ごちうさSS ココア「リゼちゃん……また他の子と喋ってる……」

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リゼ(最近のココアは少し様子が変だ……)

 

リゼ(無邪気にじゃれついてくるのは相変わらずだが、ふとした拍子に突然人格がおかしくなったりする……)

 

リゼ(この間も――)

 

 

―――ラビットハウス――

 

ココア「リゼちゃん遅いね…………」

 

チノ「とはいっても、まだシフト時間前ですが……」

 

ココア「……………………」

 

ガチャッ

 

リゼ「遅くなってすまない」

 

ココア「リゼちゃん!」

 

チノ「リゼさん、こんにちは」

 

ココア「えへへ~、リーゼちゃん」ダキッ

 

リゼ「おっと……お前は今日も元気だな」ナデナデ

 

ココア「リゼちゃんやみんながいるからだよ♪」

 

リゼ「着替えてくるから、また後でな」

 

ココア「うん」スッ

 

チノ「ココアさん、今のうちにコーヒー豆の補充お願いします」

 

ココア「はーい」

 

リゼ「待ってろ、着替え終わったら私も手伝いに行く」

 

ガチャッ バタン

 

ココア「……………………」

 

 

――更衣室――

 

リゼ(さてと、さっさと着替えて……んっ?)

 

リゼ(おかしいな……私の制服が無いぞ……)

 

ガチャッ……バタン

 

リゼ「?」

 

ココア「………………」

 

リゼ「ココア……どうしたんだ?チノに頼まれたコーヒー豆は?」

 

ココア「……はい、リゼちゃん」

 

リゼ「!これ……私の制服?どうしてココアが……」

 

ココア「昨日汚れちゃったから、洗濯しておいたんだ」

 

リゼ「汚れたって……昨日はお客も少なかったし、そこまで――」

 

ココア「ううん……そんなことないよ」

 

 

ココア「――だってリゼちゃん、昨日お店に来た女の子たちに騒がれてたでしょ?」

 

 

リゼ「……?ああ、あの子達は学校の後輩で……」

 

ココア「わたし見てたんだ……その時、一人の子がリゼちゃんの腕に抱きついてたの」

 

リゼ「おいおい、それとこれとどういう関係が……」

 

ココア「だからね、消毒しておいたの」

 

ココア「リゼちゃんの服が汚されたから、手洗いで丁寧に」ニコッ

 

リゼ「!」

 

ココア「ほら、おかげで袖もピカピカだよ」

 

リゼ「汚されたって……おいココア、そんな言い方……!」

 

ココア「……え」ピクッ

 

リゼ「!?」

 

ココア「……なんで、どうして」

 

ココア「なんでリゼちゃんはあの子達の味方するの……?」

 

ココア「どうして……どうして……?」

 

リゼ「こ、ココア……?」

 

ココア「わたしはリゼちゃんのためを思って一生懸命洗濯したのに、どうしてなの……?」

 

ココア「リゼちゃんは私のこと嫌いなの……?」

 

リゼ「そんなことない、お前は大事な友たちだ」アセアセ

 

ココア「……じゃああの子達は?」

 

リゼ「えっ?」

 

ココア「あの子達は、リゼちゃんにとってなんなの?」

 

リゼ「そ、それは……」

 

ココア「………………」ジー

 

リゼ(なんだこの雰囲気……いつものココアとは違う……)

 

リゼ「…………っ」

 

リゼ「……ただの、後輩だ」

 

ココア「………………」

 

リゼ「………………」ゴクリ

 

ココア「」ニコッ

 

ココア「よかったぁ、リゼちゃんが冗談言うからつい本気にしちゃったよ」

 

ココア「リゼちゃんがわたしのこと裏切るはず無いもんね」

 

リゼ「ああ…………」

 

ココア「はいリゼちゃん、早く着替えて一緒にコーヒー豆取りにいこっ」

 

リゼ「そ、そうだな」

 

リゼ「ココア、洗濯してくれてありがとう」

 

ココア「どういたしまして♪」

 

リゼ(いつものココアだ…………)ホッ

 

リゼ(さっきのはなんだったんだ……?)

