――10月31日 PM5:40 天々座家――
ここあ「ぁ……!」キラキラ
使用人「苦しくないですかい?」
ここあ「うん!」
ここあ「みてー、まほうつかいだよ~//」
使用人「良くお似合いです」
使用人「あとはこの地図の通りに」スッ
ここあ「ちのちゃんたちがまってる?」
使用人「はい、お友達に会ったらお菓子を貰う代わりにカゴの中の招待状を渡してください」
使用人「先にラビットハウスでお待ちしています」ナデナデ
ここあ「まかせて!みんなさそってくるね!」
ここあ「えっと……ちのちゃんたちにあったら……――」
ここあ「とりっく・おあ・とりーと!」
使用人「ハッピーハロウィン。これはあっしからです」
ここあ「きゃらめる!ありがとう//」
使用人「その調子でお願いします」
ここあ「いってきまーす♪」タタタ
使用人「いってらっしゃいませ」
使用人「………………」
使用人(さて……バレないようにストーキングしないと)
――
――――
――――――
―――――――――――――――――――
――1人目――
ここあ「ここをまがって……」
ここあ「つぎはこっち!」
ここあ(ここは――おおかみ?)
ここあ(だれだろう……?)キョロキョロ
使用人(俺の下手な絵で、果たして理解されただろうか……)ドキドキ
ここあ(もうすこしさきかな……)テクテク
??「がおー」
ここあ「!」
――ギュッ
チノ「きましたね、まほうつかい。背中ががら空きです」
ここあ「ちのちゃん!」
チノ「わたしはチノじゃありません、オオカミです」
チノ「がおー、このままたべちゃいますよ」
ここあ「えっと、えっと」
チノ「トリックです」
ここあ「とりっく――とりっくおあとりーと!」
チノ「ハッピーハロウィン//」ニコッ
チノ「ちゃんと言えましたね、わたしからはこれです」
ここあ「わぁ、ましゅまろだぁ」
ここあ「そうだ!ちのちゃんはい、これ」
チノ「招待状、確かに受け取りました」
チノ「他のみんなも誘ってきてください、先にラビットハウスで待ってます」ナデナデ
ここあ「んっ……♪」
チノ「今夜だけは魔法使いここあさんですね」
ここあ「ちのちゃんにもまほうかけてあげる!」
ここあ「もっとえがおになーれ♪」
チノ「//」ニコッ
――チノちゃん ○
使用人「お疲れ様です」ペコリ
チノ「ここあさん、マントの下はノースリーブでしたけど、風邪ひいたりしないでしょうか?」
使用人「長くて1時間程度ですし、恐らく大丈夫かと」
使用人(言えない……お嬢の趣味でノースリーブ衣装になったなどとは……)ススッ
チノ「?」
―――――――――――――――――――
――2人目――
ここあ「♪~♪♪」
ここあ「つぎは……――まじょ?」
ここあ「…………?」キョロキョロ
??「ふっふっふ……」
ここあ「!」
??「わたしは不意打ちなんてしないわ、挑むなら真っ向勝負!」
??「魔法使い、覚悟!」
ここあ「ちやちゃん!」
千夜「カボチャにされたくなかったらその杖を置いていきなさーい」
ここあ「ちやちゃんはわるいまじょなの?」
千夜「ええ、チョコレートケーキのチョコを餡子に変えてしまう悪い魔女よ」
チノ(チョコが餡子に……子供ならトラウマになるレベル……)ゴクリ
使用人(コスプレもかわいい……)
ここあ「そんなことしちゃだめだよ」
ここあ「えっと……とりっくおあとりーと!」
千夜「トリート、よくできました♪」ナデナデ
千夜「はい、わたしからはチョコレートよ」
ここあ「ありがとうちやちゃん//」
千夜「虫歯には気を付けてね~」
ここあ「これ、わたしからだよ」スッ
千夜「招待状ね、ありがとう」
千夜「ここあちゃんは勇敢で優しい魔法使いね」ギュッ
ここあ「えへへ//」
――千夜ちゃん ○
千夜「チノちゃん、使用人さん、お待たせしました」
チノ「お疲れ様です千夜さん」
使用人「どうも」ペコリ
千夜「あら、使用人さんは仮装しないんですか?」
使用人「あっしですかい?その……」ポリポリ
使用人「最初は顔に傷でも描いてフランケンシュタインでも演じようかと思ったんですが、メイド全員に反対されてしまって」
チノ「なるほど……」
千夜「ここあちゃんならきっと大丈夫なのに、残念です」
使用人「そんな恰好で外を歩いたら目立ちますしね……ははっ」
使用人「ハァ……」
―――――――――――――――――――――――――――
――3人目――
ここあ「このはしをわたって、あのこうえん」
ここあ「」タタタ
ここあ(つぎはだれだろう?)
