ごちうさSS リゼちゃんのことを愛しすぎるここあちゃん

 

 

――AM9:00――

 

 

リゼ「………………」Zzz

 

 

『リゼちゃん朝だよ、起きて~!』

 

 

リゼ「…………ん」パチッ

 

リゼ(9時……今日は確か休み……)

 

リゼ「ふぁぁ…………」

 

 

『リゼちゃん?ねぇリゼちゃん?』

 

 

リゼ(目覚まし止めないと……)

 

リゼ「ん~……」ノビッ

 

リゼ(ここあはまだ寝て……――あれ?)

 

リゼ(いない……もう起きたのか?)

 

リゼ「…………」キョロキョロ

 

シーン

 

リゼ(どこかに行ったのか……?)

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――ダイニング――

 

 

リゼ「おはよう」ガチャッ

 

リゼ父「おっ……リゼか」

 

メイド「」ペコリ

 

リゼ「親父、ここあを知らないか?」

 

メイド「?」

 

リゼ父「あいつなら学校だろう?」

 

リゼ「え……」

 

リゼ父「今日は平日だからな、大学生と違って小学生は忙しい」

 

メイド「」コクコク

 

リゼ「」

 

リゼ父「平日に講義が無いと休みが増えていいな――……んっ?」

 

リゼ「………………」

 

リゼ父「リゼ?どうしたんだ?」

 

使用人「失礼します」ガチャッ

 

リゼ「またこの夢かっ!!?」

 

メイド「!」

 

使用人「お嬢!?」

 

リゼ父「り、リゼ?」

 

リゼ(以前見た夢の世界に迷い込んだのか?夢日記を付けてるわけじゃあるまいしどうして!?)

 

リゼ「まずい!まずいぞ……!」

 

メイド「!」ガーン

 

リゼ父「この焼き魚うまいぞ……?」

 

使用人「いえお二人とも、今のマズいは恐らく朝食のことでは……」

 

メイド「」シュン

 

使用人「いや、落ち込まないでくだせぇ!?誤解ですから!」

 

リゼ(このままだとこっちの世界が現実になってしまったり……?いやそれは困る!わたしにはここあやみんなとの楽しい毎日がまだまだ――)

 

リゼ(いや、こっちもその世界の延長線にあたるわけだからそこまで変化はないのか?しかし夢は夢、わたしには幸せな現実がある!)

 

リゼ(自分で自分は……殴れないか、くっ!)

 

リゼ「親父、お前たちでもいい。そこのフライパンでわたしを叩いてくれ」

 

リゼ父「寝ぼけてるのか!?」

 

使用人「お嬢、どうされたんです?」

 

リゼ「なんでもいい!早くやれ!」

 

使用人「落ち着いてください!とりあえずお嬢を部屋に!」

 

メイド「」コクリ

 

リゼ「はなせ~!わたしは帰るんだ元の世界に!」ジタバタ

 

リゼ父(今日も朝から平和だ……)ズズッ

 

リゼ「うっ……」

 

リゼ(視界が……ぼやける…………)

 

 

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

リゼ「……!」

 

リゼ(わたしの部屋か……時間は?)

 

 

――PM4:03

 

 

リゼ(ということは、そろそろここあが小学校から――)

 

 

トントン

 

リゼ「!」

 

ここあ「リゼちゃん、ただいま♪」ガチャッ

 

リゼ「こ、ここあ……おかえり」

 

リゼ(背が大きくなってる……小学生だもんな)

 

ここあ「遅くなってごめんね」

 

リゼ「気にしなくていいぞ、ははっ……」

 

リゼ(確か、こっちの世界のここあは少し怖――)

 

ここあ「んっ……」スッ

 

リゼ「?」

 

ここあ「おかえりなさいのハグ、しよ?」

 

リゼ「あ、ああ、ハグか!よし」

 

 

――ギュッ

 

 

ここあ「ん……//」

 

リゼ「学校楽しかったか?」

 

ここあ「うん……でも、リゼちゃんといる方が楽しいよ//」

 

リゼ「そ、そうか」

 

ここあ「…………」スンスン

 

リゼ「ここあ?」

 

ここあ「今日は一度もお外に出てないね」

 

リゼ「そうなの……かな?」

 

リゼ(匂いで分かるのか……!?)

