ラブライブ SS 穂乃果「理不尽ことうみ」 パイ投げ編

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――西木野家別荘――

 

希「これで100個目やね」

 

穂乃果「やったー!とうとう完成したよ!」

 

にこ「こんなにたくさん、ホイップクリームがもったいない気もするけど」

 

凛「ぶつけられたら食べればいいにゃ」

 

花陽「はうぅ、なんだか怖いなぁ……」

 

絵里「ふふ、大丈夫よ。紙皿だし全然痛くないわ」

 

真姫「体中ベタベタになるし汚いし、正直やりたくないんだけど」

 

希「真姫ちゃん、スキあり!」ビュ!

 

真姫「なっ……きゃあ!」ベシャッ

 

凛「あはは、真姫ちゃんお顔真っ白にゃあ!」

 

真姫「り~ん~、なにがおかしいのかしら……!」

 

凛「あっ、待って真姫ちゃん!」

 

真姫「問答無用!」ビュッ!

 

凛「げふっ」ベシャッ

 

穂乃果「みんなずるい!まだだよ~!」

 

穂乃果「ってことりちゃん!ホイップクリーム食べちゃダメだよ」

 

ことり「あっ、ごめんね。おいしそうだったからつい」

 

海未「どうしてよりによってパイ投げなんですか」

 

穂乃果「昨日テレビでやっててすごくおもしろそうだったの!」

 

穂乃果「もうすぐクリスマスだし、本番への練習も兼ねてみんなでやりたいなって」エヘヘ

 

海未「ということはクリスマスもするつもりですか」ハァ

 

穂乃果「もちろん、ちなみに今回の費用は真姫ちゃんが出してくれたんだ」

 

花陽「真姫ちゃんお部屋汚れちゃうよ?いいの?」

 

真姫「この壁紙も床もすぐに剥がせるやつだから大丈夫よ、今朝希と買ってきたの」

 

絵里「それなら安心ね」

 

凛「真姫ちゃんなんだかんだ言ってノリノリだね~」ニヤニヤ

 

真姫「なっ!?頼まれたから仕方なくよ!//」

 

希「じゃあ早速始めよか」

 

希「今回はゲーム要素も兼ねてるから、2グループに分かれてもらうで」

 

希「進行役はウチが担当するから、みんな思う存分楽しんでな」

 

穂乃果「それじゃあ部長のにこちゃん開催宣言をどうぞ!」

 

にこ「パイ投げ大会、盛り上がるのはいいけどみんな怪我が無いよ――ぶはっ!」ベシャッ

 

絵里「スタートね」

 

にこ「こらぁ!絵里待ちなさい!」

 

――ほのことうみりん視点――

 

希「最初のゲームはこれ!」

 

希「『落ちたら地獄!チョロQギリ止めチキンレース』」

 

希「1メートル先から自分の名前が書かれたチョロQを走らせて、このカラーテープを越えたゴールゾーンに止められればセーフ。これ以前に止まったり越え過ぎてテーブルから落ちてもアウト、まさにチキンレースやね」

 

穂乃果「なんだか難しそうだね」

 

凛「よーし、頑張るにゃ!」

 

ことうみ「」

 

穂乃果「まずは一番目、穂乃果から!」

 

穂乃果「うーんと、このくらいかな……えいっ!」

 

――――――ガシャッ

 

穂乃果「ああっ!」

 

希「穂乃果ちゃんアウトー!」

 

海未「引き過ぎですよ、加減しないからです」

 

ことり「穂乃果ちゃん、手加減なしにいくね」ニコッ

 

凛「最初は具合が分からないから難しいにゃあ」

 

希「そのまま海未ちゃんとことりちゃんからのパイを受けてな」

 

穂乃果「うぅ、なんだか怖いな~」

 

希「それでは罰ゲーム、スタート!」

 

海未「とうっ」ビュッ

 

ことり「ちゅん」ビュッ

 

穂乃果「ひゃぁ!」ベシャッ

 

穂乃果「びっくりした~。えへへ、でもクリームおいしい」ペロペロ

 

凛「次は凛だね!」

 

穂乃果「凛ちゃん、そんなに引っぱらなくて大丈夫だよ。少し引くくらいで」

 

凛「本当?よーし……これぐらいかにゃ」

 

凛「いっけー!」

 

――――ピタッ

 

凛「やったぁ!」

 

ことり「・8・」バシッ

 

ガシャッ

 

穂乃果「ちょっとことりちゃん!」

 

海未「アウトですね」

 

凛「ええっ!さっきちゃんとゴール内で止まったよ?」

 

海未「しかし現に落ちていますからね」

 

穂乃果「今凛ちゃんが喜んでる隙にことりちゃんがチョロQをはたいてたよ!」

 

