ごちうさSS 天々座家、夏休みの深夜 Vol.3 シャロ

 

 

――天々座家ダイニング PM8:40――

 

 

千夜「最後にこうして6面を焼いていくの」ジュー

 

ここあ「……!」ジー

 

千夜「これで『きんつば』の完成」

 

ここあ「おいしそう……!」

 

千夜「出来たては熱いから少し冷ましてからね」

 

ここあ「ちやちゃん、これってぎんいろなのにどうしてきんつばなの?」

 

千夜「元々はぎんつばって呼ばれてたのよ。でも金の方が豪華だからきんつばになったの」

 

ここあ「へぇ……!」

 

千夜「あとでリゼちゃんにも持って行ってあげましょうね」

 

ここあ「うん!」

 

 

――Prrrrrrrrrrrrrr

 

 

千夜「あら?電話かしら」

 

ここあ「ううん、しゃろちゃんがきたのかも!」

 

千夜「インターホンの音なのね」

 

ここあ「しゃろちゃーん//」タタタ

 

千夜「あっ、ここあちゃん」

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

使用人D「どうぞ」ガチャッ

 

シャロ「お、おじゃまします」ペコリ

 

使用人「お客様ですかい?」

 

シャロ「あっ、使用人さんこんばんは」

 

使用人「今夜はあなたですか。小さいお嬢がお世話になります」

 

シャロ「いえ、こちらこそ」アセアセ

 

メイド「?」ヒョコ

 

シャロ「メイドさん、こんばんは」

 

メイド「」ペコリ

 

シャロ「お掃除ですか?」

 

メイド「」フルフル

 

シャロ「?」

 

メイド「」スッ

 

シャロ「殺虫剤?」

 

使用人「コバエが一匹飛んでいたので退治するそうです」

 

メイド「」コクリ

 

シャロ「この広い屋敷でコバエ一匹を!?」

 

使用人「ウォーリーを探すよりも難しいでしょうね」

 

シャロ「夏ですし、コバエくらい出てしまうんじゃ……」

 

使用人「ええ、しかしやると決めたら後には引かない性分なので……」

 

メイド「」タタタ!

 

シャロ「いっちゃいましたね、メイドさん……」

 

使用人「ストッパーがいますのでそのうち止まるかと」

 

シャロ「えっ?」

 

メイドB「こらー!メイド長!」

 

メイド「」ビクッ!?

 

メイドB「また余計なことをして。そんなことをしてる暇があるなら玄関を掃除してください。今夜もお嬢様のご友人がこられるんですよ。一昨日もですけど、殺虫剤で遊ぶのはダメだとあれほど――」ガミガミ

 

シャロ「叱られていますけど……」

 

使用人「あれもいつものことです」

 

メイド「」シュン

 

メイドB「うっ……別に怒っているわけでは……」

 

使用人「まぁまぁ、そのくらいで」

 

メイドB「……コバエトラップがありますし、メイド長の手を煩わせることでもないですから」

 

メイド「!」

 

使用人「ははっ」

 

シャロ(なんだかデジャブが……)

 

使用人「もうご友人も来られてますから、玄関の掃除はいいですよ」

 

メイドB「えっ」

 

シャロ「こんばんは」ペコリ

 

メイドB「これは……こんばんはです、お見苦しいところを……ほらメイド長、いきますよ」

 

メイド「」タタタ

 

シャロ「みなさん、すごく仲がいいんですね」

 

使用人「ええ、お嬢のおかげです」

 

シャロ「リゼ先輩のですか?」

 

使用人「はい、なにもかも」

 

シャロ「……?」

 

ここあ「しゃろちゃん!」タタタ

 

シャロ「ここあ、遅くなってごめんね」

 

ここあ「んっ//」ギュッ

 

シャロ「千夜と良い子にしてた?」ナデナデ

 

ここあ「うん!」

 

シャロ「偉いわね」ギュッ

 

千夜「シャロちゃん、お疲れ様」

 

シャロ「千夜、こんな時間になっちゃって悪いわね」

 

千夜「ううん、平気よ」

 

シャロ「あとは任せて。早く帰らないとおばあちゃんが心配するわ」

 

ここあ「ちやちゃん、かえっちゃうの?」

 

千夜「ええ、今夜はシャロちゃんと仲良くしてね」

 

シャロ「このまえここあと約束したお裁縫しましょうか」

 

ここあ「ほんと?やったぁ//」

 

