ごちうさSS ココア「リゼちゃんの血、おいしい……//」ペロッ

 

――ラビットハウス――

 

リゼ「…………」フキフキ

 

リゼ「……ふぅ」

 

リゼ「お客さん来ないな……」

 

チノ「もうお昼も過ぎましたから」カキカキ

 

リゼ「なんだ、学校の宿題か?」

 

チノ「はい、今のうちに終わらせておきます」

 

リゼ「合理的だな……わたしはどうしよう」

 

チノ「そうですね、でしたら包丁を研いでいただけませんか?」

 

リゼ「おっ、刃物磨きか。普段から手入れしておかないといざという時大変だもんな」

 

チノ「どんな時かわかりませんがお願いします」

 

リゼ「任せろ。♪~♪♪」

 

ガチャッ バタン

 

チノ「………………」カキカキ

 

チノ「あっ、違う……」ゴシゴシ

 

チノ「………………」カキカキ

 

チノ「………あれ?」

 

チノ「そういえばココアさんは……?」キョロキョロ

 

 

――――――――――――――――――――――

 

リゼ(よし、まな板が切れるくらい鋭くしてやるか)

 

リゼ「あれ……――ココア?」

 

ココア「んっ……あっ、リゼちゃん」

 

リゼ「姿が見えないと思ったら厨房にいたのか」

 

ココア「うん……」

 

リゼ「またつまみ食いでもしてたのか?まったくお前は……――――っ!?」

 

リゼ「おいココア、その指……!」

 

ココア「あ………これは……」ポタポタ

 

リゼ「ケガしたのか!?ええっと、ティッシュ……くっ、ハンカチしかないか」

 

リゼ「ほら、指を見せろ」

 

ココア「でも、リゼちゃんのハンカチが汚れちゃう……」

 

リゼ「そんなの気にするな、いいから手を出せ」グイッ

 

ココア「あっ……」

 

――キュッ

 

リゼ「これでよし……血が止まるまで取ったらダメだぞ」

 

ココア「ありがとう……ごめんね」

 

リゼ「……どうしてこんなことしたんだ?」

 

ココア「えっ……」

 

リゼ「その指、自分で切ったんだろう?台所にそれらしいものも見当たらないしな」

 

ココア「……………………」

 

リゼ「……血か?」

 

ココア「……うん」

 

ココア「自分のを舐めたら、スッキリするかなって……」

 

ココア「でも、やっぱり駄目だった……」シュン

 

リゼ「………………」

 

ココア「リゼちゃんのじゃないとわたし、もう……」キュッ

 

リゼ「………………」

 

ココア「ごめんなさい……これ以上、リゼちゃんに嫌われたくなくて……」

 

ココア「どうにかしようと思って……その……」

 

リゼ「………………」

 

ココア「ごめんなさい……ごめんなさい……」ブルブル

 

リゼ「…………」

 

リゼ「…………はぁ」

 

ココア「!」ビクッ

 

リゼ「……これからは絶対こんなことしちゃダメだぞ、いいな?」

 

ココア「……うん」

 

リゼ「約束だぞ。もし破ったらお前のこと、少し嫌いになる」

 

ココア「……絶対守る」ギュッ

 

リゼ「そうか、偉いな」ナデナデ

 

リゼ「なら、もう一つ約束だ」

 

リゼ「……これなら、大丈夫か」スッ ホウチョウ

 

ココア「……?」

 

リゼ「……っ」ピッ

 

ココア「っ!?リゼちゃん……!?」

 

リゼ「……ふぅ」ポタポタ

 

リゼ「もし血が欲しくなったときは、今度からは正直に言え」

 

リゼ「これでお前が傷つかないなら、お安い御用だ」

 

ココア「リゼちゃん……」

 

リゼ「それに、こんなことでお前を嫌いになったりしないよ」

 

リゼ「ほら……わたしの血なんかでよければ、いくらでも吸っていいぞ」ニコッ

 

ココア「……あ」

 

リゼ「遠慮しなくていい……ココアが満足するまで、好きなだけ」ポタポタ

 

ココア「……リゼちゃんの、血//」ゴクリ

 

ココア「……はぁ……はぁ……//」ハァハァ

 

リゼ「大丈夫か?」

 

ココア「うん……//

 

ココア「リゼちゃん、ごめんね……ありがとう……//

 

