ごちうさSS チノ「ココアさんが幼くなってしまいました」

 

――ラビットハウス ココアの部屋――

 

ここあ「このこーひー(ミルクココア)あまくておいしい」ゴクゴク

 

チノ「というわけなんです」

 

シャロ「あれ……ココアよね?」

 

千夜「まぁ、可愛いわね♪」

 

リゼ「チノ……これはいったいどういうことなんだ?」

 

チノ「すいません、わたしにもさっぱり……」

 

ここあ「ちのちゃん、このおねえさんたちだーれ?」

 

チノ「リゼさん、千夜さん、シャロさんです」

 

ここあ「りぜちゃんと、ちやちゃんと、しゃろちゃん?」

 

チノ「いえ、こちらがリゼさんでこちらが千夜さんです」

 

ここあ「こっちがしゃろちゃんで、こっちがちやちゃんとりぜちゃん……おぼえたよ!」

 

千夜「ココアちゃんはおりこうさんね」ナデナデ

 

ここあ「えへへ」ニヘラ

 

シャロ(可愛い……)

 

リゼ「ココアのやつ、もしかして記憶をなくしてるのか?」

 

チノ「はい、どうやらそうみたいです」

 

シャロ「とりあえず、どういった経緯でこうなったのか教えてもらってもいい?」

 

 

――

――――

――――――

 

リゼ「朝起きてココアの部屋に入って布団をめくったら、この小さいココアが寝ていた、か」

 

シャロ「困ったわ、何も手がかりが無い……」

 

千夜「まるでアニメや漫画みたいね」

 

リゼ「タカヒロさんやモカさんにもどう説明すればいいか」

 

チノ「幸い、今はまだ夏休みですので学校の方は大丈夫ですが……」

 

シャロ「遅くても夏休みが終わるまでには何とかしないと」

 

千夜「そうね、このココアちゃんも可愛いけど、やっぱり元のココアちゃんに戻ってほしいわ」

 

リゼ「ずっとこのままだった場合、元のココアはどうなるんだろう……」ナデナデ

 

ここあ「?」

 

チノ「ココアさん……」

 

 

チノ(その後話し合いは続きましたが、結局誰も良い案は一つも浮かばず、おのずとその場は解散する形となりました)

 

チノ(また、父にココアさんのことを打ち明けると、おじいちゃんとティッピーの一件があったからか、早々に理解して貰うことができました)

 

チノ(いつもお姉ちゃんぶっていたココアさんの面影はなく、幼いココアさんはわたしの後ろを雛鳥のように付いてきます)

 

 

ここあ「わぁ、せんたくものがいっぱい」

 

チノ「ココアさん、洗濯籠に入らないでください」アセアセ

 

ここあ「もふもふしちゃダメ?」

 

チノ「汚いのでダメです」

 

ここあ「…………」シュン

 

チノ「あっ……」

 

チノ(こういった場合、どうすれば……)

 

チノ「え、えっと……これが終われば、ご飯にしましょうか」

 

ここあ「ごはん!」パァ

 

チノ「」ホッ

 

チノ「何が食べたいですか?」

 

ここあ「えっとね、パンとハンバーグとオムライスと、あと――」

 

チノ「そんなに食べられませんよ、どれか一つにしましょう」

 

ここあ「じゃあオムライス!」

 

チノ「分かりました、今日の晩御飯はオムライスにしましょう」

 

ここあ「わぁい!ちのちゃんだいすき!」ギュッ

 

チノ(可愛いです……//

 

 

――キッチン――

 

ここあ「ちのちゃん、わたしもおてつだいする」ピョンピョン

 

チノ「お手伝いですか?別に手伝ってもらうようなことは……」

 

ここあ「ないの……?」

 

チノ「うっ……で、では、この卵をといてください」

 

ここあ「まかせて」フンス

 

チノ「泡立てないように、ゆっくり混ぜてくださいね」

 

ここあ「はーい」カチャカチャ

 

チノ「あれ……そういえば、ココアさんはトマトが嫌いなはず……」

 

チノ「ココアさん、ケチャップは大丈夫なんですか?」

 

ここあ「ケチャップはあまいからすきだよ♪」

 

チノ「」

 

 

チノ「完成です」

 

ここあ「わぁ……!」キラキラ

 

チノ「あとは上からケチャップを」

 

ここあ「ちのちゃん、わたしにやらせて」

 

チノ「?」

 

ここあ「♪~♪♪……できた!」

 

ここあ「ちのちゃんのもかいてあげる」

 

チノ「あの、これは?」

 

ここあ「ちのちゃんとわたし、なかよしだからてをつないでるの」ニコッ

 

チノ「……!」

 

ここあ「これがわたしで、こっちのおおきなこがちのちゃん」

 

チノ「そうですか……ありがとうございます、ココアさん」ナデナデ

 

ここあ「えへへ~」ニヘラ

 

ここあ「いただきまーす」

 

ここあ「んっ……おいしい!」

 

チノ「ココアさん、晩御飯を食べ終わったらお風呂に入りましょう」

 

ここあ「うん!ちのちゃんといっしょにはいる!」

 

チノ「いっしょに……ですか?」

 

ここあ「ふたりであらいっこするの」

 

チノ(なんだか元のココアさんとあまり変わってないような気がします)

 

 

――夜――

 

ここあ「このふくブカブカだね~」

 

チノ「やはりサイズが合いませんか」

 

チノ(明日にでも子供用の服を買いに行かないと)