ここあ「………………」キョロキョロ
ここあ「…………」テクテク
シャロ「ここあ、こっちよ」
ここあ「!」
ここあ「しゃろちゃん!」
シャロ「可愛いコスプレね」ニコッ
ここあ「しゃろちゃーん//」タタタ
シャロ「よく見たらノースリーブじゃない、寒いでしょう?」
ここあ「ううん、へいきだよ」
ここあ「しゃろちゃんは……ぞんび?」
シャロ「パンクロック風のね、これも血のりよ」
シャロ「ここあは魔法使い?」
ここあ「うんっ!」
ここあ「シャロちゃん、とりっくおあとりーと!」
シャロ「ハッピーハロウィン♪」
シャロ「はい、特製のクッキー」
ここあ「てぃっぴーだぁ!」ピョン
シャロ「割れないように気を付けて、カゴに入る?」
ここあ「おおきいからだいじょうぶだよっ」
ここあ「はいしゃろちゃん、しょうたいじょう」
シャロ「ありがとう、先に行って待ってるわね」ナデナデ
ここあ「ちやちゃんとちのちゃんもいるよー」
――シャロちゃん ○
シャロ「ふぅ……お疲れさま――って」
千夜「」プクー
シャロ「なによその顔」
チノ「なんと言いますか……」
使用人「普通、ですね」
シャロ「へっ?」
千夜「そうよシャロちゃん、せっかくのハロウィンなんだからもっとここあちゃんを楽しませてあげないと!」
千夜「ゾンビならいきなり噛みつこうとするとか!」
シャロ「なんであげる側が悪役になってるのよ!?」
チノ「ハッ!そういえばもらう側がお化けでした……」
使用人「すっかり反対になっていましたね」
千夜「どこで間違えたのかしら……」
シャロ「使用人さんやチノちゃんまで!?」
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――4人目――
ここあ(このみちをまっすぐいって)
ここあ(あのかどをまがって、またまっすぐ……)テクテク
??「ワンワン」
ここあ「?」
??「ここだよ~、ワンワン」
ここあ「だれ?」
ユラ「ワンワンっと」ガサッ
ここあ「ゆらちゃん!」
ユラ「ユラちゃんじゃなくてケルベロスだよ~、両手に顔があるでしょ~?」
ここあ「けるべろす?」
ユラ「顔が3つあるイヌのこと~。ほら、ワンワン、ワンワン」
ユラ「ところでここあちゃん、ユラちゃんケルベロスに何かご用?」
ここあ「えっとね、とりっくおあとりーと!」
ユラ「ここあちゃんにトリックされたいな~」
ここあ「ふぉぇ?」
ユラ「冗談だよ~トリート~」
ユラ「二頭のケルベロスからここあちゃんに『ペロペロキャンディー』をプレゼント~」
ここあ「わぁ♪」
ユラ「ユラちゃんにも何かおかえしちょうだーい」
ここあ「これ、しょうたいじょうだよ」
ユラ「ありがと~。また後でたくさん遊ぼうね~ワンワン」
ここあ「ゆらちゃん」
ユラ「ん~?」
ここあ「きてくれてありがとう//」ギュッ
ユラ「呼ばれたらいつでも駆け付けるよ~ここあちゃんのこと大好きだからね~」ナデナデ
ここあ「わたしもゆらちゃんすき//」ニヘラ
――吹き矢部部長 ユラ先輩 ○
ユラ「お待たせ~ここあちゃんに告白されちゃった~」
シャロ「吹き矢部部長、参加してたんですか!」
ユラ「リゼに呼ばれてね~やっぱり迷惑だった~?」
チノ「いえ。むしろ」
千夜「またこうして輪に入って頂けて、嬉しいです」
シャロ「そうですよ、おかげでここあも喜びますし」
ユラ「リゼの後輩はみんな良い子で優しいね~」
ユラ「使用人さんは可愛いけどさ~」ムフー
使用人「ご冗談を……」
千夜「その気持ち分かります」ニコッ
使用人「っ!?//」
―――――――――――――――――――――――――――
――5・6人目――
ここあ「………………」テクテク
ここあ「――!」
ここあ「あまうさあん!しゃろちゃんのおうち!」タタタ
??「そこまでだ~!」
ここあ「?」
??「ここあちゃん!あ、じゃなくて、ま、魔法使い!」
??「ここを通りたければその杖をよこせー!」
ここあ「まやちゃんとめぐちゃん?」
マヤ「違う!わたしたちは死神だー!」
メグ「わ、悪い子はいねぇ~が~!」
ここあ「つよそうだね……!」
マヤ「さぁここあ、どうする?」
ここあ「まけないよ!」
ここあ「とりっくおあとりーと!」
マヤ「ぐわぁ!」バタリ
メグ「やられたよ~」ポテッ
マヤ「ドロップアイテムのプリンだ」
メグ「わたしはドライフルーツ~」
ここあ「ありがとうまやちゃん!めぐちゃん//」
ここあ「ふたりとも、これでなかまになって?」スッ
マヤ「おおー……これは!」
メグ「招待状!」
マヤ&メグ「マヤとメグが仲間になった、テッテレー♪」
ここあ「やったぁ、これであとはりぜちゃんだけだよ!」
――マヤちゃん&メグちゃん ○
メグ「チノちゃん、どうだった?」
マヤ「なかなか凝った演出でしょ?」エッヘン
チノ「お二人とも、色々と間違ってると思います……」
シャロ「これなまはげのお面……」
千夜「トリックオアトリートが攻撃の呪文になってたわね」クスッ
ユラ「これハロウィン~?RPG~?」
使用人「急ぎましょう、先に戻っておかなくては」
――
――――
――――――
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――7人目――
ここあ「…………?」
ここあ(らびっとはうすについちゃった……)
ここあ「………………」キョロキョロ
ここあ「……りぜちゃんは?」
リゼ「――ここあ」
ここあ「!」
リゼ「おかえり」
ここあ「りぜちゃん……!」
リゼ「よっと」ヒョイ
リゼ「みんなからお菓子貰えたか?」
ここあ「うん!しょうたいじょうもわたしたよ!」
リゼ「そうか、よく頑張ったな」ナデナデ
ここあ「んっ……//」
リゼ「ここあのおかげでみんなが集まったぞ、今からラビットハウスでハロウィンパーティーだ」
ここあ「でも、りぜちゃんがまだだよ?」
リゼ「くすっ……そうだな」
リゼ「それじゃあ――たのむ」
ここあ「うん……――りぜちゃん?」
ここあ「とりっく・おあ・とりーと?//」ニコッ
リゼ「トリート」
リゼ「ほら、あーん」
ここあ「あーん……//」
リゼ「チョコだ、おいしいか?」
ここあ「うん//」モグモグ
リゼ「あとの分はラビットハウスに用意してあるからな」
ここあ「りぜちゃん、はい」スッ
リゼ「?」
ここあ「しょうたいじょう、うけとって?」
リゼ「……!ああ、ありがとう」
ここあ「りぜちゃんを、ぱーてぃーにしょうたいするよー」
リゼ「……ふふっ//」ギュッ
ここあ「わわっ……」
リゼ「ここあは、本当の魔法使いかもな」
ここあ「ふぉぇ?」
リゼ「みんなを、幸せな気持ちにする……//」スリスリ
ここあ「えへへ……//」
ここあ「りぜちゃんも、みんなも、もっともっとしあわせになーれ♪」
リゼ「なるさ、お前がいてくれれば」
リゼ「さて……入ろうか」
――リゼちゃん ○
扉開ケタ途端 ~
見知ラヌ世界ヘ ~
ソレガアリ得ルカモ ~
ミルク色ノ異次元 ~
――ガチャッ
『『『ハッピーハロウィン!』』』
――おしまい?
――『トリックオア?』――
ユラ「ねぇリゼ~?」
リゼ「んっ?」
ユラ「お菓子持ってなかったら、ここあちゃんにどういうイタズラされるの~?」
リゼ「さぁな、ここあのことだし『くすぐり』くらいじゃないか?」
ユラ「ここあちゃんにコチョコチョされちゃうのか~悪くないね~」
リゼ「でもお菓子をあげないと可哀そうだしな」
ユラ「ちなみにリゼは~?」
リゼ「わたしはもうそんなことをする歳じゃない」
ユラ「トリック・オア・ここあ?」
リゼ「ここあっ!!」クワッ
ユラ「あれ~?」
――おしまい♪
感想
「ほほえま~~!」( ゚∀゚):∵グハッ!!っと叫びたくなる平和なお話で癒されました!
ここあちゃんシリーズのお話は、『優しい世界』のみで形成されているのです。
現実のハロウィンは、ルールを守らない人が多くて楽しくないけど
こっちのハロウィンは、ほっこりしててにやけながら読んでました。
次も期待して待ってます。
ここあちゃんのためにわざわざコスプレをしてお菓子を渡してあげるリゼちゃんたち……この優しい世界観を今後も守っていきたいと思います。
ハロウィンの次はどんなイベントが待ち受けているのか、今後もここあちゃんたちのことを見守ってあげてください。