ごちうさSS リゼ「タカヒロさんとココアと買い物に行くことになった」

 

――ラビットハウス――

 

ココア「チノちゃんまだかな~?」

 

リゼ「いや、12時も回ってないんだが……」

 

ココア「まだそんな時間!?暇だよぉ~こんな夏休み」

 

リゼ「あと数日もすればチノたちも夏休みだろ。少しくらい我慢しろよ」

 

ココア「むぅ~もういいもん、お昼寝しちゃうから」

 

リゼ「お客さんが来たら起こすぞ」

 

ココア「たぶん午前中は来ないよ、おやすみなさい……」

 

リゼ「わたしはどうしよう……武器でも磨いておくか」

 

ココア「えへへ、今日はお昼寝日和だねぇ~」

 

リゼ「今日じゃなくていつもだろー」

 

 

タカヒロ「ココアくん、リゼくん、ちょっといいかい?」

 

 

リゼ「わっ!?」ビクッ

 

ココア「んっ……?」ウトウト

 

タカヒロ「おや……すまないね、取り込み中に」

 

リゼ「いえ、そんな!……えっと」アセアセ

 

ココア「お、お昼寝なんてしてないですよ!これはテーブルの歴史の声をですね――」

 

タカヒロ「――二人に少し話があるんだが……わたしの部屋に来てくれないかい?」

 

ココリゼ「!?」

 

タカヒロ「大事な用件だから少し長くなるかもしれないな……お客さんも来ないようだし、今日はもう片付けよう」

 

ココリゼ「……!」ブルブル

 

タカヒロ「……先に、部屋で待っていてくれたまえ」ギラン

 

ココア(これ……もしかして……)チラッ

 

リゼ(ああ、間違いない……)コクリ

 

ココリゼ(絶対リストラだ……!)

 

ガチャッ バタン

 

ココリゼ「……………………」

 

ココア「リゼちゃん……わたしどうすればいいんだろう……」ウルウル

 

リゼ「わたしもだ……ここが無くなったらまた一人ぼっちに……」ウルウル

 

ココリゼ「もう3人一緒に働けない……」グスッ

 

 

タカヒロ(時間を持て余しているようだし、今度漫画や雑誌でも用意してあげたほうが良いな)

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

タカヒロ「待たせたね。……さて」

 

ココリゼ「」ブルブル

 

タカヒロ「話というのは他でもない、実は――」

 

ココア「ごめんなさい!これからはちゃんと働きますから!」

 

リゼ「お願いします、どうかもう一度チャンスを!」

 

タカヒロ「?」

 

ココア「ホームレス生活はいやだよぉ……」ガクガク

 

リゼ「クビだけは勘弁してください……」ガクガク

 

タカヒロ「ココアくんリゼくん、なにか勘違いしているようだが、話というのはわたしから二人に頼みごとがあるだけだよ」

 

ココア「ふぇ……頼み事?」

 

リゼ「タカヒロさんから……?」

 

タカヒロ「ああ、君たち二人にしか頼めないことだ。聞いてくれるかい?」

 

ココア「は、はい!どんな頼みごとでも!」

 

リゼ「リストラされないのなら!」

 

タカヒロ「ありがとう。実は……」

 

 

タカヒロ「――二人に、買い物に付き合ってほしい」

 

 

リゼ「買い物、ですか」

 

ココア「なにか買うんですか?」

 

タカヒロ「ああ、一緒に付いてきてもらえると助かる」

 

リゼ「それくらいならお安い御用です」

 

ココア「荷物持ちならわたしとリゼちゃんに任せてください」

 

タカヒロ「ありがとう、助かるよ」

 

タカヒロ「用意が終わり次第、出発しようか」キラン

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

――ショッピングモール――

 

ココア「わぁ~すごいね!」

 

リゼ「あんまりはしゃぎすぎるなよ」

 

ココア「あのお店ぬいぐるみ専門店だって!レッツもふもふ~!」タタタ

 

リゼ「あっ、こら、言ってるそばから……!」

 

タカヒロ「ココアくんはどこにいても元気だね」

 

リゼ「すいません、お手伝いで来たのに」

 

タカヒロ「構わないよ。それよりリゼくん、ココアくんはああいったぬいぐるみが好きなのかい?」

 