 

ここあ「ずっとおうちでわたしのこと待っててくれたの?うれしい……//」ギュッ

 

リゼ「こ、ここあのこと好きだからな」

 

ここあ「わたしも好きだよ……世界で一番//」

 

 

 

ここあ「この世の何よりも――リゼちゃんが好き」

 

 

 

リゼ「あ、ありがとう……」

 

ここあ「すぐに着替えるから待っててね」

 

リゼ(どうにかこのまま地雷を踏まないようにしないと)

 

ここあ「リゼちゃん?」

 

リゼ「待ってるぞ、着替えて早く遊ぼう」

 

ここあ「うん//」ニコッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

ここあ「あのね、今日学校で後ろの壁に貼り付ける自己紹介の紙を描いたの」ヒザノウエ

 

リゼ「プロフィール用紙か、そういえばわたしも小学生の時に描いたなぁ」ナデナデ

 

ここあ「でもね、やり直しさせられちゃった」

 

リゼ「やり直し?」

 

ここあ「持って帰って保護者の人と一緒に書いてきなさいって」

 

リゼ「何がダメだったんだ?」

 

ここあ「これだよ。はい」スッ

 

リゼ「?」

 

 

 

リゼ「」

 

ここあ「ちゃんと正直に描いたのに」

 

リゼ「」

 

ここあ「そういえば、先生にリゼちゃんって誰って聞かれたから、結婚相手ですって言ったら今度おうちに連絡してくるって言ってたよ」

 

リゼ「」

 

ここあ「でも……もし先生に嫌なこといわれたりしたら、すぐにわたしに言ってね?リゼちゃんのこと、守るから」ニコッ

 

リゼ「」

 

ここあ「リゼちゃん?」

 

リゼ「………………」ブルブル

 

ここあ「大丈夫?身体震えてるよ?寒い?」

 

リゼ「い、いや、そんなことないぞ!あはは……」

 

リゼ「ごほん!えっと……ここあ?」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

リゼ「好きなことや好きな本はまだしも、好きな食べ物までわたしなのはさすがにおかしくないか……?」

 

ここあ「どうして?」キョトン

 

リゼ「どうしてって……。どういう意味なんだ?」

 

ここあ「そんなこと聞くの?……えっちなリゼちゃん//」

 

リゼ(本当にどういう意味だっ!?//)

 

ここあ「今日はそういう気分なの……?いいよ――」

 

リゼ「分かってるけど聞いただけだ!すまない、はは……」

 

ここあ「?」

 

リゼ(触れてはいけない、気になるけど触れないでおこう……)

 

 

Prrrrrrrrrrrrrrr

 

 

リゼ「んっ?」

 

ここあ「…………」ピクッ

 

リゼ(電話?)スッ

 

リゼ(この名前……誰だ?大学の新しい友達か?)

 

リゼ「………………」

 

ここあ「――その子、だれ?」

 

リゼ「!」ビクッ

 

ここあ「わたしの知らない名前……だあれ?」

 

リゼ(まずい……!)

 

リゼ「えっと、この子はだな……!」

 

ここあ「電話番号知ってるってことは、仲良しなんだよね。でもリゼちゃんから聞いたことも無い名前……」

 

リゼ「だ、大学で最近できた友達だ!」

 

ここあ「友達……」

 

リゼ「そうだ、新しい友達……!」

 

ここあ「………………」

 

 

 

 

ここあ「――うそ」

 

 

 

 

リゼ「へっ?」

 

ここあ「リゼちゃん、大学に入った時約束してくれたもん」

 

ここあ「大学であったことは、すべてわたしに話してくれるって」

 

ここあ「そんな友達のこと、リゼちゃんから聞いたことない……」ユラッ

 

リゼ(ますます悪化した!?)

 

リゼ「こ、ここあ?とりあえず電話に出てもいいか?まだ鳴ってるし……」Prrrr

 

ここあ「今は二人きりの時間だよ……?リゼちゃんはわたしよりもその子のほうが大事なの……?」

 

リゼ「そういうわけじゃ……!」

 

ここあ「わたしのリゼちゃんを取ろうとするなんて……」ギリギリ

 

リゼ(なんとかしないと……!)

 

リゼ「こ……こんなの後回しだ~!」ポイッ

 

ここあ「!」

 

リゼ「ここあと二人きりなのに邪魔されても困るしな、はは……」

 

ここあ「………………」

 

リゼ「…………」ゴクリ

 

ここあ「……ふふっ♪」

 

リゼ「!」

 

ここあ「よかった……わたしのリゼちゃん……//」ギュッ

 

リゼ(助かった……?)

 

ここあ「誰にも渡さないよ……わたしだけのもの……」スリスリ

 

リゼ(誰か知らないけど、すまない電話の相手!)

 

ここあ「……ところで、リゼちゃん」

 

リゼ「へっ?」

 

 

 

ここあ「電話の相手……誰?」

 

 

 

リゼ「!」ビクッ

 

ここあ「お話、まだ終わってないよ?ちゃんと教えて?」ニコッ

 

リゼ(誤魔化せてない!?)

 

ここあ「リゼちゃん……はやく……」ハイライトオフ

 

リゼ「誰か教えてくれ~っ!」

 

リゼ「うっ……」

 

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

リゼ「ハッ!」

 

リゼ(こ、今度はどこだ……!?)