ココア「……それじゃあ、いただきます//

 

リゼ「……ああ」

 

ココア「んっ……」カプッ

 

リゼ「っ……」

 

チュパ……レロ……チュッ

 

リゼ「……くすぐったいな」

 

ココア「えへへ……リゼちゃんの血、おいしい……//」ニコッ

 

リゼ「……変な気分だ」

 

ココア「もっと……もっと……//」チュー

 

リゼ「……どんな味なんだ?」

 

ココア「分からない……でも、不思議な味……んっ……//」ペロペロ

 

リゼ「……まるでドラキュラだな」

 

ココア「ココキュラだよ……えへへ//」ニコッ

 

リゼ(かわいい……♪)

 

ココア「リゼちゃん……リゼちゃん……//」ペロッ

 

リゼ(……ココアがこんな風になってしまったのも、やはり1か月前のあれが原因か)

 

リゼ(まさかこんなことになるとは――――)

 

 

――

――――

――――――

 

――1か月前――

 

ココア「リゼちゃん、卵サンド2人分お願い」

 

リゼ「了解した」

 

ココア「チノちゃん、コーヒーのほうは?」

 

チノ「こっちは大丈夫ですので、厨房に回ってください」

 

ココア「わかったよ、パンなら任せて」フンス

 

 

リゼ「よし、こんなものか」

 

ココア「リゼちゃん、わたしも手伝うよ」

 

リゼ「カウンターのほうはいいのか?」

 

ココア「うん、お客さんも二人だけだから」

 

リゼ「そうか、ならゆで卵の殻を剥いてくれ」

 

ココア「はーい、これだね」

 

リゼ「…………」ザクッザクッ

 

リゼ(……パンならココアに任せたほうが良かっただろうか、ならわたしがゆで卵を剥いたほうが――)

 

リゼ「……――いつっ!?」ピッ

 

ココア「リゼちゃん!大丈夫!?」

 

リゼ「ああ、問題ない……わたしとしたことが、刃物で指を切るとは」ポタポタ

 

ココア「止血しないと!絆創膏か消毒液、ええっと、救急箱は……!」アタフタ

 

リゼ「心配するな、それよりパンのほうを――」

 

ココア「そうだ!リゼちゃん指かして?」

 

リゼ「いや、だからそんなに深くは……」スッ

 

ココア「――んっ」パクッ

 

リゼ「っ!?」

 

ココア「ん……れろっ……ちゅっ」

 

リゼ「こ、ココア……おい……!?//

 

ココア「ちゅ……――ぷはぁ!」

 

ココア「こうすれば緊急時の消毒になるってお姉ちゃんが言ってたんだ」ニコッ

 

リゼ「そ、そうなのか……?//

 

――ポタポタ

 

ココア「あっ……まだ出てるね」

 

ココア「ん……」チュッ

 

リゼ「こ、ココア、もういい……!」

 

ココア「ダメだよ、ちゃんと綺麗にしないと」ペロッ

 

リゼ「わたしの血なんて汚いぞ、病気にでもなったら……」アセアセ

 

ココア「リゼちゃんの血だもん、汚いはずないよ」

 

ココア「……むしろ、おいしいかも」ボソッ

 

リゼ「……えっ」

 

ココア「……リゼちゃんの血、癖になる味…」チュー

 

リゼ「ココア……?」

 

ココア「……リゼちゃんが、わたしの中に入っていってるような…」

 

ココア「はぁ……はぁ……リゼちゃん……」

 

リゼ「ココア……?おい、しっかりしろ!」

 

ココア「……リゼちゃん」

 

リゼ「……?」

 

ココア「もっと血……舐めさせて?」

 

リゼ「……!」

 

ココア「リゼちゃんの血……もっと、もっと……」

 

リゼ「ココア……」

 

ココア「はぁ……はぁ……」

 

チノ「ココアさんリゼさん、サンドイッチのほうは――」ガチャッ

 

リゼ「!チノ……」

 

ココア「…!」ハッ

 

ココア「……チノちゃん…リゼちゃん?……あれ、わたし……」

 

チノ「……?ココアさん?」

 

リゼ「ココア……ほら、早くサンドイッチを作ってくれ」

 

ココア「う、うん……」

 

ココア「……リゼちゃん、その……」

 

リゼ「話しは後だ。怒ってないから大丈夫だぞ」

 