リゼ「いえ、どちらかというとぬいぐるみというよりモフモフしたものと可愛いものが好きなんだと思います。それが偶然ぬいぐるみとかチノとかティッピーなだけで」

 

タカヒロ「なるほど……可愛くてモフモフしたもの、か」

 

リゼ「どうかされたんですか?」

 

タカヒロ「なんでもないよ、ありがとう」

 

リゼ「?」

 

ココア「えへへ、モフモフ気持ちいい……」ニヘラ

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

リゼ「これは……フォーマスか!上手くできているな」キラキラ

 

リゼ「こっちはAKのオリジナルモデルか、ほほう……!」

 

ココア「リゼちゃん、これは?」

 

リゼ「RPG7だ、よくゲームや漫画にも出てくるぞ」

 

ココア「変な形だね、トイレのパコパコみたい」

 

リゼ「かなり昔のウエポンだからな。それでも当時にしては威力が高くて携帯性も良く、大量生産しやすい一方で――」

 

タカヒロ「スーサイドのため運用には十分に注意が必要、かな」

 

ココア「すーさいど?」

 

リゼ「タカヒロさん、もしかして詳しいんですか!?」

 

タカヒロ「少しくらいならね」キラン

 

リゼ「なら一緒に語り合いましょう!やっぱりこのフォーマスのスタイリッシュなフォルムにダットサイトは不要で――」ペラペラ

 

タカヒロ「ああ、この際犠牲にしてもいいと思う」

 

リゼ「やっぱりそうですよね!」

 

ココア「全然分からないよ~!」

 

タカヒロ(なるほど、リゼくんはミリオタか)

 

タカヒロ「ふむ…………」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

ココア「残るはチノちゃんへのお土産ですね」

 

リゼ「やっぱりパズルとかボトルシップの方がいいですか?それともブティックで服でも――」

 

タカヒロ「ココアくんとリゼくんにお任せするよ、その方がチノも喜ぶだろう」

 

ココア「任せてください、リゼちゃん行こう!」

 

リゼ「おいおい、走ったら危ないぞ」

 

チエノワトカドウカナ? マタオマエガトイチャウダロ

 

タカヒロ「ふっ…………」

 

タカヒロ「さて……なにがいいかな」

 

 

――――――

――――

――

 

――夕方 ラビットハウス――

 

ココア「ただいま~!」

 

チノ「おかえりなさい」

 

ココア「チノちゃーん!」ダキッ

 

リゼ「ただいま、遅くなって悪かったな」

 

チノ「二人で買い物ですか?」

 

ココア「ううん、タカヒロさんと三人で」

 

チノ「父と?」

 

リゼ「ああ。ほらこれ、親父さんからのお土産だ」ポスッ

 

ココア「ちなみに選んだのはわたしとリゼちゃんだよ」

 

チノ「可愛い麦わら帽子……!」

 

タカヒロ「さすがはココアくんとリゼくん、いいチョイスだ」

 

チノ「ありがとうございます、お父さん」ニコッ

 

タカヒロ「良く似合ってるよ」キラン

 

タカヒロ「二人ともありがとう。おかげで助かったよ」

 

ココア「こちらこそ今日は楽しかったです、ありがとうございました」

 

リゼ「また言ってくださればいつでも手伝いますので」

 

タカヒロ「なら、もうひとつだけ頼まれてくれるかい?」

 

ココリゼ「?」

 

タカヒロ「二人にこれを受け取ってほしい」スッ

 

ココア「これ……モチモチシリーズのウサギのぬいぐるみ!」

 

タカヒロ「M4のヘッケラーコッホ改良型モデルガン!」

 

タカヒロ「いつもラビットハウスやチノがお世話になっているから、ぜひお礼がしたくてね。何をあげればいいか分からないから結局付いてきてもらったんだ、騙すような真似をしてすまない」

 

ココア「こんな高いものいいんですか?」

 

リゼ「これ、3万円近くするはずじゃあ……」

 

タカヒロ「いいんだよ、それよりも改めてお礼を言わせてほしい」

 

タカヒロ「ココアくんリゼくん、いつもありがとう。良ければこれからもチノと仲良くしてあげてくれ」

 

ココア「はい、もちろんです!」

 

リゼ「こちらこそお願いします」

 

ココア「だって、チノちゃんとリゼちゃんはわたしの大事な妹だもん!」ギュッ

 

チノ「違います」オシノケ

 

リゼ「少なくともわたしは姉だ」

 

ココア「お姉ちゃんはわたしだよ~」

 

リゼ「……どう見ても末っ子だな」

 

チノ「末っ子ですね」

 

ココア「ひどい!?」ガーン

 

ワイワイ ガヤガヤ

 

ティッピー「騒がしいのぉ……」

 

タカヒロ「これからも三人で――みんなで、仲良くしてくれるといいな」

 

ティッピー「まぁ、大丈夫じゃろう」

 

タカヒロ「良い喫茶店になったよ……なぁ、親父」

 

ティッピー「……ふむ」

 

――おしまい?