 

ここあ「――大丈夫?やっぱり痛い?」

 

リゼ(ここは、ダイニングか)

 

ここあ「リゼちゃん?指……痛い?」

 

リゼ「指……あっ」

 

リゼ「痛くない、平気だぞ」

 

リゼ(一緒に料理をしてて指を切ってしまったのか……)

 

ここあ「あっ……また血が出てきた」

 

リゼ「ばんそうこうでも貼っていればそのうち――」

 

ここあ「ダメ」

 

リゼ「えっ?」

 

ここあ「そんなのダメ……――もったいないもん」

 

リゼ「もったいない?」

 

ここあ「はむっ」パクッ

 

リゼ「!」

 

ここあ「んっ……ちゅ……」

 

リゼ「ここあ……!」アセアセ

 

ここあ「れろっ……ん……ぷはぁ」

 

リゼ「…………//」

 

ここあ「リゼちゃんの血……おいしい……」ペロッ

 

ここあ「拭いちゃうなんてもったいない……全部わたしが舐めとってあげるから……」

 

リゼ「!」ゾクッ

 

ここあ「リゼちゃんの味……幸せ……ずっと舐めていたいなぁ……」ペロッペロッ

 

リゼ「」ガクガク

 

リゼ(あの純真無垢で可愛いここあがどうしてこんな……!)

 

リゼ「頼む!早く覚めてくれ~!」

 

リゼ「――うっ……」

 

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

リゼ「ハッ!」

 

リゼ(ここは……わたしの部屋か!)

 

ここあ「りぜちゃん……世界一可愛いよ……」ハイライトオフ

 

リゼ「ここあ……!?」

 

ここあ「ふふっ……今日もいっぱいしようね……」

 

リゼ(ベッドの上でここあに馬乗りになられて両手を押さえつけられてる……なんだこの状況は!?)

 

リゼ「ま、待ってくれ!」

 

ここあ「大人しくしてて、大丈夫……」グググッ

 

リゼ(すごい力!!?)

 

ここあ「全部わたしに任せてくれればいいから……」

 

リゼ(なんのことだ!?)

 

ここあ「怯えるリゼちゃんも可愛い……ふふっ……」スッ

 

リゼ「た、助けてくれっ!! 」

 

リゼ「〇¥%&$×□▽~っ!!!!//」

 

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

 

――AM:8:14 リゼの部屋――

 

 

ここあ「――ぜちゃん!りぜちゃん!」

 

リゼ「…………?」

 

ここあ「りぜちゃん!しっかりして!」

 

リゼ「――!」バッ

 

ここあ「うなされてたよ?だいじょうぶ?」

 

リゼ「ここあ……?」

 

ここあ「こわいゆめでもみた?」

 

リゼ「………………」

 

リゼ「…………」

 

リゼ「……」

 

 

リゼ「」グスッ

 

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

リゼ「ここあ~っ!!」ギュッ

 

ここあ「きゃっ……」

 

リゼ「もうあの夢はたくさんだ~!」スリスリ

 

ここあ「ゆめ?」

 

リゼ「うぅ……怖かった……」ギュッ

 

ここあ「やっぱりこわいのみたの?よしよし、わたしがついてるよ」ナデナデ

 

リゼ「ここあ……」ウルウル

 

ここあ「りぜちゃんのこわいきもち、ぜんぶなくなるおまじない」

 

 

ここあ「こわいのこわいの、とんでいけ~♪」

 

 

リゼ「ここあ~!愛してるぞ~っ!」バッ

 

ここあ「わわっ……//」

 

 

しかし、今後もリゼちゃんは、悪夢か後の正夢か分からないこの夢の世界に悩まされることとなるのであった……。

 

 

――おしまい♪

感想

  1. Beyond the Average より:

    今回は珍しく夢エンドでした。でも夢だということ自体は「またこの夢か!」のセリフで明らかになっていましたが。
    リゼは妄想の未来を見た、というと間違った表現かもしれませんが。
    私も中学の時によく妄想の未来の夢を見ました。気づいたら中学校にいて、でも実はその部屋は高校の教室で(近所の底辺校)、でもメンバーが中学のときとみんな変わってないから「なぜみんなで00高校にいるんだ!?」と夢の中でひたすら考えたら目が覚めた。なんてことがしばしばありました。
    日頃何気なく考えることが適当に組み合わさって、妄想の未来が出来上がって夢で見るのではないかと私は思います。あくまで妄想の未来で理想ではない、という点で情報の組み合わせがランダムなんだろうと思います。(でもあれがリゼの理想の夢だったとしたら、それはそれでリゼの意外な欲望が見えていいのですが。)
    私は高校以降(実は先週も)は妄想の過去の夢を見ることが多いです。「あの時落ちた00が受かって僕と同じ高校にいたら」「□□達と文化祭でこんなことをやってたら」という夢を見て理想の高校生活を送って、朝起きて大学に行くことが多いです。タイムスリップしてもう一度高校生活やり直したい!

    ここあはこのまま小学校へ進学するのか?この先が気になるお話でした!

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