ごちうさSS ここあ「リゼちゃんサンタの願い事」

 

 

――――――

――――

――

 

 

――PM6:22 天々座家 リゼの部屋――

 

 

ユラ「おじゃましまーす」ガチャッ

 

リゼ「来たか――って」

 

リゼ「わざわざコスプレしてこなくても……」

 

ユラ「ここあちゃんとチノちゃんのためだよ~バレたら大変でしょ~」

 

リゼ「寝静まった後に行くから心配いらないぞ」

 

ユラ「天使二人に夜這いか~気合いが入るね~」ムフー

 

リゼ「変な言い方するな」

 

ユラ「ところでここあちゃんは~?」

 

リゼ「さっきラビットハウスに行った。チノと一緒にサンタさんが来るのを待つってはしゃいでたよ」

                           

ユラ「かわいいね~わたしもそっちに鞍替え~」

 

リゼ「ダメだ」ガシッ

 

ユラ「鬼リゼ~」

 

リゼ「わたしもここあと過ごす予定だったのを我慢してるんだぞ」

 

ユラ「夢を守るのも大変だね~サンタさんて意外とブラックなお仕事かも」

 

リゼ「チノの親父さんには既に連絡してある。今夜こっそり行くぞ」

 

ユラ「今日はリゼとお泊り会かぁ」

 

リゼ「中学生の時以来だな」

 

ユラ「小さい頃みたいに二人でギュってしながら寝る~?」

 

リゼ「結構だ」

 

ユラ「寂しがり屋のくせに~強がらなくていいよ~?」ツン

 

リゼ「つつくな」

 

ユラ「誰もいないしユラちゃんに甘えてもいいのに~」

 

リゼ「いつの話しだ……もう子供じゃない」

 

ユラ「ここあちゃんとの写真ばっかり~わたしとの思い出は~?」ガサゴソ

 

リゼ「こら!勝手にあさるな!」

 

ユラ「ベッドにダーイブ」ポスッ

 

ユラ「ん~リゼの匂いとここあちゃんの匂いのブレンドだね~」スンスン

 

リゼ「嗅ぐな!ユラっ!//

 

ユラ「暇だしリゼのお父さんでも呼んでゲームしよ~」カチッ

 

ユラ「もしもし~こちらリゼの部屋~」

 

ユラ「リゼのお父さんやっほー、ユラちゃんだよ~」

 

ユラ「暇だからゲーム付き合ってよ~」

 

ユラ「――OKだってさ」カチャッ

 

リゼ「どうしてクリスマスに親父とゲームしなきゃならないんだ……」

 

ユラ「あっ、そういえば千夜ちゃんとシャロちゃんが後で来るって言ってたよ~」

 

リゼ「千夜とシャロが?」

 

ユラ「お店の和菓子が余るだろうから、使用人さんやメイドさんたちにプレゼントするんだって~」

 

リゼ「あいつらもサンタクロース側か、大変だな」

 

 

――ガチャッ

 

 

ユラ「おっ、早いね~……――ん~?」

 

リゼ「………………」

 

ユラ「ダンボール?」

 

リゼ父「待たせたな!」バッ

 

ユラ「スネーク、待ってたよ~」

 

リゼ父「ふっ」ドヤッ

 

リゼ「誰か他にツッコミ役を!シャロ~っ!」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――街路――

 

 

シャロ「!」ビクッ

 

千夜「シャロちゃん、どうしたの?」

 

シャロ「いまリゼ先輩の叫びが聞こえたような気がして……」

 

千夜「今夜はユラ先輩と一緒みたいだし、二人で仲良く遊んでるんじゃないかしら」

 

シャロ「手を焼いてるの間違いじゃない?」

 

千夜「んっしょ……」

 

シャロ「千夜、大丈夫?」

 

千夜「ええ、平気よ。シャロちゃんこそ」

 

シャロ「わたしのはボトル5本だから」

 

千夜「一応たくさん持ってきたけど、足りるかしら?」

 

シャロ「クリスマスだし、たぶん残ってる人も少ないでしょう」

 

千夜「ハーブティーと和菓子を配るサンタさん、なんだか斬新ね」

 

シャロ「わたしはトナカイだけど」

 

