ごちうさSS ここあ「千夜ちゃんとスニーキングストーキング」

 

 

――AM9:27  天々座家――

 

 

リゼ父「…………」バサッ

 

リゼ父「ふぁあ…………」

 

リゼ父(眠たい……)

 

リゼ父「……」ピッ

 

メイドB『はい、なんでしょう?』

 

リゼ父「コーヒーを持ってきてくれ」

 

メイドB『かしこまりました』

 

リゼ父「…………」バサッ

 

トントン

 

リゼ父「んっ……?入れ」

 

リゼ父(早すぎないか?)

 

使用人「失礼します」ガチャッ

 

リゼ父「お前か」

 

使用人「?」

 

リゼ父「いや、なんでもない」

 

使用人「あの、本日は」

 

リゼ父「分かってる」

 

使用人「!」

 

リゼ父「ゆっくり行ってこい」

 

使用人「ありがとうございます」ペコリ

 

リゼ父「あいつも一緒に行くのか?」

 

使用人「いえ、あっし一人で。あの子には何も伝えないでいただけると」

 

リゼ父「そうか」

 

使用人「一緒に行きますか?」

 

リゼ父「いや、いい。無粋な横やりは要らんだろう」

 

使用人「行ってあげたらきっと喜びますよ」

 

リゼ父「お前と一緒にどの面下げて行けるんだ」

 

使用人「ははっ……ですね」

 

リゼ父「分かったなら一人で行ってこい」

 

使用人「ええ、失礼します」

 

リゼ父「待て」

 

使用人「?」

 

リゼ父「……俺の分まで、頼んだ」

 

使用人「…………」フッ

 

リゼ父「……」バサッ

 

使用人「承知しました。では」ガチャッ

 

メイドB「きゃっ!?」

 

使用人「うぉ!?」

 

メイドB「ふっ……!」キャッチ!

 

使用人「おお……」

 

リゼ父「やるな」

 

メイドB「危なかったぁ……」

 

使用人「すいません、いきなり」

 

メイドB「お気になさらず。……お出かけですか?」

 

使用人「ええ、あの子には内緒に」シーッ

 

メイドB「承知しました。道中くれぐれもお気をつけて」

 

使用人「ありがとうございます。では」

 

メイドB「いってらっしゃいませ」フリフリ

 

バタン

 

メイドB「はい、コーヒーですよ」

 

リゼ父「ご苦労」

 

メイドB「二人で内緒のお話しでも?」

 

リゼ父「ああ、そんなものだ」

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

使用人「では、行って参ります」

 

使用人C「」ペコリ

 

メイドD「」フリフリ

 

ここあ「わぁ!」タタタ

 

リゼ「まて~ここあ~」

 

ここあ「やっ~♪」タタタ

 

リゼ「捕まえたぞ」ヒョイ

 

ここあ「千夜ちゃん、助けて~」

 

千夜「リゼちゃん、その手を離しなさい!」

 

リゼ「なんだと?ここあはわたしのものだ」

 

千夜「抜刀居合、封魔一閃!」シュバ!

 

リゼ「ぐはっ!」バタリ

 

千夜「ここあちゃん、大丈夫?」

 

ここあ「うにゅ……りぜちゃん、はなして?」

 

リゼ「死後硬直だ」

 

千夜「ちゃんと離しましょうね」グイッ

 

リゼ「ここあ~!」

 

ここあ「ちやちゃん、その『きのぼう』どこからもってきたの?」

 

千夜「木刀よ、メイドさんが貸してくれたの」

 

キャッキャッ ワイワイ

 

使用人(今日も平和だな……)

 

リゼ「んっ?」

 

使用人「おはようございます」

 

ここあ「ゆうしゃさん、でかけるの?」

 

使用人「ええ、お昼過ぎには帰ってきますよ」

 

千夜「熱中症に気を付けてくださいね」

 

使用人「お気遣い感謝します」ペコリ

 

メイドB「お嬢様、そろそろ課題始めますよ」

 

リゼ「よし」ガシッ

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

メイドB「小さいお嬢様は置いていきましょうね」ズルズル

 

リゼ「離せ~!わたしはここあと離れると死んでしまう病なんだ!」

 

ここあ「りぜちゃん、がんばって!」フリフリ

 

使用人「では、小さいお嬢のことよろしくお願いします」

 

千夜「いってらっしゃいませ」

 

 

ガチャッ バタン

 