ことり「ごめんね、偶然手が当たっちゃって」

 

穂乃果「どんな偶然!?とにかく今のはノーカンだよ!」

 

海未「しかし、その前に穂乃果が凛に入れ知恵をしていますからね」

 

海未「その時点でフェアでは無いですね」

 

海未「きっとことりは凛に気を遣ってチョロQをはたいたのでしょう」

 

凛「で、でも……」

 

ことり「」ギロッ

 

凛「」ビクッ

 

凛「う、うん……ことりちゃん、ありがとう。凛、卑怯者になるところだった」

 

ことり「ううん、どういたしまして」ニコッ

 

海未「それでは凛、罰ゲームですね」

 

ほのりん「……………………」

 

 

海未「次はことりですね」

 

ことり「緊張するなぁ」

 

ことり「これぐらいかな……えい!」

 

――――ピタッ

 

ことり「わーい」

 

穂乃果「ちょっと待って海未ちゃん、よく見たらそれ……」

 

凛「ゴール圏内に透明滑り止めマットが引いてあるにゃ!」

 

海未「これはすいません、こうした方がよりゲームが楽しくなるかと思いまして」

 

穂乃果「楽しくなくなるよ!こんなの誰だって成功するじゃん!」

 

凛「反則にゃあ!」

 

海未「反則したのはあなたでしょうが!」バンッ!

 

凛「ひっ!」ビクッ!

 

海未「先ほど姑息な真似をして不正を行おうとしたのはどこの誰ですか!」

 

海未「自分のことを棚に上げてことりにそういう言い方はやめなさい!」

 

凛「…………ごめんなさい」グスッ

 

ことり「…………くっ」(笑)

 

ことり「それじゃあことりはセーフだね、よかったぁ~」

 

ほのりん「……………………」

 

 

穂乃果「それじゃあ次はとうとう海未ちゃんだね!」

 

凛「よーし、パイの準備にゃ!」

 

ことり「うーん……」

 

海未「困りましたね……もうやりようがありません」

 

ことり「そうだよねぇ」

 

ほのりん「えっ?」

 

穂乃果「やりよう……?」

 

海未「もうパターンがありませんから」

 

凛「パターンって……成功するかどうかのゲームだよ?」

 

海未「そうなのですが……恐らく確実に成功してしまうでしょうから」

 

ことり「海未ちゃんならこんなの簡単だもんね」

 

海未「結局は私が空気が読めないみたいな感じになりそうなので」

 

穂乃果「でもやってみないとわからないから」

 

凛「そうだよ、もしかしたら失敗するかもしれないし」

 

ことり「海未ちゃんはわざとじゃない限り失敗しないよ」

 

ことり「でもわざと失敗したところでそれはフェアじゃないし、仮に成功したところで空気が読めない感じになるし」

 

ことり「うーん……希ちゃん」

 

希「んっ、どうしたん?」

 

ことり「次のゲームに行こうよ、もうみんな終わったから」

 

穂乃果「えっ?海未ちゃんがまだ――」

 

海未「」ギロッ

 

穂乃果「」ビクッ!

 

凛「……………………」

 

希「そうなん。なら次いこか」

 

ほのりん「……………………」

 

 

希「次は将棋の山崩し。音を立てたらアウトやで」

 

穂乃果「今度は簡単だね」

 

凛「凛、これ得意だにゃ!」

 

ことうみ「」

 

 

海未「では私から行きますね」

 

穂乃果「えっ?」

 

ことり「さっき海未ちゃんで止まってるから、今回は海未ちゃんとことりからでいいよね?」

 

穂乃果「なるほど……!」

 

凛「じゃあ凛が一番最後だね」

 

海未「ではいきます……よし」スッ

 

ことり「ことりも成功だよ」スッ

 

穂乃果「なんだか早いね」

 

凛「最初は崩れてるのから取れるから有利なんだよ」

 

穂乃果「よし、次は穂乃果だね!」

 

凛「穂乃果ちゃん頑張るにゃー!あっ、ここ取りやすいよ!」

 

海未「静かにしなさい!」

 

ほのりん「っ!」ビクッ

 

ことり「おしゃべりしてたら音が聞こえないよ」

 

海未「凛、あなたは騒がし過ぎです。もう少し落ち着くことを覚えなさい」

 

凛「う、うん……ごめん」シュン

 

穂乃果「よし……行くよ」

 

ツー―――――

 

穂乃果「セーフだね!」

 

凛「次は凛だよ」

 

ツー―――――

 

ことり「あれ?今鳴らなかった?」

 

凛「えっ、崩れなかったよ?」

 

海未「次は私ですね」

 

ヒョイ

 

穂乃果「ちょっと海未ちゃん、どうして普通に取ってるの」

 

