ごちうさSS 千夜「イメチェンしてみるわ」

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――甘兎庵――

 

千夜「これ……ブレスレット?」

 

千夜(腕にはめるアクセサリーね……そういえば、クラスメイトの子達も何人かしていたわ)

 

千夜(おばあちゃん、誕生日プレゼントにどうしてこんなもの……)

 

千夜(またテレビの流行に踊らされちゃったのかしら)

 

婆『千夜も年頃なんだから、もう少し若者らしくしな』

 

千夜「……………………」スッ

 

――カガミノマエ

 

千夜「……やっぱり似合わないわ」

 

千夜(うーん、黒髪だからかしら、それともヘアアクセが和風過ぎるから?)

 

千夜「……いっそのこと金髪にして」

 

千夜(――って、それはダメ!甘兎庵のイメージが崩れるわ)

 

千夜(…でも、せっかくおばあちゃんからもらったものだし………)

 

千夜「………………」

 

千夜「……そうね、せめてヘアアクセだけでも変えれば――」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

――翌日――

 

千夜「…………」スッ

 

千夜「……」ゴクリ

 

――カガミノマエ

 

千夜「!」

 

千夜(思っていたより………これなら自然にイメージチェンジできたんじゃないかしら)

 

千夜(ヘアアクセを変えてブレスレットをつけただけでもこんなに変わるのね、なんだか嬉しいわ♪)

 

千夜(――みんなは、どう思うかな)

 

千夜(さすがに髪型変えるのは露骨よね、せめて服はいつもより少し明るめのものを)ガサゴソ

 

千夜(気付いてくれるといいんだけど)

 

――

――――

――――――

 

――翌日 ラビットハウス――

 

千夜「………………」

 

千夜「よし、いざ」フンス

 

ガチャッ

 

千夜「こんにちは」

 

リゼ「おっ、千夜じゃないか、いらっしゃい」

 

千夜「あら、リゼちゃんだけ?」

 

リゼ「チノは倉庫に行ってる、ココアは……たぶん寝坊だろう」

 

千夜「ちょっと早く来すぎたかしら」

 

千夜(まずはリゼちゃんね、気付いてくれるかな……)

 

千夜「それじゃあ、カフェラテくださいな」

 

リゼ「了解、ちょっと待っててくれ」

 

千夜「……………………」ウズウズ

 

リゼ「♪~♪♪」

 

千夜「……………………」ワクワク

 

リゼ「」シャッシャッ

 

千夜「……………………」

 

リゼ「ほら、完成だ」

 

千夜「………………」

 

リゼ「千夜?」

 

千夜「はっ…!あ、ありがとう……」

 

リゼ「……あれ?千夜、それ……」

 

千夜(きた!)

 

リゼ「混ぜずに飲むのか?カフェラテは混ぜて飲んだほうがおいしいぞ」

 

千夜「…………」

 

リゼ「絵を壊すのがもったいないからそのまま飲む人が多いけど……――?おい、千夜?」

 

千夜「っ……そ、そうね……そうよね…………」

 

千夜「…………」シュン

 

リゼ「?」

 

千夜(リゼちゃんには気付いてもらえなかった……)

 

 

チノ「お待たせしました――――千夜さん?」

 

千夜「チノちゃん、おはよう」

 

チノ「おはようございます、今日は甘兎庵はお休みなんですね」

 

千夜(チノちゃんなら気付いてくれるかも)

 

千夜「そうなの、だからラビットハウスに遊びに来ちゃった」

 

チノ「ゆっくりしていってください、恐らくお昼まで誰も来ないので」

 

リゼ「チノ、それ言ってて悲しくならないか……?」

 

千夜「……………………」ウズウズ

 

チノ「ココアさんはまだですか?」

 

リゼ「さっき2階がドタバタしてたし、そろそろ来ると思うぞ」

 

千夜「……………………」ワクワク

 

チノ「まったく、しょうがないココアさんです」

 

リゼ(寝坊させてやるチノも甘いけどな)

 

千夜「……………………」

 

チノ「!…千夜さん、あの――」

 

千夜(きた!)

