ごちうさSS チノ「ココアさんのことなんて何とも思ってません!」

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――チマメ隊の中学校――

 

チノ「マヤさんメグさん、おはようございます」

 

メグ「チノちゃんおはよ~」

 

マヤ「おはようチノ、早く写真見せて!」

 

チノ「はい、どうぞ」スッ

 

メグ「あっ、このまえキャンプに行った時の写真だね」

 

マヤ「すげぇ~どれも綺麗に撮れてるなぁ」

 

メグ「チノちゃん写真家さんになれるよ」

 

チノ「わ、私の夢はバリスタですから//」

 

マヤ「あれ、でもよく見たらチノの写真少なくね?」

 

メグ「ほんとだねぇ」

 

チノ「カメラを持っていたのはわたしとココアさんだけですから」

 

マヤ「なるほどな~どうりでココアとチノのツーショット写真が一枚もないわけか」

 

チノ「!?」

 

メグ「他のみんなはちゃんとあるのにね~」

 

マヤ「まぁいいじゃん、一応みんな写ってるし」

 

メグ「最後にみんなで記念撮影とかすれば良かったね」

 

チノ「……………………」

 

 

――――――――――――――――――――

 

チノ「――――というわけなんです」

 

リゼ「なるほど、言われてみれば確かにチノとココアのツーショットは一枚も無いな」

 

チノ「マヤさんとメグさんはちゃんとココアさんとのツーショットがあるのに……」

 

リゼ「まぁ、チノがカメラを持ってたから仕方ないんじゃないか」

 

チノ「ですが…………」

 

リゼ「また今度連れて行ってやるからさ、その時に撮ってやるよ」

 

チノ「……わたしは別にココアさんとのツーショットが撮りたいわけではありません」

 

リゼ「えっ?」

 

チノ「ただわたし一人だけがココアさんと一緒に写ってないことが気になっただけです」

 

リゼ「いや……だから一緒に写りたかったわけだろ?」

 

チノ「違います、不公平が嫌なだけです」

 

リゼ「不公平って……素直に撮りたいって言えよ」

 

チノ「撮りたくなんてありません!」ダン!

 

リゼ「のわっ!?」

 

チノ「わたし、ココアさんとのツーショットなんてどうでもいいです!」

 

リゼ「そ、そうか…………」

 

チノ「どうして私がココアさんと写真なんて……そもそも写真は苦手なんです」

 

リゼ(お前が言い出したんだろ)

 

リゼ「ならこの問題は解決だな」

 

チノ「待ってください」ガシッ

 

リゼ「まだなにかあるのか?」

 

チノ「なにも解決してません、わたしとココアさんのツーショットがまだです」

 

リゼ「……やっぱり撮りたいんじゃないか?」

 

チノ「違います、公平にするためです」

 

リゼ「そうか……」

 

チノ「はい」

 

 

――――――――――――――――――

 

――甘兎庵――

 

ココア「千夜ちゃん見てみて~、チノちゃんとのツーショットだよ!」

 

チノ「ココアさんやめてください、恥ずかしいです//」

 

リゼ(すごく嬉しそうだ)

 

千夜(チノちゃん良かったわねぇ)

 

千夜「ご注文はどれにする?今日のおすすめは『緑福に抱かれし黒珠』よ」

 

ココア「えっとね~――」

 

リゼ「わたしは柏餅がいいな」

 

チノ「千夜月でお願いします」

 

千夜「あっ、そうだわ、ココアちゃんはいこれ、この前借りたジャージよ」

 

チノ「!?」

 

ココア「すっかり忘れてたよ~」

 

リゼ「なんだそれ?」

 

千夜「この前体育の時にジャージを忘れちゃって、ココアちゃんに借りたの」

 

ココア「わたし、体育の時にジャージは着ないタイプだから」フンス

 

リゼ「こだわりはいいが風邪ひくなよ」

 

ワイワイ キャッキャッ

 

チノ「……………………」

 

 

――――――――――――――――――

 

チノ「――ということがありました」

 

リゼ「いや、わたしもいたけど……何か問題あったか?」

 

チノ「大ありですよ、千夜さんがココアさんにジャージを借りたことです」

 

リゼ「千夜は運動苦手だからな、ジャージ羽織らないとやっぱり寒いんじゃないか?」

 

チノ「そんなことじゃありません!」ダン!

 

リゼ「わっ!」

 

チノ「問題は、千夜さんがわざわざココアさんからジャージを借りた理由です!」

 

リゼ「理由って……友達だからだろ?」

 

チノ「違います、きっとココアさんのジャージを嗅ぐためです」

 

リゼ「……………………」

 

チノ「ココアさんの服を合法的に得るためにわざと忘れ物を……さすがは千夜さんです」

 

リゼ「……………………」

 

チノ「リゼさん、どうかしたんですか?」

 

リゼ「……チノ、思春期なのは分かるが偏った知識を付けるのはほどほどにな……」

 

チノ「?」

 

リゼ「こほん、とにかく、間違いなく考え過ぎだ」

 

チノ「いいえ、きっとそうです」

 

リゼ「……なぁ、チノ?そんなに嫉妬しなくても、ココアは一番お前のことが――」

 

チノ「嫉妬なんかしてません!」ダン!

