の続編となりますが、このSS単体でもお楽しみいただけるかと思います。
――リゼの部屋――
リゼ「……朝か」
リゼ「ココアは……」チラッ
ココア「…………」Zzz
リゼ「まだ寝てるな……」
リゼ(ちょうどいい、今のうちに出かけるか)
リゼ「ふぅ…………」
リゼ「すぐに帰ってくるからな、おとなしく待っててくれよ」ナデナデ
ココア「んっ…………」Zzz
リゼ「………………」
――――――――――――――――――――――
――ラビットハウス――
リゼ「おはよう」ガチャ
チノ「リゼさん、おはようございます」
リゼ「遅くなって済まない。さて、今日も頑張るか」
チノ「あの、リゼさん?ココアさんの様子は……?」
リゼ「んっ……ああ、相変わらずだ」
チノ「……そうですか」シュン
リゼ「チノ、そんなに心配しなくていいぞ」ポンッ
リゼ「ココアはきっとチノのことが一番好きだよ。今は少し変になってるだけだ」ナデナデ
チノ「ん…………」
リゼ「だから、元に戻ったらきっとここに帰ってくるさ」
リゼ「夏休みが終わるまでには必ず元のココアに戻してやる、だから安心しろ」ニコッ
チノ「リゼさん……」
リゼ「あと少しの間、二人だけで頑張ろうな」
チノ「……はい♪」
リゼ「ふふっ……」
――――――――――――――――――――――――
――甘兎庵――
千夜「おまちどうさま」コトッ
リゼ「ありがとう千夜、いつもすまないな」
千夜「今日はココアちゃんは?」
リゼ「いつも通り、わたしの家にいるよ」
千夜「たまにはココアちゃんも来ればいいのに」
リゼ「そうだな、今度誘ってみるか」
千夜「あっ、でも無理に誘ったりしたらまた……」
リゼ「……危険かもしれないな」
千夜「それじゃあリゼちゃんが危ない目に遭わない程度にってことで」
リゼ「ああ、必ず連れてくるから待っててくれ」
千夜「ふふっ、せっかくの夏休みなんだしココアちゃんの気が済むまで一緒にいてあげて?」
千夜「そうすれば元のココアちゃんに戻ってくれるかも」
リゼ「……千夜は、前向きだな」
千夜「リゼちゃんに嫉妬しているだけかも♪」
リゼ「ははっ、期待に添えられるように頑張るよ」
千夜(このままだといずれチノちゃんが泣いちゃうかもしれないし……それに、リゼちゃんも……)
リゼ「ごちそうさま。……千夜?」
千夜「ハッ……!な、なにかしら?」
リゼ「ココアが待っているしそろそろ帰るよ、お代置いておくぞ」
千夜「そうね、あまり遅くなるとまた危ないものね」
リゼ「いつも相談相手になってくれてありがとう。またな――」
千夜「あら?リゼちゃん、胃薬は飲まなくて――……いっちゃったわ」
リゼ(さて、あとはシャロのところにでも寄るか)
―――――――――――――――――――――――
――シャロの家――
ピンポーン
リゼ「留守か」
リゼ(夏休みで平日だもんな、稼ぎ時だし無理もない)
リゼ「んっ……?」
ワイルドギース「」フンッ
リゼ「ワイルドギース、シャロはバイトか?」
ワイルドギース「…………」
トコトコ
リゼ「そっちにいるのか?ちょっと待ってくれ、手土産に自販機でジュースでも――」
――公園 ベンチ――
リゼ「ほらシャロ、疲れただろう」
シャロ「いえそんな、ありがとうございます」アセアセ
リゼ「それにしても12時から6時間ぶっ続けか、大変だったな」
シャロ「夏休みですので。それにこれくらいならまだ平気ですよ」
シャロ(おかげでリゼ先輩と会えたし……しかも二人きり)
リゼ「そうか……シャロは強いな」
シャロ「リゼ先輩……?」
シャロ「もしかして、ココアとなにかあったんですか?」
リゼ「いや、特に無いが」
シャロ「でも先輩、なにか悩んでいるような気が……」
リゼ「悩んでいる、か。強いて言えば……そうだな」
リゼ「最近、元のココアがどんな奴だったのか分からなくなってきたんだ」
シャロ「えっ……?」
リゼ「あんなふうになる前の、みんなといっしょにいた時のココアが一体どんな性格だったのか……どんな風に笑ってたのかも……」
シャロ「ココアはココアですよ、あのいつも明るくてスキンシップ過剰なココアじゃないですか?」
リゼ「……わたしが好きなココアって、ほんとにそんな奴だったのかな」ボソッ
シャロ「リゼ先輩?」
リゼ「なんでもない。……すまない、少し疲れているのかもしれん」
シャロ「はわわ……先輩、無理しないでください。早く家に帰ってゆっくり休んだ方が――」