 

チノ「その――コーヒーが零れてますよ?」

 

千夜「え………あっ、ほ、ほんとだわ」

 

チノ「待ってください、タオル持ってきますので」

 

リゼ「どうしたんだ千夜、今日は珍しくボーっとして」

 

千夜「あはは……なんだかまだ寝ぼけてるみたい、ごめんなさい」

 

チノ「千夜さん、シミになるといけないのでこれで早く」アセアセ

 

リゼ「チノ、それティッピーだ!」

 

千夜(チノちゃんにも気付いてもらえなかった……)シュン

 

 

ココア「ごめーん、遅くなっちゃった~!」ダダッ

 

チノ「おはようございます、今日は40分の遅刻です」

 

リゼ「また夜更かししてたんだろう」

 

ココア「昨日読んでた小説が面白くてつい」エヘヘ

 

千夜(いつも学校で一緒にいるココアちゃんなら……)

 

千夜「ココアちゃん、おはよう」

 

ココア「あっ、千夜ちゃんだ、おはよー!」

 

ココア「あれ、今日はシャロちゃんは?」

 

千夜「朝からアルバイトにいったわ、今日は夕方までみっちり詰まってるみたい」

 

ココア「そっかぁ、大変だね」

 

千夜「……………………」ウズウズ

 

ココア「この前の文化祭、楽しかったね」

 

千夜「ええ」ワクワク

 

ココア「今度はリゼちゃんところの学校に行きたいな」

 

リゼ「ウチは文化祭なんて無かったような気が……」

 

ココア「ええっ!?」

 

チノ「さすがはお嬢様学校です」

 

キャッキャッ ワイワイ

 

千夜「……………………」

 

千夜「」シュン

 

ココア「……?千夜ちゃん、なんだか元気ないね?」

 

千夜「っ!ううん、そんなことないわ……大丈夫よ……」

 

リゼ「風邪の予兆なんじゃないか?気だるいなら家で安静にしてたほうが――」

 

千夜「いいえ………――リゼちゃん」

 

千夜「ブラックコーヒー、5杯くださいな」ニコッ

 

リゼ「5杯……!?」

 

チノ「千夜さん、そんなに飲んだら身体が……」

 

ココア「そうだよ千夜ちゃん、せめてミルクだけでも……!」

 

千夜「大丈夫よ……」

 

千夜(今日はやけコーヒーで自嘲しましょう……)

 

千夜「…………」シュン

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

――夕方――

 

千夜「…………」トボトボ

 

千夜(結局誰も気付いてくれなかった……)

 

千夜(やっぱりわたしには、こんなブレスレットもヘアアクセも似合わないわよね……付けても変わらないし)

 

千夜「…………はぁ」ションボリ

 

シャロ「――千夜?」

 

千夜「?………シャロちゃん、おかえりなさい」

 

シャロ「どうしたのよ、そんな暗い顔して」

 

千夜「ううん、なんでもないわ……ただ、自意識過剰だった自分を嘲笑ってるの」

 

シャロ「なによそれ………」

 

千夜「…………」ウツムキ

 

シャロ「……?」

 

シャロ「ところで千夜、今日はどうしてそんな格好なの?」

 

千夜「……え」

 

シャロ「そのヘアアクセ、いつものやつじゃないわよね?服装もなんだかココアみたいだし……」

 

千夜「……!」

 

シャロ「あっ、そのブレスレットこの前テレビで紹介してたやつじゃない、ウチの学校でもつけてる子がいたわ」

 

千夜「……!!」

 

シャロ「なんだかいつもの千夜じゃないみたい、今風っていうか……もしかしてイメチェン?」

 

千夜「………………」

 

シャロ「……?千夜……?」

 

千夜「…………」ボソッ

 

シャロ「?」

 

千夜「シャロちゃんっ!」ダキッ

 

シャロ「ひゃあっ!?」ビクッ

 

千夜「シャロちゃんありがとう!だーいすき♪」ギュッ

 

千夜「シャロちゃんなら気付いてくれると思ってたわ」ニコッ

 

シャロ「ちょっと落ち着きなさい、一体何がどうなってるのよ!」

 

千夜「ふふ、シャロちゃん、シャロちゃん♪」モフモフ

 

シャロ「いまは汗臭いからモフモフしないで!」

 

千夜「そんなの気にしなくていいわ、シャロちゃん……!」スリスリ

 

シャロ「わたしが気にするのよー!」

 

――

――――

――――――

 

 

――浴室――

 

シャロ「おばあちゃんからのプレゼントだったんだ」

 

千夜「そうなの、おばあちゃんたら高いお金出してあんなもの」

 

シャロ「なるほどね、どうせ千夜のことだから、付けないのも申し訳ないと思って……」

 

千夜「うん……ヘアアクセも服装も、なるべくブレスレットに似合うように合わせてみたんだけど……」

 

シャロ「結局誰にも気付いてもらえず、あんな暗い顔してたってわけね」

 

千夜「恥ずかしいわ……自己満足で似合うと思ってはしゃいで……」

 

千夜「ほんと、バカみたいよね……」ニコッ

 

シャロ「…………」

 

千夜「でもいいの、シャロちゃんだけは気付いてくれたから♪」

 

千夜「それで十分満足よ」クスッ

 

シャロ「………………」

 

シャロ「……ねぇ?」

 