千夜「付き合ってくれてありがとう、シャロちゃん」

 

シャロ「ん……どうせひとりで家にいても寂しいだけだし」

 

千夜「帰ったらシャロちゃんのおうちで慎ましやかなパーティーでも開く?」

 

シャロ「紅茶と大福くらいしか出ないわよ?」

 

千夜「いいわ、シャロちゃんと過ごせるだけで」

 

シャロ「…………っ//」プイッ

 

千夜「ここあちゃんとチノちゃん、どうしてるかしら?」

 

シャロ「もうベッドに入ってサンタさんを待ってたりして」

 

千夜「ほほえま~」ニコニコ

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

――チノの部屋――

 

 

チノ「ここあさん、まだ6時半ですよ」

 

ここあ「ちのちゃんのべっどあったかい//

 

チノ「出てきて一緒に遊びましょう」

 

ここあ「さむいからいや~♪」

 

チノ「わがままここあさんですね。リゼさんに聞きましたよ」ナデナデ

 

ここあ「いやっていってたらりぜちゃんがだっこしてくれるの//」ニコッ

 

チノ「そうですか、ならわたしは一緒に布団にもぐります」

 

ここあ「ちのちゃんも?」

 

チノ「布団の中で遊びましょう」

 

ここあ「うんっ//

 

ここあ「えへへ、ちのちゃーん//」ギュッ

 

チノ「ここあさんはあったかいですね」

 

ここあ「サンタさん、きてくれるかな?」

 

チノ「ええ、必ず来てくれますよ」

 

ここあ「トナカイもくる?」

 

チノ「どうでしょう、わたしたちが眠った後ですから」

 

ここあ「おきてまってたらだめ?」

 

チノ「起きていたら来てくれないと父が言ってました。眠って待ちましょう」ナデナデ

 

ここあ「んっ……//」ポスッ

 

チノ「ここあさんは何か欲しいものありますか?」

 

ここあ「ふぉぇ?ほしいもの……」

 

チノ「父からクリスマスレターを貰ったので、良かったら二人で描きましょう」

 

ここあ「サンタさんにかくの?」

 

チノ「はい。ここあさんのお願い事、なんでもいいですよ」

 

ここあ「なんでも……――!」

 

ここあ「ちのちゃん、かいて!」

 

チノ「なんですか?」

 

ここあ「あのね――」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

ユラ「そろそろお風呂入ろっか~」

 

リゼ「もうそんな時間か」

 

ユラ「リゼ~久しぶりに洗いっこしよ~?」

 

リゼ「しない、ベタベタしてくるな//

 

ユラ「リゼのお父さんも一緒にどう?」

 

リゼ父「いや、それはさすがにまずいだろ……」

 

ユラ「ユラちゃん全然オッケーだよ~?」

 

リゼ父「なに、本当か?」

 

リゼ「親父」

 

リゼ父「さて!ラビットハウスにでも行って来るか!」

 

リゼ父「リゼ、あとは任せたぞ。お前もな」

 

リゼ「ああ」

 

ユラ「ユラちゃんにお任せあれ~」

 

リゼ父「ふっ……」

 

 

ガチャッ バタン

 

 

リゼ「あと4時間か……」

 

リゼ「さて、まずはお風呂に入って――」

 

ユラ「リゼも早く脱ぎ脱ぎしなよ~」パサッ

 

リゼ「ここで脱ぐなよ!?」

 

ユラ「どうせ脱衣所で脱ぐから一緒だって~ほらリゼも」

 

リゼ「やめろ!変なところ触るな!//

 

ユラ「いつのまにかわたしより立派に育ってユラちゃん悲しいかも~」モミモミ

 

リゼ「~~~っ!//ユラ~!//

 

ユラ「むふふ~」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

使用人C「」ペコリ

 

 

千夜「お疲れ様です、甘兎庵をどうかご贔屓に」

 

シャロ「メリークリスマス」

 

千夜「あっ、メイドさんもいたわ」

 

シャロ「あの」

 

メイド「?」

 

千夜「こんばんは。これ和菓子とハーブティーです、どうぞ」

 

シャロ「クリスマスですので皆さんに配っていまして」

 

メイド「♪」ペコリ

 

