ごちうさSS リゼ「ココアがお年頃なことに興味を持ち始めた」

 

アブノーマルですので、ご了承の上お楽しみください。

 

――ラビットハウス――

 

リゼ「ふぁぁ…………」アクビ

 

チノ「さっきのお客さんから2時間……誰も来ませんね」

 

リゼ「夏休みなのは子供だけだもんな」

 

チノ「しかたないので本でも読んでおきます」パラッ

 

リゼ「読書か、わたしはどうするかな」

 

リゼ(あれ……そういえばココアは?)

 

 

――厨房――

 

ガチャッ

 

ココア「…………」モクモク

 

リゼ(あいつも読書か、しかし何もこんなところで読まなくても)

 

リゼ「――おい、ココア」ポンッ

 

ココア「ヴぇあああぁああ!!?」ビクッ

 

リゼ「っ!?」

 

ココア「りり、リゼちゃん!いつからそこに!?」アタフタ

 

リゼ「ついさっきだけど……すまない、まさかそんなに驚くとは」

 

ココア「そっか……ううん、わたしのほうこそごめんね」ホッ

 

リゼ「んっ……?それ、小説じゃなく雑誌か?」

 

ココア「!う、うん、お客さんの忘れ物で……」ササッ

 

リゼ「珍しいな、ココアがそういうの読むなんて」

 

ココア「暇だったからつい、あはは……」

 

リゼ「?」

 

リゼ(なにか不自然だな……まぁいいか)

 

リゼ「読書ならチノの隣でしてきたらどうだ?ここは少し寒いだろ」

 

ココア「ううん大丈夫だよ、むしろ熱いくらい……」

 

リゼ「そういえば心なしか顔が赤いな……もしかして風邪か?」オデコ ピタッ

 

ココア「!」

 

リゼ「ん~……熱いのは頬だけだな」リョウテ ピタッ

 

ココア「リゼちゃん……」

 

リゼ「?――あっ……す、すまない、つい……//

 

ココア「ううん、ありがとう//」ニコッ

 

リゼ「…………っ//

 

ココア「……//」モジモジ

 

リゼ「お、お茶でも飲むか、冷えてるやつ!」

 

ココア「うんっ」

 

 

リゼ「ほら、こぼさないようにな」

 

ココア「この味……ウーロン茶だね」ドヤッ

 

リゼ「いや、ただの麦茶だ」

 

リゼ「ズズッ…………ふぅ」

 

ココア「………………」

 

リゼ「クーラー効いた部屋で冷たいお茶を飲むとさすがに寒いな」ブルッ

 

ココア「……………………」

 

ココア(リゼちゃんなら……知ってるかも……)

 

リゼ「少し温度上げるか。ええっと、リモコンは――」

 

ココア「っ……り、リゼちゃん!」

 

リゼ「んっ、どうした?」

 

ココア「あのね……教えてほしいことがあるの」

 

リゼ(教えてほしいこと?宿題かな?)

 

ココア「頑張って自分で調べようとしたんだけど、どうしてもわからなくて……」

 

リゼ「いいぞ、何でも聞いてくれ」

 

ココア「ほんと?……ありがとう」

 

リゼ(1年前の課題だし、たぶんまだ大丈夫だよな)

 

ココア「っ……あのね――」

 

リゼ「?」ズズッ

 

ココア「――マ〇ヒストってなに?」

 

リゼ「ブフッ!!?

 

ココア「リゼちゃん!大丈夫!?」

 

リゼ「ごほっ!げほっ!はぁ、はぁ……!」

 

リゼ「……ココア、いまなんて?」

 

ココア「えっ、マ〇ヒストって……」

 

リゼ(どうやら聞き間違いではないらしい……できればそうあって欲しかったが)

 

リゼ(……そうか、ココアももう高校生、そういうことに興味を持ってくる年頃だよな)

 

リゼ(ここは、年上のわたしがしっかりしないと……)

 

リゼ「……コホン!まずはココア、いったい誰から聞いたんだそんな言葉?」

 

ココア「えっと、この雑誌に載って――あっ!」

 

リゼ「なっ……!なんて本を読んでるんだお前は!//

 

ココア「ごめんなさい!気になってつい!」

 

リゼ「これは没収だ!」パシッ

 

ココア「それお客さんのだよ~」ヴエェ

 

リゼ「まったく……挙動不審だったのはこのせいか」

 

ココア「だって……こんなの読んでるの見つかったら絶対リゼちゃんに軽蔑されるもん」グスッ

 

