ごちうさSS リゼ「甘えんぼうな千夜」

 

――リゼの部屋――

 

リゼ「待たせたな」ガチャッ

 

千夜「おかえりなさいリゼちゃん」

 

リゼ「千夜は抹茶ラテで良かったか?」

 

千夜「わざわざありがとう」

 

リゼ「そんなにかしこまらなくていいんだぞ。ほら、足くずせよ」

 

千夜「えっ?でも……」

 

リゼ「わたしたち以外誰もいないんだし気にするな」

 

千夜「そうよね……それじゃあ」スッ

 

リゼ「よし」

 

千夜「くるしゅうない、なーんて♪」クスッ

 

 

リゼ「ふぅ……お風呂上がりの一杯は格別だな」

 

千夜「ようやく夏が来たって感じね」

 

リゼ「できればみんなで味わいたかったな、まさかココアが熱でダウンとは……」

 

千夜「自分のせいでドタキャンになっちゃったこと気にしてたわ、治ったらみんなに謝らなきゃって」

 

リゼ「ははっ、あいつらしいな。……それにしても」

 

千夜「?」

 

リゼ「まさか千夜からこんな提案してくるなんて驚いたよ」

 

千夜「せっかくだからリゼちゃんと二人きりでお話したいと思って」

 

リゼ「二人でこっそりお泊り会か……意外と悪くないな」

 

千夜「なんだか背徳的な優越感があると思わない?」

 

リゼ「わかる気がするよ、なんかいけないことしてるみたいな」

 

千夜「今夜……二人でほんとにいけないことしちゃいましょうか?」

 

リゼ「なっ……そ、それって……!?//

 

千夜「冗談よ、ふふっ♪赤くなっちゃってリゼちゃんたら」

 

リゼ「っ~~!千夜ぁ!」

 

千夜「ごめんなさい」クスッ

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

リゼ「……………………」

 

千夜「ゲームって意外と難しいわね、えいっえいっ」ピコピコ

 

リゼ「……………………」

 

千夜「ああっ!……負けちゃったわ」

 

リゼ「……なぁ千夜?」

 

千夜「んっ、どうしたの?」

 

リゼ「ゲームはいいんだが……どうしてわたしの膝の上で?」

 

千夜「……迷惑?」

 

リゼ「いや、別に構わないが」

 

千夜「ならあと少しだけ」ポスッ

 

リゼ「おっと」

 

千夜「ふぅ……」

 

リゼ「……千夜?」

 

千夜「甘える側ってこんな気持ちなのかしら……」ボソッ

 

リゼ「えっ?」

 

千夜「ごめんねリゼちゃん、もう少しだけ……」

 

千夜「こんな新鮮な気持ち、なかなか味わえないから」ニコッ

 

リゼ「……………………」

 

千夜「はい次、リゼちゃんの番よ」

 

リゼ「あっ、ああ」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

――IN ベッド――

 

千夜「誰かと一緒に寝るのって中学生のころ以来かしら」

 

リゼ「シャロの家に泊まったりしないのか?」

 

千夜「高校生になってからは全然。シャロちゃんもお年頃だから」

 

リゼ「いや、千夜と同い年だろ」

 

千夜「敵襲てきしゅう!部屋の明かりを落とせ~!」カチッ

 

リゼ「おいおい」

 

千夜「さて、そろそろ寝ましょうか」

 

リゼ「12時前か、いい時間だな」

 

千夜「こんなに夜更かししたの久しぶり」

 

リゼ「わたしはいつもこのくらいの時間になるかな、早く眠れて羨ましいよ」

 

千夜「リゼちゃん……ぎゅーっ♪」ダキッ

 

リゼ「わっ!千夜……」

 

千夜「今夜はだれもいないから、リゼちゃんに甘え放題ね」モフモフ

 

リゼ「お、おい……今日のお前、なにか変だぞ?//

 

千夜「だって、こんな機会滅多にないじゃない」スリスリ

 

リゼ「……?」

 

千夜「年上で思う存分甘えられる相手って、おばあちゃんかリゼちゃんしかいないもの」

 

リゼ「……千夜」

 

千夜「でもほら、みんなの前でリゼちゃんに甘えるのはさすがに恥ずかしい気がして……」

 

