を解決した以来見かけませんね」

 

ことり「なにか『因果応報』なことでもあったんじゃないかなぁ」

 

穂乃果「……そっか、そうなのかな」

 

ことり「また学校に来たらちゃんと仲直りすればいいよ」ニコッ

 

穂乃果「うん……そうだね!」

 

海未「ああ……ゴミを掃除した世界は素晴らしく綺麗です」ボソッ

 

穂乃果「海未ちゃん、今何か言った?」

 

海未「いいえ、何も」ニコッ

 

穂乃果「……ねぇ、海未ちゃん、ことりちゃん?」

 

ことうみ「?」

 

穂乃果「……ありがとう!」ニコッ

 

ことうみ(この笑顔が見たかった……♪)

 

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