ラブライブ SS 穂乃果「理不尽ことうみ」 トランプ編

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――西木野家別荘――

 

穂乃果「みんなクラッカー持った?さっそく始めるよ!」

 

穂乃果「μ’s、夏休み突入記念お泊り会~!」パフパフ

 

凛「いえーい!」マラカス シャカシャカ

 

真姫「なにこのテンション」

 

花陽「あはは……」

 

穂乃果「だって、今日から夏休みだよ!」

 

凛「かき氷に冷やしラーメン、夏が凛たちを待っているにゃ!」

 

絵里「遊ぶのもいいけどその前にライブの練習があるわよ?学校が無いからってだらけちゃダメよ」

 

希「まぁまぁえりち、今日ぐらいは大目に見てあげようよ」

 

にこ「ふん、夏休みぐらいではしゃぐなんてお子ちゃまね」

 

凛「そういうにこちゃんもしっかり日焼け止め持ってきてるにゃ」ガサゴソ

 

にこ「ちょっと凛!勝手に人のカバン漁らないでよ!」

 

穂乃果「さあてと、お待ちかねの……って、海未ちゃんことりちゃん!」

 

海未「んっ、なんですか?」

 

ことり「なあにハノカチャン?」

 

穂乃果「まだ寝ちゃだめだよ、これからみんなでゲームするんだから」

 

海未「そういえばそうでしたね」

 

ことり「ごめんね、すっかり忘れてたよ」

 

穂乃果「もぉ……」

 

ことうみ「」

 

 

希「それではただいまより始めたいと思います」

 

希「司会進行役はお馴染み、東條希が担当させていただきます」

 

希「今回のトランプゲームは……これ!」ジャン

 

希「神経衰弱!」

 

希「頭の良さと言うよりも記憶力と野生の勘が物をいう超難易度のトランプゲーム!」

 

希「今回は2チームに分かれて4人4人の2対2形式で競い合ってもらいます」

 

希「まずはAチーム、にこえり対まきぱなチーム!」

 

真姫「絵里が相手……油断できないわね」

 

花陽「そうだね……絵里ちゃん記憶力良いから」

 

にこ「ちょっと!にこはどうなのよ!?」

 

希「Bチーム、ほのりん対ことうみチーム!」

 

穂乃果「凛ちゃん任せて!穂乃果こういうゲームの記憶力はいいから」

 

凛「凛も勉強以外の暗記なら得意だよ!これは優勝貰ったにゃ!」

 

ことうみ「」

 

――Bチーム視点――

 

希「それではルールを説明するで」

 

希「基本は普通の神経衰弱同様、ツーペアを揃えたら1ポイント獲得」

 

希「最後に合計ポイントの多かったチームの勝利、あとパートナーとポイントは共有」

 

希「そして特別ルールとして、☆マークの書かれたチャンスカードを揃えるとラッキーチャンス到来やで」

 

希「簡単なミニゲームをしてもらって、成功すれば30ポイント獲得」

 

希「いざとなったら☆マークを探し当てるのも手やね」

 

希「説明の終わりに、重要特別ルール!」

 

希「そのターンの人が1枚目のカードをめくった時、2枚目の場所がわかっていれば他の人がターンの人よりも早く2枚目をめくればその人の者になるで」

 

希「つまり、カードの横取りができるサバイバル戦やね」

 

穂乃果「おお~!楽しそう!」

 

希「さっそく始めるで。みんな準備はいい?」

 

穂乃果「大丈夫だよ!」フンス

 

凛「……………………」

 

凛「あの……海未ちゃん、ことりちゃん……?」

 

海未「どうしたんですか?」

 

ことり「凛ちゃんなに?」

 

凛「凛の手の上に二人で片手を置かれると困るにゃ……痛いしトランプ取れないよ」

 

海未「おっと、すいません」スッ

 

ことり「ごめんねっ」スッ

 

凛「うん……よし、頑張るにゃ!」

 

希「それでは……始め!」

 

 

穂乃果「まずは穂乃果から!」

 