リゼ「そりゃ驚くかもしれないけど……別にココアのこと軽蔑したりしないぞ」

 

リゼ「そういうことが気になりだすのは、お前だけじゃなくみんな一緒というか……」

 

ココア「リゼちゃんも?」

 

リゼ「わたしの場合は家に男が多いから自然と……いや、わたしのことはいいんだ」

 

リゼ「それより……ま、マ〇ヒストだっけか?//

 

ココア「うん、普通はMって表現するらしいの」

 

リゼ「意味は……そうだな……//」ゴニョゴニョ

 

ココア「あっ……や、やっぱり……いけない言葉……?//

 

リゼ「……まぁ、そうだな//

 

ココア「そっか……やっぱり……//

 

リゼ「………………」

 

ココア「…………//」モジモジ

 

リゼ「……知りたいか?」

 

ココア「!……うん//

 

リゼ「そっか……なら今夜わたしの家に来い。ここじゃあチノもいるし、な」

 

ココア「ふふっ、お泊り会だね」

 

リゼ「勉強会だろ一応」

 

ココア「リゼちゃん、ありがとう」ギュッ

 

リゼ「!」

 

ココア「わたし、パソコンもスマホも持ってないから……リゼちゃんがいてくれてよかった」

 

ココア「今夜知らないこと、たくさん教えてね」ニコッ

 

リゼ(……違う、違うぞ!これは変な意味でも無ければ隠語でもない……//

 

リゼ(純粋なココアの心を裏切るような邪な気持ちは絶対抱いてはいけないぞ!//)ブルブル

 

リゼ「汚れたわたしの心、頼むから暴走しないでくれよ……」

 

ココア「リゼちゃん?」キョトン

 

 

――

――――

――――――

 

――夜 リゼの部屋――

 

リゼ「つまりだな、マ〇っていうのはいじめられたり叩かれたりすると喜んだりドキドキしちゃう人のことを指すんだ」

 

ココア「叩かれて喜ぶの……?//

 

リゼ「あっ、でも本当のいじめや暴力じゃないぞ?あんなので喜ぶ人はいない」

 

リゼ「この場合はいじめる側といじめられる側、あくまでお互いの間に信頼関係が無いとダメなんだ」

 

リゼ「ちなみにいじめる側のことをサ〇ィストと呼ぶ」

 

ココア「サ〇……あ、Sのこと?」

 

リゼ「そうだ……Sっ気とMっ気、基本的に人間はどちらの素質も兼ね備えていると言われている」

 

リゼ「人によってどちらかに大きく傾いてしまうことはあるが、100%傾くことは絶対に無いそうだ」

 

ココア「そうなんだ……//

 

リゼ「他には、何かあるか?」

 

ココア「……首輪とか、お仕置きって?」

 

リゼ「またえらく過激だな……//

 

ココア「ご、ごめん……//

 

リゼ「人間はみんな支配欲や嗜虐心、被支配欲などを心のどこかに持ってるんだ」

 

リゼ「その気持ちがふとしたことで満たされたり琴線に触れたりすると、その……ドキドキしたりするらしい//

 

リゼ「首輪やお仕置きとかは、する側とされる側のお互いがその気持ちを満たすための行為だ」

 

ココア「…………//」ドキドキ

 

リゼ「すまないな、こんな理屈っぽいことしか言えなくて」

 

ココア「ううん、良く分かった」

 

リゼ「もういいのか?」

 

ココア「うん。……ふふっ♪」

 

リゼ「?」

 

ココア「リゼちゃんって、何でも知ってるんだね//」ニコッ

 

リゼ「うっ、からかうなよ……わたしだってほんとは恥ずかしいんだ//

 

ココア「わたしもだよ、あはは……//

 

リゼ「もうあんまりああいった本は読まないでくれよ//」ポンポン

 

ココア「うん、気を付けるね」

 

リゼ「よし……さて、まだ8時半だけど眠くなるまでゲームか何かするか?」

 

ココア「……………………」

 

リゼ「ココア……?」

 

ココア「……ねぇ、リゼちゃん?」

 

ココア「さっき、マ〇って信頼関係が無いとダメって言ってたよね?」

 

リゼ「えっ……あ、ああ//

 

ココア「じゃあ、たとえばね……リゼちゃんとわたしとかだったら、大丈夫なの?」

 

リゼ「っ!!?」

 

ココア「わたしとリゼちゃんだったら、お互いにドキドキするのかな?//

 

リゼ「……さぁ、どうだろうな//

 