千夜「みなさん、二日間お世話になりました」ペコリ

 

使用人「またいつでも来てください」

 

メイドC「」コクリ

 

使用人B「お待ちしてます」

 

千夜「使用人さん」

 

使用人「?」

 

千夜「またお墓参り、ご一緒してもいいですか?」

 

使用人「……!」

 

千夜「甘兎庵の他のお菓子も食べてもらいたくて」

 

使用人「……ええ、ぜひ。きっと喜びます」

 

千夜「さっきここあちゃんときんつばを作ったので、キッチンで召し上がってください。リゼちゃんやメイドさん達の分もありますので」

 

使用人「ありがとうございます、あとで頂きますね」

 

千夜「それではまた♪」フリフリ

 

ここあ「ちやちゃん、ばいばい!」

 

シャロ「もう外暗いから気を付けるのよ」

 

ガチャッ バタン

 

 

使用人「……………………」

 

メイドC「?」ブンブン

 

使用人「あっ……」

 

使用人「お嬢の様子を見てきます、きんつばとお茶でも入れて」

 

メイドC「」ペコリ

 

ここあ「しゃろちゃん、もうお風呂入った?」

 

シャロ「まだよ、一緒に入りましょうか」

 

ここあ「うん!」

 

シャロ「お風呂、お借りしてもいいですか?」

 

使用人D「ええ、ごゆっくり」

 

ここあ「しゃろちゃんとおふろ~//」

 

シャロ「一緒に入るの久しぶりね」ヒョイ

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

――リゼの部屋 PM10:02――

 

 

シャロ「仕上げにここを縫うのよ」

 

ここあ「こう?」

 

シャロ「上手ね、指を刺さないように気を付けて」

 

ここあ「んっ……」

 

シャロ(意外と慣れてる……リゼ先輩に教えてもらったのかな?)

 

ここあ「つぎはここをぬって……」

 

 

――トントン

 

シャロ「?」

 

ここあ「だれ?」

 

リゼ父「俺だ」ガチャッ

 

シャロ「リゼ先輩のお父さん、おじゃましてます」

 

リゼ父「今夜はお前か、すまないな」

 

ここあ「おとうさんもいっしょに『おさいほう』しよっ」

 

リゼ父「裁縫か……これが終わったら、もっと面白いことをしないか?」ポスッ

 

ここあ「おもしろいこと?」

 

リゼ父「ああ、夏にぴったりな楽しいことだ」

 

ここあ「はなび?」

 

リゼ父「違う。――きもだめしだ」

 

シャロ「」

 

ここあ「きもだめし?」

 

リゼ父「近頃、真夜中になると東館の奥の客室から奇妙な音がするんだ。あいつらに頼んで調べてもらったんだが、何の形跡も見られない。ネズミの仕業ではないかとも疑ったが、それもハズレだ。だとしたらあとは……」ニタァ

 

ここあ「おばけのしわざ……」ゴクリ

 

シャロ「いやぁあああああ!!」

 

リゼ父「お前たちに調査依頼だ、10時半頃になったら二人で調べてきてくれ」

 

ここあ「いえっさー!」ビシッ

 

シャロ「ここあ!?」

 

リゼ父「いい報告を待ってるぞ」

 

シャロ「ちょっと待ってください!リゼ先輩のお父さん!」

 

リゼ父「なんだ?」

 

シャロ「ど、どうしてわたしたちなんです!?」

 

リゼ父「内部犯行の可能性もあるだろう、お前たちなら中立だからな」

 

シャロ「でも、もう使用人さんやメイドさんが何度も調べに行ってるんですよね!?」

 

リゼ父「お化けは子供の方が見えやすいというだろう」

 

シャロ「余計にダメな理由じゃないですかっ!?」

 

ここあ「しゃろちゃん、こわいの?」

 

シャロ「う……ほ、ほら、お裁縫もまだ終わってないし……」アセアセ

 

リゼ父「俺が手伝ってやる」スッ

 

シャロ「へっ?」

 

リゼ父「ふっ……!」シュバシュバ!