千夜「だから、だれも見ていない今のうちに思う存分甘えておくの」

 

千夜「リゼちゃんもふもふ、もふもふ♪」

 

リゼ「……なぁ千夜?」

 

千夜「?」

 

リゼ「みんなの前でも甘えてきていいんじゃないか?」

 

千夜「えっ」

 

リゼ「何もお前ひとりが甘えられる側にならなくてもいいってことだ」

 

リゼ「お前もココアやシャロと同じ年なんだ、わたしよりも年下なんだし」ナデナデ

 

千夜「あ……」

 

リゼ「だからその……なんだ」

 

リゼ「大したことはできないけど、甘えたい時は甘えてきていいんだぞ?」

 

リゼ「特にお前はいつもわたしやみんなからも頼られてるんだしな」

 

リゼ「こんなので済むなら、お安い御用だよ」

 

千夜「……!」

 

千夜「……もう、リゼちゃんたらダメね」

 

リゼ「?」

 

千夜「そんなこと言われたら、わたしがシャロちゃんに嫌われちゃうわ」

 

リゼ「シャロ?」

 

千夜「何でもない、ありがとうリゼちゃん……シャロちゃんに嫌われない程度でなら、これからは素直に甘えさせてもらうわね」

 

リゼ「ああ……?」

 

千夜「ふふっ、リゼちゃん♪」スリスリ

 

リゼ(よく分からないが、普段と違う千夜の一面が見られただけでも良しとしよう)

 

リゼ(甘えんぼうな千夜……悪くない)

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

――翌日 ラビットハウス――

 

ココア「ごめんねチノちゃんもリゼちゃんも、わたしのせいで」

 

チノ「気にしないでください、軽い風邪で良かったです」

 

リゼ「まだ夏休みだし、来週にでもまた開催すればいい」

 

ココア「今度は大丈夫だから、前日は冷房も扇風機も付けないで寝るから」フンス

 

リゼ「いや、せめて扇風機はつけろよ」

 

チノ「脱水症状で倒れるのが目に見えます」

 

ガチャッ

 

千夜「こんにちは♪」

 

シャロ「おじゃまします」

 

ココア「千夜ちゃんシャロちゃん!」

 

チノ「いらっしゃいませ」

 

リゼ「おお、二人も来たか」

 

千夜「ふふっ、リーゼちゃん」ダキッ

 

リゼ「!?」

 

シャロ「ち、千夜!?」

 

ココア「あ、二人ともずるーい!わたしももふもふする~!」

 

リゼ「お、おい千夜……!//

 

千夜「いつでも甘えていいんでしょ?リゼちゃんもふもふ」

 

リゼ「た、確かにそう言ったが……うぅ//

 

シャロ「ちち、千夜!リゼ先輩が困ってるじゃない!早く離れなさいよ!」グイッ

 

ココア「わたしもリゼちゃんもふもふ!」ギュッ

 

千夜「リゼちゃん助けて~シャロちゃんが意地悪するわ~!」ギュッ

 

リゼ「うぁぁ……だ、誰かぁー!わたしを甘えさせてくれー!」

 

チノ「…………」ウズウズ←混ざりたい

 

――おしまい?

 

 

――深夜 ラビットハウス――

 

タカヒロ「……………………」

 

リゼ父「……………………」

 

タカヒロ「……静かだな」

 

リゼ父「ああ」

 

タカヒロ「………………」

 

リゼ父「なぁタカヒロ?」

 

タカヒロ「んっ?」

 

リゼ父「小さい頃みたいに娘から甘えられたい、頼りにされたい、何かいい方法はないか?」

 

タカヒロ「こっちが聞きたい」

 

タカヒロ&リゼ父「……………………」

 

リゼ父「……静かだな」

 

タカヒロ「ああ」

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    千夜リゼは新鮮ですね!

