――部室――
穂乃果「海未ちゃんそれ、まさか……！」
海未「ええ、クーラーです」
ことり「注文してたのが今日やっと届いたんだ」
凛「やった！これでとうとう部室のサウナ地獄から解放されるにゃ～」
穂乃果「先週壊れて以来、この1週間は地獄だったもんね」
凛「あとは業者の人に付けてもらうだけだね。明日には来てくれるかな？」
海未「その心配には及びませんよ、業者などいなくても今日中に設置します」
ほのりん「？」
海未「ことりがちゃんと取り付けてくれるそうですから」
ことり「うん、任せて♪」
ほのりん「ええっ！」
穂乃果「ことりちゃんクーラー付けられるの！？」
凛「すごいにゃ！」
海未「一人では大変ですし、私もできる限りサポートしましょう」
穂乃果「穂乃果も手伝うよ！」ﾌﾝｽ
凛「凛も！みんなで頑張るにゃ！」ﾌﾝｽ
ことり「ううん、せっかくだけど海未ちゃんだけで大丈夫だよ」
ことり「その間に穂乃果ちゃんと凛ちゃんはみんなに練習が休みだってメールしておいて」
海未「終わったら連絡します。一応上手く付けられたかどうか確かめて頂きたいので、あなた達だけは帰らず音楽室で待っていてください」
凛「了解にゃ！」
穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、ファイトだよ！」
ことうみ「」
――30分後――
穂乃果「クーラーってどうやって付けるんだろう」
凛「釘とか打って壁に貼りつけるのかな？」
ｹｲﾀｲ ♪♪～♪
穂乃果「あっ、海未ちゃんからだ」
『完成したので来てください』
穂乃果「ずいぶん早いね」
凛「まだ1時間も経ってないよ」
穂乃果「とりあえず見に行ってみよっか」
――部室――
ｶﾞﾁｬ
穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、お疲れ様」
凛「これでサウナ地獄から解放され――――えっ……」
ほのりん「」
海未「さすがはことりですね」
ことり「海未ちゃんのおかげだよ」
ほのりん「……………………」
海未「んっ、どうしたんですか？」
穂乃果「これ…………」
凛「どう考えても逆じゃないかにゃ……？」
穂乃果「これ、外に置くやつだよね……」
海未「」ﾊﾞﾝ!
ほのりん「ひっ！」ﾋﾞｸｯ
海未「なにが言いたいのですか？」
ほのりん「……………………」
ことり「クーラーと室外機が逆ってことかな……？」
穂乃果「う、うん…………」
海未「そんな細かいこと、いちいち気にしなくてもいいでしょう」
穂乃果「でも……外に冷気が出ちゃってるから……」
凛「これじゃあ意味がないよ……」
ことり「……わかった、付け直すね」
海未「ことり……！」
凛「ごめんね、ことりちゃん……せっかく付けてくれたのに」
ことり「ううん、気にしないで」
海未「はぁ……また音楽室で待っていてください」
ほのりん「……………………」ｳﾂﾑｷ
――30分後――
『完成したので部室に来てください』
ｶﾞﾁｬ
凛「海未ちゃんことりちゃん、ありがとう」
穂乃果「わがまま言ってごめんね――――」
ほのりん「……えっ……………………」
ほのりん「」
海未「どうしたんですか、こっちへ来てください」
ことり「ボタン押すよ～、えいっ」ﾎﾟﾁｯ
海未「おおっ、ちゃんと動きましたね！」
ことり「よかったぁ、なんとか上手くいったよ」
ほのりん「……………………」
海未「どうしたんですか、二人とも？」
穂乃果「あのね……クーラーはいいんだけど……」
凛「このホースの量……ホースがとぐろ巻いてるにゃ……」
海未「」ｲﾗｯ
海未「言いたいことがあるならはっきり言いなさい！」ﾊﾞﾝ!
ほのりん「ひっ！」ﾋﾞｸｯ
ほのりん「……………………」ｳﾂﾑｷ
ことり「ホースが邪魔で部活動がしにくいってこと……？」
海未「穂乃果はともかく、後輩の凛までそんなわがままを言うなんて……悲しいですね」ﾊｧ
凛「……ごめんなさい」ｸﾞｽｯ
穂乃果「り、凛ちゃん」ｱｾｱｾ
ことり「……わかった、もう一度付け直してみるね」
海未「ことり……！しかし、せっかく上手くいったのに……」
ことり「大丈夫、もう一度付けてみるよ。海未ちゃん、そっちのホースはずして」
海未「……わかりました」
海未「穂乃果、凛、作業の邪魔になります、出ていってください」
ほのりん「……………………」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
――30分後――
『完成しました。部室に来てください』
穂乃果「今度こそ、大丈夫だよね……」
凛「……行ってみるにゃ」
――部室――
ｶﾞﾁｬ
穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、何度もごめんね」
凛「二人ともありがとう――――えっ……」
海未「ふぅ、完璧ですね」
ことり「今度こそは大丈夫だね♪」
ほのりん「……………………」
海未「一度電源を入れてみましょう」ﾎﾟﾁｯ
ことり「あれ、あんまり風がこないね？」
海未「まぁ、学校の備品ならこれぐらいでしょう」
穂乃果「…………こ、これ……」
凛「逆の意味、間違って――」
海未「」ﾄﾞｶﾝ!
ほのりん「！？」ﾋﾞｸｯ
海未「すいません、リモコンが飛んでいってしまいました」
海未「穂乃果、凛、何か言いましたか？」ﾆｺｯ
ほのりん「……………………」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
ことり「もう大丈夫だよねっ」
海未「ええ、問題ないでしょう。そうですよね？」
穂乃果「…………はい……」
凛「問題、ないです…………」
海未「そう言ってくれると思ってました」ﾆｺｯ
ことり「じゃあこれで完成だね」ﾆｺｯ
ほのりん「……………………」ｸﾞｽｯ
海未「では私たちは生徒会の方の仕事があるのでこれで」
ことり「穂乃果ちゃん凛ちゃん、帰るときはちゃんとクーラー消していってね」
ｶﾞﾁｬ ﾊﾞﾀﾝ
ほのりん「……………………」
穂乃果「……二人で、付け直してみよっか…………」
凛「うん……説明書、持ってくるね…………」
完