千夜「お疲れ様です、甘兎庵をどうぞよろしくお願いします」

 

シャロ「メリークリスマス」

 

千夜「あと何人くらいかしら?」

 

シャロ「これで11人目だから、あと6人くらいじゃない?」

 

千夜「ここあちゃんと仲良しの使用人さんがまだね」

 

シャロ「この辺にはいなかったし、宿直室かしら?」

 

千夜「もしかしたら菜園の方かも」

 

 

 

 

使用人「……………………」

 

使用人(クリスマス、か)

 

使用人(………………)

 

使用人(…………)

 

使用人(……)

 

使用人「………………」フッ

 

使用人(もうずいぶん昔のことか……)

 

使用人(……小さいお嬢、今頃楽しんでいらっしゃるだろうか)

 

使用人「…………ん?」

 

 

使用人「雪……?」

 

 

使用人「………………」

 

使用人「……――――」

 

 

千夜「使用人さん」

 

 

使用人「!」

 

シャロ「こんばんは」

 

使用人「…………?」

 

千夜「クリスマスですので、和菓子とハーブティーをお届けにきました」

 

使用人「……お菓子?」

 

シャロ「どうぞ、ハーブティーと羊羹です」

 

使用人「……!」

 

千夜「いつもみんなのこと、ありがとうございます」

 

使用人「…………」

 

千夜「メリークリスマス」ニコッ

 

使用人「……――――」

 

 

スッ――ピトッ

 

 

千夜「!」

 

シャロ「うぇ!?」

 

使用人「…………」

 

千夜「使用人さん……?」

 

使用人「…………」ジッ

 

千夜「……?」

 

シャロ「あ、あの……」

 

使用人「――ハッ!

 

使用人「あっ、これは……!」アセアセ

 

使用人「すいません……!」

 

千夜「いえ……」

 

シャロ「大丈夫ですか?」

 

使用人「こちらこそいきなり頬を触ったりして……」

 

千夜「気になさらないでください、わたしは平気ですよ」

 

シャロ「千夜の頬に何かついてました?」

 

使用人「……いえ、そういうわけでは」

 

千夜「…………」

 

使用人「……っ」

 

シャロ「使用人さん…………」

 

千夜「雪も降ってきましたし、そろそろ屋敷の中に戻りませんか?」

 

シャロ「これ、中で召し上がってください」

 

使用人「…………どうも」

 

千夜「本当に気にしていませんから、元気出してください」

 

千夜「またぜひ、甘兎庵にもいらしてくださいね」

 

使用人「……!」

 

シャロ「それではこれで、メリークリスマス」ペコリ

 

千夜「♪」フリフリ

 

使用人「……………………」

 

使用人「…………」

 

使用人「……」スッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――PM10:21――

 

 

チノ「ここあさん、ちゃんとお布団入りましたか?」

 

ここあ「りぜちゃん(ぬいぐるみ)も ちのちゃんのうさぎもいるよ」

 

チノ「電気消しますね」カチッ

 

ここあ「わわっ、まっくら……」

 

チノ「大丈夫です、ここにいますよ」ギュッ

 

ここあ「ぁ……ちのちゃんもふもふ♪」

 

チノ「ここあさんと二人きりで寝るの、久しぶりですね」

 

ここあ「ちのちゃんとはじめてあったときいらいだよ」

 

チノ「また一緒に寝られて嬉しいです」

 

ここあ「わたしも//」ギュッ

 

チノ「……//

 

ここあ「ちのちゃん……」スリスリ

 

チノ「また、泊まりに来てくださいね」

 

チノ「ここも……ラビットハウスも、ここあさんのおうちですから」

 

ここあ「うん//」ニコッ

 

チノ「二人でいい子にしていましょう」

 

ここあ「ちのちゃん、おやすみなさい」

 

チノ「おやすみなさい、ここあさん」ナデナデ

 

ここあ「んっ……//

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――

――――

――――――

 

 

――PM11:20 ラビットハウス前――

 

 

使用人「到着しました」

 

ユラ「ありがと~」ガチャッ

 

リゼ「わざわざ車で送ってもらってすまないな」

 

使用人「いえ、さすがにこの時間帯は危ないので」

 

