ごちうさSS ココア「チノちゃんと一緒にタカヒロさんへのプレゼントを考えよう!」

gbrg

 

――ラビットハウス――

 

リゼ「3番テーブルにミックスサンドとカプチーノだ」

 

ココア「はーい♪」

 

チノ「……あの、ココアさん?」

 

ココア「んっ、どうしたのチノちゃん?」

 

チノ「実は、その……」モジモジ

 

ココア「……あ、わかったトイレだね!行ってきていいよ!」

 

チノ「………………」

 

チノ「やっぱり何でもないです」プイッ

 

ココア「えっ、もしかして違った!?」

 

チノ「もしかしなくても違います」

 

ココア「それじゃあモフモフのお願い?」

 

チノ「それココアさんの欲求じゃないですか」

 

チノ「……後で、ココアさんに相談したいことがあるんです」

 

チノ「お風呂に入った後、できれば部屋に来ていただいて二人きりで……」

 

ココア「!」

 

チノ「……お願いできますか?」

 

ココア「………………」

 

チノ「ココアさん……?」

 

ココア「……チノちゃん!!」ギュッ

 

チノ「!?」

 

ココア「お姉ちゃんにお悩み相談だね!いいよ、何でも話して!」スリスリ

 

ココア「お姉ちゃんにまっかせなさーい!」

 

チノ「ありがとうございます、それと離れてください」グイッ

 

ココア「あぅ!」

 

リゼ「おいココア、注文のサンドイッチは――」

 

ココア「リゼちゃん聞いて!チノちゃんがとうとう私のことを姉と認めてくれたよ!」

 

リゼ「わかったわかった、後で聞いてやるから早く作ってこい」

 

ココア「みんな冷たいよ~!この喜びを誰とも共有できないなんて……」

 

ココア「そうだ、千夜ちゃんなら聞いてくれるかも!」ケイタイ

 

リゼ「没収だ」パシッ

 

ココア「うぇええん、鬼店員、喫茶店の死神~!」

 

リゼ「ふふん、褒め言葉だ」

 

チノ「ラビットハウスが誤解されそうなのでやめてください」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

――深夜 チノの部屋――

 

ココア「父の日のプレゼント?」

 

チノ「はい、今年は何にしようかと……」

 

ココア「うーん……確か去年は手作りのネクタイだったよね」

 

チノ「今でも時折りバーで付けてくれているみたいです」

 

ココア「それなら今年もなるべく実用的なものがいいね」

 

チノ「そうですね……」

 

ココア「そうだ!明日は休日だし、一緒に街まで探しに行こうよ」

 

チノ「いいんですか?せっかくの休日なのに……」

 

ココア「わたしがチノちゃんとお出かけしたいの♪」ニコッ

 

チノ「っ…そうですか……ありがとうございます//」

 

ココア「よーし、明日のいくさに備えて今日はもう就寝だよ」カチッ

 

チノ「わたしの部屋で!?」

 

ココア「……ダメ?」

 

チノ「……しょうがないですね//」プイッ

 

ココア「えへへ~チノちゃんモフモフ!」ギュッ

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

――翌日――

 

ココア「」キョロキョロ

 

ココア「出口、オールクリア」

 

コソコソ ササッ

 

ココア「チノちゃん、こっちこっち」ヒョイヒョイ

 

チノ「確かにサプライズにしたいですが、わざわざ隠れなくても……」ヒソヒソ

 

ココア「『どうせやるなら全力で』がわたしの家の家訓だよ……!」ヒソヒソ

 

ココア「――よし」スッ

 

タカヒロ「おはよう、朝からお出かけかい?」

 

ココア「ヴェアアアア!!」ビクッ

 

チノ「お父さん……!」

 

ココア「い、いつからそこに!?」

 

タカヒロ「アンブッシュは基本だよ」キラン

 

ココア「リゼちゃんから教えてもらったステルスムーブが見破られるなんて……!」

 

チノ(アンブッシュってなんだろう……)

 

タカヒロ「どこか行くのかい?」

 

ココア「え、ええっとですね……!」アセアセ

 

チノ「リゼさんのところへ、夕飯前には帰ってきます」

 