 

ここあ「すごい!はやい!」

 

リゼ父「ほら、一丁上がりだ」ストン

 

シャロ「神業!?」

 

リゼ父「あとの仕上げは30分もあれば余裕だろう」

 

シャロ「」

 

ここあ「しゃろちゃん、『きめだめし』ふたりでがんばろうね」

 

シャロ「ぁ……ぁ…………」カタカタ

 

リゼ父「面白いことが起こるといいな」ニヤッ

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

――洗面所――

 

 

メイドB「ほら、じっとしててください」

 

メイド「」アセアセ

 

メイドB「放っておくといつもこのままなんですから」フキフキ

 

使用人「んっ……?」パサッ

 

メイドB「お風呂でしたら空いていますよ。たった今メイド長があがったばかりでして」

 

使用人「拭いてあげているんですね」

 

メイドB「自然乾燥させちゃうと痛んじゃいますから」

 

メイド「?」

 

メイドB「髪長いんですからこうしてドライヤーしてちゃんと乾かしてください」

 

メイド「♪」

 

メイドB「髪の毛も乱れたらマメに櫛でとくこと、いいですね」

 

使用人「洗面所で待たなくても一緒に入ったらどうです?」

 

メイドB「もう立派な大人ですよ、甘やかしちゃダメです」

 

メイド「」カクカクシカジカ

 

メイドB「お嬢様たちや家事に関しては特に問題ありません。あとはそのくらい自分のことに対しても気を配ってできるようになってください」

 

メイド「」コクリ

 

使用人「できるようになったら寂しいものですよ、きっと」ボソッ

 

メイドB「……分かってます」

 

リゼ父「ブレーカーはここだったか」パサッ

 

メイド「?」

 

使用人「ブレーカーですか?」

 

リゼ父「おっ、これか」

 

メイドB「どこか落ちました?」

 

リゼ父「いや、落としに来たんだ」

 

使用人「え゛っ」

 

ガチャッ  カチッ

 

 

使用人「ちょっと!?」

 

メイドB「それ本館のブレーカーですよっ!」

 

リゼ父「んっ、ならこれか」ガチャッ

 

使用人「それダイニングですっ!」

 

メイドB「なにしてるんですか!?」

 

リゼ父「東館のはどれだ?」

 

メイド「」スッ

 

リゼ父「これか」ガチャッ

 

使用人&メイドB「教えなくていいんですよ!?」

 

メイド「?」

 

使用人「急に停電になったせいで警戒網がひかれているかも……!」ピッ

 

使用人「報告、ブレーカーが落ちただけです。警戒の必要はありません。繰り返します、ブレーカーが――」タタタ!

 

メイド「!」prrrrr

 

メイド「?」ピッ

 

『メイド長!停電のせいでパソコンが――』

 

『こちらダイニング、予約炊飯の時刻が消えました。もう一度設定をお願いできますか?』

 

『本館より、22号の客室の電気が回復しません。原因は不明――』

 

メイド「」タタタ!

 

リゼ父「なんだ?どうした?」

 

 

メイドB「なんだ、じゃないですよ……ふふ……」

 

 

リゼ父「っ!?」ビクッ

 

メイドB「ブレーカーを落として屋敷を停電させて、どういうつもりですか……」ゴゴゴ!

 

リゼ父「いや、これはだな」

 

メイドB「弁解なら早くおっしゃられたほうがよろしいですよ……わたしはあまり気の長いほうではありませんので」ググッ

 

リゼ父「きもだめし!きもだめしのためだ……!」

 

メイドB「肝試し?その言い訳でこの状況を回避できるとでも……?」グググ!

 

リゼ父「わ、悪かった!リゼがいなくて寂しがっているからせめて俺のできることをと思ってな」

 

メイドB「?」ピタッ

 

リゼ父「あいつら二人に肝試しをさせてやるんだが、廊下に明かりがついてると雰囲気が出ないだろう……?」

 

メイドB「……そういうことですか」

 

リゼ父「そうだ、だからここはひとつ穏便に――」

 

メイドB「ええ、手を打ちましょう」

 

リゼ父(助かった……)ホッ

 

メイドB「」ガシッ

 

リゼ父「!?」

 

メイドB「その代わり今夜はもうご就寝ください。絶対に部屋から出ないでくださいね」グイッ

 

リゼ父「待て、まだ10時半だぞ!?それに俺には東館に隠れてあいつらを脅かすという大事な使命が――」

 

メイドB「大人しく寝る!!」

 

リゼ父「」(´・ω・`)

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

――客室――

 

 

リゼ「また親父の仕業か……」ハァ

 

メイド「」コクリ

 

リゼ「すまないな、いつも迷惑ばかりかけて」

 

メイド「」ブンブン

 

リゼ「家の中は?」

 

