――シャロの家――
シャロ「ふぅ~お掃除完了っと」
シャロ(キッチンよし、床よし、窓ふきよし、あとはゴミ袋を捨てるだけね)
シャロ(ずっと気になっていたけど、やっと掃除できる日が来たわ)
シャロ(せっかくの休日……これが終わったら千夜でも誘ってラビットハウスに行こうかしら)
シャロ「見かけはボロ屋でも、せめて中身くらいは綺麗にしなくちゃ!」
シャロ「って、言ってるそばからあんなところにゴミが」
シャロ(おかしいわね、ちゃんと掃除機で吸ったはず……)
シャロ「――あれ、なにこれ、スーパーボール……?」
シュウウウ!
シャロ「け、煙!?」
シャロ「あわわわ!窓、窓を開けないと!」ガチャガチャッ
??「突入!突入!」
シャロ「!?」
千夜「せいっ!」マド ヒョイ
シャロ「千夜っ!?」
ここあ「とりゃあ!」ドア バタン!
シャロ「ココア!?」
千夜「ココアちゃん、まずはクラッカーで牽制よ」
ここあ「らじゃあー!」パン!
シャロ「ひゃあああぁ!!」
千夜「敵がひるんだわ、一斉攻撃!」
ここあ「いくよー!」
千夜「隠し玉、紙吹雪!」パラパラ
シャロ「ちょっと!?」
ここあ「ちやちゃんすごーい!」キラキラ
千夜「必殺、模擬刀一閃!」ポコッ
ここあ「もぎとーいっせん!」パコッ
シャロ「いったい何がどうなってるのよぉ!!?」
――――――――――――――――――――――――――
シャロ「………………」ボロボロ
千夜「ふぅ~やったわねココアちゃん、悪党キリマンシャロを倒したわ」
ここあ「わーい!」ピョンピョン
ヘヤ グチャグチャ
シャロ「」
千夜「シャロちゃん、驚かせてごめんなさい」
シャロ「……これは、どういうこと?」
千夜「今日一日ココアちゃんを預かることになったから、一緒にRPGごっこをしていたの」
千夜「シャロちゃんとも一緒に遊びたいっていうから、サプライズを兼ねて誘いに来たのよ」
ここあ「しゃろちゃん、いっしょにあーそぼ」ニコッ
千夜「ということでシャロちゃん、わたしたちと遊びましょ♪」
シャロ「……なるほどね」
シャロ「ココアは小さいから仕方ないとして……」スタスタ
千夜「しゃ、シャロちゃんどうしたの?なんだか怖いけど……」
シャロ「ふふふ…………ちーやーーー!!」ゴゴゴ
千夜「ひっ!?」ビクッ
シャロ「また一からやり直しじゃないのぉ!!この和菓子バカァ!!!!」ギュー
千夜「いたい!ほっぺたのびちゃう~ごめんなさい!」
ここあ「しゃろちゃんつよい!さすがはボスだね!」
千夜「しくしく……おばあちゃんにもぶたれたことないのに」グスッ
シャロ「嘘つくんじゃないわよ」
千夜「てへっ」
シャロ「はぁ…………ココア、悪いのは千夜だから甘兎庵に戻ってていいわよ?」
ここあ「ううん、わたしもちらかしたもん。それに、はやくおわらせてしゃろちゃんといっしょにあそぶの」
シャロ「ココア……」
ここあ「みんなでやればはやくおわるよ、がんばろー」
シャロ(ダメ……こんなに純粋で可愛いココアを千夜なんかのそばにいさせちゃ絶対に!)