 

リゼ「うわ!」

 

チノ「わたし、ココアさんのことなんて何とも思ってないです!」

 

リゼ「そ、そうなのか……」

 

チノ「ただ、千夜さんが羨ましい……もとい、ココアさんが千夜さんの毒牙にかかるのを防ぎたいだけです」

 

リゼ「いま素で羨ましいって言ったよな?」

 

チノ「ただの言い間違いです、気にしないでください」

 

リゼ「……………………」

 

チノ「」ジーッ

 

リゼ「はぁ……わかった、千夜にきつく言っておいてやるよ」

 

チノ「ありがとうございます、これで安心ですね」

 

リゼ「チノがか?」

 

チノ「いいえ、ココアさんがです」

 

リゼ「ココアがか……」

 

チノ「はい、ココアさんがです」

 

リゼ(疲れる…………)

 

 

―――――――――――――――――――

 

――フルールドラパン――

 

ココア「それでね、最近チノちゃんがわたしの部屋まで洗濯物回収してくれるようになって助かってるんだ」

 

チノ「洗濯物はまとめたほうが効率的ですから」

 

シャロ「へぇ、さすがはチノちゃんね♪」

 

リゼ(黙っておこう……)

 

ココア「あっ、そういえばこの前シャロちゃんと一緒に買った――――」ガサゴソ

 

チノ「!?」

 

ココア「この赤いシャーペン、使い心地抜群だよ」ジャーン

 

シャロ「ココアもそう思う?実は私もあれからずっと愛用してるわ」スッ

 

ココア「えへへ、お揃いってなんだか嬉しいね」

 

シャロ「えっ……そ、そうね……//」

 

リゼ「そんなにいいのか、私も買おうかな」

 

ココア「そうすればリゼちゃんもお揃いだね!」ギュッ

 

シャロ「先輩とお揃い…………//」

 

チノ「……………………」

 

 

――――――――――――――――――――

 

チノ「――――ということがありました」

 

リゼ「いや……いったいなにがあったんだ?」

 

チノ「わかりませんか」

 

リゼ「悪いが全く」

 

チノ「ですから、シャロさんはココアさんとお揃いのシャーペンを持っています」

 

リゼ「ああ」

 

チノ「きっとシャロさんはココアさんのことを狙っているに違いありません」

 

リゼ「いきなり飛躍しすぎだろ……」

 

チノ「そんなことありません!」ダン!

 

リゼ「おっと!」

 

チノ「妹である私がココアさんとお揃いの物が無くてシャロさんがあるなんておかしいです!」

 

リゼ「怒ってる理由はそっちか……というか、今自分で妹って言ったよな?」

 

チノ「言い間違いです。最近よく頻発するんです、困ったものです」

 

リゼ「……………………」

 

チノ「とにかく、シャロさんの真意を確かめねばなりません」

 

チノ「ティッピー、行きましょう」

 

ティッピー「よし来た」ピョン

 

リゼ「どこ行くんだ?」

 

チノ「フルールドラパンです、シャロさんの返答次第では今日が宣戦布告になることもありえます」

 

リゼ「個人問題に店を巻き込むな!シャロ以前にフルールドラパンが迷惑だろ」

 

チノ「しかし、これ以外に方法はありません」

 

リゼ「……なぁチノ?要はココアとお揃いの物があればいいわけだろ?」

 

チノ「そうですね、それならばシャロさんが潔白であることも証明されます」

 

リゼ「どう証明されるか全然分からんが……わかった、なんとかしてやるよ」

 

チノ「ほんとうですか」

 

リゼ「いいか、シャロやココアに当たったら絶対にダメだぞ?」

 

チノ「わかりました、とりあえず休戦としましょう」

 

リゼ(もう既に始まってたのか……)

 

 

――――――――――――――――――

 

――ラビットハウス――

 

千夜「ココアちゃん、その髪飾り素敵ね」

 

ココア「えへへ、チノちゃんと一緒にお揃いの買ったんだ」

 

チノ「成り行きじょう仕方なくです」

 

シャロ(チノちゃん、にやけながらずっと触ってる…………)

 

千夜(ほほえま~)

 

シャロ「あれ……リゼ先輩、大丈夫ですか?なんだか顔色が悪いですけど……」

 

リゼ「大丈夫だ、気にするな……」グダー

 

リゼ(手回しも骨が折れる…………)

 

ココア「今夜は一緒の枕で寝ようね!」ギュッ

 

チノ「んにぅ…………し、仕方ないですね//」

 

ココア「やったぁ!チノちゃんもふもふ♪」

 

チノ「くっつかないでください……//」

 

リゼ(あれ、明らかにチノの方はくっつきにいってるよな……)

 

チノ「まったく……//」

 

チノ「ココアさんは、本当にしょうがないココアさんです♪」

 

――おしまい。

感想

  1. ヨルコフ より:

    小さいココアちゃんに続き読ませて頂いております。チノちゃんのちょっとめんどくさくてかわいいヤキモチっぷりにキュンキュンしております(๑´×`๑)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      シリーズSSを順に巡ってくださっているのですか。
      小さいココアちゃんと本作の嫉妬チノちゃんシリーズは、当サイトを代表するシリーズSSです。
      めんどくさ可愛いチノちゃんをどうぞ心行くまでお楽しみください。

  2. 千夜様は女神 より:

    苦労人のリゼさんかなり可愛いですね!最近ここのssを読んでいますがどれもとても面白いです!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます。
      どれでもお好きな作品からどうぞお楽しみくださいませ。

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