ごちうさSS ココア「リゼちゃん……」グスッ リゼ「っ!?」

 

ココア「えっ……?」

 

チノ「ですから、もう話しかけないでください。では」テクテク

 

ココア「チノちゃん待って!」ガシッ

 

チノ「…………」

 

ココア「わたし……なにかしちゃった?」

 

チノ「自覚すらないんですか?呆れて言葉も出ませんね」

 

ココア「……ごめんなさい」

 

チノ「最初に会ったころからずっと嫌いだったんです。ココアさんのこと」

 

ココア「!」

 

チノ「わたしだけではありません、千夜さんもシャロさんもリゼさんも、みんなココアさんのことが嫌いなんですよ」

 

ココア「……うそ」

 

チノ「まさか気付いてなかったんですか?本当に鈍いですね」ハァ

 

チノ「この際はっきり言います、もうここにココアさんの居場所はないんです」

 

ココア「…………!」

 

チノ「早く実家に帰ってください」

 

ココア「……なんで……みんな、あんなに仲良くしてくれたのに……」

 

ココア「チノちゃん嘘だよね?冗談だよね?嘘だって言って!」

 

チノ「………………」

 

ココア「そんな…………」ジワッ

 

リゼ「何の騒ぎだ?」

 

ココア「リゼちゃん……!リゼちゃん!」ガシッ

 

リゼ「おいおい、どうしたんだよ?」

 

ココア「リゼちゃんはわたしのこと嫌いなんかじゃないよね?友達だよね?」

 

リゼ「ココアのことを嫌いになる?ははっ、そんなわけないだろ」

 

ココア「リゼちゃん……」

 

リゼ「お前は大切な友達だ」

 

ココア「!……えへへ」

 

ココア「良かった……やっぱりチノちゃんの冗談――」

 

チノ「リゼさん、ココアさんをからかうのもほどほどにしてください」

 

リゼ「いやぁすまない、反応が面白いからつい」

 

ココア「えっ……?」

 

リゼ「……ココア、わたしに友達だって言ってもらえて安心したか?嬉しかったか?」

 

リゼ「あははっ。ほんと、鈍感な奴だな」

 

ココア「リゼちゃん……?」

 

リゼ「お前のことなんか好きなはずないだろ」

 

ココア「え……」

 

リゼ「みんなで友達ごっこをしてあげてただけだ。そうとも知らずいつも楽しそうにはしゃいでるお前は滑稽だったよ」

 

ココア「…………」

 

リゼ「けどもう飽きたからさ、早くここから出て行ってくれないか?」

 

ココア「リゼちゃん……」

 

リゼ「迷惑なんだよ、はっきり言って」

 

ココア「――!」

 

チノ「これで分かりましたか?」

 

ココア「……うそ……こんなの、ぜんぶ嘘……」ガクッ

 

チノ「違いますよ、現実です」

 

ココア「…………」ポロポロ

 

ココア「チノちゃんもリゼちゃんも……千夜ちゃんもシャロちゃんも、わたしのこと……」

 

リゼ「そう、みんな嫌いなんだよ。お前のこと」

 

ココア「ううっ…うぇぇえぇ……」ポロポロ

 

 

――

――――

――――――

 

ココア「――っ!!」バッ

 

ココア「はぁ……はぁ…………!」

 

ココア「あれ……ここ、わたしの部屋……?」

 

ココア(じゃあさっきのは夢……)

 

ココア「………………」

 

ココア「」ジワッ

 

ココア「うぅ………ぐすっ……」

 

ココア(怖かったぁ……久しぶりに悪夢なんか見ちゃった……)

 

ココア(しかもあんな……)

 

ココア「………………」

 

『みんな嫌いなんだよ、お前のこと』

 

ココア(……どうしよう、寝たらまたあの夢の続きだったりしたら)

 

ココア「……」ブルブル

 

ココア(怖いよ……誰か……)

 

ココア(チノちゃん……は、もう寝てるよね……)

 

ココア(12時だし、きっと千夜ちゃんもシャロちゃんも……)

 

ココア(――!)

 

ココア(そういえば最近は眠れないって言ってたし、リゼちゃんなら……)

 

ココア(でももし寝てたら起こしちゃうかもしれないし……それにこんな時間に迷惑だし……)

 

ココア(……でも)

 

『千夜さんもシャロさんもリゼさんも、みんなココアさんのことが嫌いなんですよ』

 

ココア「うぅ……」ブルブル

 

ココア(リゼちゃん、ごめんね……)

 

Prrrrrrrrrrrrrrrr――

 

ココア(寝てるのかな……マナーモードかもしれないし……)

 

ココア「……ふぇ」ジワッ

 

ココア(どうしよう……また涙が……)グスッ

 

リゼ『もしもし、ココア?』

 

ココア「!」

 

リゼ「どうしたんだ、こんな真夜中に」

 

ココア「リゼちゃん……」グスッ

 

リゼ「っ!?」

 

ココア「ひぐっ、良かったぁ……リゼちゃんのこえ……ぇぐ……」ポロポロ

 

リゼ「ココア!?お前泣いて……なにかあったのか!?」

 

ココア「ぅっく……違うの、安心したら、また涙が……」ゴシゴシ

 

リゼ「ココア……?」

 

ココア「ひっく……こんな夜中にごめんね……ごめんなさい……」グスグス

 

リゼ「……ちょっと待ってろ、すぐに行くから」

 

ココア「ふぇ……?リゼちゃん……でも……」

 

リゼ「でもも何もない。ラビットハウスにいるのか?」

 

ココア「うん……」

 

リゼ「今からそっちに向かうよ。通話はこのままでいいぞ」

 

ココア「リゼちゃん……ごめんね、ありがとう……」

 

リゼ「気にするな、友人なんだしお互い様だ」

 

ココア「……!」

 

リゼ「ココア?」

 

ココア「……ぅっく……ぇぐ……」ポロポロ

 

リゼ「おいおい泣くなよ。もう少しの辛抱だから」

 

ココア「リゼちゃん……早く来てぇ……」グスッ

 

リゼ「あと2分で着く。だから部屋でおとなしく待ってろ、なっ?」

 

ココア「ひっく……うん……」

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

――ココアの部屋――

 

リゼ「……落ち着いたか?」

 

ココア「…………」コクリ

 

リゼ「にしても悪夢か……わたしも小さいころは見た後眠れなくてよく親父のベッドに逃げ込んでたっけ」

 

リゼ「なんだろうな、一人のままでいると現実になりそうでもっと怖くなるというか……」

 

ココア「…………」ウツムキ

 

リゼ「しかもただの悪夢じゃなくて、わたしたちがココアのことを嫌いだったっていう夢か……そりゃ怖かったな」

 

ココア「みんなのことであんなひどい夢見るなんて……わたし、最低だよ……」

 

リゼ「お前が悪いわけじゃないよ、夢なんだからしょうがないさ」

 

リゼ「とにかく、今夜は一緒にいるから安心しろ」ナデナデ

 

ココア「んっ……」

 

リゼ「大丈夫、チノも千夜もシャロも、みんなお前のこと大好きだよ」

 

ココア「……リゼちゃんは?」

 

リゼ「言うまでもないだろ、嫌いなやつのためにわざわざ深夜にこんなところに来るか?」

 

ココア「……ううん」

 

リゼ「そういうことだ、誰もお前のことを嫌ってなんかいないよ」

 

ココア「…………」グスッ

 

リゼ「もう泣くなって。ほら、目瞑れよ」

 

ココア「……っ」ギュッ

 

リゼ「!」

 

ココア「こうして寝たら……たぶん、大丈夫かも」

 

リゼ「……やれやれ、どこがお姉ちゃんなんだか」

 

ココア「うぅ、恥ずかしいからチノちゃんには言わないで?」

 

リゼ「ああ、二人だけの秘密だ」

 

ココア「!……えへへ」ニヘラ

 

リゼ「やっと笑ってくれたな」クスッ

 

ココア「リゼちゃんモフモフ♪」

 

リゼ「モフモフはいいから早く寝るぞ」

 

ココア「うん!明日もみんなで一緒に頑張ろうね?」

 

リゼ「もちろんだ。……おやすみ、ココア」ナデナデ

 

ココア「うん……おやすみなさい♪」ギュッ

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

ココア「すぅ………………」Zzz

 

リゼ(やっと寝たか、やれやれ)

 

リゼ(悪夢で泣くなんて、お姉ちゃんぶっててもやっぱりまだ末っ子だな)

 

リゼ(さて……タカヒロさんに許可を取ったとはいえ、このままではさすがにまずいよな)

 

リゼ(チノに見られたら勘違いされるかもしれないし……)

 

トントン

 

リゼ「?」

 

チノ「ココアさん……起きてますか?」

 

リゼ(チノ……)

 

チノ「ココアさん……?」カチャッ

 

リゼ「よう」

 

チノ「え……リゼさん?」

 

リゼ「詳しいことは明日話すよ。どうしたんだ?」

 

チノ「……その」

 

リゼ「?」

 

チノ「変な夢を見てしまって……一人で眠るのが怖くて……」

 

リゼ「……そうか」

 

チノ「…………」ウツムキ

 

リゼ「…………」

 

――ポンッ ナデナデ

 

チノ「!……リゼさん?」

 

リゼ「ちょっとせまいが三人で寝れるだろ」

 

チノ「えっ?」

 

リゼ「ココア、もう少し詰めろ」

 

ココア「んにぅ…………」

 

リゼ「チノは小さいから真ん中でもいいか?」

 

チノ「は、はい……ですが……」

 

リゼ「みんなで寝れば大丈夫だ、そんな悪夢なんか見ないさ」

 

チノ「……!」

 

リゼ「――おいで、チノ」ポンポン

 

チノ「……はい♪」ニコッ

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

タカヒロ(おや?チノの部屋が空いてる……)

 

タカヒロ「……?」スッ

 

ガラーン

 

タカヒロ(ココアくんと一緒に寝てるのか?しかしリゼくんがいるだろうし……)

 

タカヒロ「……失礼するよ」カチャッ

 

タカヒロ「ん……?」

 

ココア「すぅ…………」Zzz

 

チノ「ふゅ…………」Zzz

 

リゼ「ゅぅ…………」Zzz

 

タカヒロ「なるほど……今日は三人かい」

 

タカヒロ「……ふっ」

 

タカヒロ「おやすみ……みんなでいい夢が見られるといいね」キラッ

 

バタン

 

ココア「ふぇへ……えへへ……♪」Zzz

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    いつも楽しいSSをありがとうございます。これからもお体に気をつけて頑張ってください。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      はい、ご愛読くださる方々がいる限りずっと更新し続けますよ♪
      こちらこそご愛読及び、ねぎらいのお言葉、感謝します。

  2. 匿名 より:

    とても良かった
    楽しみにしています

  3. 名有り より:

    漫画やアニメをみるに、ココアちゃんってかなり寂しがりやな子だと思ってたんですよね…なのでこのssを見ていて、原作のイメージと一致していてすごいなと思いました♪

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます。
      原作のイメージ通り……SS作家として、とても嬉しいお言葉です♪

      わたしも名有りさんと同じく、ココアちゃんはどちらかというと内向的でか弱いというイメージを持っています。
      当サイトのごちうさSSで、ココアちゃんの弱い部分の描写が多いのはそのせいかもしれません。

  4. Beyond the Average より:

    ラビットハウス三姉妹が一緒に寝るのはいいですね!(そんな3人を見れたタカヒロさんが羨ましい!なんて絶対に言わないぞ!(笑))

    それにしても冒頭の部分はみんながあまりに自然に動くので、悪夢を見たココアの感覚を味わえました。このまま目が覚めずに悪夢が続くパターンも読んでみたいです。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      このまま目が覚めずに悪夢が続くパターンも読んでみたいです> 申し訳ありませんが、その手の作品はもうあまり描かないかと思います。といいますのも、右往左往ありまして今は優しい世界観を逸脱しないという暗黙のルールを自分に設けておりまして。無論例外もございますが、露骨な鬱描写は控えさせて頂いております。今後も優しい世界観をお楽しみいただけますと嬉しいです。

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