ごちうさSS リゼ「チノが引きこもりになった」

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――休日――

 

リゼ「♪~♪♪」

 

ガチャッ

 

リゼ「おはよう、今日も一日がんば――」

 

シーン

 

リゼ「あれ……?」

 

リゼ「ココア、チノ……?」

 

リゼ「……………………」

 

ガラーン

 

リゼ(おかしいな……ココアはまだしも、この時間ならチノは起きているはずだが)

 

ドタドタドタ

 

リゼ「?」

 

ココア「リゼぢゃ~ん!」ヴエアアア

 

リゼ「うわっ!ココア!?」

 

ココア「大変だよ~っ!」ビェー

 

リゼ「ど、どうしたんだ?」

 

ココア「チノちゃんが……チノちゃんが……!」

 

リゼ「チノが?」

 

ココア「引きこもりになっちゃったよ~っ!」

 

リゼ「へっ?」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

――チノの部屋――

 

リゼ「……………………」

 

リゼ(なぜこんなことに)

 

リゼ「おーい、チノ」トントン

 

チノ「……リゼさん……おはようございます」

 

リゼ「ドア越しに言われても……とにかく出てこいよ」

 

チノ「ココアさんは?」

 

リゼ「ココアは下で開店準備してるよ、だからチノも早く来い」

 

チノ「……………………」

 

シーン

 

リゼ「……はぁ」

 

リゼ「なぁチノ?どうして閉じこもっているのかせめて理由だけでも聞かせてくれよ?」

 

チノ「……………………」

 

リゼ「理由が分からないとどうしようもないだろ、なっ?」

 

チノ「…………」

 

カチッ

 

チノ「……入ってください」

 

リゼ「………………」

 

ガチャッ

 

リゼ「あれ、もう制服に着替えてるじゃないか」

 

チノ「……………………」

 

リゼ「いったい何があったんだ?」

 

チノ「……………………」

 

リゼ「まさか、またココアと喧嘩でもしたのか?」

 

チノ「違います、しかし原因はココアさんです」

 

リゼ「やっぱりあいつか……で、何があった?」

 

チノ「……あれは昨日の夜です」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

ココア「チノちゃーん!」ダキッ

 

チノ「ココアさん、離れてください//」

 

ココア「今日は一緒にお風呂入ろっ♪」

 

チノ「い、嫌です、一人で入ってください//」

 

ココア「え~二人で入った方が楽しいよ?」

 

チノ「それはココアさんだけです、私は迷惑です//」プイッ

 

ココア「迷惑……そっか」シュン

 

チノ「で、ですが、ココアさんがどうしてもというなら一緒に入ることもやぶさかでは――」ゴニョゴニョ

 

ココア「ごめんねチノちゃん、今日はわたし一人で入ってくるよ」

 

チノ「えっ……あ」

 

ココア「また今度一緒に入ろうね」タタタ

 

チノ「…………………………」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

チノ「ということがありました」

 

リゼ「」ポカーン

 

チノ「リゼさん?」

 

リゼ「……えっと……つまり、どういうことだ?」

 

チノ「ですから、ココアさんがお風呂に誘ってくれなかったんです」

 

リゼ「いや……誘ったけどチノが断ってたじゃないか」

 

チノ「あれは私個人の意見を言っただけです、その後にちゃんと補足しています」

 

リゼ「嫌とか迷惑だとか言われたら諦めるだろ普通」

 

チノ「そんなことありません!」ダン!

 

リゼ「わっ!」

 

チノ「口ではそう言いましたが、素振りでは一緒に入りたいオーラを出し続けていたはずです!」

 

リゼ(なんだその謎オーラは)

 

チノ「それに気づかないなんて……ココアさんは本心ではきっと私と入りたくなかったんです」

 

リゼ「そんな裏表を器用に使い分けれるような奴じゃないだろ……」

 

チノ「いいえ、きっとそうです」

 

リゼ「試しに今夜チノの方から誘ってみろよ。絶対快く承諾してくれるから」

 

チノ「……わたしは別にココアさんと一緒にお風呂に入りたいわけではありません」

 

リゼ「えっ、違うのか?」

 

チノ「違います、ただココアさんの本心が知りたいだけです」

 

リゼ「……………………」ジーッ

 

チノ「な、なんですかその眼は?」

 

リゼ「……まぁいい」

 

リゼ「じゃあどうすればいいんだ?」

 

チノ「簡単です、ココアさんから私をお風呂に誘ってくれれば解決です」

 

リゼ「……やっぱり一緒に入りたいんじゃないか?」

 

チノ「違います、ココアさんへの疑念を晴らすためです」

 

リゼ「そうか……」

 

チノ「はい」

 

リゼ「……分かった、私が何とかしてやる」

 

チノ「ほんとうですか」

 

リゼ「ああ、だから早く行くぞ」

 

チノ「分かりました。リゼさんすいません、ココアさんのせいでこんな事に」

 

リゼ(ココアのせいなのか……?)