海未「音を鳴らさなければセーフではないんですか?」

 

凛「ちゃんと外まで指で運ばないとダメだよ」

 

海未「これはすいません、以後気を付けましょう」

 

穂乃果「えっ、やり直そうよ」

 

海未「そうしたいのは山々ですが、流れが止まってしまうので」

 

凛「……………………」

 

ことり「ことりの番だね」

 

穂乃果「今度は全部重なってるから難しいよ~」

 

凛「ことりちゃんアウトの予感がするにゃ」

 

ことり「……えーい!!!!」

 

ツー―――カシャ――

 

ことり「成功だね!」

 

穂乃果「ことりちゃん静かにしようよ」

 

凛「今音しなかったかにゃ?」

 

海未「いいえ、聞こえませんでしたよ」

 

ことり「そっか、声出しちゃダメだったね」

 

海未「凛、穂乃果。ルールを知っているのなら事前にことりに教えてあげてください」

 

穂乃果「でも……音を鳴らしたらダメなんて常識じゃあ――」

 

海未「あなたは最低です!」ビュッ

 

穂乃果「きゃっ!」ベシャ

 

海未「ことりが常識知らずのような言い方はやめなさい!いつからあなたはそんな人になったのですか!?」

 

穂乃果「パイ投げられた……」グスッ

 

海未「ことりに謝りなさい」

 

穂乃果「……ことりちゃん、ごめんね?」

 

ことり「ううん、気にしないで」ニコッ

 

凛「……………………」

 

 

希「最後のゲームはこれやね、ライター一発着火」

 

希「一発でつかなかったら罰ゲームやで」

 

穂乃果「今度は穂乃果からだね」

 

穂乃果「行きます!」

 

――――カシュ

 

ことり「アウトだね」

 

海未「ふんっ」ビュッ

 

ことり「えいっ」ビュッ

 

穂乃果「ひゃあっ!」ベシャ

 

穂乃果「うぅ……海未ちゃんめちゃくちゃだよぉ」

 

 

凛「凛の番だね」

 

――――カシャッ

 

凛「やった!ついたにゃ!」

 

海未「」ビュッ

 

ことり「」ビュッ

 

凛「げふっ!」ベシャ

 

穂乃果「海未ちゃんことりちゃん!凛ちゃん成功したよ!?」

 

海未「そうでしたか、つい」

 

ことり「早とちりしちゃったね」

 

凛「うっ……ぐすっ、ひどいにゃ」ポロポロ

 

ことうみ「」

 

海未「次はわたしですね」

 

―――――カシュ

 

海未「」

 

穂乃果「海未ちゃんアウトー!」

 

凛「早速パイ行くにゃ!」

 

穂乃果「えいっ!」ビュッ

 

凛「とりゃっ!」ビュッ

 

海未「」ヒョイ ヒョイ

 

ことり「海未ちゃんすごーい」

 

海未「間一髪でした」

 

穂乃果「う、海未ちゃん、何してるの?」

 

凛「避けちゃダメだよ?」

 

海未「そうだったんですか?」

 

ことり「ええっ、ことりも初めて知ったよ」

 

ほのりん「……………………」

 

 

ことり「行きます……」

 

―――――カシャ

 

穂乃果「ことりちゃんアウト!」

 

凛「今度は避けちゃダメだよ」

 

ことり「はーい」

 

穂乃果「それじゃあさっそく……えいっ!」ビュッ

 

凛「おりゃ!」ビュッ

 

ことり「チュン・8・」マクラガード

 

ほのりん「……………………」

 

ことり「ああ、怖かったー」

 

海未「枕があって助かりましたね」

 

穂乃果「助かったって……ガードして……」

 

ことり「避けちゃダメだけどガードはオッケーでしょ?」

 

凛「ええっ……ダメだよ」

 

海未「うーん、穂乃果と凛の説明不足ですね」

 

 

希「もうパイが無くなったから終了やで~みんなお疲れ様」

 

ほのりん「……………………」

 

 

にこ「みんなクリームまみれね~」

 

絵里「こんなにはしゃいだのは久しぶりだわ」

 

真姫「その前に、ちょっと気になることがあるんだけど……」

 

花陽「希ちゃんが無傷なのはわかるけど、海未ちゃんとことりちゃんが無傷なのはどうして……?」

 

希「ほんまや……綺麗なままやん」

 

にこ「その分凛と穂乃果がボロボロね」

 

海未「弱すぎて相手になりませんでしたね」

 

ことり「今度はみんなでやりたいな~」

 

ほのりん「……………………」

 

穂乃果「やっぱり、クリスマスはみんなで他のことしよう」

 

凛「パイがもったいないにゃ……」

 

絵里「それもそうね」

 

ことうみ「」

 

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