ユラ「リゼとわたしならたぶん大丈夫だけどね~」

 

使用人「ここで待っています、小さいお嬢たちが目を覚まされないようくれぐれもお気を付けください」

 

ユラ「そんなヘマしないさ~保険のコスプレ衣装も着たし」

 

リゼ「それじゃあ行って来る」

 

使用人「御武運を」ビシッ

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

ユラ「おじゃましまーす」ガチャッ

 

タカヒロ「リゼくん、ユラくん、いらっしゃい」

 

リゼ「こんばんは」

 

タカヒロ「寒い中、わざわざありがとう」

 

リゼ「車で来たので大丈夫です」

 

ユラ「あれ~?あそこで突っ伏して寝てるのって……」

 

リゼ父「ぐが~」Zzz

 

タカヒロ「車なら、ついでにあそこの酔っぱらいを連れて帰ってもらえるかい?」

 

リゼ「すいません、ご迷惑をおかけして」ペコリ

 

リゼ「まったく……おい親父、起きろ」ペシッ

 

リゼ父「んが……?」Zzz

 

ユラ「ユラちゃんとリゼがお迎えに来たよ~」

 

リゼ父「お前たち……来てくれたのか……」

 

リゼ父「ん……」Zzz

 

ユラ「また寝ちゃったね~」

 

リゼ「親父」グイッ

 

タカヒロ「リゼくん、わたしが車まで連れて行くから構わないよ」

 

ユラ「運ぶの手伝おっか~リゼは先に行ってていいよ~」

 

ユラ「はい、プレゼント」スッ

 

リゼ「ここあのはわたしが選んだが、お前が選んだチノのプレゼントはなんだ?」

 

ユラ「秘密~明日チノちゃんに教えてもらって~」

 

リゼ「?」

 

ユラ「それじゃあ先によろしく~」フリフリ

 

リゼ「ああ」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――チノの部屋――

 

 

――ガチャッ

 

リゼ「………………」

 

チノ「すぅ…………」Zzz

 

ここあ「ふにぅ……」Zzz

 

リゼ(気持ちよさそうに寝ているな……)フッ

 

リゼ(プレゼントは……この辺でいいか)

 

リゼ(ほら、ここあ……お前の欲しがっていた、わたしとお揃いのモデルガンだぞ)

 

リゼ(親父が別注で小さいサイズをつくってくれたんだ、良かったな)

 

リゼ(この絵本10冊はわたしから、この色鉛筆は使用人からだ)

 

リゼ(喜んでくれるか?)

 

ここあ「むにゃ……ぇへへ……」Zzz

 

リゼ「ふふっ……」

 

リゼ(チノにはユラが選んだプレゼントと)スッ

 

リゼ(わたしからは手製のぬいぐるみだ)

 

リゼ(いつもありがとうな、チノ)

 

チノ「んにぅ…………」Zzz

 

リゼ(さて……――ん?)

 

リゼ(これは、手紙か?)スッ

 

リゼ(サンタへのお手紙か……二人で描いたんだな)

 

リゼ(どれ……)パラッ

 

 

リゼ(……――――!)

 

 

 

 

 

ユラ「良い子に夢を運ぶ、ユラちゃんトナカイ登場~」ガチャッ

 

ユラ「リゼ~お待たせ~」

 

リゼ「………………」

 

ユラ「……?リゼ~」

 

リゼ「………………」

 

ユラ「?」ヒョイ

 

 

リゼ「」ポロポロ

 

 

ユラ「!」

 

リゼ「っく……ヒック……!」ポロポロ

 

ユラ「リゼ……どうしたの?」

 

ユラ「んっ?それ、手紙……?」

 

ユラ「…………」スッ

 

ユラ「――!」

 

 

 

リゼちゃんが、一番欲しがっているものをください。

 

 

 

ユラ「……ここあちゃん」

 

ユラ(裏にも、なにか描いてある)

 

 

 

みんながずっと笑顔でいてくれますように。

 

みんなに悲しい事がありませんように。

 

リゼちゃんが、もっともっと幸せになれますように。

 

 

 

ユラ「………………」

 

リゼ「ぇぐ……グスッ……」ポロポロ

 

ユラ「ここあちゃん……?」スッ

 