メイド「」グッ

 

リゼ「そうか、なら任せるぞ」

 

メイド「」スッ

 

リゼ「んっ?あともう少しだ」

 

メイド「」ニコッ

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

――東館――

 

 

ここあ「わぁ……まっくら」

 

シャロ「どうして廊下の明かりまで消えてるの!?」

 

ここあ「さっきの『ていでん』のせいかな?」

 

シャロ(霊障じゃないって安心してたけど……むしろ霊障だったほうが理由を付けて中止にできたかも)

 

ここあ「しゃろちゃん、いってみよう!」

 

シャロ「やっぱり行くの?うぅ……」ブルブル

 

ここあ「しゅっぱーつ!」

 

シャロ「こんな懐中電灯二つじゃ心もとないわ……」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

ここあ「だれもいないね」テクテク

 

シャロ「メイドさん、使用人さん、誰か見回ってませんか?」

 

シーン……

 

シャロ(真っ暗だもん、そりゃそうよね……)ガクガク

 

ここあ「みんなあっちのほうにいっちゃったのかな?」

 

シャロ「うぅ、この東館には完全にわたしとここあだけ……」

 

ここあ「あっ!」

 

シャロ「ひっ!な、なに!どうしたのっ!?」

 

ここあ「りぜちゃんだ」

 

シャロ「リゼ先輩!?どこっ!?」

 

ここあ「ほら、あれ」

 

――リゼ ヌイグルミ

 

シャロ「きゃあああああっ!!!?」

 

ここあ「りーぜちゃん♪」ヒョイ

 

シャロ「ど、どうしてこんなところに!?」

 

ここあ「――わたしとしゃろちゃんがきもだめしするから、あぶなくないようにみにきてくれたんだって」

 

シャロ「動けるの!?どうして!?ここあ、そのリゼ先輩のぬいぐるみ以前からおかしいわよ!?」

 

ここあ「おかしくないよ?ねぇりぜちゃん?」

 

フンス

 

シャロ「」

 

ここあ「ほら♪」

 

シャロ「ぁ…………」カタカタ

 

ここあ「ありがとう、りぜちゃんもいっしょにいこっ」

 

ここあ「――うん!」

 

シャロ(この先にお化けはいないけど、それを確かめてくれたのは動くぬいぐるみで、それと一緒に肝試し……)

 

シャロ「あたまが……変になるわ……」フラフラ

 

ここあ「しゃろちゃん、だいじょうぶ?」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

シャロ「こ、ここあ……まだ先?」ブルブル

 

ここあ「あっ、あそこ……」

 

――51号室

 

シャロ「一番奥……きっとここね」

 

ここあ「!」

 

ここあ「しゃろちゃん、しっ」

 

シャロ「へっ?」

 

ここあ「おとがきこえるよ」ピタッ

 

シャロ「え……!冗談でしょう?」ガクガク

 

ここあ「ううん……なにかうごいてるみたい」

 

シャロ「使用人さんたちを呼びに行きましょう……!」

 

ここあ「りぜちゃん、どうしたらいい?」

 

ここあ「――わかった♪」

 

ここあ「しゃろちゃん、りぜちゃんがだいじょうぶだって」

 

シャロ「大丈夫じゃないわ!だってお化けかネズミか不審者でしょう!?」

 

ここあ「おじゃましまーす」ガチャッ

 

シャロ「ここあ!!?」

 

シャロ(こ、こうなったら覚悟を決めるのよわたし……!なにがあってもここあのことだけは守ってあげないと……!)

 

シャロ(お化けがなに!千夜のおばあちゃんが怒った時のほうが余程怖いし……たぶん!)

 

ここあ「だれもいないね」

 

シャロ「なんの音だったのかしら……」

 

――ガタッ!

 

シャロ「ひっ!!?」

 

ガタッ! ゴトッ!

 

ここあ「はこのなか……?」

 

シャロ「あっ……あ…………」ガクガク

 

ここあ「だれ?」

 

シャロ「こ……ここあ、待って!わたしが開けるわ!」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

シャロ(たぶんリゼ先輩のお父さんよね……大丈夫……大丈夫)ゴクリ

 

シャロ「ここあ、下がっておいて。ドアのところまで」

 

ここあ「うんっ」

 

シャロ「………………」グッ

 

 

――バッ!