穂乃果「これと……これだ!」クルッ

 

5 1

 

穂乃果「ああ~」

 

凛「穂乃果ちゃんドンマイにゃ」

 

凛「ん~、これだ!」クルッ

 

6 7

 

凛「にゃあ……」

 

海未「次は私ですね」

 

9 4

 

海未「」

 

ことり「ことりの番だね」クルッ

 

1――

 

穂乃果「ここだ!」クルッ

 

1――

 

海未「っ!」バシッ

 

穂乃果「いたっ!」

 

ことり「」シュッ

 

ことり「1ポイント獲得だね!」

 

穂乃果「ええっ~ずるいよ~!だって今海未ちゃんが手をはたいてきたもん」

 

海未「申し訳ありません。しかし、穂乃果はことりがめくる前からフライング気味で取っていましたからね」

 

穂乃果「えっ…………」

 

海未「これはフェアでは無いと思いまして」

 

ことり「なるほど、海未ちゃんは気を遣って止めに入ってくれたんだね」ニコッ

 

凛「で、でも、フライングじゃなかったよ。凛、ことりちゃんがめくり終えたの見てたもん」

 

海未「」ダンッ!

 

凛「ひっ!」ビクッ

 

海未「凛、あなた……私が嘘をついてるとでも言いたいんですか?」

 

凛「……ご、ごめんなさい……凛の勘違いです……」ブルブル

 

海未「わかればいいのです。穂乃果、フライングしないように以後気を付けてください」

 

穂乃果「……うん………………」ガクガク

 

ほのりん「……………………」

 

 

凛「ここと……」クルッ

 

 

凛「!ここにゃ――」

 

ことり「」ドタッ バラバラ

 

穂乃果「ああっ!」

 

海未「ことり、大丈夫ですか?」

 

ことり「ごめんね、前のめりになってたら腕が痛くなっちゃって」

 

凛「どれだかわからなくなっちゃった……」

 

ことり「とりあえず元通りにしよっか」ゾロゾロ

 

海未「ええ」ゾロゾロ

 

穂乃果「ちょっと海未ちゃん、ことりちゃん」

 

凛「そんなにそっちに集めたら凛たち取れないよ」

 

ことり「そんなことないよ」

 

穂乃果「でも、手が届かないから――」

 

海未「届かないも何も、あなたたちなら手ぐらい伸びるでしょうが!」

 

ほのりん「!?」ビクッ

 

海未「こうして前のめりになれば取れるでしょう!」

 

穂乃果「う、うん……確かに取れるけど…………」

 

ことり「じゃあ大丈夫だね、はいチュンチュン♪」

 

凛「……………………」

 

ほのりん「……………………」

 

 

ことり「えいっ」クルッ

 

☆ ☆

 

希「ことりちゃん、チャンスカード獲得!」

 

希「ミニゲームはこれ!」

 

希「フラフープ、15秒間回せたら30ポイント獲得やで」

 

ことり「ええっ~できるかなぁ」

 

穂乃果「ことりちゃん、確かフラフープは苦手だったはず!」

 

凛「これは0ポイントの予感がするにゃ」

 

海未「それでは始めましょう」

 

穂乃果「よーい、スタート!」

 

ことり「」クルクルクル ガシャ

 

穂乃果「アウトだ!」

 

凛「ことりちゃんチャレンジ失敗にゃ!」

 

ことり「」ヒョイ クルクルクル ガシャ

 

穂乃果「あ、あれ…………?」

 

ことり「」ヒョイ クルクルクル ガシャ

 

凛「こ、ことりちゃん、もうアウトだよ……?」

 

クルクルクル ガシャ ガクッ

 

ことり「いたたたた…………」

 

海未「ことり、大丈夫ですか?」

 

ことり「急に背中が痛くなって……」

 

海未「大変です、少し休みましょう」

 

ほのりん「……………………」

 

海未「今日はここに来る前から少し調子が悪かったんですね」

 

海未「今はお風呂上りでトサカもしていませんし」

 

ことり「くっ…………」(笑)