ここあ「ちやちゃん、あそぼ!」

 

千夜「いいわよ~」ナデナデ

 

ここあ「なにしてあそぶ?」

 

千夜「そうねぇ……――!」

 

千夜「そうだわ♪」ポンッ

 

ここあ「?」

 

リゼ父「あいつはもう行ったのか」

 

千夜「リゼちゃんのお父さん、ちょっといいですか?」

 

リゼ父「なんだ?」

 

千夜「」カクカクシカジカ

 

リゼ父「ふっ……ああ、かまわないぞ」

 

千夜「ありがとうございます」

 

千夜「ここあちゃん、いきましょうか」

 

ここあ「おお~!」ピョン

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

使用人「…………」スタスタ

 

使用人(今日も暑いな……)

 

使用人「ふぅ…………」

 

使用人「………………」

 

使用人「あ……」

 

お婆「んっ?」

 

使用人「どうも」ペコリ

 

お婆「またあんたかい」

 

使用人「すいません、すっかり気に入ってしまって」

 

お婆「早く入んな。どうせ栗羊羹だろ」

 

使用人「いえ、今日は持ち帰りなのでここで」

 

お婆「ふん、すぐに持ってくるから待ってな」

 

使用人「これ、お代です」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

ここあ「あまうさあんで『くりようかん』をかってるよ」

 

千夜「ただのおつかいかしら」

 

 

※物陰に隠れながらストーキング中

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

使用人「この花束を……」

 

カシコマリマシタ!

 

使用人「………………」ジッ

 

アラマンダ オスキナンデスカ?

 

使用人「あっ、いえ……綺麗な花だと思って」

 

ナツノオハナナンデスヨ ソレ

 

使用人「夏の花、ですか」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

ここあ「おはなをかってるよ」

 

千夜「花たば……」

 

千夜(菓子折りと花束……しばらく会っていないお友達にでも会うのかしら?)

 

ここあ「ゆうしゃさん、どこいくんだろう」ワクワク

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

アリガトウゴザイマシタ!

 

使用人(これで全部そろったかな)

 

使用人(あとは歩くだけか……バスを使えばすぐだが)

 

使用人「………………」

 

使用人「」チラッ

 

使用人(歩いて行くか……)

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

ここあ「みつかるところだったね」ドキドキ

 

千夜(なにを買ったのかしら、また手土産?)

 

ここあ「ちやちゃん、いこう」

 

千夜「そうね」ササッ

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

使用人「………………」テクテク

 

 

 

ここあ「ひとがだれもいなくなっちゃった」

 

千夜「町から結構離れちゃったから。この辺は山の近くね」

 

ここあ「やまのぼりするのかな?」

 

千夜「どうかしら?でも服装が普段着のままだし」

 

千夜(この先は確か……――あ、もしかして)

 

 

 

使用人「…………」ピタッ

 

 

 

ここあ「とまったよ?」

 

千夜「どうしたのかしら」

 

 

 

使用人「ここなら誰にも迷惑が掛からない」

 

 

ここ千夜「?」

 

 

使用人「わざわざここまで付けさせてやったんだ。……早く出てこい」

 

 

ここ千夜「!」ビクッ

 

 

使用人「そこの物陰から出て来いって言ってるんだ」

 

 

ここあ「ちやちゃんどうしよう」アセアセ

 

千夜「とっくにばれちゃってたみたいね。こうなれば素直に出ていきましょうか」

 

ここあ「ゆるしてくれる?」

 

千夜「大丈夫よ、わたしたちだって知らないだけだと思うから」

 

 

使用人(殺気がない……誰だ?)

 

 

ここ千夜「」ヒョコ

 

使用人「なっ!!?」

 

千夜「ばれちゃいました」テヘ

 

使用人「ち、ちいせぇお嬢たち……!どうしてここに……!?」

 

ここあ「こっそりすとーきんぐしてたの」

 

使用人「こんな暑い中を……どこか自販機でもあれば」キョロキョロ

 

千夜「あっ、平気です。リゼちゃんのお父さんから飲み物貰ってきましたから」

 

使用人「あの方が……?もしや、このストーキングも?」

 

千夜「はい、ちゃんと許可を取ってきました」

 

使用人「やっぱりそうですか……」ハァ

 

ここあ「ごめんね?」

 

使用人「いえ、お気になさらず。暑い中よく頑張りましたね」ナデナデ

 