千夜「シャロちゃんも小さい頃は純粋だったのに、今ではその面影も無いわ……悲しい」
シャロ「心を読むなぁ!だいたいこんな性格になったのはあんたのせいよ!」
千夜(自分がひねてるって自覚はあるのね)
ここあ「しゃろちゃん、ちやちゃんをいじめたらやだよ」クイッ
千夜「ココアちゃん……!」
シャロ「ココア、覚えておいて。あのお姉さんのいうことは全部デタラメだから信じちゃダメよ」
千夜「シャロちゃん、さすがのわたしでも今のは傷ついたわ」
ここあ「でたらめ?」キョトン
――――――――――――――――――――――――――
ここあ「このようかんおいしい」モグモグ
シャロ「おかげですぐに片付いたわ、ありがとうねココア」ナデナデ
ここあ「えへへ~」ニヘラ
シャロ「千夜も、その……一応手伝ってくれてありがとう」ゴニョゴニョ
千夜「ふふっ、シャロちゃんのそういう律儀なところ好きよ」
シャロ「いちいちからかうな!//」
千夜「わたしが散らかしたんだもの、後始末は当然だからお礼を言われることじゃないわ」
シャロ「ん……わかってるけど」
千夜「お掃除くらい、頼まれればシャロちゃんがバイトしてる間に終わらせておくのに」
シャロ「それはダメ、千夜だって甘兎庵で忙しいし。それに、幼馴染をそんな風に使いたくないし」
千夜「もう、シャロちゃんたらほんとにいい子ね」ギュッ
シャロ「にゅ~抱き付くなぁ!//」
ここあ「わたしももふもふしたい!」
千夜「いいわよ、ココアちゃんも一緒にレッツモフモフ!」
ここあ「しゃろちゃんもふもふ~」ギュッ
シャロ「誰か助けてぇ!」
――――――――――――――――――――――――
ここあ「あんこはもふもふよりもふわふわだね」スリスリ
あんこ「……………………」
千夜「ここあちゃん、そろそろお風呂に入りましょうか」
ここあ「わーい!ちやちゃんとしゃろちゃんといっしょにおふろ~」
シャロ「えっ、わたしも?」
千夜「当然じゃない、昔みたいに体の隅まで洗いっこしましょう」
シャロ「ちょ……ココアがいる前でなにいってるのよ!//」
ここあ「?」
千夜「あら、ならココアちゃんがいなかったらさせてくれるのかしら?」
シャロ「させないわよ!しないわよ!もういい着替え持ってくる!」プンスカ
千夜(一緒には入ってくれるのね、さすがはシャロちゃん)
ここあ「しゃろちゃんなんでおこってたの?あらいっこたのしいのに」
千夜「たぶん照れ屋さんなのね、昔はそうでもなかったんだけど」
ここあ「きっとおとなになったんだね」
千夜「そうね、ココアちゃんはいつまでもそのままでいてね」
ここあ「うん♪」
千夜(なんだか昔のシャロちゃんとお話してるみたい)クスッ
――――――――――――――――――――――
――浴室――
千夜「さすがに3人だと少し窮屈ね」
シャロ「だからわたしは後でもいいって言ったのに」
ここあ「おふろはみんなではいったほうがたのしいよ」
ここ千夜「ね~」
シャロ「……まぁ、そりゃわたしだって楽しいけど」
ここあ「しゃろちゃんも、きょうはわたしたちといっしょのおふとんでねよっ♪」
シャロ「えっ!?」
千夜「いいわね、みんなで寝ましょうか」
シャロ「ちょ、ちょっと、勝手に決めないでよ」アセアセ
ここあ「だめなの……?」
シャロ「うっ……」
千夜「ひどいわシャロちゃん、幼馴染とこんな小さな子が一緒に頼んでるのに……それを無下に断るだなんて」
シャロ「ああもう!わかったわよ!」
ここあ「やったぁ!しゃろちゃんもいっしょ」ギュッ
シャロ「きゃ……まったくココアは、しょうがないわね」クスッ
ここあ「しゃろちゃんのかみ、ふわふわしていいにおい」
シャロ「…………」ナデナデ
シャロ「可愛いわね……元のココアとこのココア、二人にならないかしら?」
千夜「わたしも考えてたわ、でもそうはいかない……神様って残酷ね」
シャロ「……ココア」
ここあ「ちーやちゃん」ギュッ
千夜「ココアちゃん……ふふっ」ギュッ
ここあ「……あれ?」
千夜「んっ、どうしたのココアちゃん?」
ここあ「しゃろちゃんはつるつるだったけど、ちやちゃんはふわふわしてきもちいいね」
シャロ「」
千夜「…………」
ここあ「あっ、わかった、ちやちゃんはおっきいからだね」
千夜「ココアちゃん、しー、ダメよそれ以上は」
シャロ「……………………」
千夜「あ、あの……シャロちゃん、大丈夫よ、きっとシャロちゃんは大器晩成型で――」