 

穂乃果「と、トサカ……?」

 

凛「どういうことかにゃ……?」

 

海未「そうですねぇ……メンタル的な部分から来ているのかもしれません」

 

海未「とりあえずこのミニゲームは成功ということにしましょう」

 

穂乃果「えっ…………」

 

凛「だってさっきことりちゃん、失敗したはずじゃあ……」

 

海未「あなた達ならすぐに寝込んでますよ」

 

海未「でも今ことりの中にある伝説のミナリンスキーとしてのプライドが、どうにかことりをこうしてここに留まらせているんです」

 

ことり「くくっ…………」(笑)

 

海未「わたしとしてもことりを救ってあげたいし、ゲームをこのまま中途半端で終わらせたくありません」

 

海未「ですからこのミニゲームは成功ということにしましょう」

 

ことり「それならなんとか頑張れるかも……」

 

ほのりん「……………………」

 

穂乃果「……うん、わかった」

 

凛「ことりちゃん海未ちゃんチームに、30ポイント贈呈にゃ」

 

海未「やりました!」

 

ことり「じゃあ続きから再開だね!」トコトコ

 

穂乃果「あ、あれ…………?」

 

凛「ことりちゃん、背中大丈夫なの?」

 

ことり「気合入れたし、もう大丈夫だよ」ニコッ

 

ほのりん「……………………」

 

 

穂乃果「穂乃果の番だね」

 

穂乃果「えいっ」クルッ

 

 

穂乃果「これだっ!」

 

ことり「チュン!」・8・マクラナゲ

 

穂乃果「わぁ!?」ボフッ

 

海未「」カードソウサ

 

穂乃果「ことりちゃんどうして枕投げるの!?」

 

ことり「ごめんね、興奮してつい」

 

海未「お詫びに好きなカードをめくってください、私たちは手を出しませんから」

 

穂乃果「本当!じゃあこれだよ!」クルッ

 

――J

 

穂乃果「あ、あれ…………?」

 

海未「失敗ですね」

 

ことり「穂乃果ちゃん、記憶違いだね」ニコッ

 

凛「……う、海未ちゃんが、今カードを細工して――――」

 

穂乃果「えっ?」

 

海未「」ギロッ

 

凛「!」ビクッ

 

凛「……………………」グスッ

 

穂乃果「……う、海未ちゃん、それほんと――」

 

ことり「」ドカンッ!

 

穂乃果「ひっ!」ビクッ

 

ことり「おかしいなぁ~さっき蚊がいたような気がしたんだけど」

 

ことり「それで穂乃果ちゃん、どうしたの?」ニコッ

 

穂乃果「…………ううん、なんでもない……」グスッ

 

ことうみ「」

 

 

海未「とうとう残り3枚ですね」

 

海未「……ふっ!」クルッ

 

 

ことり「」ビュッ

 

ことり「取れたよ!」

 

穂乃果「こ、ことりちゃん」

 

凛「同時に2つも取ったらダメだよ……?」

 

ことり「そうなの?」

 

海未「しかし、ルールにそのような裁定はありませんからね」

 

ことり「そっか、じゃあ大丈夫だね♪」

 

ほのりん「……………………」グスッ

 

 

希「お待ちかね、結果発表やで」

 

希「まずはAチーム、優勝は――」

 

希「にこえりチームです!」

 

真姫「ごめんなさい花陽……」

 

花陽「仕方ないよ、真姫ちゃんトランプ初めてだったんだもん」

 

絵里「こういう遊びは、兄弟や姉妹がいる方が有利ね」

 

にこ「そうね。にこの場合毎週土曜日にみんなでやってるからね」

 

希「そしてBチーム、優勝は――」

 

希「ことうみチームです!」

 

海未「圧勝でしたね!」

 

ことり「神経衰弱って、案外簡単なんだね♪」

 

ほのりん「…………………………」

 

凛「明日は、みんなで楽しく海で遊ぼうにゃ」

 

穂乃果「そうだね……」

 

ことうみ「」

 

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