ユラ「ここあちゃんは、何もいらないの……?」

 

ユラ「リゼや、みんなのことばっかり……自分は、いいの……?」

 

ここあ「…………」Zzz

 

ユラ「……みんなが、溺愛するわけだね」

 

ユラ「リゼが、こうなっちゃうわけだよ……」ナデナデ

 

ここあ「ん……」Zzz

 

リゼ「……っ!」ヒョイ

 

ユラ「あ、リゼ……!」

 

ここあ「ふぉぇ……?」

 

リゼ「………………」ポロポロ

 

ここあ「サンタさん……?」

 

リゼ「……っ」ポロポロ

 

ここあ「やったぁ……きてくれた……」

 

ここあ「わたしのおねがい、かなえてくれる……?」

 

リゼ「…………」コクリ

 

ここあ「ありがとう……」

 

ここあ「りぜちゃん、よろこんでくれるかな……」

 

リゼ「っ……」ポロポロ

 

ここあ「…………」Zzz

 

ユラ「リゼぇ……なにしてるの?」

 

リゼ「……っ!」ギュッ

 

ユラ「ダメだよ……連れて帰ったりしちゃ」

 

リゼ「…………!」ブンブン

 

ユラ「今夜は我慢するって約束したでしょ?」

 

リゼ「っ……!」ブンブン

 

ユラ「わがままだねぇ……リゼは」

 

リゼ「…………」ポロポロ

 

ユラ「泣き虫で寂しがり屋で……あの頃と一緒……」

 

リゼ「……それでもいい」ポロポロ

 

ユラ「………………」

 

リゼ「……っ」ギュッ

 

ユラ「……わかった」

 

リゼ「!」

 

ユラ「ユラちゃんが助けてあげる」

 

リゼ「……?」

 

ユラ「ここあちゃんのこと連れて帰っていいよ」

 

ユラ「小さい頃みたいに、わたしに全部任せて」

 

リゼ「ユラ……」ポロポロ

 

ユラ「そんな情けない顔しないで~可愛い顔が台無しだよ~」フキフキ

 

ユラ「ほら、早く行って……チノちゃんまで起きちゃうよ」

 

リゼ「……ありがとう」

 

ユラ「ううん……リゼのためならね」

 

ユラ「おやすみ~」フリフリ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

使用人「…………ん?」

 

リゼ「…………」ガチャッ

 

ここあ「すぅ……すぅ…………」Zzz

 

使用人「……お嬢」

 

リゼ「ユラはここに泊まる……出してくれ」

 

使用人「……了解です」

 

 

リゼ「わたし……みんなに迷惑かけてるな」

 

使用人「……でも、お嬢のことを責めれる人、誰もいませんよ」

 

使用人「きっとあっしも、お嬢の立場なら同じことしてますから」

 

リゼ「…………」グスッ

 

使用人「…………」フッ

 

使用人「さぁ、帰りましょう」

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――AM2:14 リゼの部屋 IN ベッド――

 

 

ここあ「…………ん」

 

リゼ「…………」ギュッ

 

ここあ「ふぉぇ…………?」

 

リゼ「ここあ……おはよう」

 

ここあ「りぜちゃん……?」ポワーン

 

リゼ「ああ、わたしだぞ……」

 

ここあ「どうしてりぜちゃんが……?ちのちゃんは……?」

 

リゼ「…………」

 

ここあ「ここ、りぜちゃんのおへや……?」

 

リゼ「……サンタさんが、届けてくれたんだ」

 

ここあ「さんたさん……?」

 

リゼ「一人でいるのが寂しくて……サンタさんへの手紙に、『ここあ』って書いた」

 

ここあ「……!」

 

リゼ「そしたらさっき、届けてくれた……ごめんな」

 

ここあ「そっか……//」ニコッ

 

ここあ「りぜちゃん、さみしんぼうだね」

 

リゼ「そうだ……ここあがいないと一人で寝ることもできない、寂しがり屋だ」ギュッ

 

ここあ「さんたさん、りぜちゃんのおねがいちゃんときいてくれた?」

 

リゼ「ああ」

 

ここあ「ほしいもの、くれた?」

 

