ごちうさSS リゼ「チノがお母さんシックになった」

 

――休日 ラビットハウス前――

 

 

リゼ(涼しいな、そろそろ冬か)

 

リゼ(季節の変わり目だし、風邪ひかないように気を付けないとな)

 

リゼ(さて、今日も気合入れていくか)

 

ガチャッ

 

リゼ「おはよう、チノ――……?」

 

 

シーン

 

 

リゼ「チノ?」キョロキョロ

 

 

ガラーン

 

 

リゼ「?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――チノの部屋前――

 

 

リゼ「チノ?いるか?」トントン

 

シーン

 

リゼ(ん……空いてる?)

 

リゼ「入るぞ」ガチャッ

 

 

チノ「」ベッド in

 

 

リゼ(寝坊か?珍しいな)

 

リゼ「チノ?」

 

チノ「」

 

リゼ「起きろ、そろそろ開店だぞ」ポンッ

 

チノ「」

 

リゼ「おい」グイッ

 

チノ「」ジワッ

 

リゼ「!?」

 

チノ「グスッ……グスッ……」

 

リゼ「チノ!どうしたんだ!?」

 

チノ「お母さん……」ウルウル

 

リゼ「おかあさん?」

 

チノ「お母さんに会いたいです……」ジワッ

 

リゼ「へっ?」

 

 

チノ「お母さ~ん!」

 

 

……こうして、事件の幕は開いた。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

ココア「チノちゃん、お姉ちゃんがついてるよ!」

 

チノ「グスッ……グスッ…………」

 

リゼ「なぁ、チノ……元気だせよ」

 

チノ「お母さんとのお散歩、楽しかったです……。手をつないで一緒に公園を歩いた後、海辺で貝を探して、ジュースを飲んで、ベンチでサンドイッチを食べて……」

 

ココア「チノちゃん……」

 

リゼ「っ……」

 

チノ「わたしが抱っこしてほしいと頼むと、お母さんは『チノは甘えんぼうね』と笑って、優しく抱っこしてくれました……」

 

ココア「うっ……グスッ……」ウルウル

 

リゼ「チノ……」ジワッ

 

チノ「良い夢でした……」

 

リゼ「って夢かよ!?」

 

チノ「そのせいで抱っこしてもらったのに母のぬくもりも分かりませんでした」

 

ココア「おがあざ~んっ!!」ダバー

 

リゼ「いやココア、泣くな。チノの夢だって」

 

チノ「あんなの夢に決まってますっ!!」バンッ!

 

リゼ「うわっ!?」ビクッ

 

チノ「優しいお母さんが、わたしの嫌いな野菜をサンドイッチに挟むはずありません!」

 

リゼ「問題そこか!?」

 

チノ「お母さんはいつもわたしのために卵サンドとツナサンド、カツサンド、ステーキサンドの4つしか作りませんでした!」

 

リゼ「甘やかされまくってるじゃないか……」

 

チノ「例え父にたしなめられても、母はレタスを挟んで作って一緒に食べるときにこっそり抜いて代わりに食べてくれてました」

 

リゼ「お前の偏食お母さんが原因だろ!?」

 

チノ「とにかく!あのサンドイッチがもう一度食べたいです!夢の中で出てきたトマトレタスサンドなんてわたしのお母さんが作るはずありません!」ジタバタ

 

リゼ「暴れるな!落ち着けって……!」

 

チノ「うにゅ~イヤですイヤです!トマトレタスサンドなんて嫌です!」

 

リゼ「分かった!作ってやるから暴れるな!」

 

チノ「」ピタッ

 

チノ「リゼさんが作るんですか?」

 

リゼ「ああ、というかいつもラビットハウスの料理はわたしがしてるだろ?」

 

チノ「………………」

 

チノ「」バタリ

 

リゼ「どうした!?」

 

チノ「わたしが食べたいのはお母さんが作ったサンドイッチです……リゼさんのじゃありません……」グスグス

 

リゼ「そんなこといってもだな……チノのお母さんはもう」

 

チノ「ですので、お母さんが作ったものをリゼさんたちが運んできてくださるというテイでお願いします」

 

リゼ「めんどくさいな!というかそれで納得なのか!?」

 

チノ「サンドッチのパンは2枚とも外側片面焼きでお願いします」フンス

 

リゼ「はいはい……」

 

ココア「チノちゃんのお母さんが~ヴェエェっ!」ポロポロ

 

リゼ「お前もいい加減泣き止めよ……」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――30分後 ダイニングルーム――

 

 

チノ「♪」

 

リゼ(フォークとナイフを持ってワクワクしてる……)

 

チノ「♪」 ※参照『モンスターハンター2ndG時代のご飯が出てくる前のハンター』

 

リゼ「ほら、できたぞ」コトッ

 

チノ「ありがとうございますリゼさん。ではいただきます」ポイッ

 

リゼ「フォークとナイフ使えよ!?」

 

チノ「サンドイッチは手掴みと相場が決まってます」フンス

 

リゼ「ならさっきのはなんだったんだ……」

 

チノ「では」スッ

 

チノ「んっ……」モグモグ

 

ココア「チノちゃん、どう?」

 

チノ「……!おいしいです」パアァ

 

ココア「ぁ……!」

 

リゼ「やれやれ、一件落着か」

 

ココア「パンはわたしが焼いたんだよ」エッヘン

 

チノ「このしっとりとしたツナサンド……食べやすい卵サンド、ボリューミーなカツサンド。この……――!」

 

チノ「……………………」

 

ココア「チノちゃん?」

 

リゼ「チノ、どうしたんだ?牛乳か?」

 

チノ「」

 

 

――バタリ

 

 

リゼ「チノ!?」

 

ココア「チノちゃん!」

 

チノ「グスッ……グスッ…………」

 

リゼ「何があったんだ!?」

 

ココア「のどに詰まっちゃった!?牛乳飲む!?」

 

チノ「お母さん…………」

 

リゼ「……?」

 

チノ「これはお母さんのステーキサンドじゃありませんっ!!」ドカン!

 

ココア「ひゃっ!?」ビクッ

 

リゼ「何が違ったんだ?味付けか?」

 

ココア「おいしいよ、このステーキサンド」モグモグ

 

リゼ「どさくさに紛れて食べるな」ベシッ

 

ココア「あうっ」

 

チノ「このステーキ、焼き加減がミディアムレアです。母のはミディアムでした」

 

リゼ「そんなに変わらんじゃないか……」

 

チノ「全然違います。母はわたしがお腹を壊さないよう、ちゃんと赤みの部分が無くなるまでよく焼いてくれてました」

 

リゼ「それウェルダンだろ!?」

 

チノ「ウェルダンじゃありません!母はミディアムだと言ってました」

 

リゼ「チノのお母さんが間違えてただけだって」

 

チノ「………………」

 

チノ「」バタリ

 

リゼ「分かったっ!ミディアムでいいから!」

 

チノ「今度は焼き加減をミディアムでお願いします」スッ

 

リゼ「はぁ…………」

 

ココア「おいち♪」モグモグ

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

リゼ「ほらっ」コトッ

 

チノ「今度はミディアムですか?」

 

リゼ「あー、ミディアムだ」 ※ウェルダンです

 

チノ「…………」モグモグ

 

チノ「……!これです!母のサンドイッチです!」

 

ココア「良かったねチノちゃん!」

 

リゼ(疲れた……)

 

チノ「この中まで火が通ったステーキ肉、片面焼きのパン……――!」

 

チノ「思い出しました……このあと、お母さんがいつもデザートをくれるんです」

 

チノ「プリン、ミニパンケーキ、メロンゼリー、クッキー…………」

 

ココア「チノちゃん?」

 

チノ「」グスッ

 

リゼ「まさか……」

 

チノ「お母さんの手作りプリンが食べたいです……」ジワッ

 

リゼ「今度はプリンか!」

 

ココア「わたしも食べたいなぁ。リゼちゃん作って?」ジュル

 

リゼ「待て、さすがにデザートはわたしでも――」

 

チノ「お菓子つくりといえば千夜さんとシャロさんがいます」スッ

 

リゼ「あいつらにまで迷惑かける気か!?」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

リゼ「ということなんだ」←結局呼んだ

 

千夜「つまり、お母さんシックね」

 

シャロ「プリンを作るだけでいいんですか?」

 

リゼ「ああ」チラッ

 

チノ「お母さん……会いたいです……」グスッグスッ

 

ココア「おかあざーん゛!チノぢゃんのごどはまかぜで~!」ビェェ

 

シャロ「なんですか、これ……」

 

千夜「大変だったわね、リゼちゃん」ナデナデ

 

リゼ「お前らが来てくれてほんとに助かった……」ハァ

 

千夜「材料は買ってきてあるわ」

 

シャロ「キッチンお借りしますね」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

チノ「♪」ワクワク ※参照『モンスターハンター2ndG時代のご飯が出てくる前のハンター』

 

ココア「♪」ウキウキ ※参照『こちらもモンスターハンター2ndG時代のご飯が出てくる前のハンター』

 

シャロ「リゼ先輩、あれって……」

 

リゼ「突っ込んだら負けだ、シャロ」

 

千夜「はい、できたわ」コトッ

 

ココア「わーい!」

 

チノ「……!」

 

ココア「いただきまーす」パクッ

 

チノ「………………」

 

千夜「あら?チノちゃん?」

 

シャロ「スプーン使う?」

 

リゼ「ナイフとフォークじゃさすがに無理だよな」

 

チノ「……違います」

 

リゼ「へっ?」

 

チノ「こんなのお母さんのプリンじゃありませんっ!」ドカン!

 

シャロ「ひゃあっ!?」

 

千夜「なにか変だった?」

 

チノ「お母さんの作るプリンは、この右端に生クリームが添えてありました」

 

リゼ「プリンと全然関係ないじゃないか……」

 

チノ「大ありです。生クリームの添えていないプリンなんて、上にイチゴが乗っかっていないショートケーキです」

 

シャロ「市販のプリンってほとんど生クリーム乗ってないと思うけど……」

 

チノ「とにかく、こんなの母のプリンじゃありません!これはわたしにとって、プリンの形をしたデザートです!」

 

リゼ「こらチノ、せっかく二人が作ってくれたのに」

 

千夜「平気よリゼちゃん、気にしてないわ」

 

シャロ「チノちゃんですしね」

 

リゼ「悪いな、生クリームなら厨房にあるから」

 

千夜「ううん、もう一度プリンも作り直してくるわ」

 

シャロ「そうね、材料余ってるし」

 

リゼ「本当にすまない……」

 

千夜「はいリゼちゃん、あーん」

 

リゼ「んっ」パクッ

 

シャロ「ちょっと千夜……!」

 

千夜「どうかしら?」

 

リゼ「おいしい」モグモグ

 

千夜「じゃあわたしも」パクッ

 

シャロ「千夜ぁ!」

 

千夜「?」

 

シャロ(リゼ先輩と間接キス……うぅ……//)

 

千夜「とってもおいしい、さすがはシャロちゃんね」

 

シャロ「へっ?そ、そんなの市販の材料混ぜただけだし……//」

 

千夜「リゼちゃんの味もするわ」

 

シャロ「やっぱり確信犯じゃない!」

 

千夜「ふふっ」ニコッ

 

リゼ「わたしの味?」

 

チノ「」プクー! ←寂しい

 

ココア「おいち♪」モグモグ

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

千夜「どうぞ」コトッ

 

シャロ「今度こそ大丈夫よ」

 

チノ「では……」フォーク&ナイフ ポイッ

 

リゼ「ほら、スプーン」

 

チノ「いただきます……」スッ

 

全「……」ゴクリ

 

チノ「…………」モグモグ

 

チノ「……!この味です!」

 

リゼ「さっきのもその味だと思うぞ」

 

チノ「まろやかな触感、上品な味わい、この柔らかさ……これこそ母のプリンです!」

 

ココア「やったぁ!さすがは千夜ちゃんとシャロちゃん!」

 

リゼ「ちなみにあれは?」

 

千夜「市販のプリンの素よ、牛乳さえあれば作れるから余った分は置いていくわ」

 

シャロ「これで解決です?」

 

リゼ「ああ、おかげさまでな」

 

チノ「………………」

 

チノ「」

 

ココア「ふぉぇ?チノちゃん?」

 

シャロ(なにか、嫌な予感が……)

 

千夜(この沈黙は……)

 

リゼ(まさか……)

 

 

チノ「お母さんに、抱っこされたいです……」グスッ

 

 

リゼ「さすがに無理だっ!?」

 

 

 

イヤデスイヤデス! オカアサンニダッコシテモラワナキャイヤデス!

 

モカサンダ!ココア、モカサンヲヨンデクレ!

 

オネエチャンヨブノ!?

 

アオヤマサントカドウカシラ?

 

イマノジカンナラ タブンフルールドラパンニイルトオモウワ

 

 

ワイワイ ガヤガヤ

 

 

 

ティッピー「今日は朝から騒がしいの」

 

タカヒロ「暇しなくていいだろう」

 

カラン

 

タカヒロ「いらっしゃいませ」キラン

 

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    チノちゃん嫉妬シリーズ待ってました!
    モンハンセカジー懐かしいw
    次回もまた楽しみにしてます 

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます。
      1年ぶりのチノちゃん嫉妬シリーズでしたが、無事お楽しみいただけたようでなによりです。
      2ndGのネタは、世代的に分からない人は分からないかもしれませんね。

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