ごちうさSS 「愛が深いチノちゃんに迫られて眠れない」

 

 

※ヤンデレ要素注意

 

 

 

 

 

チノ「――ようございます」

 

 

チノ「おはようございます、朝ですよ?」

 

 

チノ「――おはようございます」ニコ

 

チノ「今日は4回目で起きられましたね。昨日は3回。一昨日は6回。一昨昨日は眠たかったのか9回目でした」

 

 

チノ「――目覚まし?目覚ましなんて必要ないです。わたしがいますから」

 

チノ「今日も一日頑張りましょうね」

 

 

チノ「――朝食にしましょう、もう用意できてますよ」

 

 

 

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――ラビットハウス ダイニング――

 

 

チノ「今日は父の代わりにわたしが作ってみました」コトッ

 

チノ「いちごジャムのサンドイッチです。おいしいですよ」

 

チノ「わたしが食べさせてあげますね」スッ

 

チノ「はい、あーん……」

 

 

チノ「――どうしたんです?口を開けてください」

 

チノ「あーん……」

 

 

チノ「――おいしいですか?」

 

 

 

チノ「――良かったです、苦労して作った甲斐がありました」

 

 

 

チノ「――この怪我ですか?パンを切るときに人差し指を切ってしまって」

 

チノ「血がたくさん出てきたので……」

 

チノ「大丈夫です、全然痛くないですから」

 

 

チノ「――はい、これからは気を付けますね」

 

チノ「トマトジュースもありますよ。わたしも好き嫌いを克服するので頑張って飲んでください」

 

 

チノ「――ダメですよ。せめて一口だけでも」

 

チノ「これも……朝起きして作ったんですから」

 

 

チノ「――明日はミートソースのパスタを作りますから、楽しみにしていてください」

 

 

チノ「――ふふ//」ニコ

 

 

 

 

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チノ「忘れ物はありません?千夜さんに迷惑かけたらダメですよ」

 

チノ「では行きましょう」

 

 

チノ「――……?」

 

 

チノ「――待ってください」

 

チノ「いつものアレがまだですよ」

 

 

チノ「――早くしゃがんでください」

 

 

チノ「――首筋を出して……そうです……」スッ

 

 

――カプッ

 

 

チノ「ンッ……チュッ…………っ」ガリッ

 

チノ「あ……血が。ごめんなさい、強く噛み過ぎましたね」

 

チノ「ペロッ…痛かったですよね……ペロッ…すいません……チュッ……」

 

 

チノ「――もう大丈夫です」

 

チノ「その刻印……隠しちゃだめですよ」

 

チノ「あと、誰にもハグしちゃだめです。ハグされそうになってもそれとなく断ってください」

 

 

 

チノ「あ……――嘘ついてもダメですよ」ジッ

 

 

 

チノ「わたし……匂いを嗅いだだけで分かりますから」

 

チノ「できることなら酷いことしたくないです」

 

 

チノ「――信じてますね」ニコ

 

 

 

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――

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――ラビットハウス――

 

 

ガチャッ バタン

 

 

チノ「――おかえりなさい」

 

 

チノ「――どうしたんです?そんなに驚いて」

 

チノ「学校から帰ってからずっと待っていましたよ。――ずっと」

 

チノ「5時半……今日はいつもより遅かったですね」

 

チノ「なにかしていたんですか?」

 

 

チノ「――フルール・ド・ラパンに寄っていた?」

 

チノ「一応確かめますね」スッ

 

チノ「スンスン……クンクン……」

 

チノ「紅茶の匂い……嘘ではないですね」

 

チノ「安心しました。……でも」

 

 

 

チノ「――どうして、連絡してくれないんです?」ジッ

 

 

 

チノ「すごく心配したんですよ。携帯見てみてください」

 

 

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チノ「これからは気を付けてくださいね」

 

 

チノ「――さっきから後ろ手に持っているこれですか?」

 

 

 

チノ「ただの包丁ですよ」スッ

 

 

 

チノ「もしかしたら夕食がミートローフになるかもしれなかったので、一応研いでおいたんです」

 

チノ「切り刻むのって大変そうですから……」

 

チノ「杞憂に終わって良かったです。今夜はシチューにしますね」

 

チノ「ビーフシチュー……鉄分多めですよ。待っててください」

 

 

 

 

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――チノの部屋――

 

 

チノ「ん、どうしたんですか?」

 

 

チノ「――どうしてドアの前で座っているのか、ですか?」

 

チノ「ふふ、こうしておけばどこにも行けないからです」

 

チノ「お手洗いやお風呂の時は言ってください」

 

 

チノ「――さっきからずっと携帯を触ってますね」

 

チノ「誰かとメールですか?」

 

 

チノ「――それならいいです」

 

チノ「新しい人とアドレスを交換したときは教えてくださいね」

 

チノ「聞いている情報と違った場合……」

 

 

 

チノ「――わたし……なにをしてしまうか分かりませんから」

 

 

 