 

スッ ギュッ

 

リゼ「!」

 

ココア「ふふっ、リゼちゃんの腕は私の使用特許だよ」

 

ココア「もふもふ、もふもふ♪」

 

リゼ「はは………」ヒクヒク

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

リゼ(それ以降は、いつもの明るいココアだった)

 

リゼ(ここ1週間、ココアの様子が豹変したのは最初の出来事を含めて3回……)

 

リゼ(2度目は酔ったシャロに抱きつかれたとき、3度目は後輩たちと帰っていたところを鉢合わせしたとき……)

 

リゼ(……どうしてあんな風に……色々考えてみたがさっぱり分からん)

 

リゼ(理由が分からないだけに、私としても対策のしようが無い……)

 

リゼ(酷いときは――――)

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

――更衣室――

 

リゼ「いい季節になってきたな」

 

ココア「そうだね~」

 

リゼ「夏は暑いし冬は寒いし、ランニングはこの時期がちょうどいいよ」

 

ココア「……ところで、リゼちゃん?」

 

ココア「チノちゃんから聞いたよ、シフトの時間遅めにしたんだって?」

 

リゼ「ああ、最近はいつも出勤時間ぎりぎりになるしな、30分ずらしてもらった」

 

ココア「そっかぁ、リゼちゃん部活の助っ人とかで忙しいもんね♪」

 

リゼ「いや、今回はそれが理由じゃないんだが」

 

ココア「…………」ピクッ

 

ココア「……なら、どうして?」

 

リゼ「!いや……それは、えっと……」

 

ココア「お父さんに何かプレゼントとか?」

 

リゼ「違う、大体あれはワインを壊してしまったからで……」

 

ココア「ならどうして……ねぇ?」ズイッ

 

リゼ「こ、ココア……少し近くないか?」

 

ココア「1週間くらい前からだよね、リゼちゃんがギリギリに来るようになったのって」

 

ココア「わたし、部活の助っ人とか他のアルバイトとかで忙しいのかと思ってた」

 

ココア「リゼちゃん人気者だもんね、それに頑張りやだし。多少のことは仕方が無いってずっと自分に言い聞かせてたんだ」

 

ココア「――でも、違うの?」ジー

 

リゼ「!」

 

リゼ(またこのココアだ……まずい……)

 

ココア「リゼちゃんは、わたしのこと騙してたの……?」

 

リゼ「騙してたって、別にそんなつもりは……!」

 

ココア「じゃあほんとの理由を教えて?」ニコッ

 

リゼ「……っ!」

 

ココア「……まさか、学校のクラスメイトと遊びに行ってるとか?」

 

リゼ「うっ……ち、違わないが、違うというか……」

 

ココア「……やっぱりそうなんだ」

 

ココア「リゼちゃんはわたしやチノちゃん、ラビットハウスのことよりもクラスメイトのほうが大事なんだね」

 

リゼ「違うんだココア!相談に乗ってもらっているだけで……」アセアセ

 

ココア「相談?それならどうしてわたしにしてくれないの?」

 

ココア「わたしが一番リゼちゃんのことを良く知ってて、一番リゼちゃんのことを想ってるのに……どうして!」バン

 

リゼ「!?」

 

ココア「はぁ…はぁ……」

 

リゼ「ココア……?」

 

ココア「……この前の言葉は嘘だったんだね」

 

リゼ「えっ……」

 

ココア「わたしのこと、大事な友達だって……」

 

リゼ「嘘なんかじゃない、お前はわたしにとって大事な――」

 

ココア「口ではなんとでもいえるよ……やっぱりリゼちゃんの真意を確かめるには――この方法しかない!」ガシッ

 

リゼ「ぐっ……こ、ココア……!?」

 

ココア「リゼちゃん……早く言ってくれないと、わたし……」クビシメ

 

リゼ「くっ……げほっ……こほ……」

 

ココア「苦しい?……わたしはもっと苦しいよ」

 

ココア「どうしてほんとうのこと教えてくれないの………」グググッ

 

リゼ(このままだと……すまん、ココア…!)

 

ガシッ

 

ココア「きゃっ……!」

 

リゼ「……っく!」ビュッ

 

ココア「かはっ……!」ドン!

 

リゼ「っ!?ココア、大丈夫か!?すまない、つい力を入れ過ぎた……」

 

ココア「……えへへ」

 

リゼ「……?」

 

ココア「リゼちゃんがわたしのこと心配してくれた……嬉しいなぁ」

 

ココア「この痛みも、リゼちゃんから与えてもらったものだと思うと、むしろ……」ニコッ

 

リゼ「…………」ブルブル

 

リゼ「ほ……ほら、立てるか?」

 

ココア「……うん」

 

ココア「ごめんねリゼちゃん、わたしどうかしてたみたい」ニコッ

 

リゼ「!」

 

ココア「さてと、いこっか。これ以上ぐずぐずしてたらチノちゃんに怒られちゃうよ」

 

リゼ「ああ…………」

 

リゼ「背中、大丈夫か?」

 

ココア「うん、全然平気だよ。ほら♪」ブンブン

 

リゼ(いつものココアだ…………助かった、のか?)

 

ココア「……………………」ニコニコ

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

リゼ(今日もまた地雷を踏めば、あのココアに対面してしまう……気をつけなければ)

 

リゼ(……頑張ろう、もう少しの辛抱だ)

 

 

――リゼの学校 放課後 校庭――

 

モブA「まぁ、わたしの知ってるのはこれくらいかしら」

 

リゼ「なるほど……ありがとう、参考になったよ」

 

モブA「付いていけなくてごめんね」

 

リゼ「いや、十分だ。長い間すまなかったな」

 

モブA「ふふっ、いいのが見つかるといいね」フリフリ

 

リゼ「……ああ」フリフリ

 

リゼ(よし……いくか)グッ

 

 

??「…………………………」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

――アクセサリーショップ――

 

リゼ「…………」キョロキョロ

 

リゼ「!」

 

リゼ(……これなんかいいんじゃないか)

 

リゼ(サイズもカラーもちょうどいい……これだ)

 

店員「ありがとうございました」ペコリ

 

 

――――――――――――――――――――――

 

テクテク テクテク

 

リゼ「ふぅ…………」

 

リゼ(後は渡すだけだ……)

 

リゼ「……喜んでくれるかな、あいつ」クスッ

 

モノカゲ フラッ……

 

リゼ「っ!?」チャキ

 

ココア「………………」

 

リゼ「!……ココア!?」

 

リゼ「どうしてこんなところに……!?」

 

ココア「………………」ウツムキ

 

リゼ「ココア……?」

 

リゼ(なんだか様子がおかしいぞ……まさか……)

 

ココア「……リゼちゃん、誰なの?」

 

リゼ「……?」

 

ココア「そのプレゼント、誰にあげるの?」

 

リゼ「!」

 

ココア「千夜ちゃん?シャロちゃん?あの後輩の子たち?」

 

リゼ「お、お前、ずっと見てたのか?」

 

ココア「……そういうことだったんだね」

 

ココア「リゼちゃん、好きな人ができたんだ……」

 

ココア「その人のプレゼントを選ぶためにクラスメイトと遅くまで相談してた……」

 

リゼ「違う、勘違いだ!わたしに好きな人なんて……!」

 

ココア「…………」スッ

 

ハモノ シャキン

 

リゼ「なっ!?」

 

ココア「リゼちゃん……ごめんね」

 

ココア「リゼちゃんを他の誰かに取られるくらいなら、いっそのこと……」

 

リゼ「こ、ココア……待て、落ち着け!」

 

ココア「わたしからリゼちゃんを奪おうとするなんて許さない許さない許さないゆるさないゆるさない……」

 

リゼ「っ……!」

 

ココア「リゼちゃん……好き……」スッ

 

リゼ「ココアっ!」

 

――

――――

―――――――

 

リゼ「……っ」ポタポタ

 

ココア「!……リゼ、ちゃん…?」

 

リゼ「バカな真似するな……まったく」

 

ココア「……!?リゼちゃん……血が……」ブルブル

 

リゼ「かすり傷だ、たいしたこと無い」

 

リゼ「それより――ほら」

 

ココア「……これ、さっきの」

 

リゼ「プレゼントだ……お前への」

 

ココア「!」

 

ココア「わたしに……えっ、なんで……」

 

リゼ「今日何の日か覚えてないのか?」

 

リゼ「お前がここに来てからちょうど1年目……お前が初めてこの町にやってきた日だ」

 

ココア「……!」

 

リゼ「なにか記念に贈りたくて、この1週間クラスメイトの子たちに良い店を聞いて回ってたんだ」

 

リゼ「できればサプライズにしたかったから、お前には内緒にしたくて……」

 

ココア「……リゼちゃん」

 

リゼ「こほん……ココア」

 

リゼ「この町に来てくれて、わたしと友達になってくれて、ありがとう」ニコッ

 

ココア「…………!」

 

リゼ「この前は誤魔化して悪かったな」

 

ココア「……ひっく……ぐすっ」ジワッ

 

ココア「っく…ううっうえぇ……」ポロポロ

 

リゼ「おいおい、そんなに泣くなよ」ナデナデ

 

ココア「リゼちゃん……リゼちゃん!」ダキッ

 

リゼ「!」

 

ココア「今までごめんね……ごめんなさい……!」ヴエェ

 

ココア「わたし……リゼちゃんにたくさんひどいこと……」ウルウル

 

リゼ「気にするな、それだけ大切に思ってくれてるってことだろ」

 

リゼ「その気持ちは素直に嬉しかった……だからほら、泣き止めよ」

 

ココア「うぅ……ひぐっ……」グスッ

 

リゼ「それ、受け取ってもらえるか?」

 

ココア「うん、もちろんだよ……ありがとうリゼちゃん、一生大切にするね……」ギュッ

 

リゼ「はは、大げさだな」

 

 

リゼ(その日以来、あの怖いココアが現れることは無くなった)

 

―――――――――――――――――

 

――深夜 ラビットハウス――

 

ココア(わぁ、高そうなヘアアクセ…でも可愛い♪)

 

ココア(似合うかな……?)

 

カガミノマエ

 

ココア(えへへ……リゼちゃんのプレゼント……♪)ニコッ

 

ココア(明日はこれ付けていこっと)

 

ガチャッ……

 

ココア「んっ……?」

 

チノ「………………」

 

ココア「チノちゃん、こんな時間にどうしたの?」

 

チノ「………………」

 

ココア「チノちゃん…………?」

 

ココア(なんだろう……チノちゃんの様子が……)

 

チノ「……ココアさん」

 

チノ「それ、誰からもらったんですか……?」ニコッ

 

ココア「!」

 

チノ「だれから、もらったんですか?」ニコニコ

 

ココア「…………」ダラダラ

 

ココア「」

 

ヤンデレココアちゃん・ディフェンシブケース――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    ヤンデレココアさん可愛すぎてゾクゾクしちゃいますね…しかしリゼは強いから普通に反撃出来てしまうという…ちょっとココアは悲しいw
    ヤンデレチノは…なんというかすごく暴走しそうで怖すぎですねw
    お疲れ様ですっ

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      いつもご愛読ありがとうございます。
      名無し様の心優しい素直なコメントに毎度救われております。

      実は最近荒らしの方が多く、心身ともに病み寸前でして。
      心情が文章にまで現れてごちうさの世界観を壊していないか心配でしたが、ホッとしました。
      これからも頑張りますね。

  2. 匿名 より:

    怖くもあるけど、だからこその美しさもある。すごくきれいなヤンデレですね。ラストが気になりますけど。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      今度はまた別なヤンデレココアちゃんを描きたいと思います。
      そして、ラストの続きであるヤンデレチノちゃんも……。

  3. ご注文は名無しですか? より:

    ヤンデレチノちゃんSSも楽しみすぎます!
    荒らしに負けず頑張ってください

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      おかげさまで、もう大丈夫です。

      ヤンデレチノちゃん、構想が浮かびましたらすぐに執筆させていただきますね。

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