ココア「……リゼちゃんは、わたしのこと嫌い?」

 

リゼ「そんなはずないだろう……好きだよ」

 

ココア「えへへ、わたしもリゼちゃん好きだよ♪」パァ

 

リゼ(かわいい……)

 

ココア「好き同士ってことは、お互い信用してるってことだよね?」

 

リゼ「まぁ、そうかもしれないが……」

 

ココア「……一度だけ、二人でやってみない?」

 

リゼ「!……ココア……//

 

ココア「あっ、もちろんリゼちゃんが嫌でなければだけど……//

 

リゼ「っ………//」ドクンドクン

 

リゼ(落ち着け、ここは理性を振り絞って断るんだ……!これ以上目の前の白ココアを汚してはならない!)

 

リゼ(アブノーマルな世界に踏み込ませてはいけない!欲望に負けるな、頑張れわたしの理性――)

 

ココア「リゼちゃん……?//」ウワメ

 

リゼ「」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

リゼ「……苦しくないか?」

 

ココア「んっ、大丈夫……」

 

リゼ(赤いリボンで首輪、か……なんだか余計に背徳的だな)

 

ココア「イヌミミを付けて……これでいいかな?」

 

リゼ「ああ。……どうだ、ペットの気分は?」

 

ココア「えへへ……なんだかすごく、変な気持ち//

 

ココア「でも、嫌じゃないかも……//

 

リゼ「そうか……」

 

ココア「きっと相手がリゼちゃんだからだね//」ニコッ

 

リゼ「良く似合ってるよ、そのイヌミミも首輪も」ナデナデ

 

ココア「リゼちゃんはどんな気分……?」

 

リゼ「そうだな……今までの人生の中で、きっと一番ドキドキしてる」

 

リゼ「支配欲とか背徳感とか嗜虐心とか、もうごちゃごちゃになってて……自分でも良く分からない//

 

ココア「ということは、お互い大成功だね。ふふっ、わんわん♪」

 

リゼ「いや、まだだろ?」

 

ココア「ふぉぇ?」

 

リゼ「……まだ――」

 

パシン!

 

ココア「!?」

 

リゼ「お仕置きが残ってるだろ」

 

ココア「…………っ//」プルプル

 

リゼ「ココア、大丈夫か?」

 

ココア「うん……ちょっと痛いけど……嫌じゃない、かも……//

 

リゼ「……続けるか?」

 

ココア「…………//」コクリ

 

リゼ「分かった……ほんとに痛かったら言ってくれよ?」

 

ココア「わん♪//

 

リゼ「ふふっ、いい子だ……」パシン!

 

ココア「ひゃっ……//

 

パシン! パシン! ペシッ!

 

――――――――――――――――――――――

 

――IN ベッド――

 

ココア「………………//

 

リゼ「………………//

 

ココア「……すごかったね//

 

リゼ「ああ……すまない、わたしとしたことがどうかしていた//

 

ココア「ううん、わたしも変になってたからお互い様だよ//

 

リゼ「頬とかお尻とか大丈夫か?……さすがに強くやり過ぎたな」

 

ココア「大丈夫、この痛みもリゼちゃんのだと思うと、全然嫌じゃないよ」

 

リゼ「でも、わたしはもうココアに痛い思いをしてほしくないんだ……だから、もう……」

 

 

ココア「……ダメ?」

 

リゼ「お仕置きは、できることなら。……首輪を付けたり、こうしてベッドに縛られたまま無抵抗になってるお前を見てる方がずっといい」

 

ココア「リゼちゃん……//

 

リゼ「マ〇なココア、最高だ……」ギュッ

 

ココア「くすぐったいよ……ふふっ//」ニコッ

 

 

―――――――――――――――――

 

――翌日――

 

リゼ「」ズーン

 

千夜「リゼちゃんどうしたの?そんなに落ち込んで……」

 

リゼ(ココアをアブノーマルの世界に触れさせないようにするつもりが、あろうことか一緒に引き込まれてしまった……うぅ、今になって罪悪感が)ギリギリ

 

千夜「リゼちゃん大丈夫?胃薬飲む?」

 

リゼ「千夜……すまない、頂くよ」

 

チノ「――あの、リゼさん、千夜さん?」

 

リゼ「んっ?」

 

千夜「なぁにチノちゃん?」ニコッ

 

チノ「最近本を読んでいて分からない言葉が出てくるのですが……」

 

リゼ「……?」ゴクゴク

 

千夜「あら、どんな言葉かしら?」

 

チノ「――マ〇ヒストってなんですか?」

 

リゼ「ブフッ!!?