シャロ「~っ!もう出る!」ザバッ
千夜「ああ、待ってシャロちゃん!」
ここあ「ふぉぇ?」
―――――――――――――――――――――――――
――千夜の部屋――
千夜「シャロちゃん、ご機嫌なおして?」
シャロ「……別に怒ってないし」
シャロ「はぁ……やっぱり貧困のせいかしら」
千夜(原因と思ってることが生々しい)
ここあ「しゃろちゃんごめんね、わたしのせい?」
シャロ「ココアのせいじゃないわ、悪いのは全部千夜だから」
千夜「発育までわたしのせいなの!?」
シャロ「……ココアも、今はこんなだけど大きくなったらあれくらいになるのよね」
シャロ「はぁ……羨ましい」
ここあ「?」
千夜「元気出して、こんなものただの飾りよ」
シャロ「あんたに言われると皮肉にしか聞こえないんだけど!?」
千夜「そんなにひねくれちゃって……悲しいわ」
シャロ「重ね重ねだけどあんたのせいだからね!?」
千夜「ココアちゃん、ひねくれシャロちゃんなんて放っておいて一緒に寝ましょう」
ここあ「みんなでおふとん!」タタタ
シャロ「仲間外れにするなぁ~わたしも寝る」
千夜(なんだか妹が二人できたみたいで楽しいわ)ニコニコ
―――――――――――――――――――――――――
ここあ「すぅ……すぅ…………」Zzz
シャロ「もう寝ちゃったわ……余程疲れてたのね」
千夜「今日はいっぱい遊んだものね」
シャロ「悪役がわたしばっかりだったのが全然納得できて無いけど」
千夜「あとは、ココアちゃんが眠るまでシャロちゃんがずっとさすってあげてたおかげかしら」
シャロ「ぅ……なんで気づいてんのよ、ばか//」
千夜「シャロちゃんって意外と子供好きなのね、ちょっと驚きだわ」
シャロ「……好きとか嫌いとかじゃなくて」
千夜「?」
シャロ「ほら、チノちゃんの話によると、この子はその……ココアなんでしょ?」
シャロ「元のココアに戻ってきてほしいのはもちろんだけど、そうなるとたぶん、千夜の言う通りこの子はいなくなっちゃうと思う」
シャロ「だからその……いなくなってから後悔しないように、ちゃんと可愛がってあげたい。この子にもせめてお別れの時までは笑顔でいてほしいから」
千夜「シャロちゃん……」
シャロ「あ、あとほら!小さくなってもココアはココア、大切な友達だし」
千夜「…………」クスッ
千夜「ごめんなさい、前言撤回。シャロちゃんはひねくれてなんて無かったわ」
千夜「シャロちゃんはずっと優しいまま……あの頃と一緒」ニコッ
シャロ「……千夜もね」プイッ
千夜「まぁ……!ココアちゃん、シャロちゃんが褒めてくれたわ。明日は大雪かしら」
ここあ「んぅ………」Zzz
シャロ「起こすなぁ……!早く寝てよ」
千夜「おやすみなさい、シャロちゃん」
シャロ「ん……おやすみなさい」
――――――
――――
――
――翌日 ラビットハウス――
千夜「こんにちは♪」ガチャッ
シャロ「おじゃまします」
チノ「千夜さんシャロさんこんにちは、昨日はありがとうございました」
ここあ「ちのちゃん!ただいま~!」タタタ ギュッ
チノ「ココアさん、おかえりなさい。いい子にしてましたか?」ナデナデ
ここあ「あ……え、えっと」
シャロ「いい子だったわ、悪いことなんてひとつもしてない。ねぇ千夜?」
千夜「ええ、小さくてもココアちゃんはココアちゃんね」
チノ「そうですか、安心しました」
リゼ「おっココア、帰ってきてたのか」
ここあ「あっ、りぜちゃんだ!りぜちゃ~ん」タタタ
リゼ「よっと」ヒョイ
ここあ「わぁ♪」
リゼ「どうだ、楽しかったか?」
ここあ「うん!あのね、ちやちゃんとしゃろちゃんとあそんで、くりようかんたべて――」
リゼ「そうかそうか。でも二人に迷惑かけなかったか?」
ここあ「……ちやちゃん?」
千夜「迷惑だなんて全く、すごく楽しかったわ」ニコッ
ここあ「……しゃろちゃん?」
シャロ「またいつでも来なさい、バイトが無い日なら遊べるから」ニコッ
ここあ「ふぁ……」パァ
リゼ「…………」クスッ
リゼ「ココア。迷惑かけなかったか?」
ここあ「うん!いいこにしてたよ!」ニコッ
リゼ「えらいぞ~!ほら、わたしから約束のご褒美だ」
ここあ「ありがとうりぜちゃん!でもこれなーに?」
リゼ「これはな、こうしてこのキャンディーを粉に付けて――」
ここあ「わぁ~」キラキラ
ホラ、アーンハ アーン ドウダ ……オイシイ!