 

 

 

――翌日――

 

チノ「♪~♪♪」

 

リゼ「えらくご機嫌だな」

 

チノ「あっ、リゼさん、ありがとうございます。おかげで昨日の夜ココアさんが誘ってくれました」

 

チノ「お風呂上りも二人で一緒に寝たり、前以上に仲良くなれた気がします」

 

リゼ「そうか、それは良かったな」

 

チノ「まぁわたしとしてはどうでもいいのですが、ココアさんへの疑問が晴れて清々しい気分です」

 

リゼ(すごい嬉しそうだ……)

 

 

ガチャッ

 

千夜「こんにちは」

 

ココア「千夜ちゃん!」

 

リゼ「今日は一人なのか?」

 

千夜「シャロちゃんは夕方までアルバイトみたい」

 

チノ「何かお飲みになりますか?」

 

千夜「それじゃあキリマンジャロをお願いするわ」

 

ココア「千夜ちゃん、その髪飾りって――」

 

 

ココア「この前みんなでデパート行った時に買ったやつだね♪」

 

 

チノ「!?」

 

千夜「せっかくだから付けてみたの、どうかしら?」

 

ココア「すっごく似合ってるよ!ねぇリゼちゃん?」

 

リゼ「ああ、千夜の黒髪に上手くマッチしてるよ」

 

千夜「ふふっ、嬉しいわ、ありがとう」

 

チノ「…………………………」

 

 

――翌日 ラビットハウス――

 

リゼ「……………………」

 

ガラーン

 

リゼ「……まさか」

 

ドタドタドタ

 

ココア「リゼぢゃ~ん!」ヴエアアア

 

リゼ「またか…………」ハァ

 

 

――チノの部屋――

 

リゼ「チノ?わたしだ」トントン

 

シーン

 

リゼ「……………………」

 

リゼ「おいチノ、今度はどうしたんだ?」トントン

 

チノ「……しばらくひとりにしてください」

 

リゼ「ラビットハウスはどうするんだ?」

 

チノ「リゼさんとココアさんにお任せします」

 

リゼ「そんな無責任な……いったい何があったんだ?」

 

チノ「……………………」

 

リゼ「この前も言ったが、理由が分からないとどうしようもないだろう」

 

チノ「……………………」

 

カチッ

 

リゼ(あっ、開いた)

 

リゼ「…………」ガチャッ

 

チノ「」フトン スマキ

 

リゼ「」

 

チノ「おはようございます……」モゴモゴ

 

リゼ「チノ……いったいどうしたんだ?」

 

チノ「いいんです、どうせ私はココアさんにとって要らない子なんです」

 

リゼ「………………」

 

リゼ(すごくめんどくさそうな予感が)

 

リゼ「とにかくまずは布団から出ろ」バサッ

 

チノ「ひゃうっ」

 

リゼ「ほら、ちゃんと座って」ガシッ

 

チノ「」フラフラ ポスッ

 

リゼ「……………………」

 

リゼ(こりゃかなり重症だな)

 

リゼ「もうそのままでいい……なにがあった?」

 

チノ「……リゼさんまで、白々しいです」

 

リゼ「?」

 

チノ「この前、みんなでデパートに行ったそうですね」

 

リゼ「あっ、ああ、1週間前だったかな、みんなで隣町のデパートにな」

 

チノ「わたしだけ仲間外れにして、さぞ楽しかったでしょうね」

 

リゼ「へっ?」

 

チノ「まさかココアさんやリゼさんにまでハブられるなんて……ラビットハウス三姉妹は今日限りで解散です」

 

リゼ「あれ結成してたのか!?というか、ハブるって……わたしたちがそんなことするはずないだろう」

 

チノ「いまさら何を……現に私だけ仲間外れにしたじゃないですか」バサッ

 

リゼ「いや、ココアはチノのことを一番に誘ったって言ってたぞ?」

 

チノ「そんなの嘘です、私は記憶にありませんし」

 

リゼ「『お出かけしよう』って言ったら『休みの日は家でゆっくりしたい』って部屋から追い出されたとか」

 

チノ「……………………」

 

リゼ「あの時もすごく残念がってたぞ?チノと一緒に来たかったって」

 