リゼ「言っただろう、わたしはここあが欲しかったんだ」

 

ここあ「わたしのおねがいもかなったよ//

 

リゼ「どんなおねがいだ?」

 

ここあ「ん~……ないしょ♪」

 

リゼ「ないしょか」クスッ

 

ここあ「あのね、りぜちゃん。わたし、さんたさんとおはなししたよ」

 

ここあ「わたしのおねがい、かなえてくれるっていってたの」

 

ここあ「ほんとうにかなえてくれた……よかった//

 

リゼ「……そうか」

 

ここあ「りぜちゃんのほしいもの、わたし?」

 

リゼ「そうだぞ」

 

ここあ「じゃあ……――えいっ//」ギュッ

 

リゼ「!」

 

 

ここあ「りぜちゃんがごちゅうもんの、ここあだよ//」ニヘラ

 

 

リゼ「……温かいな、それに、いい匂いだ」ギュッ

 

ここあ「んっ……//

 

リゼ「ふふっ……//ここあ、愛してるぞ」

 

ここあ「ん……わたしも//

 

 

――チュッ♪

 

 

 

 

――おしまい?

 

 

 

――チノの部屋――

 

 

チノ「…………」ポワポワ

 

チノ「――!」

 

チノ「これは……セラミックのキッチンセット!こっちは可愛いぬいぐるみ!」

 

チノ「ここあさん、起きてください。ここあさ――……!?」

 

ユラ「…………」Zzz

 

チノ「ユラさん!!?」

 

ユラ「ん……もうあさ~?」

 

チノ「ど、どうしてユラさんが!?ここあさんはどこに!?」

 

ユラ「おはよ~チノちゃん、ここあだよ~」

 

チノ「えっ!!?」

 

ユラ「今度はこんな姿になっちゃった~」

 

チノ「そんな……!イヤですっ!ここあさん!」

 

チノ「また一緒に料理しようって約束したじゃないですか!」

 

ユラ「……むふ~、なーんて」

 

チノ「!」

 

ユラ「ここあちゃんじゃなくてユラちゃんだよ~ここあちゃんならリゼのおうちにいるから大丈夫~」

 

チノ「ユラさん……?ここあさんはリゼさんのおうち……え、えっ……」

 

ユラ「後で説明するね~心配しなくていいよ~」

 

ユラ「それよりも、ユラちゃんの姿はイヤです、か~チノちゃんやっぱり毒舌だね~」

 

チノ「違います、あれは……その……!」アセアセ

 

ティッピー(チノのことからかって楽しんでおるじゃろう、ユラ)

 

ユラ(いつもはしっかり者なのにかわいいね~ふふ~)

 

 

 

 

――千夜&シャロ――

 

 

千夜「今年のクリスマスは忙しかったわね」

 

シャロ「まぁ、でも悪い気はしないわ」ズズッ

 

千夜「お疲れ様、シャロちゃん」

 

シャロ「…………ねぇ」

 

千夜「んっ?」

 

シャロ「ここあと仲良しの使用人さん……やっぱり何かあるのかしら」

 

千夜「なにかって?」

 

シャロ「今日のことよ。なんだか様子が変だったし……」

 

シャロ「前から感じてたけど、その……千夜に特別な思いでもあるのかなって」

 

千夜「あら、妬いてくれるの?嬉しい♪」

 

シャロ「そういう意味じゃないわよ!」

 

千夜「分かってるわ、冗談よ」

 

シャロ「ったく……」

 

千夜「……そうね、もしかしたらなにかを重ねているのかも」

 

千夜「自分の過去のこととか」

 

シャロ「過去……?」

 

千夜「いつもはサングラスで見えないけど」

 

千夜「使用人さんって、とっても悲しい目をしてるの」

 

シャロ「………………」

 

千夜「また今度、二人でお話しにいきましょ」ニコッ

 

シャロ「……しょうがないわね」

 

千夜「ありがとう、優しいシャロちゃんギューッ」ギュッ

 

シャロ「きゃっ……もう♪」

 

 

 

 

――使用人&リゼ父――

 

 

使用人「しっかりしてください……」

 

リゼ父「すまんな……うぅ」

 

使用人「客室のベッドで横になっていてください、水を持ってきますから」

 