 

 

??「あぁ゛~っ!!」

 

 

シャロ「ふぎゃあああああああっ!!!!!!!!」

 

 

??「……っ!」キーン

 

ここあ「!」

 

??「おどかすつもりがこっちがおどろいちゃった~」

 

ここあ「ゆらちゃん!」

 

ユラ「ここあちゃんやっほ~、ユラちゃんだよ~」フリフリ

 

ここあ「あそびにきてたの?」

 

ユラ「リゼのお父さんに呼ばれてね~。サプライズ~」

 

ここあ「わぁ!」

 

ユラ「怖がらずによくここまで来れたね~、ご褒美のキャンディーだよ~」

 

ここあ「ありがとう//」ニコッ

 

ユラ「シャロちゃんにもご褒美~……あれ~?」

 

シャロ「」ブクブク

 

ここあ「しゃろちゃん!!」

 

ユラ「まずいね~、本館に戻ろっか~」ヒョイ

 

ユラ「シャロちゃんごめんね~しっかり~」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――リゼの部屋――

 

 

シャロ「………………」

 

シャロ「んっ……?」

 

シャロ「はっ!」ガバッ

 

使用人「眼が覚めましたか?」

 

シャロ「ここあは!?確かお化けが……!」

 

使用人「心配いりませんよ」

 

シャロ「えっ……あ」

 

ここあ「んっ……」Zzz

 

シャロ「ここ、リゼ先輩の部屋……」

 

使用人「小さいお嬢の肝試しにお付き合いくださったんですよね、ありがとうございます」

 

シャロ「使用人さん、あの、信じてもらえないかもしれないですけど……」ブルブル

 

使用人「髪の長い女性のお化けですかい、それでしたら――」

 

 

シャロ「吹き矢部長だったんですか……」ハァ

 

使用人「ご迷惑をおかけしました」

 

シャロ「いえ、わたしのほうこそ……」

 

使用人「小さいお嬢があなたのこと、ずっと心配していましたよ」

 

シャロ「!」

 

使用人「先に寝てくださいと申し上げても、あなたが目を覚ますまで待つと聞かなくて」

 

シャロ「ここあ……」

 

使用人「10分ほど前に、力尽きて寝てしまいましたけど」

 

シャロ「そうだったんですか……」

 

使用人「もう12時です。あなたもどうぞおやすみください」

 

シャロ「はい。使用人さん、ありがとうございました」

 

使用人「」ペコリ

 

ガチャッ バタン

 

シャロ「ここあ、情けないところ見せてごめんね」ナデナデ

 

ここあ「ふぇ……」Zzz

 

シャロ「……ありがとう」ホッペチュッ

 

ここあ「ぇへへ……」Zzz

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

――客室――

 

 

ユラ「…………」カキカキ

 

リゼ「先に寝てもいいぞ?」

 

ユラ「ん~平気~」

 

リゼ「…………」カキカキ

 

ユラ「早く終わるといいね~」

 

リゼ「あと少しだ」

 

ユラ「………………」カキカキ

 

リゼ「ここあのところに行かなくていいのか?」

 

ユラ「シャロちゃんがいるからね~。それに明日は一日中遊べるし~」

 

リゼ「……そうか」

 

ユラ「今夜はリゼが一番大事~」

 

リゼ「……//」

 

ユラ「二人で一緒に寝ようね~」

 

リゼ「……ああ」

 

ユラ「ふふ~ありがと~」

 

 

――おしまい♪

感想

  1. シャロ より:

    やっぱりここシャロは、良いと思った。ここシャロ大好き

  2. Beyond the Average より:

    リゼの知らないところでいろんなことが起こってますね(笑)。
    最近リゼはひたすら課題をしてますね~。受験生だったころが懐かしいです。
    リゼのお父さんは事前に使用人さんたちにブレーカーを落とすことを言っていればユラ先輩と一緒にドッキリ作戦を…。ここあのことになると判断が鈍るところがいいですね!!(間違ってもおじさんに向かって「かわいい」なんて言えません!こういうのなんて言うんですかね?)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      リゼちゃん頑張ってますよ。
      早くリゼちゃんVolを描いてあげたくてわたしもウズウズしてます。

      リゼ父は若干天然も入ってますね。そして行動が常に破天荒です。
      わたしはリゼ父を可愛くかっこよく描いているつもりですので、褒め言葉は可愛いで大丈夫ですよ。
      おじさんでも可愛いものは可愛いのです、ええ。

      ※誤字のご指摘、ありがとうございました。

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