リゼ「そうだな、ココアも待っていることだし」
シャロ「ここから近いので送っていきます」
リゼ「いや、シャロの方こそ早く休んだ方が……」
シャロ「大丈夫です、ジュースのお礼も兼ねてということで」
リゼ「ははっ……ありがとう、それじゃあ一緒に帰ろうか」
シャロ「はい♪」
――
――――
――――――
――リゼ宅――
リゼ「すっかり遅くなっちゃったな……ココアの奴、大丈夫だといいが……」
リゼ(言い訳はどうしよう、何も考えてない……)
リゼ(……いや、その必要もないか)
リゼ「……ただいま」 ガチャッ
ココア「あっ、おかえりなさいリゼちゃん」
リゼ「ココア……ただいま」
ココア「言いつけ通り、ちゃんといい子にしてたよ?」
リゼ「そうか……偉いな」ナデナデ
ココア「リゼちゃん、今日はいつもより遅かったね。もしかしてチノちゃんとお話ししてた?」
リゼ「…………」
ココア「千夜ちゃん、それともシャロちゃん?」
リゼ「……みんなと、ちょっとな」
ココア「そっかぁ……リゼちゃんは、わたし以外のみんなとお話してたんだ」
リゼ「……ああ」
ココア「………………」
リゼ「………………」
ココア「あのね……リゼちゃん?」
リゼ「……?」
ココア「わたし、リゼちゃんのことが好き」
ココア「この1か月、ずっと一緒にいてくれて……こんな風になったわたしを見捨てないでいてくれた、リゼちゃんのことが……」
リゼ「……ココア」
ココア「優しいし、頼れるし……誰よりも信頼してる」
リゼ「………………」
ココア「これからもずっと、リゼちゃんのそばにいたい」
リゼ「………………」
ココア「だから……だからお願い……」
ココア「この首輪、はずしてほしいな……」
リゼ「……ふふっ、ココア」
ココア「リゼちゃん……」グスッ
リゼ「ココア……好きだ、わたしも大好きだぞ……ずっと一緒……ずっと一緒だ……ふふっ」
ココア「ごめんなさい……ごめんなさい……」 ジワッ
リゼ「……どうして泣いてるんだ?」
リゼ「やっと相思相愛になれたのに……ほら、いつもみたいに笑ってくれよ」
リゼ「わたしだけに、お前の笑顔を見せてくれ……」
ココア「お願い、元のリゼちゃんに戻って……」ポロポロ
リゼ「ああ、幸せだ……ここにいれば、ずっと二人でいられる……ずっと一緒にいられる……誰にもお前を取られることなんかない、ふふっ……」
リゼ「ココア、わたしだけのココア……あはは……」
ココア「わたしが悪かったから……もう、あんな風にならないから……」ポロポロ
リゼ「ココア、好きだ……愛してるぞ……」ギュッ
ココア「大好きだったリゼちゃんに戻って……」ポロポロ
………………
…………
……
―ーEND
感想
とうとうリゼが壊れてきたって感じで終わるENDかぁ~なんか、、イイかも!
ありがとうございます♪
アイデアが纏まればハッピーエンドルートも描きたいのですが。
わーい、待ってましたココアヤンd、…って…ヤンデレリゼ…だと…!?
ココアは元に戻った?けどリゼがヤンデレに……
ヤンデレリゼはちょっと怖そうですよね
CQCとかしてきそうだしモデルガンとかナイフちらつかせてきそうで一番恐ろしい……
今度はココアが全力でリゼを元に戻す!っていうのも見てみたいですなw
確かにそうですね;
ですが、そんな怖いヤンデレリゼちゃんをメインに、一度ココリゼを描いてみたいと思っております。
ココアちゃん視点の反対SSは……今のところ未定です、アイデアが浮かびましたらぜひ♪
まさかの急展開!
面白かったです^_^
ありがとうございます。
なんの衝動か、バッドエンドルートが先にアイデアとして浮かんでしまいまして;
ついにリゼちゃんが堕ちてしまったようですね…後半のじわじわとした文章が恐怖を一層引き立てていて、それがまた、なんとも言えない謎の恐怖感をこちらに伝えてきているようなこの感じ…正直大好きです!
ありがとうございます。
オチの文章の工夫に気付いていただけるなんて……嬉しいです。
実は後半の文章には心理的なギミックを故意に含めてかなり四苦八苦したので、気に入って頂いて感激です♪
随分と前のコメントに今更付け足しするのは少し鬱陶しく思われるかもしれないんですが、気になったことがあったのでどうかご容赦ください。
このヤンデレssのサムネなのですが、前作のサムネの目のトーンが暗いなのに対して、今作の目のトーンが普通なのは、ひょっとして最初から今作の結末に合わせていたんですか?