ここあ「んっ……♪」

 

使用人「ここからだと家まで遠いですよね。さっきのバス停でバスに乗ってください、これはお金です」スッ

 

千夜「あの」

 

使用人「?」

 

千夜「そのお花……使用人さんの用事って」

 

使用人「ええ――お墓参りです」

 

千夜「!」

 

使用人「ですから、付いて来られても楽しくないかと」

 

千夜「ご、ごめんなさい。そうとも知らずにわたし……」

 

使用人「いえ、お気になさらず」アセアセ

 

千夜「…………」シュン

 

使用人「あぁ……!そ、そうだ。ここまで来たんですし、良かったらお二人も一緒にお参りしてくれませんか?」

 

ここあ「ついていってもいいの?」

 

使用人「ええ、大丈夫ですよ。大勢で行ってあげたほうがきっと喜ぶでしょうし」

 

千夜「では、ぜひ一緒に」

 

使用人「ありがとうございます」

 

ここあ「ゆうしゃさん、『て』つなごう?」

 

使用人「ふっ……承知しました」スッ

 

ここあ「ちやちゃんはひだりて」

 

千夜「はーい♪」スッ

 

ここあ「すとーきんぐするよりも、こうしてみんなであるいたほうがたのしいよ」ニコッ

 

千夜「ここあちゃんの言う通りね」

 

使用人「………………」ギュッ

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

ミーンミンミンミーン ジー ジー

 

 

使用人「ここです――……んっ?」

 

千夜「誰かいますね」

 

ここあ「あ!」

 

店員「………………」

 

使用人「あれは……!」

 

ここあ「ぷとらかれーのおねえちゃんだ!おねえちゃ~ん!」ブンブン

 

店員「?」

 

ここあ「こんにちは」

 

店員「昨日来てくれた妹さん。こんにちは」

 

ここあ「おねえちゃんもおはかまいり?」

 

店員「そうよ。あなたも?」

 

ここあ「うん!ゆうしゃさんといっしょに」

 

店員「ゆうしゃさん?」

 

使用人「」ペコリ

 

店員「!」

 

千夜「こんにちは」

 

店員「可愛い子3人目。こんにちは」

 

使用人「……久しぶりですね」

 

店員「もしかして、この人がゆうしゃさん?」

 

ここあ「そうだよ」

 

店員「………………」

 

使用人「あの……?」

 

店員「……ふふ」

 

使用人「おいっ!?//」

 

店員「しあわせそうでよかった」

 

使用人「…………っ//」

 

店員「きっとよろこんでる」

 

使用人「……ええ」

 

店員「そっちの子は?」

 

使用人「この子はお嬢のご友人で」

 

千夜「千夜です、ここあちゃんからお話は伺ってました。昨日お友達になった店員さんですよね。ここあちゃんたちが大変お世話になりました」ペコリ

 

店員「礼儀正しい良い子。……それに」スッ

 

千夜「?」

 

店員「…………」ジー

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

店員「…………」ジー

 

使用人「どうされたんです?」

 

千夜「あ、あの……?」

 

店員「おっぱいすごく大きいね」プニッ

 

千夜「ひゃっ!?//」

 

使用人「お前もかぁ!!//」

 

ここあ「ちやちゃんのやわらかいでしょ」

 

店員「ええ、羨ましいわ」

 

千夜「……//」

 

使用人「あの方といいあなたといい……」ハァ

 

店員「失礼」ギュッ

 

千夜「ふぇ……!」

 

使用人「って!?」

 

店員「ん…………」スンスン

 

使用人「言ってるそばからやめんかっ!」グイッ

 

ここあ「おねえちゃんずるい、わたしもちやちゃんとぎゅーってする」

 

使用人「すいません、本当に」ペコペコ

 

千夜「いえ、平気ですよ」

 

ここあ「ちやちゃん、わたしも」

 

千夜「ここあちゃんぎゅ~」ギュッ

 

ここあ「んっ//」

 

店員「ごめんね、平気?」

 

千夜「はい、店員さんてフレンドリーな方なんですね」

 

店員「あなたには特別かも」

 

千夜「えっ?」

 

店員「気にしなくていい」

 

ここあ「おねえちゃんもぎゅってして?」

 

店員「わたし?」

 

ここあ「うん!」スッ

 

店員「こう?」ギュッ

 

ここあ「おねえちゃんもふもふ//」スリスリ

 