 

ここあ「でもおばけみたいでおもしろいかも」

 

チノ「ココアさん、そろそろ寝ましょう」

 

ここあ「はーい!ティッピーおいで」ギュッ

 

ここあ「うーん、もふもふでいいにおい」スリスリ

 

チノ「…………」ナデナデ

 

チノ(妹がいたら、こんな感じなのかな)

 

チノ(これが、お姉ちゃんの立場……確かに悪くはないですが……)

 

チノ(でも……やっぱりわたしは――)

 

 

ココア『チノちゃん、もう一回お姉ちゃんって呼んで?』

 

ココア『眠れないの?それじゃあ一緒に寝よっか』

 

ココア『お姉ちゃんに、任せなさい!』

 

 

チノ「……………………」

 

チノ「……ココアさん」

 

ここあ「ちのちゃん……?」

 

チノ「えっ……――あ」

 

――ポロ

 

チノ「ご、ごめんなさい……なんでもないですから」グスッ

 

ここあ「どこかいたい?おいしゃさんよぶ?」

 

チノ「平気ですよ、心配しなくて大丈夫です」

 

ここあ「むりしちゃだめ……ちのちゃん、つらそうだもん」

 

チノ「っ……」

 

ここあ「ちのちゃん?」

 

チノ「――ココアさんっ!」ギュッ

 

ここあ「!!」

 

チノ「いなくならないでください……元に戻ってください……!」

 

チノ「ココアさんがいなくなるなんて嫌です……妹じゃなく、ずっとわたしのお姉ちゃんでいてほしいんです」

 

チノ「ココアさんとの思い出が無くなるなんて嫌なんです……!」ポロポロ

 

チノ「ココアさん……ココアさん……っ!」

 

ここあ「ちのちゃん…………」

 

――ポンッ ナデナデ

 

チノ「!………ココアさん?」

 

ここあ「よしよし」ナデナデ

 

ここあ「ちのちゃん、おててかして?」

 

チノ「えっ……」

 

――ギュッ

 

ここあ「はやくちのちゃんのおねがいがかないますように。はやく、ココアおねえちゃんがかえってきますように」

 

ここあ「おまじないだよ」ニコッ

 

チノ「…………!」

 

ここあ「わたしね、おおきくなったらまほうつかいになるの。まほうでみんなのおねがいをかなえてあげるんだ」

 

ここあ「ちのちゃんのおねがいも、かなえてあげる」

 

チノ「……」グスッ

 

チノ「ありがとうございます……ココアさんは優しいですね……」ギュッ

 

ここあ「ちのちゃん、なかないで」

 

チノ「はい……もう泣きませんよ」

 

チノ「だってココアさんは、絶対わたしに嘘なんてつきませんから」ニコッ

 

ここあ「ちのちゃんがわらった!わーい!」

 

チノ「ココアさん……おやすみなさい」ナデナデ

 

ここあ「んっ……おやすみなさい♪」

 

チノ(小さくても、やっぱりココアさんはココアさんです)

 

チノ(わたしの、大切な……――)

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

ここチノ「………………」Zzz

 

ティッピー(チノ、心配せんでもいい)

 

ティッピー(ココアのおまじないは効く……必ずな)

 

 

――

――――

――――――

 

――翌日――

 

チノ「今日はココアさんの服を買いに行く予定ですが……」

 

リゼ「わたしも付いていこう、一人じゃかさばるだろうし」

 

チノ「ありがとうございます、助かります」

 

リゼ「で、ココアはどうする?」

 

ここあ「りぜちゃんとちのちゃん、おかいもの?」

 

リゼ「ああ、隣町のデパートまでな」

 

ここあ「わたしもいきたい!」

 

チノ「しかし、迷子にならないでしょうか?」

 

リゼ「そうだな、夏休みだから電車の中も混んでるだろうし……」

 

ここあ「あぶないからおるすばん?わかった!」

 

チノ「でも、父は仮眠中ですし、ココアさんを一人でおいていくわけには……」

 

ここあ「ちやちゃん!」

 

チノリゼ「!」

 

ここあ「ちやちゃんとしゃろちゃんといっしょにあそびたい!」

 

リゼ「そうか、あいつらがいたな」

 

チノ「わかりました、連絡してみます」

 

リゼ(今日は甘兎庵は定休日だし、恐らく大丈夫だろう)

 

リゼ「いいかココア、千夜やシャロにわがまま言っちゃダメだぞ?」

 

ここあ「はーい!」

 

リゼ「よし、いい返事だ。いい子にしてたらお菓子買ってきてあげるからな」ナデナデ

 

ここあ「ほんと!りぜちゃんありがとう」ギュッ

 

リゼ「おっと……ふふっ」

 

1日目――おしまい♪

続編『ごちうさSS 幼いココア、千夜シャロと遊ぶ

感想

  1. 名有り より:

    正直この発想はありませんでした…(チノちゃんがお姉ちゃんになったようなお話は見たことがなかったので…)続きがとても楽しみです!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      いつもご愛読、ありがとうございます♪
      新たなシリーズSS初作でしたが、肯定的に受け入れていただきなによりです。

  2. 匿名 より:

    今度はココリゼ書いてください
    甘々でお願いします

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      しばらくはシリーズSSを執筆する予定ですので、申し訳ありませんがすぐには対応できかねます。
      アイデア通りに進めば、千夜シャロを挟んだ後は恐らくココリゼ続きです。

タイトルとURLをコピーしました