チノ「今日も、すごく不安だったんですよ」

 

チノ「なにかあったんじゃないかって。わたしの知らない誰かと仲良くしてたんじゃないかって」

 

チノ「ずっと心配で心配で……おかしくなりそうでした」

 

チノ「本当はわたしも、こんなことしたくないんですよ」

 

チノ「部屋に閉じ込めて、監禁まがいなことをして」

 

チノ「嫌われたらどうしようとか……拒絶されたらどうしようとか」

 

チノ「すごくすごく不安なんです」

 

 

 

チノ「――教えてください」

 

 

 

チノ「こんなに苦しくて不安なのは……わたしだけですか?」ジッ

 

チノ「どうして一方的なんです?どうして同じように思ってくれないんです?」

 

チノ「わたしだけが……こんなに苦しいんですか?」

 

 

チノ「――身体、震えてます?」

 

チノ「怖いですか?大丈夫です、わたしが付いてますよ」

 

チノ「それとも……わたしのことを怖がってるんですか?違いますよね?」

 

チノ「わたし、怖がらせるようなこと言ってないですよ」

 

チノ「さっきのは脅しじゃないです。正直な気持ちが聞きたいだけです」

 

チノ「だから――聞かせてください。……ね?」

 

 

トントン!

 

 

チノ「!」

 

チノ「……お風呂、沸いたみたいですよ」ニコ

 

チノ「父が呼んでます。いきましょう」

 

 

 

 

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――――――

――――

――

 

 

 

――PM11:20――

 

 

チノ「今日もわたしの部屋で寝るんですか?」

 

 

チノ「――一緒に寝たい?しょうがないですね」

 

チノ「電気、消しますよ」カチッ

 

チノ「ふぅ……」

 

チノ「…………」

 

チノ「…………」

 

チノ「…………」

 

 

 

 

チノ「――嘘」

 

 

 

 

チノ「ふふ……」フラッ

 

チノ「分かってるんですよ……」ウマノリ

 

チノ「こうやって一緒に添い寝しておけば、ご機嫌取れるって思ってますよね……?」

 

 

チノ「――違う?」

 

チノ「……違うなら……本当に違うなら」

 

チノ「どうして――……好きって言ってくれないんですか?」ジッ

 

チノ「さっきだってそうです。いつもあいまいにして……妹扱いして」

 

チノ「あんなにモフモフしてくるのに。あんなにスキンシップしてくるのに」

 

チノ「わたしの気持ちを弄んで嬉しいですか……?楽しいですか……?」

 

 

チノ「ふふ……ふふふ…………」ニコ

 

 

チノ「いつかは離れちゃうつもりです……?わたしから……」

 

 

チノ「イヤですよ……ずっとそばにいてください」

 

 

チノ「ずっとずっと……――永遠に」

 

 

チノ「ほら……早く言ってください」

 

 

チノ「わたしのこと好きだって……ずっと一緒にいるって」クビ スッ…

 

 

チノ「早くしないと……わたし……」グッ

 

 

 

チノ「こうして……このまま絞め殺しちゃうかもしれませんよ……?」グググ

 

 

 

チノ「教えてください……――」

 

 

 

 

チノ「一番好きなのは、誰ですか?」ジッ

 

 

 

 

 

――おしまい

感想

  1. なあり より:

    王   の   帰   環
    冗談は程々にして、こうしてssを拝見するのも誠久方ぶりです。なんだか郷愁染みた感覚すら覚えます…… シンプルなお話でとても読みやすかったです。もふもふ〜の下りから恐らくお相手はココアちゃんでしょうか。果たしてチノちゃんはどんなご飯を作っていたのでしょうかね〜 少なくとも壁を叩く者がいる辺り……タカヒロさん「は」ご存命という所でしょうか?多分、今のところは。
    うーん、シンプル故に中々私に語れる部分がないというのが口惜しく感じますが、砂水先生が帰ってきたんだなーって思いました。お帰りなさい、此度も執筆お疲れ様でした♪

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      みーさんお久しぶりです。
      長らくの救済、本当にごめんなさい。
      こうして更新後、すぐに作品を読みに来ていただき感謝です。

      まずは久方ぶりの新作ということで取っ付きやすいシンプルかつ、わたしの作風をおおよそ理解できる作品にしてみました。
      確かに今回の作品は考察する部分は特にないのでミーさんには少々物足りなかったかもしれませんね。
      次回からはストーリーありのシリーズSSの執筆にとりかかる予定ですので、よろしければまたぜひご感想をお聞かせください。

      • なあり より:

        あれから多忙を極めたが故にすっかりと此方のことを忘れてしまっていました……  私個人の見解ではありますが、隠れた要素を練り込むと考察のしがいが出来る分、初見で読む分には中々厳しく敷居を感じる場合もあると思いますので、今回のようにシンプルできっちり話の中だけで完結しているものも見やすく楽しくて良いかなと思っております!
        また気長に次回作をお待ちしております。それでは、どうかご息災でありますように!

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