店員「…………」

 

使用人「?」

 

店員「この子貰ってもいい?」

 

使用人「ダメに決まってるだろ!?」

 

店員「こっちの良い匂いする子は?」

 

使用人「だめだ!」

 

店員「分かってたけど聞いてみたわ」

 

使用人「分かってるなら聞くな!」

 

店員「口調、元に戻ってるよ」

 

使用人「あっ……」

 

使用人「……失礼しました」スッ

 

店員「無理しなくていいのに」

 

使用人「いえ、なるべくこっちで」

 

店員「……そうね」

 

店員「そういえばあの人は来てないの?」

 

使用人「?」

 

店員「無口なお姉さん」

 

使用人「あの方でしたら本日はお留守番です」

 

店員「そう、残念」

 

ここあ「おねえちゃん、ゆうしゃさんとなんのおはなししてるの?」

 

店員「ん……ちょっと昔話」

 

千夜「お二人は知り合いだったんですね」

 

使用人「ええ、一応ですけど」

 

ここあ「どの人がゆうしゃさんのおともだち?」

 

使用人「ここに並んでいる墓石、全員です」

 

千夜(こんなにたくさん……)

 

使用人「どれも骨壺も何もない、形だけのお墓なんですけどね」

 

店員「お供え物、持ってきた?」

 

使用人「今年は喜んでくれますよ」スッ

 

店員「栗羊羹?」

 

使用人「みんな甘いもの好きでしたから。……それに」

 

使用人「………………」

 

店員「……?」

 

千夜「ここあちゃん、こうして杓で水をかけてあげて」

 

ここあ「こう?」

 

千夜「上手よ、バシャってならないようにゆっくりね」

 

店員「なんの花?」

 

使用人「分かりません、綺麗だから買ってみたんです」

 

使用人「…………」スッ

 

店員「………………」スッ

 

ここあ「………………」スッ

 

使用人(……遅くなって、ごめん)

 

千夜「………………」スッ

 

使用人「……さて、帰りましょうか」

 

千夜「もういいんですか?」

 

使用人「ええ、充分です」

 

店員「歩いて帰ればお昼になりそうね」

 

使用人「帰りにファミレスにでも寄りますか?」

 

ここあ「おねえちゃんのおみせがいい」

 

店員「わたしの店?」

 

ここあ「ぷとらかれー、もういっかいたべたい!」

 

店員「気に入ってくれたの?」

 

ここあ「うん」ニコッ

 

店員「ありがとう」ナデナデ

 

店員「この子の要望聞いてもいい?」

 

使用人「もちろんです」

 

千夜「わたしも食べてみたかったんです、ぜひ」

 

店員「あなた、カレー作れる?」

 

千夜「え?」

 

店員「作り方知ってる?」

 

千夜「は、はい」

 

店員「手伝ってほしい」

 

千夜「わたしでよろしければ」

 

店員「ありがとう」

 

ここあ「おねえちゃん、わたしもてつだっていい?」

 

店員「頼りにしてる」

 

ここあ「まかせなさーい」ガシッ

 

ワイワイ ガヤガヤ

 

使用人「あの……?」

 

店員「一緒に料理してみたくなったの」

 

使用人「!」

 

店員「雰囲気が似てるから」

 

使用人「…………」

 

店員「ダメ?」

 

使用人「そんなことないですよ」ポンッ ナデナデ

 

店員「ん…………」

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

――PM2:49 天々座家 玄関――

 

 

使用人「ただいま戻りました」ガチャッ

 

メイド「!」

 

ここあ「みんな、ただいま!」

 

メイド「」ペコリ

 

使用人C「おかえりなさいませ」

 

千夜「あら……?おかしいわね、リゼちゃんの足音が聞こえないわ」

 

メイド「」アセアセ

 

使用人「なにかあったんです?」

 

使用人C「いえ、それが……」

 

ここあ「?」

 

 

 

――客室――

 

 

メイドB「お嬢様、ほら。小さいお嬢様の写真ですよ」ヒラヒラ

 

リゼ「………………」カキカキ

 

メイドB「たぶんもう少しで帰ってこられますから」

 

リゼ「………………」カキカキ

 

メイドB(手が機械的に動いてる……)

 

リゼ「………………」カキカキ

 

トントン

 

メイドB「はい?」

 

ここあ「おじゃまします」ガチャッ

 

メイドB「小さいお嬢様!戻られましたか!」

 