もしそうだとしたら気づくのがあまりにも遅すぎましたね( ̄▽ ̄;)
少し裏話になってしまいますが、本作の結末は実は二つ用意していたのです。
ひとつはココアちゃんが元に戻るハッピーエンドと、もうひとつはココアちゃんと共にリゼちゃんが堕ちてしまうバッドエンド、プロットも二作存在しました。
しかしわたし自身の突発的な閃きで、この2作を混ぜてココアちゃんが元に戻るがリゼちゃんがおかしくなるバッドエンド、つまり本作が完成したのです。
つまり、このアイキャッチ画像は本来ならばハッピーエンドのために用意していたのですが、どんでん返しの内容も相まって本作に見事にマッチしてしまった……このような経緯がございます。
画像が上手く本作の結末に合った、というのが正解かもしれませんね。
なるほど、そういった事情だったのですね…結果的にあとから一気に緩やかな空気が凍りつく感じがして、とても完成度が高くなっていると思いました!(完成度とか偉そうなこと言ってすみません。個人的にお気に入りなのです…)
ありがとうございます♪
わたしとしましても、本シリーズをこのまま終わらせてしまうのは非常に名残り惜しく思っています。
いつかは必ずやスピンオフを執筆しますので、その時までどうかお待ちください。
なんという結末…。
リゼちゃん、一体いつこうなっちゃったのでしょう??
これから、どうなっちゃうの??
衝撃的でしたが、とてもとても面白かったです。
リゼちゃんが豹変する過程も、いつか見てみたいです!
ありがとうございます。
リゼちゃんがヤンデレ化するまでの過程、ぜひ描いてみたいですね。
またアイデアが纏まり次第、ぜひ♪
カット毎にリゼの目の光が消えていくのが容易に想像できた…
ところで、ココアが自身の異常と、それがリゼを狂わせた事に気づいたとなると、
…状況も合わさってココアが人知れず自らの想いに潰れてしまいそうで恐ろしい。
彼女らしくないとも言える分、尚更たまらない。
その後の他の主要キャラの反応も考えると…色々な意味でゾクゾクする。
なかなか鋭い観察眼をお持ちですね、執筆者ながらとてもよい考察かと存じます。
自責の念に押しつぶされそうになるココアちゃん、ぜひとも執筆してみたいものです。
ダークな描写は他の閲覧者様に受け入れていただけるか、そこが唯一の不安ですが。
ここまで丁寧に考察いただきありがとうございます♪
ありきたりな言葉で申し訳ございませんが、とてもうれしかったです。
空気を読まず更に追撃:
・末っ子で”姉”と呼ばれる…頼られる存在に憧れていた
・バイトを抜けて球技大会の練習に向かう際、内心止めて欲しがっていた
…もしかして、もともと「存在意義」絡みでコンプレックスを抱いていた?
だとしたら、この状況はどうだろう?足手まとい?重荷?
…待てよ、コンプレックスの反動を利用して何かできないか?
…余談の余談だが、万が一相手がチノだったら更なる大惨事になっていたかもしれない。
まさかの結末にビックリしました。2人には笑顔が似合うイメージがあるので、このままの形で終わってしまうのは悲しいです(*´・ω・`*)。お互い幸せハッピーエンドが見たいです!
このシリーズをこのまま終わらせてしまうのは執筆者としましても少し惜しい気がします。
他の閲覧者さんから頂いたような、リゼちゃんがヤンデレ化する過程、ココアちゃんがリゼちゃんを治すルート、そして二人が幸せになるエンドと、書き足りない部分がまだまだあります。
ハッピーエンドルートも、アイデアが浮かびましたらぜひ。
ヤンデレリゼちゃん… なんかゾクゾクしますね…
ココア目線も見てみたかったり…
それはアイデアが浮かんだらですね! 楽しみにしてます!
これからも頑張ってください!
ありがとうございます♪
本SSは執筆者としましてもまだ完結には至っておりませんので、続編をどうぞご期待ください。
プロットは既に完成済み……あとは執筆だけですね。
もちろんココアちゃん編もリゼちゃん編も両方描きます、お楽しみに。
!?!?
まさかのリゼもヤンデレになってしまった!
そしてもう一度読み返すとリゼの一つ一つのセリフが意味深に見えてきて怖いですね。
狂気シリーズやヤンデレりぜちゃんシリーズを描くまで、本作は当サイト最大のトラウマSSなどと評されておりました。
どんでん返しのギミックを駆使した作品ですね。
P.S.(台風のせいで休養を余儀なくされ、返信が遅くなってしまいました。申し訳ありませんm(__)m)