千夜「んっ……?」

 

シャロ「……これから言うこと、独り言だから気にしないでいいわよ」

 

千夜「……?」

 

シャロ「…………」スゥ

 

シャロ「みんなが鈍感過ぎるのよ、まったく」

 

シャロ「あれだけ雰囲気が変わってるのに気付かないなんて、わたしなんて遠目から見て一瞬誰だか分からなかったのに」

 

千夜「……シャロちゃん」

 

シャロ「千夜も千夜よ、自分に似合わないなんて勝手に決め付けて」

 

シャロ「だいたい、オシャレなんてものは所詮ただの自己満足じゃない、自分が満足すればそれでいいの」

 

シャロ「わたしから見れば今日の千夜の服装……その、すごく似合ってたし……//」

 

千夜「……ふふ、ありがとう」

 

シャロ「っ………で、でも!//」

 

シャロ「わたしは、いつもの千夜のおっとりとした雰囲気が好き!」

 

千夜「……!」

 

シャロ「……独り言、おしまい//」

 

千夜「………………」

 

シャロ(うぅ、言うんじゃなかった……恥ずかしい……//)ブクブク

 

千夜「…………シャロちゃん」

 

――ギュッ

 

シャロ「!」

 

千夜「ごめんね、ありがとう……」

 

千夜「わたしもシャロちゃんのこと好き……大好き……♪」

 

シャロ「…『も』ってなによ、さっきのは独り言だし……//」プイッ

 

千夜「ええ、そうね……だからわたしも、これは独り言」

 

千夜「……やっぱり、いつも通りの服装が落ち着くわ」

 

千夜「大切な幼馴染に、好きって言われた服装が」ニコッ

 

シャロ「……そう」

 

シャロ「……ほんと、一人で勝手に悩んで落ち込んで……千夜のバカ」

 

千夜「ごめんなさい、でももう大丈夫よ」

 

千夜シャロ「…………♪」ニコッ

 

――

――――

――――――

 

――数日後――

 

千夜「こんにちは」ガチャッ

 

シャロ「どうも……」

 

リゼ「千夜とシャロか、いらっしゃい――――あれ?」

 

リゼ「千夜、なんだかこの前と雰囲気違わないか?」

 

千夜「え?」

 

チノ「本当です、もしかしてイメチェンですか?」

 

千夜「えっ、えっ……?」

 

ココア「本当だ!千夜ちゃんが前よりもっとおしとやかになってるよ!」

 

千夜「えっと……いつもと同じに戻っただけなんだけど……」

 

リゼ「……え」

 

千夜「この前は少し冒険してみたけど……これはデフォルトよ?」

 

チノ「………………」

 

千夜「いつもブレスレットなんて付けてなかったでしょ?」

 

ココア「ええっ、そうだったの!?」ガーン

 

千夜「2年間も一緒なのにいまさら!?」

 

シャロ(みんなデフォルトを覚えてなかっただけだったのね……)ホッ

 

――おしまい♪

リクエストで頂いた、千夜ちゃんメインSSでした。

感想

  1. 匿名 より:

    リクエスト答えて頂いて本当にありがとうございます!!

    大満足です☆

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ご満足いただけてなによりです♪
      素晴らしいリクエスト、ありがとうございました。

  2. Proton より:

    突然ですが、SSリクエスト宜しいですか?
    ごちうさメンバーの皆さんで集まって、すごろくで遊んでいただきたいです!
    あ、すごろくは、鬼畜和菓子こと千夜の作ったものでお願いします!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      できれば、このSSの感想を添えて頂きたかったのですが……

      リクエストの件ですが、プロット作成を終えて次に予定しているSSがご要望の内容と似ているかもしれません。
      「すごろく」がメインというポイントは満たしていますが、最後のご要望は申し訳ながら承諾いたしかねます。

  3. ご注文は名無しですか? より:

    幼馴染み特有のやりとりが素敵でした
    千夜シャロかわいい!

  4. 匿名 より:

    こんどはリゼとマヤの話書いてください!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      リゼマヤは、以前も挑戦したのですがプロットの段階で上手くいかず断念した過去がありまして;
      アイデア構成とモチベーション、スケジュールに隙間ができましたらまた……。

  5. 匿名 より:

    リクエストです!
    もし可能ならば、ココアちゃんが吸血鬼化して、他のメンバーを襲っていってどんどん感染しちゃうようなssを書いて欲しいです!
    お願いします!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      申し訳ながら感染という要素は含めませんが、吸血鬼のココアちゃんは以前からアイデアに浮かんでいましたので、需要があるようであればぜひ採用させていただこうかと思います。

  6. 匿名 より:

    シャロはツンデレ要素があってかわいいです〜

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