タカヒロ「そうか、いってらっしゃい」

 

チノ「はい、行ってきます」スタスタ

 

ココア「あっ、い、行ってきまーす!」タタタ

 

ガチャッ バタン

 

ココア「チノちゃんナイスフォロー!」ヒソヒソ

 

チノ(最初から普通に行けばよかったんじゃあ……)

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

ココア「この辺まで来ればなにか見つかりそうだね」キョロキョロ

 

ココア「あっ、あれなんだろう!」

 

チノ「ココアさん、はしゃぎすぎて迷子にならないでください――って、言ってるそばからいない!?」

 

ココア「チノちゃん、こっちこっち~!面白いものがあるよ~!」ブンブン

 

チノ「……まったく、しょうがないココアさんです」クスッ

 

ココア「チーノーちゃーん!」

 

チノ「いま行きます」

 

チノ「………………♪」

 

 

 

ココア「みてみて、不思議な形のマグカップだよ」

 

チノ「これは……たぶんアロマキャンドルかと」

 

ココア「この繊細な取っ手には製作者の並々ならぬ意欲を感じるよ」

 

チノ「それ、シャロさんの受け売りですか?」

 

ココア「あっ、やっぱりばれちゃった?」テヘヘ

 

チノ「しかし、このサイズでは店内全てに香りがいきわたるかどうか……」

 

ココア「なかに危ない針もついてるし、さすがに喫茶店には使えないよね」

 

チノ「ココアさん、アロマキャンドルってこと分かってますか?」

 

 

 

ココア「チノちゃん、お父さんだし電動髭剃り機なんてどう?」

 

チノ「確かに実用的ですが、父の日のプレゼントで髭剃り機ってどうなんでしょう……」

 

ココア「大丈夫、きっと喜んでくれるよ!」

 

ココア「鏡の前でウキウキしながら髭剃り機を使うタカヒロさんが目に浮かぶよ」ポワーン

 

チノ「そんな父見たくないです」

 

ココア「ほら、あそこにたくさん売ってるよ」

 

チノ「2枚刃、4枚刃……さっぱり分かりません」

 

ココア「あっ、これなんてベーシックだよ」

 

チノ「結局髭剃り機ですか……いくらです?」

 

ココア「えっとね~…………」

 

『16000円』

 

ココチノ「高いっ!?」

 

 

 

ココア「うぅ~全然決まらないよ~」

 

ココア「チノちゃん、お父さんが欲しがってたものとか思い当たらない?」

 

チノ「父と話すのは休日の食事の時くらいなので……――!」

 

チノ(あれは――)

 

ココア「そっか、タカヒロさん忙しいもんね」

 

ココア「よし、こうなったら今日の夕食時にそれとなく聞き出して――」

 

ココア「……あれ?チノちゃん……?」

 

 

 

チノ(このハンカチ、すごく綺麗です……)

 

チノ(そういえば以前、お客さんを楽しませるために手品を披露したりするとおじいちゃんが言ってました)

 

チノ(お客さんが飲み物をこぼしたりした時も、これなら……)

 

チノ(…………♪)ニコッ

 

『迷子のお知らせをいたします。チノちゃん、ココアお姉ちゃんが広場前でお待ちです』

 

チノ「呼び出し!?」

 

 

――

――――

――――――

 

ココア「プレゼントが決まって良かったね♪」

 

チノ「でも、すっかり日が暮れちゃいました」

 

チノ「ココアさん、今日は休日なのに付き合っていただいてありがとうございました」

 

ココア「そんなのいいよ、わたしもチノちゃんとおでかけできて楽しかったもん」

 

ココア「今度はマイティッピー(自転車)でもっと遠くまで行こうね」

 

チノ「……あれ?ココアさんもなにか買ったんですか?」

 

ココア「うん、いいのがあったからちょっと」

 

チノ(さっきはぐれた時でしょうか……)

 

ココア「父の日は明日かぁ……チノちゃんのお父さん、喜んでくれるといいね」

 

チノ「……はい♪」ニコッ

 

――

――――

――――――

 

――――――――――――――――――――――――

 

――翌日 深夜 ラビットハウス――

 

ガチャッ

 

リゼ父「邪魔するぞ」

 