    この組合せは原作でも少ないですが、たまにこの二人の話があると、
    みんなとはまた違った、独特の大人な雰囲気があって魅了されました。

    なので、ここで千夜リゼのSSが見られて本当に良かったです!
    リゼちゃんの前だけ甘える側になる千夜ちゃんは最高です♪

    また見てみたいです^^

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      念願の千夜リゼ、やっと書くことが出来ました♪

      良いですよねこの二人。
      露骨な百合要素が無いのに、距離感が近い関係が素敵です。
      独特な大人な雰囲気、とても共感です。千夜リゼの魅力は正にそこかと思います。
      また機会がありましたら、ぜひ。

  2. 匿名 より:

    新作きたぁぁぁぁ!待ってました!相変わらず面白かったです!!また新しいSS待ってます!!!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      いつもご愛読ありがとうございます♪
      また千夜リゼ、書いてみたいと思います。

  3. 匿名とは言っていない より:

    久々の更新お疲れ様です。自分はごちうさで千夜ちゃんが一番好きなので嬉しいです(^ ^)友人からごちうさ見ろと勧められたので見たら面白くて可愛くて止まらなかったです(笑)映画もやるんですよね…でも時間が(;_;)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      この絵文字とねぎらいの優しいお言葉、『はなまるびぃ』さんでしょうか?
      もし誤りでしたら、どうかお許しください。

      いずれにせよ、ごちうさ難民デビューおめでとうございます。
      アニメも良いですが、ぜひ素晴らしい原作も読んでいただきたい♪
      わたしも千夜ちゃん大好きですよ、小悪魔的でありながら母性も感じさせてくれる素敵なキャラクターですよね。

      • 匿名とは言っていない…のか? より:

        あ…当たりですよ!はなまるびぃです!覚えて頂かれていたとは読者として光栄です(顔文字のパターンが単純ですしね笑)!こういう類は原作のみのエピソードがありますし、自身の財布と相談しながら、是非ぴょんぴょんしたいです(*^_^*)

  4. 名有り より:

    千夜リゼは本当に珍しいジャンルだと思って見たのですが…
    リゼちゃんが羨ましいとしか言いようがない(笑)
    膝の上に乗っかられるところとか特に羨ましいです!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      以前からずっと足踏みしていた千夜リゼSS、たくさんの方に高評価を頂けてとても嬉しいです。
      千夜ちゃんのファンがもっとたくさん増えるよう、今度はもっと羨ましいシチュエーションを書きたいと思います。
      余談ですが、わたしは露骨に百合っぽくない百合シチュエーションを客観的に見ているときが一番幸せです。

  5. ミジュマル より:

    甘えん坊な千夜もかわいい…!

  6. 匿名 より:

    なかなか無い組み合わせですねぇ
    リゼは誰とでも合いますね!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      はい、リゼちゃんは『書きやすい・アイデアが膨らむ・誰とのカップリングでも合う』とわたしにとっては正にごちうさSSの救世主です。

  7. 匿名 より:

    やっぱりファザーズの会話面白いですね(もちろん本編の千夜もメチャクチャかわいかった)wwリゼってしっかりしているしメンタル強そうだけど病んだらどうなるのかな…?

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      病んだリゼちゃん……需要を頂けるのであればぜひ書いてみたいです!
      ヤンデレなリゼちゃんは以前に一度だけ執筆したことがあるのですが。

  8. 匿名 より:

    まさかのリゼ千夜
    ココリゼとはまた別の趣がありますね

  9. もふもふ至上主義 より:

    リゼ千夜だと、どっちが甘えるのかなと思ってましたが千夜ちゃんでしたかw
    ついつい千夜ちゃんの方に大人っぽさを感じてしまうもので、なんというかギャップ萌えとはこのことを言うのですね。
    はぁ~甘える千夜ちゃんかわいいなぁ。。
    (リゼちゃんは誰に甘えるのかな…ワクワク)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      甘えるリゼちゃん……いいですね♪
      もしかしたら、ココリゼのプロットに反映させていただくかもしれません。

  10. Beyond the Average より:

    なるほど。百合っぽくない百合、良いですね!
    千夜の言う「いけないこと」は言葉の重みを感じて、ココチノとは違うドキドキがありました。(実際に千夜が別荘で「いけないこと」をした(?)お話がありましたね。)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      この時から千夜ちゃんのイケないことをする伏線があった……!?←全然覚えていなかった作者。
      露骨な百合よりも、こうして信頼関係でイチャイチャする描写が好きです。
      『いけないこと』という言葉は、小悪魔な千夜ちゃんが言えばより一層艶めかしく聞こえますね……。
      (確かに『ヤンデレごっこ』の千夜ちゃんはリゼちゃんに対していけないことをたくさんしていました;)

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