ココア「……ごめんね」

 

チノ「……?」

 

 

リゼ(その日以来、ココアは時折り内緒でわたしの血を求めてくるようになった……)

 

 

ココア「リゼちゃん、どこか怪我してない?」

 

ココア「指なおったの?……そっか」シュン

 

ココア「リゼちゃんお願い……ほんとに、これで最後だから」

 

ココア「リゼちゃん……リゼちゃんの血、舐めたい……//

 

――――――

――――

――

 

 

リゼ(1ヶ月経った今でも、ずっとこの調子……か)

 

リゼ(これも、ココアに変なことを覚えさせてしまったわたしの責任だな……)

 

ココア「んっ……」チュパ

 

ココア「リゼちゃんありがとう……もう大丈夫だよ」

 

リゼ「……お前の症状が治るまで、支えてあげるつもりだったんだけどな」

 

ココア「えっ……?」

 

リゼ「でもすまない、どうやらわたしも限界みたいだ……」スッ シュル

 

ココア「リゼちゃん……?」

 

ココア(指のハンカチが……)

 

ポタ……ポタ……

 

リゼ「もう……これ以上」

 

リゼ「目の前の誘惑に、抗えそうもない」

 

リゼ「んっ……」チュッ

 

ココア「!」

 

リゼ「ココアの血……おいしい」ペロッ

 

リゼ「ココア……ココア……」レロッ

 

ココア「………リゼちゃん」

 

ココア「そっか……リゼちゃんも、血の魅力に取りつかれちゃったんだね」

 

リゼ「お前のが、うつったのかもな」

 

ココア「えへへ、感染するんだね」

 

リゼ「ああ……恐らくな」

 

ココア「…………」

 

ココア(……わたしがリゼちゃんの血を求めていたのは、このためだったのかな)

 

ココア(友情や血縁、信頼なんかよりも、ずっとずっと確実な繋がり……)

 

ココア(わたしがリゼちゃんを求めて、リゼちゃんもわたしのことを求めてくれる)

 

ココア(互いに互いを必要とする――離れられない関係)

 

ココア「ふふっ……わたしとリゼちゃんは、これでずっと――」

 

 

ココア「共依存のままで、いられるね//」ペロッ

 

――おしまい♪

感想

  1. 名有り より:

    本来タイトルからは怖い気しか感じない筈なのにいざ読んでみると色々と心がほっとしてしまうのはなぜでしょう…
    ああ…ココリゼもっと流行ればいいのに

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      せめてフィクションくらいは優しい世界観がいいですよね。

      ココリゼ、もっと流行らせてみせます、SS作家として!

  2. [にわとり]と申します。 より:

    コメント失礼致します。
    今回も素敵なssです(*´∀`*)
    少し狂気的なココアちゃん。それを受け入れてしまうリゼちゃん。「血は痛いもの」と思われがちですが、それを繋がりと考える。美しいです。

    前回初めてコメントさせて頂きましたが、丁寧な返信有難う御座います。
    砂水クジラさんも大変なんですね。忙しい中でも、ここを息抜きとして頂ければ、読んでいる自分達も嬉しいです。
    シャロちゃん鬱ssの裏話?を聞いて、さらにあのssが深く感じました。今の自分とかなり似ていたので、知らず知らず共感していたのかもしれません。
    今回も長文失礼致しました。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      アブノーマルなSSを肯定いただき、ありがとうございます。
      砂水クジラは『背徳愛』や『愛憎感情』、『ヤンデレ』などが実は大好物です。
      ここは……そうですね、息抜きというよりは、自分が生きていることを実感するための場所といったほうが良いかもしれません。
      いずれにせよ、今の私にとっては欠かせないサイトなんです。
      私のような馬の骨ではあなたの心に響く言葉はとても思い浮かびませんが、これだけはお伝えしたいと思います。
      『辛いことがあったら、我慢せずに一度逃げてみてはどうでしょう。そのあとでゆっくり考えれば、きっとなにかが見えてきます』

  3. 匿名 より:

    めちゃくちゃ良いSSでした!
    ココアちゃんとリゼちゃんがお互いに舐め合ってるのは想像するだけで興奮します!笑

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      アブノーマルな依存行動はとてもゾクゾクしますよね。

  4. 名前?知らんよ より:

    駄目だ….見てるだけでも……になりそう

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