タカヒロ「いらっしゃい」キュッキュッ

 

リゼ父「今日は気分がいい、一番高い酒を開けてくれ」

 

タカヒロ「……なるほどな」

 

キュポン トクトク

 

リゼ父「」ゴクゴク

 

リゼ父「………ふぅ」

 

リゼ父「ほら、お前も飲めよ」

 

タカヒロ「言われなくても勝手に飲んでる」トクトク

 

リゼ父「ふっ…………」

 

タカヒロ「……なかなかいいんじゃないか」クスッ

 

リゼ父「娘からのプレゼントだ。この眼帯、付け心地も最高だぞ」

 

タカヒロ「さすがはリゼ君だ、いいものを選ぶ」

 

リゼ父「……お前もなかなかだな」

 

タカヒロ「ああ、このハンカチならとっておきのマジックが披露できそうだ」

 

リゼ父「今度ぜひ拝見させてもらおうか………ところで、タカヒロ」

 

タカヒロ「どうした?」

 

リゼ父「――そのグラサンはなんだ?」

 

タカヒロ「ああ、これか……」

 

 

――1時間前――

 

ココア「タカヒロさーん」ドタドタ

 

タカヒロ「?」

 

ココア「これ、わたしから父の日のプレゼントです」スッ

 

タカヒロ「……ココアくんから?」

 

ココア「去年は用意できなかったんですけど、今年はチノちゃんが教えてくれたから」

 

ココア「いつもたくさん、ありがとうございます」ペコリ

 

タカヒロ「ココアくん……」

 

ココア「それじゃあおやすみなさい」ニコッ

 

タカヒロ「………………」

 

バサッ ビリッ……

 

サングラス

 

タカヒロ「………………」

 

タカヒロ「」カガミノマエ カチャッ

 

 

タカヒロ「プレゼントだ……もう一人の娘からな」フッ

 

リゼ父「ホームスティしてるっていう子か……それにしても――」

 

リゼ父「お前、それ似合いすぎててやばいぞ……」

 

タカヒロ「ああ、おかげで今日の客はお前ひとりだ」

 

リゼ父「……しかたない、もっと頼んでやるよ」

 

タカヒロ「助かる、なら今日はもう店仕舞いだな」

 

タカヒロ「まぁ、たまにはこんな日があってもいいだろう」

 

リゼ父&タカヒロ「――乾杯」

 

リゼ父&タカヒロ「…………ふぅ」

 

リゼ父「……この眼帯、かっこいいだろ?」

 

タカヒロ「このハンカチとサングラス、似合ってるだろ?」

 

リゼ父&タカヒロ「」ドヤッ

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

――チノの部屋――

 

ココチノ「すぅ…………すぅ…………」Zzz

 

タカヒロ「相変わらず仲良しだね」

 

タカヒロ「……二人とも、ありがとう」ナデナデ

 

チノ「ん…………♪」

 

ココア「…えへへぇ…………♪」

 

ガチャッ バタン

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    ほほえまー
    ごちうさssの更新頻度高くて嬉しいです!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      最近はごちうさSSのアイデアばかりが出てしまいまして;

      最低限の目標は、ラブライブSSと同じく合計100話を目指しております。

  2. リュウ より:

    ココチノはやっぱいいな〜ほんとに二人とも姉妹みたい。

  3. 匿名 より:

    リゼ父がリゼになっててリゼちゃんが未成年飲酒してますよ!!

  4. Beyond the Average より:

    なんとも幸せな父の日ですね~!
    タカヒロさんがサングラスでニヤリと喜んでる様子が浮かびますね!
    チノはちゃんと考えていて偉いですね、私は若鮎ぐらいしか父の好きなものを知らないので毎年近所の和菓子屋で同じのを買うのですが…。
    甘兎庵で父の日フェアとかしてくれたら是非買いに行きたいです!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      チノちゃんもココアちゃんも素敵ですが、Beyondさんもご立派ですよ。
      高校生で、わざわざ父の日にプレゼントを贈られるなんて。
      こうして聞いていると父親とか家族ってとても良いものですね。
      タカヒロさんもリゼパパも、『理想の父親』として描写できていると嬉しいです。

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