 

――深夜 ラビットハウス――

 

タカヒロ「…………」フキフキ

 

リゼ父「邪魔するぞ」ガチャッ

 

タカヒロ「いらっしゃ――……お前か」

 

リゼ父「タカヒロ。お前、今日おれの娘とデートしたというのは本当か?」

 

タカヒロ「語弊があるな、買い物に付き合ってもらっただけだ」フキフキ

 

リゼ父「……まぁいい、今日のところはお前の言葉を信じてやる」

 

タカヒロ「信じるも何も事実だ。それにココアくんもいたしな」

 

リゼ父「両手に花で買い物か、ずいぶん良い身分だな」

 

リゼ父「こちとら娘と話す機会すらそうそう無いってのに」

 

タカヒロ「……ほら」スッ

 

リゼ父「んっ……なんだこれは?」

 

タカヒロ「プレゼントだ、俺からお前に」

 

リゼ父「……?映画のチケットか?」

 

タカヒロ「ミリタリーアクション映画だ、きっとリゼくんも気に入るだろう」

 

リゼ父「……――!」

 

タカヒロ「その日リゼくんのシフトだけ空けておく。……一緒に行ってこい」

 

リゼ父「タカヒロ……お前……」ウルウル

 

タカヒロ「戦友は、助け合いが基本だろう」

 

リゼ父「特別に今度俺がデートしてやってもいいぞ?」

 

タカヒロ「全力でお断りしよう」

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    いつも楽しいssありがとうございます!
    ここのタカヒロさんいつもイケメンw

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      こちらこそいつもご愛読ありがとうございます。
      タカヒロさんは原作どおりに『かっこよく』がポリシーです。

  2. ごちうさ愛好家高山 より:

    新作ゥゥっ!
    いつも楽しく読ませていただいてます。

    今回は変化球できましたね。タカヒロさんのターン! たまにはこういう話も癒されますね~。

    そしてやっぱり最後きたw リゼ父との絡み! さいこー笑

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます、とても励みになります♪
      以前から一度タカヒロさんメインを執筆したかったのですが、ようやく願いが叶いました。
      お父さんズのオチも意外ながらいつもご好評を頂けてなによりです。
      個人的にリゼ父とタカヒロさんは書いていてとても楽しいキャラクターですので。

  3. 名有り より:

    この組み合わせは新しいですね…タカヒロさんは個人的にごちうさの中でもトップクラスに好きなので活躍が見れて嬉しかったです!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      正直に申し上げてかなり冒険的なSSでした;
      ですがありがたくもたくさんの方にご好評を頂けたようで内心ホッとしております。
      わたしもタカヒロさん大好きです、可愛くてかっこいいですよね♪

  4. 匿名 より:

    タカヒロさんめっちゃいい人!

  5. 匿名 より:

    タカヒロさんはぼくの理想のお父さんです

  6. 匿名 より:

    タカヒロさんとリゼ父のデート見てみたいwww

  7. Beyond the Average より:

    タカヒロさんかっこいい!
    しかもプレゼントの選び方もうまいですね!(タカヒロさんかなり得してるように見える。対してリゼ父は娘へのプレゼントすら苦労しそう)
    これを読むとチノが2期で麦わら帽子を頑張って追っかけてたのがよくわかりますね!(多分、同じ帽子ですよね…?)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      まさか、麦わら帽子の伏線を回収してくださるなんて……!
      さすがはBeyondさんです、ここあちゃんシリーズの裏部分を見抜くだけの観察眼……感服いたします。
      この作品もカタルシスを読み取って頂き、さぞ幸せなことでしょう。

  8. 匿名 より:

    一瞬ホモるのジわるw

タイトルとURLをコピーしました