ここあ「りぜちゃん、げんきないの?」

 

メイドB「ええ、元気づけてあげてください」

 

ここあ「りーぜちゃん♪」ギュッ

 

リゼ「……?」

 

ここあ「ただいま//」

 

リゼ「………………」

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

リゼ「…………」

 

SAN値 テッテレー↑

 

リゼ「はっ!」

 

リゼ「ここあ、おかえり//」ヒョイ

 

ここあ「わわっ」

 

リゼ「寂しかったぞ~!」ギュッ

 

ここあ「うにゅ……//」

 

メイドB「」ホッ

 

ここあ「かだい、たくさんすすんだ?」

 

リゼ「課題?そういえば今日何してたんだっけ……」

 

メイドB「意識飛んでたんですか!?」

 

リゼ「どうやら進んでるようだし、お前と早く会えたからどうでもいい」

 

リゼ「もう少しだからな。終わったらたくさん遊ぼう、ここあ~!//」スリスリ

 

ここあ「あしたでおしまい?またりぜちゃんとあそべる?」

 

リゼ「ああ、任せろ!ここあのために明日中に終わらせてみせる!」

 

ここあ「ぁ……!//」パアァ

 

ここあ「こんやはしゃろちゃんがきてくれるんだって//」

 

リゼ「ちゃんとおりこうさんにしてるんだぞ」

 

ここあ「うん//」ニコッ

 

キャッキャッ ワイワイ

 

メイドB(とりあえずお嬢様が元気になって良かった……)

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

――ダイニングルーム――

 

 

ザワザワ ガヤガヤ

 

使用人「和菓子を作るだけでこんなに集まってこなくても……」

 

メイド「」ジー

 

リゼ父「この家に和菓子の文化は無いからな、珍しいんだろ」←野次馬の一人

 

千夜「溶けたこしあんに塩を少し入れて、ここで味見をします」

 

メイド「」フムフム

 

リゼ父「ほう」

 

千夜「使用人さん、あーん♪」

 

使用人「あ、あっしですか?」

 

千夜「はい」ニコッ

 

使用人「……あーん//」パクッ

 

千夜「どうですか?」

 

使用人「はい、この味ですね……//」モグモグ

 

メイド「」ニコニコ

 

リゼ父「ふっ……」

 

ザワザワ クスクス

 

使用人「っ……//」

 

千夜「あとはこれを型に流します」

 

千夜「栗羊羹なのでここで栗を埋め込んでいきますね」

 

千夜「栗の甘露煮です。リゼちゃんのお父さん、味見いいですか?」

 

リゼ父「俺か?」

 

千夜「はい」

 

リゼ父「あーん」

 

使用人「!?」

 

千夜「あーん♪」スッ

 

リゼ父「うまい、さすがだな」モグモグ

 

千夜「ありがとうございます」

 

ジブンカラ アーンヲ……

 

ジョシコウセイノコヲアイテニ ハズカシゲモナク……

 

ヤッパリスゴイデス アノヒトハ

 

ヒソヒソ ガヤガヤ

 

リゼ父「んっ、なんだ?」

 

千夜「ふふっ、やっぱりリゼちゃんのお父さん可愛いですね」

 

使用人(こっちが恥ずかしい……)

 

メイド「」メモメモ

 

 

――おしまい♪

感想

  1. Beyond the Average より:

    なるほどプトラカレーの話はここにつながってたんですね!
    Twitterでのヒントの意味がなんとなくわかりました。アッサムプトラさんのお墓もあるのでしょうか。
    ゆうしゃさんの過去はまだまだ謎に包まれてますね~。
    使用人さんの過去が暗そうなので対比的に今の使用人さんがすごい幸せそうに見えますね。
    コメント遅れてすみません!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      実はずっと以前からこの店員さんのキャラクターについて伏線をはって暖めていたのですが、やっと消化することが出来ました。
      店員さんにとって大事な人であるアッサムさんのお墓もあるのでしょうね、きっと。
      使用人さんの過去については、設定だけでなく実は既にストーリー自体も完成しており後は執筆作業に移るだけなのですが。
      内容があまりにシリアスで暗いために公開する場所が定まらないというジレンマです。
      使用人さん、リゼちゃんがいてここあちゃんがいて、天々座家の仲良しのみんながいて、今はとっても幸せなのでしょうね……。
      きっとお墓のみんなも喜んでいることかと思います。

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