チノ「……やっぱりココアさんのせいです」

 

リゼ「えっ?」

 

チノ「わざと文法の最初の言葉を省いたに違いありません」

 

リゼ「……なんだ……つまり、『みんなでお出かけしよう』なら一緒に来たわけか」

 

チノ「それでもいいですが、ベストは『デパートにお出かけしよう』です」

 

リゼ「それ遠まわしにココア以外邪魔者だって言ってないか……」

 

チノ「きっと確信犯に違いありません、ココアさんは私のことが嫌いなんです」

 

リゼ「ココアはそんな陰湿なやつじゃないと思うが」

 

チノ「いいえ、きっとそうです」

 

リゼ「……なぁ、チノ?デパートくらいならまたココアと行けばいいじゃないか」

 

チノ「しかし、きっかけがあるかどうか」

 

リゼ「いや……誘えばいいだろ」

 

チノ「……………………」

 

チノ「」バサッ

 

リゼ「わかったわかった!わたしが上手く言っておいてやる!だから布団に潜るな!」

 

チノ「ほんとうですか」ヒョコ

 

リゼ「ああ、だから早く着替えてこい。もう開店するぞ」

 

チノ「分かりました、今一度リゼさんの言葉を信じます」

 

リゼ(なんで私が嘘ついたみたいになってるんだ)

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

――1週間後――

 

ココア「リゼちゃん見て見て、チノちゃんとお揃いのヘアピンだよ」

 

リゼ「可愛いデザインだな」

 

ココア「えへへ、一緒に選んだんだ♪」

 

チノ「ココアさんがどうしてもというので仕方なくです」

 

リゼ(チノがにやけてる……)

 

リゼ「そうか、良かったな」

 

ココア「実はね――はい、リゼちゃんの分も買ってきたんだ」

 

チノ・リゼ「!?」

 

ココア「これで三人お揃いだよ」ニコッ

 

リゼ「あっ……ああ…………」ダラダラ

 

ココア「どうしたのリゼちゃん、そんなに汗かいて?」

 

リゼ「いや………………」チラッ

 

チノ「………………」

 

チノ「」タッタッタ

 

リゼ「チノ、待ってくれ!チノぉ!」

 

ココア「?」

 

――おしまい

感想

  1. 匿名 より:

    スマキチノちゃん想像したらかわいいです。

  2. 匿名 より:

    このシリーズ楽しみにしてました!
    理不尽なチノちゃんが可愛いw

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ご支援ありがとうございます♪
      今後もチノちゃん嫉妬シリーズをよろしくお願いします。

  3. 匿名 より:

    このシリーズ、マジでめんどくさ可愛い!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      チノちゃん嫉妬シリーズを気に入っていただけてなによりです♪
      第一話目を執筆しているときは、まさかシリーズ化させていただけるとは思ってもいませんでした。

  4. 匿名 より:

    ココチノも素晴らしいが
    ココリゼもっと読みたいなあ

    と呟いてみる

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      わたしもココリゼのカップリングは大好きです♪
      偏らないように自粛していましたが、需要があるようならばぜひ。

  5. あやねるLOVE! より:

    うpお疲れ様です!
    この回とても面白かったですww
    特に  フトン スマキ  で笑いましたwチノちゃん理不尽すぎぃ!ww
    こういう面白いSSをもっと書いて頂けると嬉しいです!
    ココア大好きなチノちゃんがとても可愛かったです!
    リクエストしてもいいなら病んでないココチノが読みたいです。
    (病んだチノちゃんコワイ…)
    次も期待しています!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます♪
      本SSは理不尽なチノちゃんをメインとするシリーズSSに属しております。

      ココチノは、申し訳ながら今のところプロットにもアイデア表にも入っておりませんね。
      またアイデアが閃き次第、優先して執筆させていただきます。

  6. Rem より:

    このシリーズ…チノ可愛いすぎる…仕事の疲れが癒されます。砂水さんありがとう*\(^o^)/

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      いえ、こちらこそご来訪ありがとうございます。
      頂いたご感想、とても励みになります。

  7. Beyond the Average より:

    まあ中学生はそういうお年頃なんですよね~。リゼはそんなチノに文句無く付き合っていて、流石ですね!

    毎度リゼの優しさ(というか心の強靭さ)の方に変に感心してしまいます(笑)!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      リゼちゃんは優しい、可愛い、カッコいいと三拍子そろっている女神ですので。
      ここあちゃんの面倒に理不尽チノちゃんのお世話、暴走しちゃう千夜ちゃんの相談相手と、シリーズごとにリゼちゃんには本当にお世話になってます。

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