リゼ父「まさか、お前に肩を貸してもらう日がまた来るとはな……」

 

使用人「……こんな時に、冗談はやめてください」

 

リゼ父「あの頃よりもきついな……これは――ウ゛ッ!」

 

使用人「っ!!?」

 

 

――おしまい♪

感想

  1. Beyond the Average より:

    クリスマスのお話の後に書くのは変かもしれませんが、
    明けましておめでとうございます!
    今年もよろしくお願いします。m(。_。)m

    さて今回もユラ先輩が活躍してて、なんだかユラ先輩のことを好きになってしまいそうです。ユラ先輩は友達付き合いが上手だし、何よりあの口調がクセになります…!もし私がチノの立場なら(朝起きたらユラ先輩がいたら)、サンタさんに最大限に感謝の意を表します!

    使用人さんが千夜に触れたとき、シャロが「この、変●!」とビンタするかと思いきやシャロも使用人さんを心配してて安心しました。
    一応、千夜も使用人さんについては勘づいてたんですね。(ということは今までの振るまいは素ではなかったんですね…。)
    「使用人さんの過去(?)」がすごい気になる展開でした。戦争で彼女を失ったとか?実は幼い娘がいた、とか?
    ぜひこれから使用人さんの過去を知りたいと思いました。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      明けましておめでとうございます。
      いえいえ、こちらこそ。

      今回のユラ先輩は、ハイライトシーンでの活躍でしたね。
      ユラ先輩の優しさや魅力を上手く引き出すことが出来たのではと自己満足しております。
      (ぜひ好きになってあげてください、実はわたしもユラ先輩のファンです)

      使用人さんは紳士ですので、シャロちゃんも使用人さんのらしくない意外な行動が心配になったのでしょう。
      (わたしのシャロちゃんに対するイメージはもっと優しいので)
      千夜ちゃんの行動は今までも素のままですよ、千夜ちゃんは相手によって態度を変えてしまうような子ではありませんので。

      使用人さんの過去、いつかは必ずや明るみにしますので、乞うご期待ください。
      (実は設定自体はずいぶん前から出来上がっていたりします)

  2. SS読むの大好き より:

    明けましておめでとうございます

    久しぶりに読ませて頂きました。

    サンタへの手紙を読んで泣いている自分がいた…

    ここあはやはり天使で優しい

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願い致しますね。
      更新、滞ってしまい申し訳ございません。

      ここあちゃんのキャラクターイメージは『天使』ですので。もちろん周りのみんなも優しいです。
      実は今回のお話、執筆者のわたしもお気に入りです。

  3. 虹見だいふく より:

    明けましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。

    ここあちゃんが優し過ぎて辛い・・・
    ここリゼペアが大好きなので続編は気になるけど最終回(別れ)はまだ見たくないというのが正直な感想です。

    あと、このシリーズの他のお話でも何かの伏線のような意味深な発言が気になりましたが、特に気になったのが未だにモカさんが出てこない所です。(ここあちゃんはココアちゃんの記憶がない=家族のことも忘れている?)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      返信が2週間も遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
      こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

      このシリーズ、最終話までの脚本は既に完成しているゆえに、執筆者のわたしも更新ごとに身を削る思いです。
      とは申しましても、まだまだここあちゃんたちの物語は続きますので虹見だいふくさんも共に物語を楽しんで頂けたらと思います。
      リゼちゃんが幸せそうにしている姿が、みんなの優しさが描いていて本当に微笑ましいです。

      実は本シリーズ、1話ごとに伏線を回収しては新たな伏線を張っていたりします。
      モカさんは物語に絡んでくるのでしょうか。また、ここあちゃんは本当にココアちゃん本人なのでしょうか。
      続編に乞うご期待ください。

  4. ラビットタンク より:

    砂水さん明けましておめでとうございます。今年自分は受験シーズンでおそらく地獄のような日々が待っているかもしれません………ですが、それを乗り越えた先にはごちうさ3期も待ってますし、それが来るまでも砂水さんのssも生きがいの1つとして読ませていただきます。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      明けましておめでとうございます。
      今年初めから不定期更新が続いておりますが、またいつもの更新ペースに戻れるように頑張りたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました