――プラネテューヌ――
ネプ「ふふーん、やっぱりゲームは深夜に限るね~」ピコピコ
ネプ「みんなが寝静まった頃にひっそりとオンラインゲームをプレイするこの感覚、何物にも代えがたい優越感と虚しさのダブルサンド!」
ネプ「ニートでも無ければ特に人生の成功者でもないのにこの気持ちを味わえる、女神ってサイコーだねー」
ネプ「……あれ?」ガサッ
ネプ「わたしの露骨な心情描写が終わったところで、ちょうどお菓子が無くなっちゃったよ」
ネプ「確かこの辺におにぎりせんべいとヒモキューが――」ガサゴソ
ネプ「んっ?」
『お姉ちゃんへ 真夜中の間食は体に悪いのでこの辺のお菓子は全てプラネテューヌタワーの地下室に移しました。 ネプギア』
ネプ「地下室……ここ最上階……」
ネプ「………………」
ネプ(さすがはネプギア、どこかに隠すんじゃなくて堂々と地下室に移すところがお姉ちゃんのウィークポイントにストライクだよ)
ネプ「地下まで取りに行くのめんどくさいなぁ、女神化する気分でもないし……」
ネプ「そうだ!ノワールを呼んで遊びに来てもらうついでに取ってきてもらうとか……!」
ネプ「………………」
ネプ(うん、さすがにキレられるよね。いまAM3時前だし)
ネプ(ベールならまだ起きてそうだけど、リーンボックスからはちょっと遠いし)
ネプ(ブランは論外だし)
ネプ「……よし、諦めよう!」
ネプ「気を取り直して、期間限定クエストマラソンいっくよー!」
トントン
ネプ「ねぷっ!?」ビクッ
トントン
??「ネプテューヌさん」
ネプ「ネプギアかな?お姉ちゃんお菓子我慢していい子にしてるからノープロブレムだよ?」
??「違います、わたしです」
ネプ「その声は……!?」
ネプ「――だれ?」
ガチャッ
イースン「わたしですってば!」
ネプ「いやごめんね、フリかと思って」
イースン「なんのフリですか!ダチョウ倶楽部じゃないんですよ!」
ネプ「おお、意外と知ってるねイースン」
イースン「……こほん、ではなくてですね」
ネプ「こんな時間にどうしたの?まさか深夜のお説教?」
イースン「違います、ネプテューヌさんはわたしをなんだと思ってるんですか」
ネプ「お母さん(代理)」フンス
イースン「……おやすみなさい、少しでもネプテューヌさんを当てにした私が馬鹿でした」
ネプ「冗談だよイースン!愚痴とぼやきと独り言くらいなら聞いてあげるからさぁ」
イースン「愚痴以外は聞いてもらう意義ゼロですね……」
ネプ「お笑いのテンプレートなぞったところで、こんな真夜中にどうしたの?」
イースン「………………」
ネプ「イースン?」
イースン「……わ、笑わないで聞いてくださいね?」
ネプ「よしきた」
イースン「フリじゃないですから!」
イースン「……その……夕方にコーヒーを飲んだせいか、全然眠れなくて……」
イースン「仕方なくテレビを見ていたんですが、『夜更かしのあなたに怖い話』とかいうテロップと共にホラー番組が流れだして……好奇心からつい最後まで見てしまい……」ブルブル
ネプ「それトリ〇ダじゃん!絶対トリ〇ダだよね!?」
イースン「もうわたし、お化けよりもむしろ人間が怖いです……」ガクガク
ネプ「あれって幽霊一度も出てこないもんね」
ネプ「……んっ?」
ネプ「まさかイースン……それで怖くなって?」
イースン「……うぅ//」
ネプ「…………ぷっ!」
イースン「!」
ネプ「ぷははっ!あはははっ!あ、あのイースンが一人で寝るのが怖いなんて!くくっ……あはは!」
イースン「なっ……そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
ネプ「ごめんごめん、ふふっ……!いやぁ、久々に涙が出るほど笑わせてもらったよ~」ゴシゴシ
イースン「~~~っ!もうネプテューヌさんなんて知りません!ネット住民と朝までオンゲーでも何でもしてください!」
イースン「ふん!おやすみなさい」
ネプ「あっ、待ってよイースン!」
イースン「……まだ何か用ですか?」
ネプ「いいよ、今夜は一緒に寝よう」
イースン「えっ……?」
ネプ「もうゲーム中断、笑ったらなんだか疲れちゃった」
ネプ「でもわたし夜更かしに慣れちゃっててさぁ、こんな時間にベッドに入ってもなかなか眠れないんだよね」
ネプ「だから眠たくなるまで、イースンに話し相手になってほしいな」
イースン「ネプテューヌさん……」
ネプ「歯磨きしてくるから待っててよ。いざ、風のように早く!」ビュ
ガチャッ バタン
イースン「………………」
イースン「やっぱり、なんだかんだ言っても優しいですね、ネプテューヌさんは」クスッ
イースン「……ありがとうございます」
―――――――――――――――――――――――――――
――IN 二段ベッド 下――
ネプ「イースン、ほんとにわたしの横でいいの?」
イースン「でないと一緒に寝る意味がないじゃないですか」
ネプ「明日になると、そこには私の寝返りによって潰れた見るも無残なイースンの姿が……」
イースン「いやぁああ!やっぱり上のベッドで寝ます!」
ネプ「冗談だよ~意外と寝相いいと思うから大丈夫だって」
イースン「『思う』ってなんですか!?根拠は!?確証は!?」
ネプ「プラネテューヌ、消灯!」カチッ
イースン「まっくらはダメです~!せめて豆球を!」
イースン「ネプテューヌさん、ほんとに寝返りうたないでくださいね……?」
ネプ「だいじょーぶだいじょーぶ!」
イースン「…………」
ネプ「こうしてイースンと一緒の布団で寝るのっていつ以来かな」
イースン「いつでしょうね、たぶん調べればわかると思いますけど」
ネプ「記憶があいまいな方がいいよ、こういうのは」
イースン「……ネプテューヌさん、あの……」
ネプ「?」
イースン「ごめんなさい……ほんとうは全然眠たくないですよね?」
イースン「わたしが無理言ってしまったから……」
ネプ「ん~別にいいんじゃない?」
イースン「え?」
ネプ「ふふん♪」
イースン(ネプテューヌさんの顔が近くに……)
ネプ「イースンはさぁ、いつもひとりで頑張りすぎなんだよ」
ネプ「誰だって一人は心細いし、急に寂しくなる時だってあるじゃん」
ネプ「誰かに頼りたい時だってあるし、何もかも忘れてしがみつきたい時だってあるよ」
ネプ「そんなのみんな一緒だもん、わたしだってノワールだって、ネプギアだって、もちろんイースンだって」
イースン「でも……わたしは教祖ですから……。ネプテューヌさんやネプギアさんに頼られる立場でなくては……」
ネプ「そんなこと言ったらわたしなんて女神だよ?プラネテューヌの女神、この国の代表者だよ?」
イースン「それは……」
ネプ「こういうのはさ、代わりばんこでいいんだよ」
ネプ「わたしが辛い時はイースンを頼るし、イースンが辛い時はわたしを頼ってくれればいい」
ネプ「みんながお互いを支えあってシェアすれば、みんなが笑顔になれるんじゃないかな」
イースン「……!」
ネプ「だからさぁイースン、もっとわたしのこと遠慮なく頼ってよ」
ネプ「迷惑かけられるのくらい別に何でもないから。ねっ?」
イースン「………………」
ネプ「とか何とか言っても、普段迷惑かけっぱなしのわたしが言っても説得力なかったりして――」
イースン「」ジワッ
ネプ「ってイースン!?どうしたの急に?」
イースン「急にはこっちです……ずるいですよ、いきなり不意打ちで」ポロポロ
ネプ「わたしはそんな卑怯な真似しないよ、格闘ゲームでも!」
イースン「もういいですから、早く寝てください」グスッ
ネプ「ちぇ~せっかくいい言葉言ったつもりだったのに~」
ネプ「まぁいいや、これからは無理しちゃダメだよ」
イースン「はい、分かってます……」フキフキ
イースン「今日みたいにネプテューヌさんを頼ります……しっかりと迷惑、かけます」
ネプ「よし……おやすみ、イースン」
イースン「ええ、おやすみなさい」
―――――――――――――――――――――――――――
ネプ「むにゃ…………」Zzz
イースン「ネプテューヌさん、あなたはやっぱりプラネテューヌの女神ですね」
イースン「いつもはおバカなふりをしてても、やっぱりあなたは……」
ネプ「ぇへへ…………」Zzz
イースン「ネプテューヌさんのこと、きっとこれからもたくさん頼りにすると思います」
イースン「ですからネプテューヌさんも、わたしでよければこれからもたくさん迷惑かけてください」
イースン「……くすっ、あなたならこんなこと言わなくても迷惑かけてきますよね」
ネプ「でたなぁ、テリトスぅ……」Zzz
イースン「……ネプテューヌさん」
イースン「これからも、みんなで頑張っていきましょうね」
イースン「――んっ」チュ
ネプ「ふぇ…………?」Zzz
――おしまい♪
感想
結構いいですね!
いつもと違ったイースンが見れて。
これからも頑張ってください
はい。ネプテューヌSSも需要は少ないですが、望んで下さる方々がいる限り続けていきたいと思います。