 

千夜「まぁ……」

 

この後、チノちゃんの疑問は千夜ちゃんの説明によってすんなりと解決したそうです。

 

――おしまい♪

感想

  1. はにすけ より:

    わひぁあああ、刺激的です(*/▽\*)

    なかなか言い出せない冒頭の会話がドキドキしました!
    ココアちゃん、何に興味持っちゃったの?と思いながらも、雑誌由来だし、
    男子高校生的なアレかと思いきや、まさかのアブノーマルでひっくり返りました(笑)

    途中で秘めたる欲望に開眼してしまうリゼちゃんにはゾクゾクしました。
    まさか、以前読んだちょっと怖いリゼちゃんになってしまうのかと思いましたが、
    正気に戻ってホッとしましたw 誘惑に負けた後で後悔しちゃうのが、
    リゼちゃんらしくていいですね(´∀`)b

    しかし、最後に千夜ちゃんが万が一目覚めてたらと思おうと怖いです(笑)
    千夜ちゃんがチノちゃんにお仕置きなんて…見たくない…見たい。

    それにしても今回はココアちゃんがすっごい可愛かったです♪
    SMをお願いするところとか、イヌミミココアちゃんとか、
    自分も危うく目覚めそうで、やばすぎですw

    ほのぼの話だけでなく、たまにはドキドキ・アブノーマルなのもいいですね☆
    砂水クジラさんならアレンジがあっても安心して読めるので、また楽しみにしています♪

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      かなり冒険的なSSでしたが、たくさんの方にご好評をいただき一安心です。
      (実はずっと以前からPC内にしまっていたアイデアだったので……)

      そういえば以前に一度ココリゼでアブノーマルなSSを書いて思い切り失敗してましたね;
      今回は以前の二の舞にならぬよう、リゼちゃんは完全にサド側にはならないことを意識しました。
      イヌミミシチュや首輪……マゾなココアちゃんを可愛く思っていただけたのであれば、執筆者としては嬉しい限りです。

      チノちゃんのアブノーマルシチュ……背徳感がココアちゃん以上にありそうですね。
      需要があるようであれば、そのうちまたぜひ。

      余談ですが本作、わたしの予想とは裏腹に信じられないほどの需要を頂いており、少々困惑気味です;
      ごちうさの魅力を引き出すためならば、時折りこのようなSSを書いても許していただけるのかもしれません。

  2. 名有り より:

    リゼちゃんはこういうシチュエーションにおいて、あとから罪悪感に苦しむ、という描写が2次創作では多い気がするのですが、そうなると意外とMに目覚める可能性も出て来るのでしょうか…?Mなココアちゃんを見るのは正直とてもドキドキするのですが、Mリゼ×Sココ なんていう想像をするのもそれはそれでワクワクしますね…!(リクエストではないのでどうかお気になさらないでください。それと長文失礼しました。)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      こんなにアブノーマルすぎるシチュエーションは他のごちうさSSではさすがに見当たらないかと思いますが、わたしが存じ上げないだけでしょうか……?
      これは私の個人的な見解ですが、リゼちゃんのようなタイプの罪悪感は恐らく、責任感や真面目さ、良識的なことから逸脱してしまったことに対する後悔からくるものと思います。
      Sっ気とMっ気というのはあくまで性癖の範囲なので、その人の性格や考え方から直結して影響することはあまり無いかと思われます。
      ですのでわたしはリゼちゃんにあまりMっ気を感じたことはありませんね、もちろんSっ気も感じませんが。
      故に本作は、実はカップリング的には『Mココ×リゼ』となっております。

  3. はなまるびぃ より:

    ど、ドーシテコーナッタ
    Mに目覚めたココアちゃん…なんだかそそられる私は一体…

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ドーシテコーナッタ=すいません、古参の方はもはやお分かりいただいているかと思いますが、毎度ながらの砂水クジラの暴走です;
      るびぃさんにまで需要を頂き、感激です♪

  4. 匿名 より:

    心がぴょんぴょんしますね〜

  5. ときめきポポロン より:

    いいぞーこういう刺激的なSSはいい!あーマジ興奮する〜!あー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

  6. 匿名 より:

    あの・・。
    ココアが、チノにヤンデレしてる、SS読みたいです。(〃^ー^〃)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      申し訳ながら、現在はプロットにもヤンデレココチノは入っておりません。
      アイデアが浮かび次第ということで、ご了承いただけますと幸いです。

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