チノ「リゼさん、ハマりすぎです」
シャロ「先輩って可愛いものとか好きだから……」
千夜(ほほえま~)
チノ「これで、今日のお泊り場所は決まりですね」
リゼ「ココア、あとで更衣室に行こう。昨日買ってきた服やパジャマの――」
ここあ「あたらしいパジャマ?じゃあね、きょうはりぜちゃんのところがいい!」
リゼ「えっ?」
ここあ「りぜちゃん、おとまりしてもいい?」
リゼ「ココアが、わたしの家にか?」
ここあ「うん、りぜちゃんのおうち!」
リゼ「……ああ、もちろんいいぞ」ナデナデ
ここあ「やったぁ♪」
リゼ「その代わり今日は午前までだから、お昼までちゃんといい子にできたらな」
ここあ「わかった、いいこにしてる!」
リゼ「よしよし、おりこうだな」ナデナデ
ここあ「えへへ~」ニヘラ
チノ&千夜シャロ(扱い方がプロ……)
2日目――おしまい♪
感想
次はココリゼかあ♪
凄く楽しみです!
ご支援感謝します。
次回から最終話までココリゼ連投でいきます。
ああ~心がぴょんぴょんするんじゃあ~
最近ごちうさSSがないのでもっとください
当サイトのSSは不定期更新ですが、どうぞ好きなだけお楽しみください。
まさかもう続編が出ているとは思いませんでした…!やっぱ千夜シャロは読んでて物凄く和みます…
申し訳ありません、確かに最近は更新頻度がめっきり減っていましたね。
千夜シャロ、いいですよね♪
あの絶対的な信頼関係をもっとうまく表現できれば良いのですが。
ロリココア可愛い。ロリココアを取り囲むチノ達も可愛い。和みました。
千夜シャロ、ケンカップル気味なところが良いですね。ゆるゆりでいう、”ひまさく”のように。長いつきあいの幼なじみだから、ケンカで離れる心配もないという信頼関係。毒づきあってじゃれあう事もできる関係。本作で充分に表現できてるように感じます。
ありがとうございます。
千夜シャロの安定した信頼関係はわたしも大好きです。
個人的ながら、SSにおいてシャロちゃんは千夜ちゃんと絡ませると良い味が出てとても執筆しやすいです。
そうでした。まだこの時はここあはリゼのもの(?)ではなかったですね。勘違いしてしまいました…。
千夜が「おばあちゃんにもぶたれたことないのに」と言ったとき、「それが甘ったれなんだ!」というセリフが頭に浮かびました(笑)。
幼いここあちゃん、もう平和の象徴ですね!ここあがいると世界はハチミツをかけたようにやさしく、温かくなる。
もはや天使!!
この作品は、幼いココアシリーズの本編ですね。
IFシリーズとは世界観も違います。
しかし、こっちのここあちゃんは最後はリゼちゃんの元を離れてしまうのですね……。
現在IFシリーズを描いている身といたしましては、なんだか寂しい気持ちです。